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3 大学生を対象としたライフプラン等を 考えるキャリア教育授業の推進

>>取組の特色

県が大学・団体・市町村等と連携して、男女大学生に対し、女性のキャリア・

デザインや男性の家事・育児の関わりなどを含め、自らの人生を自ら描くことが できるよう支援するための男女共同参画の視点によるキャリア教育の授業案を作 成するとともに、県内大学におけるカリキュラム化を目指して授業の実施を促進 し、広く県内の大学生の意識啓発を図る。

>>企画にあたって─企画の前提・背景、地域の実情、施策やプランの方針・位置づけ等 神奈川県では、「かながわ男女共同参画推進プラン(第3次)」に基づき、男女 共同参画社会の実現に向けた取組を行っており、特に、女性の就業支援について は、労働部局や県民部局等の複数部局において取り組んできた。

しかしながら、女性の年齢階級別労働力率においては、出産・子育て期にあた る30歳代で低下し、その後、再就職により上昇するいわゆるM字カーブを描くが、

本県の場合、そのM字の底の値が全国ワースト2位であり、深さ(落差)は全国 の中でもっとも大きく、その後の労働力率も低い傾向がある。

女性が、出産、子育てや介護等のために一旦退職してしまうと、希望どおりの 職業に再就職することは困難であり、また、働く意欲がありながら、長くキャリ

大学における「男女共同参画の視点によるライフキャリア教育」

支援事業

【事 業 名】

3 大学生を対象としたライフプラン等を

第3章 若者のキャリア形成支援にかかわる取組事例

アを中断した後の再就職に不安を感じることも少なくない。また、このような状 況は、管理職や役員へ登用される女性が少ない原因ともなることから、就業の継 続が重要であることについての理解を促進する必要があると考えている。

これらのことから、平成25年度から、就業する側と雇用する側の双方への意 識啓発を進めるため、企業を対象とする事業を実施するとともに、就職が現実問 題となる大学生を対象とする意識啓発を充実させることとした。

これまで、小学校、中学校、高校では、キャリア教育や男女共同参画に係る意 識啓発などを実施しているが、大学におけるキャリア教育は就職活動を中心とし たものが多く、県として大学における意識啓発への関わりはほとんどなかった。

さらに、県内の高校卒業者61,420人のうち就職者は4,555人(7.4%)である一方、

県内の大学・短大卒業者39,013人のうち就職者は24,011人(61.5%)であり(平 成24年度神奈川県学校基本調査)、大学・短大卒で就職する者が多いことから、

特に大学生を対象として、男女共同参画の視点を踏まえた教育の実施が有効であ るとし、大学生を対象とする男女共同参画の視点によるキャリア教育の授業案を 作成し、普及を図ることとした。

>>事業概要─取組の概要、プログラム、連携、取組の工夫等

平成25年度、複数の大学の教員や男女共同参画センター職員、国、市町村、

NPO団体、県関係各課ほかからなる検討委員会を設置し、授業案の作成に向け、

授業案の構成や様式、大学への普及方法等について議論した。

授業案の構成は、大学の正規の授業として実施できるように全15回とし、実 態の把握、課題分析、実務的な知識の習得、課題解決に向けた実践と、順序立て て学習の効果を高める構成としているが、大学が既に授業としているテーマがあ る場合などは実情に応じ、単独あるいは複数の必要なテーマだけを取り上げた講 座を実施することも想定し、検討を進めた。

内容は、労働教育(社会保障制度、待遇差別等)、ワーク・ライフ・バランス(仕 事と生活の調和)、キャリア・デザイン(キャリア、結婚、育児等)などを網羅 した内容で、①各項目についての情報提供、②先輩などの話を聴く機会の提供、

③キャリア・デザインなどについて自ら考える場所の提供など、実践的なものと するため、講義のほか、グループワークを多く取り入れるものとした。

授業案の15回のテーマは次のとおりとし、各回ごとに「テーマ、ねらい、キー ワード」を記載し、参考として「授業形式(講義、グループワーク等)、授業の 進め方、参考となる資料」等の例を記載した構成案と、授業の進め方をパワーポ イントで示すこととし、構成案とパワーポイント例を作成した。また、テーマに 関連するデータを集めてグラフ化した資料集を作成した。

構成 氏 名 所 属 等

大 学

大石 美佳 鎌倉女子大学 家政学部 准教授 荻野 佳代子 神奈川大学 人間科学部 教授

鈴木 紀子 国立大学法人横浜国立大学 男女共同参画推進センター 特任教員(准教授)

村上 明美 県立保健福祉大学 保健福祉学部看護学科 学科長・教授 キャリア

教育 戸山 孝 キャリアカウンセラー 中央大学ビジネススクール客員 教授ほか

NPO 朝山 あつこ NPO 法人キーパーソン 21 代表理事

国関係

野依 智子 独立行政法人 国立女性教育会館 研究国際室 研究員

(第 1・2 回出席)

櫻田 今日子 独立行政法人 国立女性教育会館総務課 専門官

(第 3・4 回出席)

市町村 二見 尚子 横浜市 市民局 男女共同参画推進課長 県 柴田 育江 かながわ女性センター 参画推進課長

第3章 若者のキャリア形成支援にかかわる取組事例

男女共同参画の視点によるライフキャリア教育授業案(全 15 回)

テーマ 全体の流れ

第 1 回 生き方や働き方の思い込みに気づく

実態把握(気づき)

第 2 回 男女共同参画概論 第 3 回 ライフプランを考える①

(意識の発展・活性化)課題分析 第 4 回 パートナーシップを考える

第 5 回 心と身体の健康を考える

第 6 回 ワーク・ライフ・マネジメントを考える 第 7 回 労働の歴史と現状を知る

実務的な知識の習得 第 8 回 労働に関する法律や制度を知る①

第 9 回 労働に関する法律や制度を知る②

第 10 回 ロールモデルの必要性と見つけ方を学ぶ 課題解決に向けた実践

(各自の考え見直し)(事例)

第 11 回 ゲストトーク①(OG 事例)

第 12 回 ゲストトーク②(OB 事例)

第 13 回 企業の選び方を学ぶ 課題解決に向けた実践

(希望する各自のライフ プラン再考)

第 14 回 ライフプランを考える②

第 15 回 自分のキャリアを自らデザインする

平成25年度は、検討委員会の構成メンバーである4つの大学において、全15 回の中からテーマを選び、モデル的に授業を実施した。

実施方法としては、委員が各大学で既に担当している授業等のうちテーマが関 連する授業内、あるいは、授業時間外に別途日程を設けることで実施した。

その後、実施結果を踏まえて、内容の修正を行った。

モデル事業実施結果(実施した大学名、日にち、テーマ)

①神奈川大学

・10/23(火)「 固定的性別役割分担意識を考える」(生き方や働き方の思い 込みに気づく)

・11/19(火)「パートナーシップを考える」

・11/26(火)「心と身体の健康を考える」

・12/ 3(火)「ワーク・ライフ・バランスを考える」

・12/10(火)「女性の働く環境」

・ 1/ 7(火)「ゲストトーク(OB・OG事例)」

・12/20(金)「パートナーシップを考える/心と身体の健康を考える」

③横浜国立大学

・ 1/ 6(月)「ライフプランを考える①」

④鎌倉女子大学

・ 1/21(火)「男女共同参画概論」

>>男女共同参画の視点にかかわる工夫

男女の地位の平等感についての意識調査では、学校教育の場では、男女平等と 考える割合が高く、男女とも60%以上が平等と考えている一方、職場においては、

男性の約60%、女性の約70%が「男性の方が優遇されている」と考えており、

平等感が低いという結果となっている(平成24年度県民ニーズ調査より)。

また、近年、「夫は外で働き、妻は家を守るべき」という固定的性別役割分担 意識に賛成する割合が増加に転じた上に20歳代の賛成の上昇が目立つ結果もで ている(内閣府「男女共同参画社会に関する世論調査」より)。

当該事業は、神奈川県のM字カーブの底が深いことなどから、女性の就業継続 を図るために事業化したものであるが、男女共同参画を推進するためには、固定的 性別役割分担意識の解消をはじめ、女性だけでなく男性にとっての課題も多い。

このことから、大学生の男女ともに身近な問題であることを感じてもらうために、

男女の就労状況や賃金格差などのデータや意識調査の結果などから現状を知ると ともに、男女共同参画は女性だけの問題ではないことを認識し、その上で、グルー プワークなどで、他の学生から様々な視点での考えや意見を聞くことで、多様な 選択肢があることに気づき、改めて自分がどのように働きたいのか、生きていきた いのかということを考えられる内容となるような構成および内容を検討した。

>>成果・効果

平成25年度、4大学においてモデル的に授業を実施したところ、学生からは「女 性は家庭を守り、子育てに専念すべきだと思っていたが、女性の中にも生活のた めに働く必要のある人、働くことに生きがいを感じる人などもいることを知った。

自分にも働いて社会に参加するという道もあるのだとわかった。(2年・女)」、「理