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第 5 章  Tentacles : 触手が蠢くインタラクティブアート作品

5.4 関連研究

タレーションの外に設置している。また、Tentacles の触手の仄かな光の変化を 鑑賞するためには、展示場所は可能な限り暗いことが望ましい。

 Tentacles は、直径 115mm、中心の高さ 12mm の薄いドームの上に、触手 にあたる 55 本の形状記憶合金アクチュエータを配置している。全体の色は LED の光が目立つように白で統一した。図 5-6 は、コンピュータグラフィックスによ るデザイン図(左)と LED を光らせた時のイメージ図(右)。図5-7 は完成し た触手ドームの写真である。

図 5-5

展示の設計

図 5-6

触手ドームのデザイン

(CG)

5.5.2 触手ドームのデザイン

 Tentacles は、テーブル上方にある赤外線カメラをセンサーとして、鑑賞者の 手の動きに反応して触手を揺らす。鑑賞者が手を動かした付近の触手が揺れるた め、手を移動させると複数の触手がざわざわと蠢きながら手の方へ近づいていく。

曲がる方向は、触手ドームの中心から同心円外側の方向。また、鑑賞者が手を動 かした状態から手を離す、もしくは手の動きを止めた後の 5 秒間は、揺れて戻る 動作を繰り返す。これには2つの理由がある。1つは、手の下にある触手の動き が鑑賞者から見えにくいことから、遅延して触手を動かすことにより鑑賞者自身 が触手の動きを見ることができるようにするためである。2つ目は、動きの余韻 を残して若干ランダムに触手が動くことで、機械的な予定調和を崩すためである。

触手の先端は、触手の動きと合わせて柔らかく光る。(図 5-8)さらに、1つの 触手が動くのと同時に単音が鳴り、鑑賞者が手を振ることで複数音が鳴る。この 原理により、鑑賞者が手を使って音楽を奏でているように感じることができる。

音の割り当てに関しては、55 個の触手それぞれに異なる音が割り当てられてい るのではなく、23 個の音(F3 〜 6G の # を除いた音)からランダムに選択した

図 5-7

触手ドームのデザイン(完成物)

5.5.3 インタラクションデザイン

音が鳴る。この理由は、55 個の異なる音を個別の触手に割り当てると手をかざ している場所によって音に偏りが発生し、55 個全て異なる音を使うと音の幅が 広すぎて心地よい音に聞こえないためである。

 図 5-9 は、制御システム全体の入力から出力までの概略図である。まず、赤外 線カメラからの入力画像を Cycling '74 Max/MSP/Jitter で開発したプログラ ムにより動作解析を行う。解析データをもとに個々の触手に相当する 55 個の制 御トリガーを発生させ、形状記憶合金アクチュエータ、LED、音響それぞれのア ルゴリズムに送信しいている。形状記憶合金アクチュエータと LED は、PWM 電圧制御回路により電圧を変化させて駆動する。音源モジュールは YAMAHA MOTIF-RACK ES を使用している。

図 5-8

触手の光の変化