都市計画分野においては、都市計画データの蓄積・管理、都市の現況分析、計画の策 定、住民への情報公開などの目的のため広く GIS が普及してきた。そのため、データ整 備の標準化も他の分野に先んじて行われ、「都市計画 GIS カタログ」に見られるデータ 整備のガイドラインが策定された。
都市計画カタログでは、A〜E まで 5 段階の品質クラスを設けられている。利用者は 使用目的に合った品質水準を定め、評価に際してはその品質水準に合った評価方法を適 用する。品質の定義はA〜Eの品質クラスごとに行われるが、地物ごとの品質要求は定 義していない。要求品質の分類は地理情報標準第1版を基にして完全性・論理一貫性・
位置精度・時間精度・属性精度に分けている。表‑3.8 に品質クラスの一覧と品質検査方 法(クラス A-3 の例)を記す。なお、平成12 年に編集されたガイドラインを見ると平 成11 年編集の「都市計画GISカタログ」に品質クラスに応じた図形種別、データの相 互関係、属性値の範囲が追加されている。
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表‑3.8 都市計画GISカタログでの品質クラスの一覧と品質検査方法
(クラスA-3の例)
品 質 クラス
品質名称 適応用途 品質サブクラス 備考
A-1 地番境界を除きほとん どの領域を確定できる。
概ね 1/500 精度に
相当する。
A-2 地形図に記されている 地物上の境界線に加え、
路線型の領域も確認で きる。
概ね1/1000精度に 相当する。
A 都市計画の領域 確定に利用でき る。
都市計画図作成 都 市 計 画 の 領 域 の 指 導に利用できる
A-3 地形図に記されている 地物上の境界線ならば 確認できる。
概ね1/2500精度に 相当する。
B-1 公共測量作業規定に準 ずる位置精度を有する。
概ね1/2500精度に 相当する。
B 形態的把握に利 用できる。
国 土 基 本 図 図 式 程 度 の地形と対比できる。
B-2 公共測量作業規定に準 ずる位置精度は保証さ れない。
概ね1/2500精度の 住宅概略図に相当 する。
C 地域の分析に利 用できる。
地 片 程 度 の 調 査 区 と 対比できる。
土 地 利 用 の 分 断 要 素
(地形)と対比できる
− − 概ね 1/10000 精度
の総括図に相当す る。
D 都市全体の分析 に利用できる。
総 括 図 の 作 成 に 利 用 できる。
町 丁 目 程 度 の 調 査 区 と対比できる。
街 区 の 形 状 と 対 比 で きる。
− − 概ね 1/25000 精度
の総括図に相当す る。
E 模式図として利 用できる。
都 市 の 代 表 的 な 骨 格 と の 位 置 関 係 が 把 握 できる。
− − 概ねA4サイズに入る 大きさ。
(都市計画GIS標準化ガイドライン(案))
表‑3.8 から目的に合った品質クラスを決めると、地理情報標準で定められている品質 要素の内容をもとに都市計画データ整備における品質を定義することが可能となる。表 -3.9は品質クラスA-3が選択された場合の品質定義の例である。
表‑3.9 都市計画 GIS 標準化ガイドラインに見られる品質定義と評価方法の例
(品質クラスA-3)
品質要素 品質定義
完全性 計画図に表されている領域は全て取得されていること。
論理一貫性 関連するデータに対し、法令による包含関係を満たしていること。
関連するデータと共有する境界線がすべて一致していること。
全て面図形で取得すること。
位置精度 地形図に表現できる境界線は標準偏差1.75m の地形図との相対精度が 0mであ ること。
地形図に表現できない境界線は規定しない。
時間精度 新たな都市計画の告示がなされていないこと。
属性精度 主題図は法令においてありえない値がないこと。
主題図は全て正しいこと。
上述した都市計画における品質定義に基づいて行った品質検査方法は表‑3.10 のように
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なる。基本的には地理情報標準の品質評価手順で規定されている方法に準拠した内容と なっている。
表‑3.10 品質検査方法
品 質 要 素
品質副要素 検査内容 検査対象 品質評価手続き 制限 計画書などにより箇所数が分か
る場合は、地域・地区・街区・施 設などの箇所数についてデータ の数を集計して比較(自動検査)
全ての 領域
検査結果=
1−(集計データ/統 計データ)
過剰:0%
漏れ:0%
完全性 過剰・漏れ
地域地区などの箇所数が分から ない場合は出力図を作成して計 画図との比較による目視検査を 行う。(目視検査)
全ての 領域
検査結果=
エラー数/全図形数
過剰:0%
漏れ:0%
関連するデータがある場合はデ ータの相互関係から包含関係が 正しいか検査する(自動検査)。
全ての 領域
検査結果=
エラー数/全図形数
0%
領域一貫性
関連するデータと一致する境界 線がある場合は、一致しているこ とを検査する。
・ 全て一致している場合は自 動検査
・ 部 分 的 に 一 致 す る 場 合 は
1/2500 以上の出力図を作成
して目視検査。
該 当 す る 境 界 線 を 構 成 す る 全 て の 座 標
検査結果=
図上0.2mm以上ずれ
ている座評点数/点検 座標数
属性が吹かされているか検査す る(自動検査)
全ての 領域
検査結果=エラー数/
(全図形数*全属性 項目数)
0%
論 理 的 一貫性
書式一貫性
全て面図形として取得されてい るか検査する(自動検査)。
全ての 領域
検査結果=
エラー数/全領域数 I 〜 III
に 分 類 さ れ る 境界線
公 共 測 量 作 業 に 基 い て デ ジ タ ル 化 さ れ た
1/2500地形図と、作成
し た デ ー タ が 境 界 線 の 根 拠 と な る 地 物 の
0.2mm 以内にあるか
検査。地形図がデジタ ル 化 さ れ て い な い 場 合はスキャナ(300dpi 以上)で読み込み検査 する(自動検査)。
該 当 す る 境 界 線 を 構 成 す る 全 て の 座 標
検査結果=
図上0.2mm以上ずれ
ている座評点数/全座 標数
0%
位 置 精度
絶対または 外部精度
IV に分
類 さ れ る 境 界 線
規定せず − − −
時 間 精 度
時間妥当性 原資料の時点から新たな都市計 画が決定、変更がされていないこ とを点検する。
原 資 料 の 時点
検査結果=
真または偽
真
定量的値の 精度
主題属性にありえない属性値が ないかを属性値の取り得る範囲 をもとに検査する(自動検査)。
全ての 領域
検査結果=
エラー数/主題属性項 目数
0%
属 性 精 度
分類の 正確性
主題属性が正しく入力されてい るかについて、出力図を作成し、
計画図との比較による目視検査 を行う(目視検査)。
全ての 領域
検査結果=
エラー数/主題属性項 目数
0%
集計データ:図形の数の集計値 統計データ:計画書の値など統計資料による値。
(都市計画 GIS 標準化ガイドライン(案))
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