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3 章

3.1 座標系

3.1.9 座標系の回転(G68,G69)

3.1.9 座標系の回転(G68,G69)

G68 および G69 指令を使用する場合 G68 と G69 の機能

座標系を回転させるには次の G コードを使用します。

G68 および G69 は 16 グループに属するモーダル G コードです。電源が投入されて NC がリセットされると,G69 が自動的に選択されます。

G68 および G69 ブロックは他の G コードを含むことはできません。

G68で呼び出された座標回転は G69 でキャンセルします。

指令方法

G68 X_ Y_ R_ ; X_, Y_ :

回転中心のアブソリュート座標値。省略すると現在位置が回転中心と見なされま す。

R_ :

G90/G91 によってアブソリュートあるいはインクリメンタル回転角度。省略する とチャンネル別セッティングデータ$SC_DEFAULT_ROT_FACTOR_R の値が回転 角度として使用されます。

• "G17(あるいはG18,G19)G68 X Y R ; "と指定することで,以降のブロック 中に指定された指令は,点(X,Y)を中心にして R で指定された角度だけ回 転します。回転角度は 0.001 度の単位で指定することができます。

図 3.10 座標回転

表 3.2 座標回転 G コード

G コード 機能 グループ

G68 座標系の回転 16

G69 座標回転のキャンセル 16

R

X,Y: 回転の中心 R 回転角度

(反時計方向を +とし,

アブソリュート値で指定します)

(X, Y)

• "G69;" を指定することで座標回転モードをキャンセルすることができます。

• G68 指令は,指定されたときに選択されていた平面中で実行されます。4 軸と 5 軸は直線軸でなければなりません。

G17 : XY 平面あるいは Xα,Xβ 平面 G18 : ZX 平面あるいは Zα,Zβ 平面 G19 YZ 平面あるいは Yα,Yβ 平面

座標回転指令の補足

• 座標回転を使用するときは MD $MC_MM_NUM_BASE_FRAMES を 3 以上の値 に設定する必要があります。

• "X" と "Y" を省略すると,G68 ブロックが実行された時点の現在位置が回転の 中心点となります。

• 座標系が回転すると,位置は回転後の座標系で表されます。

• 通常は,座標系の回転はアプローチ動作の前にオンにされ,加工終了後にオフ にされます。加工中に座標系の回転をオンにすると,ワークは正しく加工され ません。

3.1.10 3次元の座標系回転(G68,G69)

3.1.10 3 次元の座標系回転(G68,G69)

概要

G68は3次元の座標系回転にも拡張できます。

指令方法

G68 X… Y… Z… I… J… K… R…

X… Y… Z…:現在のワーク原点を基準とした回転中心点の座標値 省略するとワーク原点を回転の中心点とみなします。

座標値は常に絶対位置として取り扱われます。

G90/G91指令はG68指令には影響しません。

回転中心点の座標は原点オフセットのように作用します。

I… J… K…:回転中心点における回転の軸となるベクトル

座標系はこのベクトルの周りを指定された角度Rだけ回転します。

R…:回転角度

常に絶対値として取り扱われます。

角度Rが省略されている場合,SD $SC_DEFAULT_ROT_FACTOR_Rに設 定されている値が使用されます。

G68は座標回転を指令するブロックに必ず必要です。

2 次元と 3 次元の判別

2次元の座標回転と3次元の座標回転の区別は,ベクトルI,J,Kがプログラムさ れているかどうかだけで決まります。ベクトルがそのブロックになければ,2次元 のG68が選択されます。ベクトルがそのブロックにあれば,3次元のG68が選択 されます。

ベクトル指定値

長さ0のベクトルがプログラムされた場合,下記のとおり,そのとき選択されて いる平面指定に対応する座標軸を中心に回転します。

G17(XY平面)モードのとき,Z軸を中心に回転

G18(ZX平面)モードのとき,Y軸を中心に回転

G19(YZ平面)モードのとき,X軸を中心に回転

座標回転の重ね合わせ

G68を使って,二つの座標回転を重ねて適用することができます。

G68が実行されるブロックで既に有効になっているG68がなければ,座標回転は チャンネルの基本フレーム1に書き込まれます。G68が実行されるブロックで既 に有効になっているG68があれば,座標回転はチャンネルの基本フレーム2に書 き込まれます。これにより二つの座標回転が順番に有効となります。

G68を3回以上重ねて指令した場合,2回目以降の座標回転はキャンセルされ,1 回目の座標回転の結果に重ねられます。つまり,3重以上の座標回転はできませ ん。

キャンセル

G69を使って,3次元座標回転を終了できます。二つの座標回転が有効になってい る場合,G69によってそれらは二つともキャンセルされます。