2.7.6 個々の試験のまとめ
2.7.6.4 第II相試験:22377 試験/日本
日目の超音波検査で主席卵胞の平均径が11 mm未満の場合は、1日投与量を37.5 IU単位(SJ-0021[追 加剤]1バイアル)で増量し、増量後の投与量にて7日間連日投与を実施した。投与8、15、22日目 の超音波検査で主席卵胞の平均径が11 mm以上であった場合は、増量せず同一投与量にて投与を継続 した。主席卵胞の平均径が18 mmに成熟するまでSJ-0021投与を継続するが、最長投与期間は28日間
とした。SJ-0021の用量は3回まで増量可能とし、減量は行わないこととした。
評価基準:
有効性:
1)主要評価項目:
主席卵胞の平均径が18 mmに到達するまでのSJ-0021投与期間 2)副次評価項目:
(1)主席卵胞平均径が18 mmに到達する割合
(2)排卵率
(3)SJ-0021総投与量
(4)hCG投与キャンセル率
(5)成熟単一卵胞発育率
(6)妊娠率 安全性:
有害事象 統計手法:
有効性:
有効性評価は主にPPSを対象として実施した。FAS解析結果を用いてPPS解析で得られた結果の妥当 性を確認した。
1)主要評価項目:
Log-rank検定及び一般化Wilcoxon検定を用い、群間の一様性の比較及びL、M、H群で対比係数-1、0、 1を使用した場合の用量反応関係を評価した。一様性の検定から得られる分散共分散行例及びスコア ベクトルを用いて有意差検定を行った。これら 2種類の検定結果において、対比係数(-1、0、1)に
基づくlog-rank検定の結果によって表される有意差を主たる結果として使用した。
2)副次評価項目:
妊娠率を除く各割合は、各項目で解析する対比係数を用いる Cochran-Armitage 検定により評価し、
SJ-0021総投与量は、対比係数(-1、0、1)に基づく一元配置分散分析により評価した。
安全性:
安全性評価は184例からなるFASを対象として実施した。
報告日:20 年 月 日
2.7.6.4.2 投与スケジュール
SJ-0021の投与方法の概略を図2.7.6-5に示す。
図2.7.6-5 投与量の増加基準と増量時期
150 IU
L群 112.5 IU
75 IU 3~7日目 37.5 IU
187.5 IU
M群 150 IU
112.5 IU 3~7日目 75 IU
262.5 IU
H群 225 IU
187.5 IU 3~7日目 150 IU
投与
第1週 第2週 第3週 第4週
投与期間 最長4週間 主席卵胞径
<11mm
↓ 月経又は
消退出血
SJ-0021 投与開始
月経又は 消退出血
月経又は 消退出血
8日目 15日目 22日目 28日目
1日目
主席卵胞径
<11mm
↓
主席卵胞径
<11mm
↓
2.7.6.4.3 hCG投与/キャンセル基準
2.7.6.4.3.1 hCG投与基準
超音波検査にて主席卵胞の平均径が18 mm以上に成熟したことを確認した時点で、hCG 5000 IU を単回筋肉内投与することにより、排卵を誘発した。
SJ-0021の投与期間は最長28日間とし、29日目の時点で主席卵胞の平均径が18 mm未満であっ
た場合でも、以降の本治験薬の投与は実施不可とした。この場合において、主席卵胞の平均径が
16 mm以上であれば、hCG投与を認めることとした。
2.7.6.4.3.2 hCG投与キャンセル基準
下記の場合、hCG投与を中止することとした。
1)平均径が16 mm以上の卵胞を4個以上認めた場合。
2)血清中エストラジオール(E2)濃度が2000 pg/mLを超えた場合。
2.7.6.4.4 症例の構成
症例の内訳を図2.7.6-6及び表2.7.6-15に示す。
試験前検査を受けた患者233例中201例(L群:67、M群:69、H群:65)が登録され、この
うち17例が治験薬投与開始前までに中止・脱落したため、実際には184例(L群:62、M群:62、
H群:60)の被験者に治験薬が投与された。この計184例が少なくとも1回の治験薬投与を受け、
うち169例(L群:59、M群:61、H群:49)が治験薬投与を終了した(即ち、主席卵胞の平均
径が18 mmに達した症例)。治験薬投与が終了した被験者のうち148例(L群:56、M群:59、
H群:33)にhCGが投与された。このうち 1例はhCG投与後の追跡調査期間中に中止・脱落し た。
治験薬投与終了後にhCG投与が実施されなかった被験者は 21例(L群:3、M群:2、H群:
16)であった。このhCG未投与例21例中3例(L群)はhCG投与基準を満たしておらず、16例
(M群:2、H群:14)はhCG投与キャンセル基準に抵触し、2例(H群)はその他の理由により hCGが投与されなかった。
図2.7.6-6 症例の内訳
L群:37.5 IU M群:75 IU H群:150 IU
PPS PPS以外
N = 173 N = 11
L群:57 L群:5
M群:61 M群:1
H群:55 H群:5
登録・割り付け例 N = 201 L群:67 M群:69 H群:65
少なくとも1回の治験薬投与例(FAS)
N = 184 L群:62 M群:62 H群:60
治験薬投与前の中止・脱落例 N = 17
L群:5 M群:7 H群:5
L群:59 M群:61 H群:49 治験薬投与終了例*
N = 169
H群:11
治験薬投与期間中の中止・脱落例**
N = 15 L群:3 M群:1
*治 験 薬 投 与 終 了 例 :SJ-0021 投 与 を 28 日 間 受 け た 症 例 、 又 は 主 席 卵 胞 の 平 均 径 が
18 mm以上に達するという評価項目の要件を満たした症例。
**治 験 薬 投 与 期 間 中 の 中 止 ・ 脱 落 例 : 治 験 薬 を 1 回 以 上 投 与 さ れ た 症 例 の う ち 、
「治験薬投与終了例」の基準に該当しない症例。
表2.7.6-15 治験薬投与終了後の症例の内訳
L群 M群 H群 合計
hCG投与例 56 59 33 148
hCG未投与例
hCG投与基準を満たさない 3 0 0 3
hCG投与キャンセル基準に抵触 0 2 14 16
その他の理由 0 0 2 2
2.7.6.4.5 治験実施計画書からの逸脱
治験実施計画書からの逸脱例を以下の6つのカテゴリーに分類した。初回評価時の治験実施計 画書からの逸脱例数を表2.7.6-16に示した。
A) 選択/除外基準を満たしていなかった症例。
B) 中止基準に該当したが、投与中止がなされなかった症例。
C) 投与規定に違反した症例(治験薬投与規定およびhCG投与規定)。
D) 併用禁止療法を受けた症例。
E) 主要評価項目(主席卵胞の平均径が18 mmに成熟するまでの日数)の観察(超音波検査)が 不完全であった症例。
F) 観察項目に軽微な不足が認められた症例。
基本的に、重大又は軽微な逸脱は以下のように分類される。
A)~D)=重大な逸脱/違反:PPSから除外する必要あり
E)及びF)=軽微な逸脱:PPSから除外する必要なし
なお、C)については、hCG投与後に血清中E2濃度が2000 pg/mLを超えていることが判明した 場合は、逸脱例として取り扱わないこととした。
表2.7.6-16 初回評価時の治験実施計画書からの逸脱例数 治験実施計画書からの逸脱
例数 事例数 逸脱例数
A) B) C) D) E) F)
42 47 1 0 5 4 1 36
セローノ・ジャパン株式会社(当時)が実施した本治験とは別の治験(22696 試験)に対する 医薬品医療機器総合機構によるGCP適合性調査結果通知を受けて、治験依頼者は本22377試験に おける治験実施計画書からの逸脱の評価基準を再考した。この再評価の結果を以下の表 2.7.6-17 に示す。
表2.7.6-17 再評価後の治験実施計画書からの逸脱例数 治験実施計画書からの逸脱
例数 事例数 逸脱例数
A) B) C) D) E) F)
45 53 0 0 8 3 6 36
この結果、各症例の取り扱いに変更はなかった。したがって、FAS及びPPSのデータセットに も変化はなかった。
2.7.6.4.6 解析に用いたデータセット
有効性評価は主要解析集団であるPPSを対象として実施した。主要解析とは別に、PPSで得ら れた結果の妥当性を確認するため、FASを対象とする解析も実施した。安全性はFASを対象とし
て評価した。
FASは、最小化法を用いて各投与群(L群、M群、H群)に割り付けられた症例のうち、GCP 不遵守例又は重大な選択/除外基準違反例を除いた、SJ-0021を1回以上投与された症例集団で被 験者184例よりなる。
PPSは、FASのうち重大な逸脱例を除いた集団である。重大な逸脱例である11例が除外された ため、PPSは被験者173例よりなる。
各解析集団(PPS又はFAS)の評価可能な症例数を表2.7.6-18に要約して示す。
表2.7.6-18 各解析集団に含まれる症例数 L群
(N=67) n(%)
M群
(N=69) n(%)
H群
(N=65) n(%)
合計
(N=201) n(%)
解析 解析集団
FAS 62 (92.5) 62 (89.9) 60 (92.3) 184 (91.5) 有効性解析
PPS 57 (85.1) 61 (88.4) 55 (84.6) 173 (86.1) 安全性解析 安全性解析集団(SP) 62 (92.5) 62 (89.9) 60 (92.3) 184 (91.5)
2.7.6.4.7 人口統計学的及びベースライン時の特性
人口統計学的特性及びベースライン時における特性を表2.7.6-19及び表 2.7.6-20に示す。人口 統計学的特性及びその他のベースライン時の特性の分布は3群間で類似していた。
表2.7.6-19 人口統計学的特性[FAS]
L群
(N=62)
M群
(N=62)
H群
(N=60)
合計
(N=184) 特性
31.6 ± 3.78 (24 - 39)
31.2 ± 3.99 (21 - 39)
31.2 ± 4.07 (23 - 39)
31.3 ± 3.93 (21 - 39) 年齢(歳)
21.33 ± 3.23 (17.0 - 27.9)
21.20 ± 3.05 (17.0 - 27.7)
21.56 ± 2.69 (17.0 - 27.1)
21.36 ± 2.99 (17.0 - 27.9) BMI(kg/ m2)
<平均値±SD(最小値-最大値)>
表2.7.6-20 ベースライン時の特性[FAS]
L群
(N=62) n(%)
M群
(N=62)
H群
(N=60) n(%)
合計
(N=184) n(%)
特性
n(%)
N(欠測数) 62 (0) 62 (0) 60 (0) 184 (0) 診断
19 (30.6%) 21 (33.9%) 26 (43.3%) 66 (35.9%) 第I度無月経
43 (69.4%) 41 (66.1%) 34 (56.7%) 118 (64.1%) 無排卵周期症
N(欠測数) 62 (0) 62 (0) 60 (0) 184 (0) PCOS所見
23 (37.1%) 24 (38.7%) 22 (36.7%) 69 (37.5%) 所見あり
39 (62.9%) 38 (61.3%) 38 (63.3%) 115 (62.5%) 所見なし
2.7.6.4.8 有効性に関する成績
2.7.6.4.8.1 主要評価項目
主要評価項目は、主席卵胞の平均径が18 mmに到達するまでのSJ-0021投与期間であった。
中止・脱落例及びhCG投与キャンセル基準に抵触した症例は、中止例として取り扱った。ただ し、治験薬投与開始28日目以前に中止・脱落した症例で、主席卵胞平均径の最終測定値が18 mm に到達していないが16 mm以上であった場合、症例検討委員会にて盲検下で卵胞成熟日数が推定 され、その推定値を評価に利用した。超音波検査実施時期により、主席卵胞平均径が18 mmに到 達した日数を特定できなかった場合においても、本委員会により盲検下にてその日数が推定され た。
上記の条件に該当する症例数は合計26例であり、このうち11例(L群:7、M群:1、H群:3)
を中止例とし、残り15例(L群:2、M群:4、H群:9)の推定達成日数が評価に利用された。
主席卵胞の平均径が18 mmに到達するまで要した投与期間の平均値及び中央値(累積率が50%
となる日数)を表2.7.6-21に示す。
表2.7.6-21 主席卵胞の平均径が18 mmに到達するまでの投与期間の概要[PPS]
L群
(N=57)
M群
(N=61)
H群
(N=55)
合計
(N=173)
50 60 52 162 18 mmに到達した症例数
平均値 ± SD 13.6 ± 6.09 11.2 ± 4.74 8.3 ± 1.45 11.0 ± 4.96
14.0 10.0 8.0 -
中央値
[12.0, 15.0] [9.0, 11.0] [8.0, 9.0] - 到達日数の両側95%信頼区間
投与期間の中央値は、L群(14.0日)>M群(10.0日)>H群(8.0日)であった。Log-rank検 定を用いて3群間の生存率曲線(図2.7.6-7参照)の一様性について検定した結果、各群間に有意 な差が認められ(P<0.0001)、対比係数(-1、0、1)を用いたlog-rank検定から、18 mmに到達 するまでの投与日数は、L群>M群>H群(P<0.0001)と用量相関が示された。一般化Wilcoxon 検定でも同様の結果が得られた(P<0.0001)。
以上のように、主要評価項目において3群間で明らかな用量反応関係が認められた。