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3 章

3.3 時間制御指令

3.4.1 自動コーナオーバライド(G62)

3.4 切削送り速度制御

3.4.1 自動コーナオーバライド(G62)

工具径補正が有効な内側コーナでは,送り速度を減速した方がよい場合がよくあり ます。

G62は工具径補正と連続パスモードが有効な内側コーナでのみ動作します。内角が

$SC_CORNER_SLOWDOWN_CRITの設定値より大きいコーナでは無視されます。

内角はコーナの曲がり具合で決定されます。送り速度は係数

$SC_CORNER_SLOW-DOWN_OVRによって減速されます。

適用速度=F × $SC_CORNER_SLOWDOWN_OVR ×送り速度オーバライド

送り速度の減速は,コーナより$SC_CORNER_SLOWDOWN_STARTの距離だけ手 前でスタートします。そしてコーナから$SC_CORNER_SLOWDOWN_ENDの距離 だけ離れると終了します(下図参照)。適切な軌跡で曲線輪郭上を移動します。

図 3.15 G62関連パラメータ(90°コーナでの例)

 

x y

$SC_CORNER_SLOWDOWN_START

$SC_CORNER_SLOWDOWN_END

     

  $SC_CORNER_SLOWDOWN_CRIT

 S  V

$SC_CORNER_SLOWDOWN_START

$SC_CORNER_SLOWDOWN_END

F × $SC_CORNER_SLOWDOWN_OVR

F

パラメータ設定

オーバライドの値は,以下のセッティングデータによって決まります。

42520: $SC_CORNER_SLOWDOWN_START 42522: $SC_CORNER_SLOWDOWN_END 42524: $SC_CORNER_SLOWDOWN_OVR 42526: $SC_CORNER_SLOWDOWN_CRIT

これらのセッティングデータはデフォルトで0になっています。

• $SC_CORNER_SLOWDOWN_CRIT=0

:コーナ減速は180°反転動作のときのみ実施されます。

• $SC_CORNER_SLOWDOWN_START=0および

$SC_CORNER_SLOWDOWN_END=0

:送り速度減速は動的応答の許容範囲内で適用されます。

• $SC_CORNER_SLOWDOWN_OVR=0

:瞬間的に停止します。

$SC_CORNER_SLOWDOWN_CRITはG62指令にともない,ジオメトリ軸に適用

されます。現在の加工平面での内角に対して,コーナ減速が適用される最大の角 度を定義します。(G62は早送りでは実施されません。)

起動

この機能はG62で起動されます。Gコードは該当する加工プログラムコマンドま

たは$MC_GCODE_RESET_VALUE[56]によって起動されます。

セッティングデータ

42520

SD番号

CORNER_SLOWDOWN_START コーナ前減速長さ

初期値:0 最小値:0 最大値:任意

変更は直ちに有効になります 保護レベル:7/7 単位:mmまたはinch データタイプ:DOUBLE 適用SWバージョン:NC V48020001

内容 G62による送り速度の減速が開始される,コーナ手前の移動距離

42522

SD番号

CORNER_SLOWDOWN_END コーナ後減速長さ

初期値:0 最小値:0 最大値:任意

変更は直ちに有効になります 保護レベル:7/7 単位:mmまたはinch データタイプ:DOUBLE 適用SWバージョン:NC V48020001

内容 G62による送り速度の減速が終了する,コーナ後の移動距離

3.4.1 自動コーナオーバライド(G62)

プログラム例

42524

SD番号

CORNER_SLOWDOWN_OVR G62コーナ送り速度オーバライド

初期値:0 最小値:0 最大値:任意

変更は直ちに有効になります 保護レベル:7/7 単位:%

データタイプ:DOUBLE 適用SWバージョン:NC V48020001 内容 G62が有効なコーナで,送り速度に適用されるオーバライド値

42526

SD番号

CORNER_SLOWDOWN_CRIT G62コーナ減速適用角度

初期値:0 最小値:0 最大値:任意

変更は直ちに有効になります 保護レベル:7/7 単位:度 データタイプ:DOUBLE 適用SWバージョン:NC V48020001 内容 G62による送り速度減速を適用するコーナの最大角度

$TC_DP1 [1, 1] = 120

$TC_DP3 [1, 1] = 0 . ;長さ補正ベクトル

$TC_DP4 [1, 1] = 0 .

$TC_DP5 [1, 1] = 0 .

$TC_DP6 [1, 1] = 10 ;工具径

N1000 G0 X0 Y0 Z0 F5000 G64 SOFT N1010 STOPRE

N1020 $SC_CORNER_SLOWDOWN_START = 5 . N1030 $SC_CORNER_SLOWDOWN_END = 8 . N1040 $SC_CORNER_SLOWDOWN_OVR = 20 . N1050 $SC_CORNER_SLOWDOWN_CRIT = 100 . N2010 G1 X00 Y30 G90 T1 D1 G64

N2020 G1 X40 Y0 G62 G41 ; N2030に向かって内側コーナだが,

工具径補正がまだ選択途中

N2030 G1 X80 Y30 ; N2040に向かって内側コーナ 127°

N2040 G1 Y70 ; N2050に向かって内側コーナ 53°

N2050 G1 X40 Y40 ; N2060に向かって外側コーナ

N2060 G1 X20 Y70 ; N2070に向かって内側コーナ 97°

N2070 G1 X00 Y60 ; N2080に向かって内側コーナ 90°

N2080 G1 X20 Y20 ; N2090に向かって外側コーナ,

工具径補正キャンセルのため無関係 N2090 G1 X00 Y00 G40 FNORM

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