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■ 例

2.2 レファレンス点復帰

2.2.1 自動レファレンス点復帰 (G28)

指令方法

G28 X… Y… Z… ;

"G28 X … Y … Z … ;" の指令により,数値制御された軸がレファレンス点に戻りま す。軸はまず指定された位置まで早送り速度で移動し,次にレファレンス点まで 自動的に移動します。

このレファレンス点復帰動作は,同時 3 軸制御まで可能です。G28 ブロックに指 定されていない軸はレファレンス点に戻りません。

レファレンス位置

レファレンス位置は固定位置を基準とします。工具の位置はレファレンス位置復 帰機能を使って簡単に参照できます。例えば,この位置を工具交換位置として使 うことができます。MD $_MA_REFP_SET_POS[0] から [3] で座標を設定して,合 計4つのレファレンス位置を確定できます。

図 2.9 自動レファレンス点復帰 Y

B A

位置決め

始点 Z

Y

レファレンス点復帰動作 中間位置決め点

Z 軸減速 LS

Y 軸減速 LS

レファレンス点

(機械上の固定点)

プログラム例

(G90/G91) G28 X… Y… Z…;

2.2 レファレンス点復帰

(1)レファレンス点復帰動作

レファレンス点復帰動作は,レファレンス点復帰操作が手動で開始されてから軸 がレファレンス点に戻るまでの一連の動作です。

レファレンス点復帰は次の方法で実行されます。

• 中間位置決め点 B への位置決めの後,軸は早送り速度でレファレンス点に直接 戻ります。個々の軸について減速リミットスイッチを使用する通常のレファレ ンス点復帰動作と比べると,軸はより短い時間でレファレンス点に戻ることが できます。

• 点 B が,レファレンス点復帰が許可されるエリアの外にある場合でも,高速レ ファレンス点復帰を指定することで軸をレファレンス点に戻すことができま す。

• 高速自動レファレンス点復帰は,レファレンス点復帰が G28 によって呼び出さ れた場合にのみ有効です。高速自動レファレンス点復帰は手動レファレンス点 復帰動作に影響しません。

(2)回転軸用の自動レファレンス点復帰

回転軸を使用する場合にも,直線軸を使用する場合と同様に自動レファレンス点 復帰を実行することができます。回転軸が,最初に確立されたレファレンス点位 置から ±360.000° 以上移動した場合,レファレンス点復帰は,プリセットされ たレファレンス点復帰方向で最も近いレファレンス点まで実行されます。

下図は,点 A,B 間で実行されるレファレンス点復帰を示しています(レファレン ス点復帰の方向は,MD_$MA_REFP_CAM_IS_MINUSの設定によって決定されま す)。

-720° -360° 360° 720°

+

B B’

(レファレンス点復帰:プラス方向がレファレンス点復帰方向に選択された場合)

A A’

(3)自動レファレンス点復帰指令に対する補足

(a)工具径補正および固定サイクル

G28が工具径補正モード(G41,G42)または固定サイクルで指令された場 合はアラームになります。G28 を工具径補正モード (G41, G42) または固定 サイクルで指定しないでください。

(b)工具位置補正

G28 が工具位置補正モードで指定された場合,中間位置決め点への位置決 めは補正データが有効な状態で実行されます。しかし,レファレンス点へ の位置決めについては,補正データはキャンセルされて,アブソリュート レファレンス点への位置決めが実行されます。

(c)工具長補正

パラメータの設定を変更することで,G28 で工具長補正モードをキャンセ ルできます。G28 で工具長補正モードをキャンセルできますが,工具長補 正モードはできれば G28 を指定する前にキャンセルしてください。

(d)マシンロック介入

復帰完了を示すランプは,工具が自動的にレファレンス位置に戻った場合 でも,マシンロックがオンの場合は点灯しません。この場合,G27 指令が 指定されても,工具がレファレンス位置に戻ったかどうかはチェックされ ません。

G28 を発行すると,レファレンス点に向かう軸動作の途中で工具径補正がキャン セルされます。このため,G28 を発行する前に工具径補正を無効にしてください。

2.2 レファレンス点復帰

2.2.2 レファレンス点復帰のチェック (G27)

指令方法

G27 X… Y… Z… ;

この機能は,"G27 X … Y … Z …;" の指令を指定することにより,プログラムが機 械のレファレンス点からスタートしてレファレンス点で終了するように作成され たパートプログラムの完了時に,軸が正しくレファレンス点に戻ったかどうかを チェックするものです。

G27 モードでは,この機能は,同時 3 軸(* 5 軸)制御モードでこれらの指令を実 行することで,位置決めされた軸がレファレンス点にあるかどうかをチェックし ます。このブロックに指定されていない軸,および軸指令が指定されているにも 関わらず移動しない軸については,位置決めおよびチェックは実行されません。

(1)チェック後の動作

G27 ブロック中の指令の実行後に到達された位置がレファレンス点と一致すると,

レファレンス点復帰完了ランプが点灯します。

指定された軸がすべてレファレンス点に位置決めされると,自動運転が連続的に 実行されます。レファレンス点に戻っていない軸がある場合,レファレンス点復 帰チェックエラーが生じ,自動運転は中断されます。

レファレンス点復帰チェック指令およびその他の指令に対する補足

• G27 が工具補正モードで指定された場合,補正量だけずれた位置への位置決め が実行されるので,位置決め点はレファレンス点と一致しません。G27 を指定 する前に工具補正モードをキャンセルする必要があります。工具位置補正およ び工具長補正機能は G27 指令ではキャンセルできないことに注意してくださ い。

• マシンロックがいずれかの軸について有効であれば,G27 が実行されても チェックは行われません。たとえば,Z 軸無視の場合,X 軸動作指令が G27 ブ ロックに指定されても,X 軸の位置はチェックされません。

• ミラーイメージ機能は,G27によって呼び出されたレファレンス点復帰の軸動

作の方向に対して有効です。位置不一致エラーを避けるために,ミラーイメー ジ機能をキャンセルしてから G27 を実行するようにしてください。

2.2.3 第 2 ~ 第 4 レファレンス点復帰 (G30)

指令方法

G30 Pn X… Y… Z… ;

"G30 Pn X … Y … Z ;" の指令を使用すると,指定された中間位置決め点への位置決 めの後,同時 3 軸(* 5 軸)制御モードで,P2 (第 2 レファレンス点),P3 (第 3 レファレンス点 *),または P4 (第 4 レファレンス点 *)へ軸が移動します。"G30 P3 X30. Y50.;" が指定された場合,X 軸および Y 軸が第 3 レファレンス点に戻りま す。"Pn" が省略された場合,第 2 レファレンス点が選択されます。G30 ブロック に指定されていない軸は移動しません。

レファレンス点の位置

各レファレンス点の位置は,第 1 レファレンス点を基準にして決定されます。第 1 レファレンス点から各レファレンス点までの距離は,次のMDに設定されます。

第 2 ~第 4 レファレンス点復帰指令に対する補足

• G30 を実行する場合に考慮すべき点については,2.2.1 (3)「自動レファレンス点 復帰に対する補足」を参照してください。

• G30 を実行するには,電源オン後に,手動であるいは G28 を実行することによって,レ ファレンス点復帰が完了していなければなりません。レファレンス点復帰が完了してい ない軸が G30 ブロックに指定された軸に含まれていればアラームになります。

2.2.4 工具後退および復帰 (G10.6)

指令方法

G10.6 X… Y… Z… ; 起動 G10.6 ; 停止

加工中に損傷した工具の交換または加工状態のチェックのために,工具をワーク から退避させることができます。実際には,機械独自のシーケンスを開始するこ とができます。したがって,詳細については工作機械メーカによる取扱説明書を 参照してください。

指令位置はインクリメンタルモードでは,後退信号がオンになった位置からの後 退距離。アブソリュートモードでは,アブソリュート位置までの後退距離です。

表 2.3 レファレンス点 MD

第 2 レファレンス点 $_MA_REFP_SET_POS[1]

第 3 レファレンス点 $_MA_REFP_SET_POS[2]

第 4 レファレンス点 $_MA_REFP_SET_POS[3]