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議事の概要

ドキュメント内 目次 (ページ 129-151)

5)低品位炭利用に向けた取組みと望ましい国際協力

 豪州ビクトリア州及び日本は、低品位炭利用技術開発に積極的な支援を実施している。

豪州、日本及びインドネシアは二国間や多国間協力による技術開発を行っている。

 低品位炭の利用技術開発を推進するためには、国内及び国際的な情報交換や研究開発 の協力を強化する大いに望まれる。

6)まとめ

 低品位炭の需要増に伴い、効果的かつ経済性のある低品位炭利用技術の開発は、排出 量を低減するためにも重要な課題となる。

 最も重要な低品位炭利用技術開発は、改質技術の中の脱水・乾燥技術である。

 各国は独自及び国際的な取組みで利用技術開発を進めているが、低品位炭利用技術開 発を加速・促進すること、また低品位炭利用の障害を克服するためには、国際的な協 力を強化することが重要である。

b. 発 表 : “Australian Low-rank Coals - Issues related to efficient utilisation technologies and barriers to their wider introduction -” / Dr. Sankar Bhattacharya, Australia

1)豪州の低品位炭

 ビクトリア州の低品位炭の資源量はGippslandに3,940億トン、Otwayに155億トン、

Murray Basinに195億トンと推定され、うち330億トンが経済性のある資源。現状、

年間6,400万~6,700万トンが発電用(能力6,555MW)に消費され、コジェネ用ブリ

ケット製造用に50,000~70,00トンが消費されている。

 ビクトリア州の低品位炭利用技術開発に関しては、1980年代の日本が参加した褐炭液 化をはじめ、循環流動床パイロット・テスト、加圧流動床ガス化技術、石炭脱水・乾

燥、Oxy-fuel評価等が実施されてきた。現在は、ビクトリア州政府がETIS、BCIA、

Clean Coal ビクトリアを通して、また発電会社が利用技術開発の努力をしている。

 南オーストラリア州には、未利用褐炭のKingston炭等の資源があり、亜瀝青炭のLeigh

Creek炭が発電用に年間300万~400 万トン使用されている。同州にある褐炭のガス

化の評価や、GTLの評価、循環流動床パイロット・プラントでのテスト等が実施され た。

 西オーストラリア州には、Collie炭田とEsperance炭田に13億トンを超える資源量が 推定されているが、現状、300MW コジェネ用に Collie 炭が使用されている。Collie 炭のガス化評価等が実施された。

 低品位炭の利用技術開発には、効率的、商業規模で経済性のある乾燥技術の開発が鍵 であり、政府の支援が不可欠である。墳流床ガス化の評価・実証、超超臨界-pfの評価、

新設設備によるOxy-pfの評価、Oxy-循環流動床の評価が必要。CTL(DME、メタノ ール、ディーゼル)技術についても追及すべき。

2)ビクトリア州の低品位炭

 低品位炭利用に関する政策では、州政府によるETIS、Clean Coal ビクトリア及びBCIA を通した基礎研究、大規模開発や CO2貯蔵プロジェクトに対する支援や連邦政府によ る一部支援、一部の民間企業や発電会社のコミットがあるが、産業界主導の研究プロ ジェクトが欠如している。炭素税の導入は現状、はっきりしていない。ビクトリア州 の低品位炭は発電用に不可欠であり、今後も使用される。

 政策面の障害に関して、石炭利用に対する反感は常にあるが、限定されたもの。技術 面に関する障害に関しては、乾燥及びガス化技術についてパイロット及び実証試験へ の移行が早急に望まれる。実証が成功することにより、褐炭製品の市場が新たに生ま れる。国際協力が鍵であり、日本の技術(乾燥、ガス化、水素利用)が大きな役割を 果すことが可能で、上手く組織された「乾燥実証プロジェクト」が早急に望まれる。

 その他の障壁としては、日豪間の学生・研究者・技術陣の交流を促進すべきで、また 石炭科学者や石炭エンジニアの不足があるようにも思われ、産業界と大学研究者の交 流、石炭科学者や大学等の研究者が産業界で経験を積むことも奨励されるべき。

c. 発表: “Utilization of Brown Coal in China - for the WG on Utilization of Low Rank Coal -” / Dr. Xu Zhengang, China

1)低品位炭の分類と利用分野

 低品位炭は、褐炭と亜瀝青炭に分類される。中国の亜瀝青炭は、長炎炭と弱粘着炭及 び非粘着炭を含んでいる。また、中国では、褐炭は、水分や揮発分等で 2 つのタイプ に分類されている。

 中国において、亜瀝青炭は、いろいろな種類のボイラ用燃料、いろいろな化学品製造 工程での主原料及びその他多くの目的で使用されている。

 中国での最近の低品位炭のホットな話題は、褐炭の開発とその利用である。

2)政策

 低品位炭の利用の政策

- 中央政府は、褐炭をクリーンで高効率の開発と利用を促進している。その為、近年 は、中国の褐炭の生産量は年々増加している。

- 地方政府としては、褐炭のオーナーでデベロッパーが、スポット的に採炭された少 なくとも褐炭の半分をいろいろな石炭化学品に転換することを要望している。

- 褐炭のオーナーでデベロッパーは、採炭したそれなりの量の褐炭を特に発電用石炭 ブレンド燃料として、彼ら自身のエンドユーザーに直接輸送することを望んでいる。

 R&Dと導入技術の政策

- 低品位炭の導入と開発は、いろいろなレベルの政府機関により促進されている。

- 褐炭の品質向上と転換技術のパイロットプラントやデモンストレーションのプロジ ェクトのR&Dプログラムを承認する特別な政策がある。

- 政府機関は、資金支援を次第に増やし、褐炭の利用技術のR&D、デモンストレー ションそして普及の為に、企業からの投資を次第に強化している。

 低品位炭(褐炭)の利用状況

- 中国では、褐炭の多くは発電用燃料として使用されている。褐炭を使用している発 電プラントは、主に、内モンゴル東部、吉林省を含む東北地区、及び雲南省にある。

- 少量の褐炭は、いくつかの微量金属(例えば、ゲルマニウム(Ge))の回収用、又 は褐炭ワックスのような他の化学品の製造用に使用されている。

3)低品位炭の利用技術開発の状況

 褐炭は、いくつかの発電所で、いろいろな種類の石炭ボイラでの燃焼用に、そのまま、

又は他の石炭とブレンドして燃料として使用されている。

 いくつかの進んだ大規模石炭火力発電技術は、最近導入されるか、国内で開発さ

 れている。燃焼以外では、褐炭利用技術の多くは、まだ開発中であるが、それらのい くつかは(乾燥と脱水の技術、熱分解技術、直接液化技術、石炭ガス化技術)がすで に、商用デモンストレーションのステージにある。

 褐炭の開発中のプロセスとして、乾燥・脱水プロセス、乾燥・脱水プロセスにブリケ ット工程加えたプロセス、キルン等での田断熱分解プロセス等が紹介された。

4)障壁と国際的支援

 低品位炭利用技術の導入と普及に関するいくつかの障壁がある。

 政策的には環境規制。経済的には高い投資額、知的財産権とライセンス使用料、エネ ルギー効率など。技術的には乾燥・脱水技術が実用化されていないこと、脱水した褐 炭の輸送と大型化がまだ実証中であることが障壁となっている。

 中国では、進歩した大きいスケールでの褐炭のアップグレーディングと転換(改質)

技術は緊急的なニーズである。

 中国において、褐炭利用に関するR&Dとその普及の為には、国内そして国際的な情報 交換と技術協力の推進・強化を行っていく必要がある。

d. 発 表 : “The Utilization of Low Rank Coal in Thailand” / Mr. Yaowateera Achawangkul, Thailand

1)タイでの石炭利用状況

 タイでの一次エネルギー供給(2009年)の 11%が石炭で、その 34%が自国で生産さ れる褐炭である。

 タイでの電源別発電量の割合(2009年)は天然ガス74%、石炭21%、水力他5%で、

EGATの電源開発計画によれば、2030年までに新規の石炭火力発電所(能力800MW × 8基)が稼働予定。

2)低品位炭の政策

 タイでは低品位炭利用に関する政策は無いが、DEDE 他関係機関がクリーンな石炭利

用のロードマップを作成中。

 低品位炭の研究開発政策として、政府による各種基金が利用可能、また省エネ・プロ ジェクトに対する税関連のインセンティブ制度等がある。

3)低品位炭利用技術の状況

 DEDE は、2002 年以降クリーン・コール・テクノロジー(CCT)調査や CWM 調査 研究、石炭ガス化研究調査も実施している。

4)障害・障壁

 タイにおける低品位炭利用に向けた主たる障壁はパブリック・アクセプタンスであり、

国内の褐炭及び石炭火力発電所建設に対する反対活動が行われている。

 その他、低品位炭機器コストが高い等の経済面での障壁、低品位炭利用技術や炭質に 対する信頼等の技術面での障壁、政府承認手続きの複雑さ等の政策面での障壁がある。

5)国際的な支援

 タイでの低品位炭利用を促進するため、技術移転に対する支援、低品位炭利用の実証 プロジェクトだけでなく、特にパブリック・アクセプタンスの方法に対する支援を必 要としている。

e. 発表: “Low Rank Coal Utilization and R&D Status in Korea” / Dr. Sihyun Lee, Korea

1)政策

 低品位炭利用に関する特段の政府政策は無いが、低品位炭に対して需要が増えており、

輸入炭6,400万トンのうち低品位炭は2,500万トンで40%を占め、その全量がインド

ネシアから輸入されている。

 韓国ではCCTプログラムが無いが、2008年及び2009年に低品位炭利用技術の研究開 発プロジェクトが実施されたことがある。

2)低品位炭利用技術の状況

 現状では、電力会社は混炭等による低品位炭利用のガイドラインを作成しているが、

低品位炭利用拡大のためには、脱水・乾燥、燃焼及び転換技術の開発が必要となる。

 韓国政府による研究開発プログラムではKIERによる流動床乾燥技術開発とSKE/KIER

及びKIER/IAEによる低品位炭ガス化技術開発を行っている。

3)障害・障壁

 低品位炭利用技術の導入・普及に対する障壁に関し、政策面では特段の障壁は無い。

経済面での障壁では、産業界は低品位炭利用技術の開発必要性を認識しておらず、低 品位炭を利用するための設備改造費用が高いことから、低品位炭を直接使用したい意 向。技術面に関する障壁に関しては、高水分のため既存発電所では直接使用ができな いし、まだ商業化した脱水・乾燥技術が存在しないことも確認済み。

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