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第5章 無収水対策の選択に関する考察

5.2 予算制約の影響

101

x(7,5) <= 270000000 general

x(1,1) x(1,2) x(1,3) x(1,4) x(1,5) x(2,1) x(2,2) x(2,3) x(2,4) x(2,5) x(3,1) x(3,2) x(3,3) x(3,4) x(3,5) x(4,1) x(4,2) x(4,3) x(4,4) x(4,5) x(5,1) x(5,2) x(5,3) x(5,4) x(5,5) x(6,1) x(6,2) x(6,3) x(6,4) x(6,5) x(7,1) x (7,2) x(7,3) x(7,4) x(7,5)

end

102

表 5.1 予算投入率 1%の時の対策実施数量、配分予算割合、予算投入額

メーター 更新

(個)

メーター 設置

(箇所)

違法 接続 対策

(箇所)

送配水 管更新

(m)

送配水 管漏水 探知・

修理

(箇所)

給水管 更新

(接続)

給水管 漏水 探知・

修理

(接続)

対策 数量

1年目 4,266 62

2年目 2 4,189 24 243

3年目 9,326 1,610 412 404

4年目 16,882 155 451

5年目 16,518 191 634

合計 42,728 0 10,065 0 782 0 1,794

配分 予算 割合

(%)

1年目 0.0 0.0 99.5 0.0 0.0 0.0 0.5

2年目 0.0 0.0 97.7 0.0 0.4 0.0 1.8

3年目 51.8 0.0 37.6 0.0 7.6 0.0 3.0

4年目 93.8 0.0 0.0 0.0 2.9 0.0 3.3

5年目 91.8 0.0 0.0 0.0 3.5 0.0 4.7

合計 47.5 0.0 47.0 0.0 2.9 0.0 2.7

予算 投入額

(百万 円)

1年目 0.0 0.0 26.9 0.0 0.0 0.0 0.1

2年目 0.0 0.0 26.4 0.0 0.1 0.0 0.5

3年目 14.0 0.0 10.1 0.0 2.1 0.0 0.8

4年目 25.3 0.0 0.0 0.0 0.8 0.0 0.9

5年目 24.8 0.0 0.0 0.0 1.0 0.0 1.3

合計 64.1 0.0 63.4 0.0 3.9 0.0 3.6

103

表 5.2 予算投入率 5%の時の対策実施数量、配分予算割合、予算投入額

メーター 更新

(個)

メーター 設置

(箇所)

違法 接続 対策

(箇所)

送配水 管更新

(m)

送配水 管漏水 探知・

修理

(箇所)

給水管 更新

(接続)

給水管 漏水 探知・

修理

(接続)

対策 数量

1年目 19,062 16,890

2年目 7 10,460 9,870

3年目 9,190 2,000 1 9,214

4年目 9,500 590 10,000 1,099

5年目 29,998 13,460 500 191 550

合計 49,067 50,000 12,000 0 782 29,084 1,649

配分 予算 割合

(%)

1年目 21.2 78.8 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

2年目 0.0 48.8 0.0 0.0 0.0 51.2 0.0

3年目 0.0 42.9 9.3 0.0 0.0 47.8 0.0

4年目 0.0 0.0 44.3 0.0 2.2 51.9 1.6

5年目 33.3 62.8 2.3 0.0 0.7 0.0 0.8

合計 10.9 46.7 11.2 0.0 0.6 30.2 0.5

予算 投入額

(百万 円)

1年目 29 106 0 0 0 0 0

2年目 0 66 0 0 0 69 0

3年目 0 58 13 0 0 64 0

4年目 0 0 60 0 3 70 2

5年目 45 85 3 0 1 0 1

合計 74 315 76 0 4 204 3

104

表 5.3 予算投入率10%の時の対策実施数量、配分予算割合、予算投入額

メーター 更新

(個)

メーター 設置

(箇所)

違法 接続 対策

(箇所)

送配水 管更新

(m)

送配水 管漏水 探知・

修理

(箇所)

給水管 更新

(接続)

給水管 漏水 探知・

修理

(接続)

対策 数量

1年目 18,724 19,998 7,306 9,926 208

2年目 19 10,002 3,194 19,147 315 10,000 187

3年目 33,139 122 10,000 275

4年目 500 32,579 152 10,000 308

5年目 29,999 20,000 1,000 3,430 188 10,000 589

合計 48,742 50,000 12,000 88,295 777 49,926 1,567

配分 予算 割合

(%)

1年目 10.4 46.7 17.0 0.0 0.0 25.7 0.2

2年目 0.0 23.3 7.5 42.5 0.6 25.9 0.1

3年目 0.0 0.0 0.0 73.6 0.2 25.9 0.2

4年目 0.0 0.0 1.2 72.4 0.3 25.9 0.2

5年目 16.7 46.7 2.3 7.6 0.3 25.9 0.4

合計 5.4 23.3 5.6 39.2 0.3 25.9 0.2

予算 投入額

(百万 円)

1年目 28 126 46 0 0 69 0

2年目 0 63 20 115 2 70 0

3年目 0 0 0 199 1 70 1

4年目 0 0 3 195 1 70 1

5年目 45 126 6 21 1 70 1

合計 73 315 76 530 4 349 3

105

基準年からの経過年数

【予算投入率が1%の場合】

0%

20%

40%

60%

80%

100%

1年目 2年目 3年目 4年目 5年目

対策投資費用割合

基準年からの経過年 0%

20%

40%

60%

80%

100%

1年目 2年目 3年目 4年目 5年目

【予算投入率が 5%の場合】

対策投資費用割合 メーター更新(i=1)

新規メーター設置(i=2)

違法接続対策(i=3)

送配水管更新(i=4)

送配水管漏水探知・修理 (i=5)

給水管更新(i=6)

給水管漏水探知・修理 (i=7)

図 5.1 予 算 投 入 率 が 異 な る 場 合 の 最 適 対 策 に お け る 予 算 配 分

(予算投入率 1~5%)

0%

20%

40%

60%

80%

100%

1年目 2年目 3年目 4年目 5年目

【予算投入率が 2%の場合】

対策投資費用割合

基準年からの経過年数

0%

20%

40%

60%

80%

100%

1年目 2年目 3年目 4年目 5年目

【予算投入率が 3%の場合】

対策投資費用割合

基準年からの経過年数

0%

20%

40%

60%

80%

100%

1年目 2年目 3年目 4年目 5年目

【予算投入率が4%の場合】

対策投資費用割合

基準年からの経過年数

106

基準年からの経過年数 0%

20%

40%

60%

80%

100%

1年目 2年目 3年目 4年目 5年目

【予算投入率が 10%の場合】

対策投資費用割合 メーター更新(i=1)

新規メーター設置(i=2)

違法接続対策(i=3)

送配水管更新(i=4)

送配水管漏水探知・修理 (i=5)

給水管更新(i=6)

給水管漏水探知・修理 (i=7)

0%

20%

40%

60%

80%

100%

1年目 2年目 3年目 4年目 5年目

【予算投入率が6%の場合】

対策投資費用割合

基準年からの経過年

0%

20%

40%

60%

80%

100%

1年目 2年目 3年目 4年目 5年目

【予算投入率が 7%の場合】

基準年からの経過年

対策投資費用割合

0%

20%

40%

60%

80%

100%

1年目 2年目 3年目 4年目 5年目

【予算投入率が 8%の場合】

基準年からの経過年

対策投資費用割合

0%

20%

40%

60%

80%

100%

1年目 2年目 3年目 4年目 5年目

【予算投入率が 9%の場合】

基準年からの経過年

対策投資費用割合

図 5.2 予 算 投 入 率 が 異 な る 場 合 の 最 適 対 策 に お け る 予 算 配 分

(予算投入率 6~10%)

107

予算投入率の大小により 、最適対策の選択は大きく変わることが分かった 。予算投入 率が1%と小さい場合には、メーター更新に47.5%、違法接続対策に47.0%と予算を重点 的に配分 し、次いで漏水探知・修理にも予算を配分 することが最適となり、メーター設 置、給水管更新、送配水管更新には予算が配分されない。予算投入率が5%に増えると、

予算配分の割合はメーター設置が46.7%と最も多くなり、次いで給水管更新に30.2%を配 分することが最適となる 。 予算投入率が10%に増 える と、送配水管更新に39.2%と最も 多くの予算を配分し、次いで給水管更新に25.9%、メーター設置に23.3%が配分される。

図 5.3から、メーター 更新 、違法接続対策、及 び漏水探知・修理 には、 予算投入率に

拘わらずほぼ同程度の金額の予算が配分され、予算投入率が増えるにつれて、メーター 設置、給水管更新、送配水管更新の順に予算が充当される ことが分かる 。送配水管漏水 探知・修理と給水管漏水探知・修理は 、配分される予算額が少ないためグラフ上では読 み取りにくいが、いずれの予算 投入率においても300~400万円の予算が投入されている。

これは、表 5.14で後 述する単位費用当たりの 無収水削減効果が高い対 策から順次実 施されている形となっている。

しかし、図 5.1は各対 策に充当される予算額の 割合を示しているため 、 例えば漏水 修理は予算配分が少なく優先度が低いように見えるが 、実際には漏水箇所のほとんどを 修理する結果になっている 。このように予算配分は金額や金額割合で見ると単価や数量 に左右されるため、必ずしも的確に各対策の優先順位を示すものではない 。そこで5年間

0 500 1,000 1,500

1% 5% 10%

5年間の予算投入額(百万円)

メーター更新(i=1)

新規メーター設置(i=2)

違法接続対策(i=3)

送配水管更新(i=4)

送配水管漏水探知・修理 (i=5)

給水管更新(i=6)

給水管漏水探知・修理 (i=7)

予算投入率

図 5.3 予算投入率が異なる場合の最適対策における予算投入額(5年間の合計)

108

で取り得る対策数量の上 限値に対する実際に選択 された対策数量の割合を 図 5.4に示 す。割合が大きいほど、その対策が優先的に選択されていることになる 。5年間の対策可 能数量の上限値は表 5.4に示すとおりである 。

表 5.4 5年間の対策実施可能数量上限値(基本シナリオ)

無収水対策 上限値 算出根拠

メーター更新(個) 45,673

初期状 態の設 置メ ータ ー の4年目 末時 点で の故障 数 。 ただし、新規設置メーターに故障が発生するため 、こ の上限値を上回る対策実績数となることがある 。 メーター設置

(箇所) 50,000 初期条件のメーター未設置数 違法接続対策

(箇所) 12,000 初期値+4年目末までの経年増加数 送配水管更新(m) 500,000 W4×5年

送配水管漏水

探知・修理(箇所) 782 初期条件の既存管の4年目末時点の漏水箇所数 給水管更新(接続) 50,000 W6×5年

給 水 管 漏 水 探 知 ・

修理(接続) 1,795 初期条件の既存管の4年目末時点での漏水箇所数 0%

20%

40%

60%

80%

100%

120%

1% 2% 3% 4% 5% 6% 7% 8% 9% 10%

上限値に対する 対策実施数量の割合

予算投入率

水道メーター更新 水道メーター設置 違法接続対策 送配水管更新 送配水管漏水修理 給水管更新 給水管漏水修理

水道メー ター設置

給水管更新

送配水管更新

図 5.4 予算投入率が異なる場合の各対策数量の上限値に対する割合

109

図 5.4から、予算投入 率が小さい場合でも優先 的に選択されている対策 は 、送配水 管漏水探知・修理、給水管漏水探知・修理、メーター更新 、違法接続対策であることが 分かる。

その後予算投入率が増えるにつれて 、メーター設置、次いで給水管更新が選択される ようになる。なお、メーター更新は100%を超える値を示しているが 、これは新たに設置 されたメーターの故障にもすぐに対応して更新することが最適解となっている ためであ る。また、予算投入率が小さいと給水管漏水 探知・修理が給水管更新よりも優先される が、予算投入率が増えると更新の方が優先されるようになることが明らかになった 。

これより 、途上国においては無収水対策の選択において予算制約が大きく影響し 、取 るべき対策が異なることが分かった 。また、先進国では漏水対策が中心となっているの に対し、途上国では見掛け損失に対する対策 も重要であることが示された 。途上国の水 道事業体を想定した投資規模では 、送配水管の更新に十分な投資を行うことが難しく 、 見掛け損失の削減で無収水を削減できても 、いずれ管路の老朽化に伴って 実損失が急速 に増大することが予想される 。送配水管の更新には、外部からの援助や補助金によって 適切に対応しなければならないであろう 。

この時の無収水量の変化は 図 5.5、無収水率の変化は図 5.6のとおりである。予算 投入率1%の投資を毎年行えば、無収水量を約10%削減することができる結果となった 。 また、予算投入率6%から10%では無収水量があまり変わらない結果となった 。これは、

図 5.4から分かるとおり、予算投入率6%以上の場合は送配水管更新以外の対策がほぼ 上限値の数量で実施され 、送配水管更新のみが 予算投入率の増加に伴って 漸増するが、

コストが高い対策であるため送配水管の総延長に対して対策実施数量は少ないこと 、及 び送配水管更新の効果は長期間に亘って発現するのに対して 、今回は5年間の短期的な効 果を検討していることが要因であると考えられる 。この時の無収水量は約21百万m3/年

(無収水率は15~16%)であり、これ以上無収水を削減するためには 、補助金 、海外か らの援助等によるまとまった送配水管 や給水管の 更新予算の確保が必要であることを示 唆している。無収水量の内訳をみると 、違法接続 、メーター未設置 、メーター故障によ る見掛け損失水量が、初期値では30百万m3/年であったのに対し、予算投入率5%の場 合で2百万m3/年と、大幅に削減されたことが分かる。給水管からの漏水は、経年劣化 で漏水箇所数が増加するのに対して、予算や年間対策実施上限数量の制約によって十分

110

な対策ができず、漏水量が増えている 。これより 、水道料金収入を原資とした自己予算 で無収水対策を進める場合 、投入予算に制約があるため 、見掛け損失対策 と漏水探知・

修理を優先的に進めるべきであることや 、対策予算が少なすぎると漏水の増加を抑える ことができないことが分かる 。

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50

初期値 1% 2% 3% 4% 5% 6% 7% 8% 9% 10%

無収水量(百万m3/年)

メーター故障 メーター未設置 違法接続

送配水管からの漏水 給水管からの漏水

予算投入率

図 5.5 無収水量とその内訳の変化(初期値及び5年間の対策実施後)

0 5 10 15 20 25 30 35

初期値 1% 2% 3% 4% 5% 6% 7% 8% 9% 10%

無収水率(%)

メーター故障 メーター未設置 違法接続

送配水管からの漏水 給水管からの漏水

予算投入率

図 5.6 無収水率とその内訳の変化(初期値及び5年間の対策実施後)