機関名:福島県男女共生センター
〒964-0904 福島県二本松市郭内一丁目196-1 Tel 0243-23-8304
http://www.f-miraikan.or.jp/
若者を対象とした取組事例
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(1)学生を対象とした取組
第3章 若者のキャリア形成支援にかかわる取組事例
4 連携先への好影響「男女共同参画の視点」の導入
今後、センターとの連携が増えることで、連携先である大学等が行う就業セミ ナーやキャリア形成事業等を行うにあたり、男女共同参画の視点に配慮すること が期待できる。
>>企画にあたって─企画の前提・背景、地域の実情、施策やプランの方針・位置づけ等 1 21 世紀のはじまりとともにオープン、公設民営のセンター(現在は指定管理)
センターは、福島県が、男女共同参画社会の実現を目指すための県民の活動拠 点として、平成13年に二本松市に設置し、「財団法人福島県青少年育成・男女共 生推進機構」(設立:1978(昭和53)年、平成25年公益財団法人化)がセンター の管理運営、事業運営の委託を受けた。
その後、県は平成18年にセンターの管理について指定管理者制度を導入、当 財団が引き続き、センターの施設管理・事業委託を受け、現在2期目の最終年。(次 期指定管理者も決定)
2 これまでの事業方針と展開
「情報機能」、「自立促進機能」、「交流機能」の趣旨に沿い、下村満子前館長の下、
「ローカル・ナショナル・インターナショナル」をスローガンに様々な取組を実施・
展開してきた。
その後、センター開館10周年を迎えた年に福島大学の千葉悦子教授が館長に 就任、これまでの10年の取組を継承しつつ、「地域に根ざした取組」にさらに力 を入れる方針を打ち出した。
3 センターは若者世代の参加が課題
センター事業の参加者は、高齢者世代の割合が多く、若者世代の参加者を増や すことが課題であったが、現職の大学教授である千葉館長の就任により、センター と関係が薄かった若い世代(学生等)に、直接センターの存在や理念、事業を伝 える大きなきっかけができたほか、大学等の教育機関とセンターとの連携・協働 がしやすい状況となった。
4 地域における大学等との連携状況
センターの立地自治体(二本松市)に大学や短大はなく、他自治体にある高等 教育機関との連携は、信頼関係づくりなど工夫が必要であるが、前述したとおり、
また、広い県土に分散している高等教育機関(主に福島市、郡山市、会津若松 市、いわき市)が、それぞれの特徴を有したまま、県全体として豊かな教育機会 を若者たちに提供していくため、平成24年に設立された「アカデミア・コンソー シアムふくしま」の協力を得られれば、県全域において大学等高等教育機関と連 携し、若い世代に向けた男女共同参画事業の拡大が期待できる。
>>事業概要─取組の概要、プログラム、連携、取組の工夫等 1 事業の趣旨
地域特有の課題やその時々の課題等を取り上げ、講演や討論会等を開催し、男 女共同参画についての認識を高める。とりわけ、若い世代を対象としての実施が 要検討課題である。
2 企画の背景
千葉館長の福島大学とのつながりを活かし、以下の2点の事業を行った。
・ 既存の福島大学授業(福島大学総合科目「ジェンダーを考える」)を協働し て実施した。
・ 福島大学との連携実績を活かし、福島大学を通じてアカデミア・コンソーシアム ふくしまと連携し、さらに多くの大学等学生を対象とした事業を実施した。
(1)福島大学授業との連携事業 ※講師名・内容は別紙チラシ参照。講師の 所属・役職等は当時。
■既存の大学の授業にセンターが参画
平成23年度、平成24年度に、福島大学の男女共同参画の基礎を学ぶ教養授 業(週替わりで学外講師を招聘、主に1年生が受講)を、センターが講師選定 等から参画し、講師の謝金・旅費の一部を負担、共催として実施した。
■対象:福島大学生と男女共同参画に関心のある県民
本来は学生のみが受講対象であったが、センターが関わることで、一般県民 の聴講が可能となった。なお、一般聴講者への周知・申込み事務はセンターが 担当。
■テーマ:「震災とジェンダー」
平成23年3月11日の東日本大震災および東京電力福島第一原子力発電所事
第3章 若者のキャリア形成支援にかかわる取組事例
ながら生活する状況であったため、各講師のテーマは異なるが、「震災とジェ ンダー」を通底するテーマとして実施した。
なお、講師は、強制避難地区である飯舘村や浪江町の被災者を始め、県内外 において被災者支援や復興の活動に取り組んでいる方々を招いた。
■プログラム:多様な背景を持つ講師、90 分(質疑応答込)の授業(会場は 福島大学)
■連携先と役割分担
福島大学:講師選定・出講依頼、会場使用料等の負担
センター: 講師候補等の情報提供、講師旅費・謝金の負担、チラシ作成、広 報、一般受講者募集
(2)大学・短大等学生のためのライフキャリアセミナー ※内容は、別紙チ ラシ参照のこと。
■座学からグループワーク型事業へ
これまで2年間の座学から、若い世代(学生)の参加者自身が発言し、自ら 取り組むきっかけとなるような、グループワーク等の参加型事業を実施した。
■対象:県内の大学・短大、専門学校生等(講演、事例発表は一般県民参加可)
■テーマ:「男女共同参画とキャリア」
■プログラム:講演、(県内企業による)事例発表、ワールドカフェ方式のワー クショップ
■連携先と役割分担
福島大学・アカデミア・コンソーシアムふくしま:会場使用料の負担、加盟 大学等への周知
センター:企画立案、講師選定・依頼、講師旅費・謝金の負担、チラシ作成、
広報、一般受講者募集
>>男女共同参画の視点にかかわる工夫
1 内容に「男女共同参画の視点」を入れるように講師に依頼
各講師には、震災後に見た光景、避難所等での支援活動の現場で体験したこと について、「男女共同参画の視点や人権尊重の視点」からお話しいただくことを
第3章 若者のキャリア形成支援にかかわる取組事例
あらかじめ伝えている。
2 学生リポートによる男女共同参画理解度とそのフォロー
各回授業終了後のレポートから、学生の理解度を把握し、講師の発言趣旨を踏 まえた理解が不十分であったり、男女平等に反し、性別役割分担を肯定する意見 等が散見された場合は、次回講義冒頭で千葉館長から、ものの考え方は多様であ り、それを尊重することが男女共同参画の考えであることなどを話している。
3 男女共同参画やワーク・ライフ・バランス概念の基礎を学べる内容
ライフキャリアセミナーでは、基調講演で「男女共同参画白書」(内閣府)等 にある基礎的データを示しながら、男女共同参画視点でのキャリア教育の内容と なるよう配慮している。
>>成果・効果 ※受講アンケートを参考に 1 福島大学授業との連携事業
各回様々な講師陣を迎え、多様な職業・立場による講演内容から、多角的視 点で男女共同参画について考える機会を提供できたと思われる。これまで比較 的男女平等が確保されていた学生生活と比較し、実社会で生活している諸先輩 の実体験に基づく話を聞くことで、日頃の身近な生活や環境の中に男女共同参 画の問題があることへの気づきとなったと思われる。
■あらゆる被害を「男女共同参画視点」で見る重要性
被災者支援の現場を見てきた講師から、妊産婦や小さい子どもがいる母親、
性被害や女性特有の性的羞恥心等、避難所や仮設住宅での避難生活において、
男女共同参画が実現していないことが、問題をより深刻化させていることへの 気づきがあったと思われる。
2 大学・短大等学生のためのライフキャリアセミナー
■「キャリア」とは何かを深く考えるきっかけ
男女共同参画白書等の様々なデータ(いわゆる「M字曲線」、「就労意識」
など)を初めて見たという学生が多く、男女共に、結婚や出産等のライフステー ジの変化でキャリアも変わるかもしれないことや、自分が進むキャリアの先に いる身近な女性のロールモデルがいないことなど、新たな気づきも多かったよ うである。
■県内中小企業と学生をつなぐ
事例発表では、県内にも多様な働き方を目指し努力する企業があることや、
中小企業ならではの職員を大事に育てる取組の実態について知る良いきっかけ となったと思われる。
>>今後の展望と課題
■大学等と連携し、県内全域で若者対象の事業実施
大学等との連携実績ができたことが大きな成果である。今後も福島大学・ア カデミア・コンソーシアムふくしまと連携・協力を深め、若者世代を対象とし た男女共同参画事業を展開していきたい。
(岡部 貴敏)