3 章
3.1 座標系
3.1.4 ワーク座標系の選択方法
以下で説明するワーク座標系のセットから選択します。
1. G92
一度,ワーク座標系が選択されていれば,アブソリュート指令はワーク座標系 とともに動作します。
2. HMI を使用して事前にワーク座標系を選択してセットアップします。
G54 から G59,および G54 P{1…93} から Gコードを指定してワーク座標系を
選択できます。
電源をオンにした後,レファレンス位置復帰に続いてワーク座標系をセット アップします。電源をオンにした後のデフォルトの座標系は G54 です。
例
図 3.5 ワーク座標系 G55
3.1.5 ワーク座標系の変更方法
外部ワーク原点補正値またはワーク原点補正値を変更して,G54 P{1…93} の変更 と同様に G54 から G59 までのワーク座標系を確定します。
外部ワーク原点補正値またはワーク原点補正値を変更するには,2つの方法があり ます。
1. HMI パネルを使用してデータを入力する。
2. プログラム指令G10 または G92 により変更する。
60.0
35.0
ワーク座標系 2 (G55)
ワーク座標系 G55 内での (X=35.0, Y=60.0) への位置決め
Y
X G90 G55 G00 X35.0 Y60.0 ;
3.1.5 ワーク座標系の変更方法
図 3.6 ISO Gコード座標系
G54P1…93 (DIN規格言語モード G505-G597で変更)
G58 (DIN規格言語モード G505 で変更) G59 (DIN規格言語 モード G506 で変更)
プログラムフレーム G52 NV
$P_BFRAME G51 スケール
調整可能フレーム G54 - G59 NV
$P_UIFR G54 P1…93 NV チャンネル別基本フレーム
$P_CHBFRAME[3] G68 3DRot
$P_CHBFRAME[2] G68 2DRot / 3DRot
$P_CHBFRAME[1] G51.1 プログラムした軸にあるミラー画像
$P_CHBFRAME[0] G92 設定値
$P_CHBFRAME[0] EXOFS
指令方法
G10 による変更
G10 L2 Pp X… Y… Z… ;
p=0: 外部ワーク原点補正値 (EXOFS)
p=1 から 6 ワーク原点補正値は,ワーク座標系 G54 から
G59 に対応。
X, Y, Z: アブソリュート指令 (G90) の場合,それぞれの
軸用ワーク原点補正値。
インクリメンタル指令 (G91) の場合,それぞれ の軸用ワーク原点補正に加算するために追加さ れた値。
G10 L20 Pp X… Y… Z… ;
p=1 から 93: ワーク原点補正値は,ワーク座標系 G54 P1…
P93 に対応。
X, Y, Z: アブソリュート指令 (G90) 用,それぞれの軸用
ワーク原点補正値。
インクリメンタル指令 (G91) の場合,それぞれ の軸用ワーク原点補正に加算するために追加さ れた値。
G92 による変更 G92 X… Y… Z… ;
説明
G10 を使用して変更
それぞれのワーク座標系は,G10指令を使用して別々に変更することができます。
G92 を使用して変更
G92 X… Y… Z…を指定して,ワーク座標系(G54 から G59 までのコードおよび
G54 P{1…93} のコードで選択した)をシフトして新しいワーク座標系を設定しま
す。このようして,現在の工具位置を指定された座標に一致させます。X, Y, Z が インクリメンタル指令値である場合,ワーク座標系が定義されて,現在の工具位 置は,その前の工具位置の座標へ指定されたインクリメンタル値を追加した結果 と一致します(座標系シフト)。引き続いて,座標系シフトの値はそれぞれ個々の ワーク原点補正値に追加されます。つまり,すべてのワーク座標系は同じ値の分 ずつ系統だってシフトします。
3.1.5 ワーク座標系の変更方法
例
工具が G54 モードで (190, 150) に位置する時,指令が G92X90Y90 の場合には,ベ クトル A によりシフトしたワーク座標系 1 (X’ - Y’) が作成されます。
図 3.7 座標の設定例
100 190
90 150 90
60 A
X X'
Y Y' G54 ワーク座標系
工具位置