1 調査の目的・方法等
(1)調査の趣旨および目的
国立女性教育会館では、若者を対象としたキャリア形成支援に男女共同参画の 視点を組み込む方策や関連機関の連携のあり方等を検討するため、平成25年度 に1年計画で「男女共同参画の視点に立った若者のキャリア形成支援に関する調 査研究」を実施した。本報告は、この調査研究の一環として行った、全国の都道 府県、市、特別区の男女共同参画担当部局を対象としたアンケート調査結果の概 要をまとめたものである。
「第3次男女共同参画基本計画」においては、男女共同参画の視点を踏まえたキャ リア教育や若年期のライフプランニング支援の推進を図ることとされている(「第 11分野 男女共同参画を推進し多様な選択を可能にする教育・学習の充実」「第 7分野 貧困など生活上の困難に直面する男女への支援」)。若い世代の性別役割 分担意識は根強く残っており、生涯を見据えた若年期からのキャリア形成支援を 進める上で、男女共同参画の視点を組み込むことはとても重要である。また、男 女共同参画担当部局や女性/男女共同参画センターにおける事業では、高齢化・
固定化の傾向がみられ、より幅広い年齢層、とくに若者へのアプローチが喫緊の 課題となっている。
そこで、男女共同参画の地域づくりを次世代につなぎ、地域課題の解決を図る ために、男女共同参画担当部局や女性/男女共同参画センターが、若者を対象と してより積極的な取組を行うための全国的な資料を得ることを目的に、本調査を 実施した。
なお、ここにはハンドブックの巻末資料として、アンケート調査の結果概要の み掲載している。この他、調査票や集計表については、国立女性教育会館ホーム ページから閲覧できる。
(2)調査の方法・対象等
1)実施時期 平成25年7 ~ 8月
る若者を対象とした事業に関するアンケート調査」結果概要
1
資料1 アンケート調査結果概要
2)調査方法 郵送による調査票の配布および回収
3)調査対象 全国の自治体の男女共同参画担当部局(町村を除く)859(平 成25年4月現在)
〈自治体区分別の数〉
都道府県(47)・政令市(20)・特別区(23)・その他の市(640)
4)回収状況 配布数859 回収数730 回収率85.0%
〈自治体区分別の回収数・回収率〉
都道府県47(100.0%)・政令市20(100.0%)・特別区23(100.0%)
その他の市640(83.2%))
2 調査結果の概要
(1)回答自治体の属性 1)自治体区分別回収数
自治体区分(都道府県・政令市・特別区・中核市・特例市・その他の市)によ る回収数および回収率は以下のとおりである。都道府県、政令市、特別区の回収 率は100.0%。全体の回収率は85.0%(730)。
図表1 自治体区分別回収数
回収自治体数 自治体数 回収率(%)
都道府県 47 47 100.0
政令市 20 20 100.0
特別区 23 23 100.0
中核市 37 42 88.1
特例市 35 40 87.5
その他の市 568 687 82.7
合計 730 859 85.0
2)自治体区分別 女性 / 男女共同参画センターの有無
女性/男女共同参画センターの有無を自治体区分別にみると、都道府県は2自 治体を除き全自治体に、また政令市および特別区は全自治体にセンターがあると 回答している。中核市と特例市合わせてセンターがあるのは76.4%、その他の市 でセンターがあると回答したのは25.4%である。
ある ない その他 合計
都道府県 45 2 0 47
95.7% 4.3% 0.0% 100.0%
政令市 20 0 0 20
100.0% 0.0% 0.0% 100.0%
特別区 23 0 0 23
100.0% 0.0% 0.0% 100.0%
中核市・特例市 55 15 2 72
76.4% 20.8% 2.8% 100.0%
その他の市 144 422 2 568
25.4% 74.3% 0.4% 100.0%
合計 287 439 4 730
39.3% 60.1% 0.5% 100.0%
(2)若者にかかわる実情についての考え方 1)若者にかかわる実情の捉え方
男女共同参画担当部局として、若者にかかわる実情をどのように捉えているか、
複数回答の選択式で質問した(それを裏づける客観的データがなくてもかまわな いとした)。図表3に示すように、都道府県では「非正規雇用者(パート・アル バイト・派遣・契約等)が多い(または増えている)」(63.8%)を選ぶ割合が最 も高く、次いで「結婚したいができない若者が多い」(51.1%)、「地域に就業の 場が少なく、若者の転出者が多い(または増えている)」(44.7%)の順であった。
政令市・特別区・その他の市の合計では、「地域に就業の場が少なく、若者の転 出者が多い(または増えている)」(49.5%)、 「地域活動に無関心な若者が多い(ま たは増えている)」(47.1%)、「非正規雇用者(パート・アルバイト・派遣・契約等)
が多い(または増えている)」(40.6%)の順に割合が高い。
自治体区分別にみると、「地域に就業の場が少なく、若者の転出者が多い(ま たは増えている)」と回答する割合が最も高いのは「その他の市」(55.3%)で、
他は「非正規雇用者(パート・アルバイト・派遣、契約等)が多い(または増え ている)」と回答する割合が最も高い(図表4)。
資料1 アンケート調査結果概要
図表3 若者の実情をどのように捉えているか(複数回答)
若者のいる世帯が少ない
(または減っている)
地域に大学等の進学先がなく、
若者の転出者が多い(または増えている)
地域に就業の場が少なく、
若者の転出者が多い(または増えている)
非正規雇用者(パート・アルバイト・派遣・契約等)
が多い(または増えている)
若者の無業者が多い
(または増えている)
昇進につながるような能力形成の 機会が少ない 雇用者の長時間労働が多い 若者の居場所が少ない 地域活動に無関心な若者が多い
(または増えている)
生活困難を抱える若いひとり親が多い
(または増えている)
結婚したいができない若者が多い 若者の性別役割分担意識が根強い わからない その他
0 20 40 60 80 (%)100
10.6%
2.1%
25.5%
51.1%
23.4%
27.7%
14.9%
23.4%
8.5%
38.3%
63.8%
44.7%
12.8%
25.5%
2.9%
5.4%
10.1%
27.8%
24.2%
47.1%
34.4%
10.0%
8.5%
13.2%
40.6%
49.5%
40.3%
39.7%
都道府県(N=47)
政令市・特別区・その他
(N=683)
域に大学等の進学先がなく、若者の 域に就業の場が少なく、若者の転出 ・アルバイト・派が多い(または増えている) 進につながるような能力形成の機会
都道府県
(n=47)
12 6 21 30 18 4 11 7 13 11 24 12 1 5
25.5% 12.8% 44.7% 63.8% 38.3% 8.5% 23.4% 14.9% 27.7% 23.4% 51.1% 25.5% 2.1% 10.6%
政令市
(n=20)
3 0 2 14 7 4 5 3 8 7 8 8 1 1
15.0% 0.0% 10.0% 70.0% 35.0% 20.0% 25.0% 15.0% 40.0% 35.0% 40.0% 40.0% 5.0% 5.0%
特別区
(n=23)
3 1 0 13 5 1 4 7 12 7 5 1 0 2
13.0% 4.3% 0.0% 56.5% 21.7% 4.3% 17.4% 30.4% 52.2% 30.4% 21.7% 4.3% 0.0% 8.7%
中核市・
(n=72)特例市
22 10 22 38 13 3 13 15 31 21 21 19 8 2
30.6% 13.9% 30.6% 52.8% 18.1% 4.2% 18.1% 20.8% 43.1% 29.2% 29.2% 26.4% 11.1% 2.8%
その他の市
(n=568)
243 264 314 212 65 50 46 210 271 130 156 41 28 15 42.8% 46.5% 55.3% 37.3% 11.4% 8.8% 8.1% 37.0% 47.7% 22.9% 27.5% 7.2% 4.9% 2.6%
合計
(N=730)
283 281 359 307 108 62 79 242 335 176 214 81 38 25 38.8% 38.5% 49.2% 42.1% 14.8% 8.5% 10.8% 33.2% 45.9% 24.1% 29.3% 11.1% 5.2% 3.4%
*自治体区分ごとにそれぞれ上位 3 位を色づけした。
2)焦点をあてる対象
地域の実情を踏まえ、男女共同参画担当部局が若者を対象とした事業を実施す る場合、特にどのような対象に焦点をあてることが重要と考えるか、複数回答の 選択式で質問した(実施実績の有無にかかわらない)。図表5に示すとおり、都 道府県では「学生(大学生、短大生、専門学校生等)」の回答が6割以上、次い で「特定の対象に焦点をあてず、若者一般として実施するほうがよい」が約5割あっ た。「政令市・特別区・その他の市」では「特定の対象に焦点をあてず、若者一 般として実施するほうがよい」(56.5%)が最も高くなっている。
資料1 アンケート調査結果概要
図表5 どのような対象に焦点をあてることが重要だと考えるか(複数回答)
0 20 40 60 80 (%)100
都道府県(N=47)
政令市・特別区・その他
(N=683)
その他 わからない 特定の対象に焦点をあてず、
若者一般として実施するほうがよい 結婚希望者 ひとり親 正規雇用者 非正規雇用者
(パート・アルバイト・派遣・契約等)
いったん仕事に就いたが離職し、
就職活動をしていない無業者 いったん仕事に就いたが離職し、
就職活動をしている人 学校卒業後、仕事をしていない無業者 学生(大学生、短大生・専門学校生等)
6.4%
2.1%
51.1%
8.5%
17.0%
12.8%
10.6%
12.8%
19.1%
23.4%
66.0%
5.6%
6.1%
56.5%
13.3%
14.3%
7.6%
22.4%
18.9%
24.2%
18.6%
31.3%
これらの選択肢のうち、最も重要と考えるものを1つ選んだ回答を、自治体区 分別にみると図表6のようになる。都道府県および政令市では、「学生(大学生、
短大生・専門学校生等)」、その他では「特定の対象に焦点をあてず、若者一般と して実施するほうがよい」と答える割合が最も多い。
自治体 区分
ったん仕事に就いたが離職し、就職 ったん仕事に就いたが離職し、就職 定の対象に焦点をあてず、若者一般
都道府県
(n=47)
22 1 1 0 0 1 1 1 13 0 1 6 47
46.8% 2.1% 2.1% 0.0% 0.0% 2.1% 2.1% 2.1% 27.7% 0.0% 2.1% 12.8% 100.0%
政令市
(n=20)
8 0 2 1 0 1 0 0 1 0 1 6 20
40.0% 0.0% 10.0% 5.0% 0.0% 5.0% 0.0% 0.0% 5.0% 0.0% 5.0% 30.0% 100.0%
特別区
(n=23)
3 3 1 1 2 0 2 0 6 0 3 2 23
13.0% 13.0% 4.3% 4.3% 8.7% 0.0% 8.7% 0.0% 26.1% 0.0% 13.0% 8.7% 100.0%
中核市・特例
(n=72)市
19 4 5 5 2 1 3 1 22 0 4 6 72
26.4% 5.6% 6.9% 6.9% 2.8% 1.4% 4.2% 1.4% 30.6% 0.0% 5.6% 8.3% 100.0%
その他の市
(n=568)
65 20 32 14 20 4 12 17 287 3 16 78 568
11.4% 3.5% 5.6% 2.5% 3.5% 0.7% 2.1% 3.0% 50.5% 0.5% 2.8% 13.7% 100.0%
合計
(N=730)
117 28 41 21 24 7 18 19 329 3 25 98 730
16.0% 3.8% 5.6% 2.9% 3.3% 1.0% 2.5% 2.6% 45.1% 0.4% 3.4% 13.4% 100.0%
*自治体区分 センター有無別にそれぞれ最も回答の多かったものを色づけした。
(3)若者を対象とした事業の実施 1)平成 24 年度の事業実施の有無
平成24年度に実施した若者を対象とした事業について質問した。なお、本調 査では、「若者を対象とした事業」の定義について、以下のように提示した。
本調査では、「若者」は、「おおむね18歳以上35歳未満の男女」をさします。
参加者募集の要項・ちらし等に明記していなくても、結果として参加者の過半 数が「若者」であった事業を含みます。また、生活困難な若者支援の観点から、
ひとり親を対象とした取組も含みます。
ただし、男女共同参画担当部局や女性/男女共同参画センターにおいて、すで に多くの実施実績がある(1)出産・育児期に就労を中断した女性を主な対象とし たもの、(2)子育て中の男女を主な対象としたもの(子育て講座、イクメン養成 講座等)は除きます。
資料1 アンケート調査結果概要
事業を実施の有無を自治体区分別にみると、「実施した」と回答したのは、都 道府県で30件(63.8%)、政令市で19件(95.0%)、特例区9件(39.1%)、中核市・
特例区35件(48.6%)、その他の市80件(14.1%)であり、特に政令市で実施率 が高く、その他の市では比較的低い(図表7)。
図表7 自治体区分別 平成24年度の事業実施の有無
事業件数
自治体区分 実施した 実施して
いない 合計
都道府県 30 17 47
63.8% 36.2% 100.0%
政令市 19 1 20
95.0% 5.0% 100.0%
特別区 9 14 23
39.1% 60.9% 100.0%
中核市・特例市 35 37 72
48.6% 51.4% 100.0%
その他の市 80 488 568
14.1% 85.9% 100.0%
合計 173 557 730
23.7% 76.3% 100.0%
図表8は、事業を実施した173自治体のうち、男女共同参画担当局での実施件 数を示している。実施実績のある自治体の61.8%(107自治体)が男女共同参画 担当部局で事業を実施しており、事業数はどの自治体区分でも1件が最も多い。
図表8 自治体区分別 平成24年度の男女共同参画担当部局の事業件数(N=173)
事業件数
自治体区分 1 2 3 6 実施して
いない 合計
都道府県 11 4 2 0 13 30
36.7% 13.3% 6.7% 0.0% 43.3% 100.0%
政令市 5 2 1 0 11 19
26.3% 10.5% 5.3% 0.0% 57.9% 100.0%
特別区 1 1 0 0 7 9
11.1% 11.1% 0.0% 0.0% 77.8% 100.0%
中核市・特例市 15 5 0 0 15 35
42.9% 14.3% 0.0% 0.0% 42.9% 100.0%
その他の市 39 14 6 1 20 80
48.8% 17.5% 7.5% 1.3% 25.0% 100.0%
合計 71 26 9 1 66 173
41.0% 15.0% 5.2% 0.6% 38.2% 100.0%