第4章 途上国の大都市を想定した入力値の設定
4.6 年間対策実施上限数量
4.7.1 自己予算を想定した場合
アジアの主要都市における水道料金の水準を、 表 4.18に示す(日本貿易振興機構.
2016)。これは、2015年12月~2016年1月にかけて現地調査が行われた結果を示したもの
である。水道料金は水道事業体によって様々な料金体系によって設定されており、従量 制料金が適用されている場合には 水使用量により異なるため、単純な比較は難しい。
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表 4.18 アジアの主要都市における水道料金の水準
国名 都市名 月額基本料
(米ドル)
1m3当たり 水道料金
(米ドル)
備考
マレーシア クアラルンプール 8.29 0.48~0.53 m3当たり料金は使用量 によって異なる インドネシア ジャカルタ 1.39 0.7 使用量20m3超の場合 フィリピン マニラ 2.82 0.28 10m3あたり
フィリピン セブ 3.23 0.36~1.03 10m3超の使用料
タイ バンコク 2.49 0.26~0.44 1m3当たり料金は使用量 により異なる
ベトナム ハノイ なし 0.31~0.86
(1)最初の10m3:0.31
(2)10~20m3:0.37
(3)20~30m3:0.46
(4)30m3~:0.86
ベトナム ホーチミン なし
(1)0.24
(2)0.47
(3)0.52
(1)4m3まで
(2)4m3超~6m3以下
(3)6m3超~
ベトナム ダナン なし
(1)0.20
(2)0.24
(3)0.30
(1)最初の10m3
(2)10m3超~30m3
(3)30m3超
ラオス ビエンチャン 0.27 0.19~0.40 1m3当たり料金は使用量 により異なる
カンボジア プノンペン なし 0.14~0.31 1m3当たり料金は使用量 により異なる
ミャンマー ヤンゴン なし 0.44 バングラデシュ ダッカ なし 0.41
インド ニューデリー 4.4 0.56 30m3超の場合の単価 インド ムンバイ なし 0.07
インド ベンガルール 0.84 0.11~0.68
インド チェンナイ 0.75
(1)0.04
(2)0.15
(3)0.23
(4)0.38
(1)消費量10m3以下
(2)消費量11~15m3
(3)消費量16~25m3
(4)消費量25m3以上
スリランカ コロンボ 0.35~11 0.08~0.98
料金は使用量に応じた 10段階制。段階ごとに月 額基本料と1m3当たりの 料金を設定
本研究では、表 4.18の料金水準を参考に、水道料金を30円/m3として 、初期状態 における水道料金収入を計算し、自己予算を想定した場合のBjは、水道料金収入の一部
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を充当することしかできないと考え、初期水道料金収入 の1%相当額から10%相当額まで、
1%きざみで変化させた。この初期水道料金収入に対するBjの割合を、予算投入率と定義
する。水道料金の水準は、政治的な要因や、受益者負担やコストリカバリーに対する考 え方の違いによって、同程度の経済レベルの国や都市でも大きなばらつきがあるが、30 円/m3という水道料金の水準は表 4.18からバンコクやマニラなどが該当する。
表 4.1に示した入力値を用いて初期状態の無収水量を計算した結果を 、表 4.19に
示す。また、初期状態の 料金収入を計算すると、 表 4.20に示した計算 結果より、27 億円/年となる。これより、自己予算を想定した場合 の予算制約Bjは、予算投入率1%の 場合は2,700万円/年、予算投入率10%の場合は2.7億円/年となる。
表 4.19 無収水量の初期値(千 m3/年)
メーター故障 9,000
見掛け損失 30,000
無収水量合計 44,354 メーター未設置 15,000
違法接続 6,000
地上漏水 17
配水管 漏水 10,010
実損失 14,354 地下漏水 9,293
探知困難な漏水 701
地上漏水 4
給水管 漏水 4,344 地下漏水 2,355
探知困難な漏水 1,986
表 4.20 初期条件における料金収入の計算
有効水量(千m3/年) 120,000 1接続当たりの水使用量 ×接続数 無効水量(千m3/年) 14,354 表 4.19の実損失
水道システムへの投入水量(千m3/年) 134,354 有効水量+無効水量
無収水率(%) 33 無収水量/水道システムへの 投入水量×100
有収水量(千m3/年) 90,000 有効水量-表 4.19の見掛け 損失
初期水道料金収入(百万円) 2,700 有収水量×水道料金単価(30円/
m3)