3 章
3.1 座標系
3.2.3 スケーリング (G50, G51)
3.2.3 スケーリング (G50, G51)
パートプログラムによって定義した形状は,必要なスケールに応じて拡大または 縮小することができます。以下の Gコードを使用してスケーリングを実行します。
G50 および G51ブロック内には別の指令は無しで,上記に示すように指定してく
ださい。G51 で呼び出されるスケーリング機能は,G50 で取り消してください。
G51 がスケーリングモードで指定された場合,これは無視されます。
指令方法
2つの異なるスケーリングを適用できます。
すべての軸を同じ拡大率でスケーリング
G51 X… Y… Z… P… ; スケーリング開始 G50; スケーリング取り消し
X, Y, Z: スケーリングの中心座標値(アブソリュート指令)
P: スケーリング拡大率
個々の軸をそれぞれ異なる拡大率でスケーリング
(ミラーイメージ)
G51 X… Y… Z… I… J… K… ; スケーリング開始 G50; スケーリング取り消し
X, Y, Z: スケーリングの中心座標値(アブソリュート指令)
I, J, K: X-, Y-, および Z 軸スケーリング拡大率
(注)
倍率指令の方法はMD22914($MC_AXES_SCALE_ENABLE) に従います。MD22914=0(軸別無効)の場合,倍率指令はP で指令してください。IJK指令は無視されます。IJKで指令し た場合,SD42140($SC_DEFAULT_SCALE_FACTOR_P)に設 定された倍率に従います。MD22914=1(軸別有効)の場合,
倍率指令はIJKで指令してください。P指令は無視されます。
Pで指令した場合,SD43120($SC_DEFAULT_SCALE_
FACTOR_AXIS)の各軸に設定された倍率に従います。
表 3.5 スケーリング G コード
G コード 機能 グループ
G50 スケーリング無効 11
G51 スケーリング有効 11
説明
すべての軸を同じ拡大率でスケーリング
スケーリング拡大率の最小入力単位は,MD10886
$MN_EXTERN_INCREMENT_SYSTEM の設定によって異なり,0.001 から 0.00001 の範囲内です。P がスケーリングのブロック(G51 X… Y… Z… P…;)内で指定さ れていない場合,MD $MC_WEIGHTING_FACTOR_FOR_SCALE に設定したスケー リング拡大率が適用されます。
スケーリングの間のレファレンス点は常にワーク原点です。レファレンス点をプ ログラムすることはできません。
プログラム可能なミラーイメージ(負の拡大)
負の拡大率を指定するとミラーイメージになります。MD22914
$MC_AXES_SCALE_ENABLE = 1 を設定して,それぞれの軸のスケーリング(ミ
ラーイメージ)を有効にする必要があります。
G51 ブロックの中で I, J, K を省略すると設定データのデフォルトの値が有効になり ます。
3.2.3 スケーリング (G50, G51)
例
_N_0512_MPF; (パートプログラム)
N01 G291;
10 G17 G90 G00 X0 Y0; アプローチ開始位置
N30 G90 G01 G94 F6000;
N32 M98 P0513; 1) サブプログラム内でプログラムした通りの輪
郭
N34 G51 X0. Y0. I-1000 J1000; 2) X の周りのミラー輪郭 N36 M98 P0513;
N38 G51 X0. Y0. I-1000 J-1000; 3) X および Y の周りのミラー輪郭 N40 M98 P0513;
N42 G51 X0. Y0. I1000 J-1000; 4) Y の周りのミラー輪郭 N44 M98 P0513;
N46 G50; スケーリングおよびミラーリングの選択を取り
消す N50 G00 X0 Y0
N60 M30
_N_0513_MPF; (00512 用サブプログラム)
N01 G291
N10 G90 X10. Y10.;
N20 X50;
N30 Y50;
N40 X10. Y10.;
N50 M99;
図 3.13 それぞれの軸のスケーリング,プログラム可能なミラーイメージ
工具補正
このスケーリングは,工具径補正値,工具長補正値,および工具補正値には適用 しません。
レファレンス位置復帰および座標系に関連する指令
スケーリングモードでは,G27, G28, G30 または座標系に関連する指令(G52 から 2)
3)
1)
4) 始点
50
50 -50
-50 -10
-10 10
10 0
0