機関名:静岡市女性会館
〒420-0865 静岡市葵区東草深町3番18号 Tel 054-248-7330
http://aicel21.jp/
第3章 若者のキャリア形成支援にかかわる取組事例
習センターが11館、清水地区には小学校区ごとに生涯学習交流館もあり、公共 の社会教育施設が多く設置されている。当会館は、平成19年度に指定管理者制 度が導入された。平成7年度より当会館で開始された人材育成塾「アイセル女性 カレッジ」の1期から6期の修了生が中心となって立ち上げた「(特非)男女共同 参画フォーラムしずおか」が指定管理者となり、現在2期目(平成24 ~ 29年度)
となる。当会館の運営にあたっては、法人の理事会において、市内に1つしかな い男女共同参画推進の拠点である女性会館が、他の社会教育施設と同じような講 座をしていてはダメだという指摘があった。そこで、困難を抱えた人、来館して もらわなくてはいけないのに来館してもらっていない人はだれかについて職員で 話し合い、20 ~ 40歳代の働いている女性たちが女性会館をあてにしていないこ とが問題として浮かび上がった。
当時、2年間連続定員割れなしということを売りにしていたが、定員割れをし てもいいからニーズに応えていく覚悟をした。そして平成21年度に、非正規雇 用で働いている、または求職中の20 ~ 30歳代の女性を対象に、「正社員で働き たい」という講座を行った。すると、なかなか帰らずに残って個別相談をしたい という人もいたために、その後、女性のキャリア相談や転職相談を少しずつ始め た。現在はこれらを「個別サポート」事業のキャリア相談とし、「女性のための 就職・転職相談」(再就職や転職を考えているおおむね40歳代以下の女性)、お よび「働き続けたい女性のキャリア相談」(転職やキャリアアップを図りたいお おむね40歳代以下の女性) を実施している。
平成22年度には文科省委託事業「女性のライフプランニング支援総合推進事業」
を受託し、30歳前後の独身女性に焦点をあて、ライフプランニングにかかわる 連続セミナーを実施した。平成23年度には、タリーズコーヒーを会場に、2カ月 に1回、身近な女性が事例となる「ロールモデルカフェ」を行った。これらの参 加者は、正規雇用者がほとんどだったため、もっと困難な立場にある女性を対象 にしようということで、平成24年度には、「働く女性のためのわたしプロデュース」
(正社員以外で働く1980年以降に生まれた女性20名対象、全3回)、平成25年に は「男女共同参画週間記念講演 安心して働きたい2013 ~しあわせに働ける社会 へ~」(20 ~ 30歳代の男女もしくはその支援者30名対象)を実施した。若年無 業女性への取組としては、横浜市男女共同参画推進協会が行う講座を参考にして、
働きづらさに悩む39歳までの独身女性対象)は、平成25年度で5期目になった(初 年度のみ年2回実施)。
外部資金の獲得や連携は積極的に行っており、平成25年度には日本女性学習 財団との主催で「女子限定プレ就活セミナー」(女子学生20名対象)を静岡県立 大学キャリア支援センター・男女共同参画推進センターと共催し、大学を会場に 実施した。その他、学生を対象としたDV防止出前講座を、静岡県立大学や清水 看護専門学校、静岡看護専門学校等を会場に実施している。また、ウィメンズセ ンター大阪が全国で開催している「もっと知りたい女(ワタシ)のカラダ全国キャ ラバン」に応募し、「私のカラダを『いいね!』に変える静岡女子会」(20・30 歳代の女性対象、100名対象で100名以上の申し込み、協賛:大塚製薬株式会社)
を開催した。
>>事業概要─取組の概要、プログラム、連携、取組の工夫等
「静岡学習支援ネットワーク」の無償学習教室「宿題カフェ」活動支援
大学生のグループ「静岡学習支援ネットワーク」(静岡県立大学、静岡大学、
常葉大学の学生14名が平成24年2月に結成)が行う中学生を対象とした学習支 援活動を支援している。この学習支援は、有料の塾に通えない、あるいは家庭環 境が複雑で勉強できる環境にない中学生に対して無償で行うものである。熱海で 活動をしていた静岡県立大学の女子学生が、静岡でも活動を始めたいと考え、大 学の教員に相談したところ、交流のあった当会館館長に相談するよう助言があっ た。当初は、定期的に会場を提供するために必要な手続きとして、市の男女共同 参画・市民協働推進課を通じて教育委員会の許可を取っていたが、支援をさらに 円滑に行うために、平成24年に立ち上げた「個別サポート」事業の一環として、
この取組を事業化した。
「宿題カフェ」は、基本的には毎週金曜日18:30−20:00に開催している。そ の前後に準備や打ち合わせ、反省会、ケース検討会を行う。当会館職員はこれら にはほとんど入らないが、メーリングリストにスーパーバイザーとして入ってい て活動報告等を受けている。学習支援の対象となる中学生は、大学生が面接をし、
困難度が高い人から受け入れているため、母子家庭やDV被害のある家庭も多い。
第3章 若者のキャリア形成支援にかかわる取組事例
学生だけで心配な面接には職員が立ち会うこともある。DV加害者の父親の来館 等、万が一のことにそなえて、中学生のリストを共有している。大学生たちは、
季節ごとに1回、学習教室を中学生にとっての心地よい居場所にするためにイベ ントも開いている。新聞等に取り上げられ、活動が徐々に知られるようになると、
参加を希望する中学生が増え、平成25年度からは、当会館の他に児童館と学習 交流館の市内の全3カ所に活動を広げている。
ふみだす女子のパソコン&しごと準備講座 2013
10/16 ~ 11/22の全15日間 対象: 働きづらさに悩むおおむね39歳までの独 身女性
パソコン講座 8回13:30−16:30 しごと準備講座 7回10:30−15:00 内容: 「こころをほぐしてわたしらしさ再発見」「ときめきコラージュ~イメー
ジ力で未来を描く~」「自分の声を知る実技」「なごみカフェ体験」「わ たしの気持ち大切に~コミュニケーションのしくみ~」「プロが教える メイクレッスン」「フォトグラファーの証明写真撮影会」「おしごとマナー の基礎知識」「こころを楽にする呼吸法」「将来に向けて・先輩受講生の 話」「修了式」
この講座に参加した女性の個別相談から、居場所づくりの必要性を感じ、毎月 1回「ふみ女交流会」を開催し、当事者の交流・情報交換を支援している。日曜 日の11時頃から17時まで、「いつ来てもいい、いつ帰ってもいい」という約束で 行っている。1回に10名程度が参加。一番集まる昼すぎに職員が立ち会い、近況 報告をしてもらっている。
>>男女共同参画の視点にかかわる工夫
職員は男女共同参画について常に学習し、先見性を養うよう心がけている。当 法人の理事からは、当事者性だけで仕事をしていると、10人足らずの職員の当 事者性などあっという間に底をつくと言われている。そこで、月2回の休館日の うち1回を職員研修にあて、第2次と第3次の国の基本計画を読み比べたり、白 書や文献を読んだり、分担でレジュメを書き発表したりして、力量形成に努めて いる。これらにより職員の意識も大きく変わった。また、職員が積極的に資格を
生活相談員、ファイナンシャルプランニング技能士、イラスト等、専門性や得技 を活かし、講師や相談員を務めたり情報誌等のデザインや編集を内部で行うこと で、予算をおさえつつ効果的な事業の実施を可能にしている。
「宿題カフェ」の支援については、学生から会場使用の相談があり、市に許可 を取って部屋の提供を始めたが、参加する中学生がいきいきしてくる様子や、大 学生の活動支援が中学生の母子家庭支援にもつながること等から、当会館で継続 的に支援する意義を確認し、事業化している。大学生は図書を借りたり、当会館 が実施する講座に参加したりして、男女共同参画について知る機会になっている。
平成25年8月に行われた国立女性教育会館主催の「男女共同参画推進フォーラム」
では、静岡市女性会館の取組としてこの大学生が活動を報告、また平成26年2月 には、グループと当会館との協働で「静岡学習支援ネットワーク公開学習講座・
活動報告会 広がる学習支援 の輪~子どもの貧困を考える
~」を実施する等、男女共同 参画の視点での意味づけを行 いながら、個々の人材や活動 を丁寧に支援している。
>>成果・効果
「宿題カフェ」の活動を行っ ている静岡学習支援ネット ワークは、上述のような学習 活動や活動報告の機会を広げ ながら、支援活動を継続し、
現在は、市内3つの会場で教 室等を開いている。
「宿題カフェ」の活動が知 られるにつれ、学習支援を希 望する中学生は増えつつあ