4 章
4.1 プログラム支援機能 (1)
4.1.9 ボーリングサイクル,バックボーリングサイクル (G87)
このサイクルは正確なボーリングを実行します。
G87 X… Y… Z… R… Q… P… F… K… ; X, Y: 穴位置
Z : 穴底から点 Z までの距離
R : 初期レベルから点 R(穴底)レベルまでの距離 Q : 工具シフト量
P : ドウェル時間 F : 切削送り速度 K : 繰り返し回数
図 4.14 ボーリングサイクル,バックボーリングサイクル (G87)
G87 (G98) G87 (G99)
使用されません
点R 点Z P
主軸正転 q
主軸正転 M19 M19
定位置主軸停止 工具
シフト量 q
4.1.9 ボーリングサイクル,バックボーリングサイクル (G87)
説明
X 軸および Y 軸に沿って位置決めの後,主軸は定められた回転位置で停止します。
工具は工具先端と反対の方向へ移動し,位置決め(早送り)が穴(点 R )の底ま で実行されます。
次に,工具が工具先端の方向にシフトされ,主軸が時計方向に回転します。点 Z に到達するまで, Z 軸に沿ってポーリングがプラス方向に実行されます。
点 Z に到達すると,主軸は定められた回転位置で再び停止し,工具は工具先端と 反対の方向へシフトされ,初期レベルに戻ります。次に,工具が工具の先端方向 へシフトされ,主軸は時計回りに回転し,次のブロック動作に進みます。
GUD7_ZSFR[0] を使用して,安全クリアランスを入力することができます。
後退方向は_ZFSI [5]で指定できます。
主軸停止角度は停止時の工具チップ点が後退方向と逆方向となるように_ZSFR [2]
に入力してください。
軸切換え
固定サイクルをキャンセルしてから,穴あけ軸を切換えてください。
ボーリング
X,Y,Z,R,または追加の軸を含まないブロックでは,ボーリングは実行されま せん。
Q/R
アドレス Q には必ず正の値を指定してください。アドレス Q に負の値を指定した 場合,負の符号は無視されます。上昇量がプログラミングされない場合,Q = 0 に 設定されます。その場合,サイクルは上昇なしで実行されます。
アドレス Q (穴の底でのシフト)は,固定サイクルに保持されるモーダル値で す。アドレス Q は G73 および G83 用の切削深さとしても使用されるので,注意し て指定しなければなりません。
G17 + X
− X + Y
− Y + Z
− Z + X
− X
+ Y
− Y + Z
− Z _ZSFI [5] =1
_ZSFI [5] =3 _ZSFI [5] =4 _ZSFI [5] =2 0
G18 G19
キャンセル
単一ブロックに,01 グループの G コード(G00 ~ G03)と G87 を一緒に指定しな いでください。指定した場合,G87 がキャンセルされます。
工具補正
固定サイクルモードでは工具補正は無視されます。
例
M3 S400; 主軸回転
G90 G0 Z100.;
G 90 G87 X200. Y-150. Z-100. R50. Q3. P1000 F150.;
位置決め,穴 1 の中ぐり。
初期レベルの定位置に戻り,3 mm だけシフト。
点 Z で 1 秒間停止。
Y-500.; 位置決め,穴 2 の穴あけ。
Y-700.; 位置決め,穴 3 の穴あけ。
X950.; 位置決め,穴 4 の穴あけ。
Y-500.; 位置決め,穴 5 の穴あけ。
Y-700.; 位置決め,穴 6 の穴あけ。
G80; 固定サイクルのキャンセル。
G28 G91 X0 Y0 Z0; レファレンス位置に戻る
M5; 主軸停止。