• 検索結果がありません。

今 後の 課題

ドキュメント内 橡品質報告書.doc (ページ 131-135)

  品質要求及び品質評価手順の基準(案)の検討と品質評価実証実験を通して得られた今 後の課題点等について列挙する。

11.1. 地物の類型化についての検討 

  本調査研究作業において、JIS の抜取検査で定義されている「欠点要素」を大縮尺図式 で扱う地物に全て適合させ、地物の品質要素毎に「重み」を付加し、重みを品質評価基準 とした地物の類型化を行った。その結果、今まで、個別の地物毎に定義されていた品質評価 基準を類型化した地物群に与えることができ、13の地物群にまで簡略化することができた。

それに伴い、品質要求の記述図書を大幅に減少させることができた。

  しかし、これらの地物群への類型化作業は、研究従事者の今までの経験を基に行なわれ たもので、実情に完全に即しているとは断言できるものではない。このように類型化され た地物群が今回の検討内容で適合しうるのか、さらに種々の実証実験を通して検証してい く必要がある。

  また、今回検討の成果である 13 程度の類型化では、まだまだ十分とは言えず、7〜8 程度に簡略化できなければ実業務には適用できないのではないかという意見も出されてい る。類型化の手法も含め、今後継続的な検討が必要である。

11.2. 品質基準の検討 

  本研究作業では、品質要素の重みに対して品質基準を設定する方法を提示した。この品質 基準は、公共測量における竣工検査規程を準用した基準として作成したものであり、この 適用の是非についても、今後のさらなる実証実験が必要である。

また、位置正確度の品質基準に計数規準型を用い、従来の標準偏差での表記方法と異な る方法を提示した。さらに、位置正確度の地物毎の品質の重みにより、許容すべき位置正 確度の規定値を変える方式も提示した。

これらの方法の適用についても継続した検討が必要である。

11.3. 地域的な特性による類型化の検討 

  本研究作業では、類型化を行うにあたり地物のもつ「欠点要素」に着目し、類型化を行 ったが、「地図データの品質とその評価に関する指針  第1版(案)」に記述されているよ うな地域的な特性による類型化の検討は行っていない。

  地域的な特性による類型化は、空間データの品質評価を行う際、ロットをどのように形 成するかについての層別化手法である。都市部と農村部で同じ品質評価手法を適用できる のか、層別化を行い別の品質基準を定める必要があるのか等について、効率性も含めて、

125 今後検討を進めていく必要がある。

11.4 抜取検査手法への理解 

  抜取検査手法は「誤りが含まれることを許容する」ことを前提として行われる検査手法 である。また、提示した品質基準(案)も誤りが含まれることを前提として作成されたもの である。

  このような「誤りが含まれることを許容する」という認識を、計画機関及びデータ作成 者がどの程度許容することができるのであろうか。このことは、この品質評価手法(案)が 今後広く利用される場合の大きなキーワードのひとつである。

 

11.5. 他の抜取検査手法の適用 

  本研究作業では、抜取検査手法としてJISZ9002を適用したが、JISやISOの抜取検査 手法には他の規定が存在する。それらの他の規定類を適用し、都市部や複雑な地理的条件 及び作成範囲や作成データの膨大なものなどに最適な抜取検査手法を今後探っていく必要 がある。

11.6. 実証実験の拡大 

  本研究作業の実証実験は、狭い範囲で行われ、農村部という地理的条件のため全ての面 での検証を行うことができなかった。今後は、実証実験の範囲や地域を拡大し、この基準

(案)の実運用上課題・問題点等の検証をさらに進める必要がある。また、実証実験で生 じた課題に対して実験地域を拡大することで検証をしていく必要がある。

11.7.  品質評価報告書の簡素化 

  本研究作業において、品質評価報告書(案)を作成したが、実運用上次のような問題点 が生じている。

①  地理情報標準において、記載項目についての説明が不足し、かつ具体的な例がな いためどのようなことを記載すべきか分からない項目がある。

②  JIS の抜取検査を行い、その結果を報告書に載せる場合、個別の検査単位(メッ シュ)内での結果(検査院スタンス数、抜取率他)について報告するスペースが 無い。

③  全てのデータ、ロットに対して報告書を作成する場合、今回提示した報告内容で は作業負担が相当大きい。

126

  このように、品質評価報告書作成時の問題点が多々ある。実際に品質評価報告書を作成す る際には報告書作成の負荷を軽減することも急務である。品質評価報告書の簡素化と品質 表示方法も合わせて検討を行う必要がある。

11.8. 各データ品質副要素の適用方法の検討 

  今回の検討したデータ品質副要素の中に概念一貫性は含まれていない。この概念一貫性 は国内の他の研究作業においても未着手の部分である。この概念一貫性ばかりでなく、各デ ータ品質副要素の適用方法を明示する必要がある。今回行った実証実験においても絶対位 置正確度と相対位置正確度に関して課題点を提示しているが、これらの検討と提示は急務 である。

127 

<参考文献> 

  ISO/TC211 19113 Quality Principles (CD3.0:2000‑05‑08) 

  ISO/TC211 19114 Quality Evaluation Procedures (CD3.0:2000‑12‑18)  地理情報標準  品質原理  第 1.2 版  (2001.3)  地理情報標準検討部会 WG2  地理情報標準  品質原理  第 2 版  (2002.3)  地理情報標準推進委員会  地理情報標準  品質評価手順  第 1.2 版  (2001.3)  地理情報標準検討部会 WG2 

地理情報標準  品質評価手順  第 2 版  (2002.3)  地理情報標準推進委員会  地理情報標準の解説  第 0.5 版  (2000.3)  地理情報標準推進委員会 

地理情報標準の解説  第 1 版  (2002.3)  地理情報標準推進委員会 

「空間データ作成・検証実験報告書」  (2001.3)  地理情報標準検討部会  地図データの品質とその評価に関する指針  第 1 版  (2001.3)  国土交通省 国土地理院 

数値地形図データにおける地理情報標準に準拠した空間データ構築に関する 研究作業報告書  (2001.3)  国土交通省国土地理院 

  空 間 デ ー タ の 品 質 評 価 手 法 に 関 す る 調 査 研 究 作 業 ( 第 二 年 次 ) 報 告 書  (2001.3)  国土交通省国土地理院 

JISZ9002‑1956  計数規準型一回抜取検査(不良個数の場合)  日本規格協会  JISZ9015‑1999  計数値検査に対する抜取検査手順  日本規格協会 

  平田更一(2001);品質評価手順―ISO/TC211の紹介⑮、測量、2001.3、

社団法人日本測量協会 

品質管理のための統計的方法入門  鐵  健司(日科技連) 

  国土交通省国土地理院:GIS 次世代情報基盤の構築手法及び活用に関する調 査研究作業、2001年3月  津留宏介  中島保、藤原輝芳:航空レーザ測量の 品質評価、写真測量とリモートセンシング、2002年Vol.41, No.1, 2002

   

ドキュメント内 橡品質報告書.doc (ページ 131-135)