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市販後データ

ドキュメント内 2 (ページ 86-94)

2.7.4 臨床的安全性の概要

2.7.4.6 市販後データ

ホリトロピンアルファは海外では商品名GONAL-f、国内ではゴナールエフとして、以下の適応 症で100ヵ国で登録されている。

• クエン酸クロミフェンに反応しない無排卵性不妊女性患者(PCOSを含む)(欧州)、若しく は希発又は無排卵性不妊症患者の排卵誘発(米国)

• 生殖補助医療(ART)のための卵胞発育刺激

• 低ゴナドトロピン性男子性腺機能低下症における精子形成誘導

• 重度FSH及びLH欠乏女性における卵胞発育刺激

なお、すべての国でこれらすべての適応症が登録されているわけではない。

2.7.4.6.1 推定曝露量

女性適応症の場合、使用するホリトロピンアルファの薬剤量は患者ごとに異なり、また、大部 分の患者が数ヵ月から数年の間に限られた回数の治療サイクルを受けるだけであることから、1995 年10月に上市されてから現在までの使用患者数を推定することは困難である。したがって、販売 された薬剤量に対応する「標準的」治療サイクル数を推定する方がより賢明である。

メルクセローノ会社の定期的安全性最新報告(PSUR)で使用した推定法に基づくと、各「標 準的」サイクルで平均1875 IUのホリトロピンアルファが使用される。1995年10月から2007年 10月までのホリトロピンアルファの累積販売量は 5,481,568サイクルに相当することになる。し たがって、患者数は少ない場合で1,370,392名(各患者が4サイクルの治療を受けたと仮定)、多

い場合で5,481,568名(各患者が1サイクルのみの治療を受けたと仮定)と推定される。

2.7.4-15 ホリトロピンアルファの初回市販承認以降の累積市販後曝露量の推定

(1995年1020日~2007年1019日)

推定 総サイクル数推定値

(1875 IU/サイクル)

患者一人当たり2サイクル と仮定したときの使用患

者数推定値

患者一人当たり4サイク ルと仮定したときの使用

患者数推定値

合計 5,481,568 2,740,784 1,370,392

最大推定値を採用するか、最小推定値を採用するかにかかわらず、市販後期間中に曝露された 患者数が非常に多いのは明らかであり、恐らく100万人を超えると考えられる。

これらの数字と比較すると、臨床試験でホリトロピンアルファを使用した被験者数はごくわず かであると言える。

12年を超える市販後調査を通して、ホリトロピンアルファの安全性プロファイルは、上市当初 から本質的に変わっていない。

2.7.4.6.2 市販後調査で収集された安全性情報

各適応症における安全性データを個別に解析することは、以下のような種々の理由により適切 でないと考えられる。

• ICH の勧告によると、治療対象集団が著しく異ならない限り、安全性データはプールして解 析するのが最良である。

• 2004年6月30日まで使用していたデータベースの「適応症」に使用したコード化用語集では、

登録された適応症を区別することができなかった。

• 適応症に関係なく、不妊女性患者におけるホリトロピンアルファの薬理作用は同様であり、

したがって、安全性データは併せて考慮する必要がある。

市販後調査で報告された重篤な有害事象(自発報告及び文献症例報告を含む)をメルクセロー ノの安全性データベースから検索し、解析した。基本的に、ホリトロピンアルファに関連して報 告された重篤な有害事象の大多数がOHSS及びその合併症から構成されていた。このうち最も重 度なものは、単一症例報告として公表されている。

3件以上の重篤な有害事象が報告された器官別大分類を表2.7.4-16に示す。当該事象の既知/未 知については、個々の症例評価時点における企業中核安全性情報(CSI)に基づいて評価した。

既知の有害事象には初回承認時以降にCSIに追加されたものもある(軽度全身性反応、アナフィ ラキシー反応)。

2.7.4-16 市販後調査で報告された重篤な有害事象(器官別大分類)

未知 既知

器官別大分類

(MedDRA SOC) 症例数

(a*/b**)

件数 (a*/b**)

症例数 (a*/b**)

件数 (a*/b**) 血液およびリンパ系障害 4 / - 7 / - - / - - / - 心臓障害 4 / 3 5 / 6 - / - - / - 先天性障害 1 / 2 1 / 2 - / - - / -

胃腸障害 3 / - 6 / - 1 / - 14 / -

全身障害および投与局所様態 2 / - 9 / - - / - - / - 肝胆道系障害 2 / 1 4 / 2 - / - - / - 免疫系障害 4 / 1 4/ 1 1 / - 1 / - 代謝および栄養障害 1 / - 3 / - - / - - / - 筋骨格系および結合組織障害 2 / - 9 / - - / - - / - 良性、悪性および詳細不明の新生

(嚢胞およびポリープを含む) 6 / - 6 / 2 - / - - / - 神経系障害 12 / 3 26 / 4 - / - - / 1 妊娠、産褥および周産期の状態 6 / 5 8 / 8 - / - - / -

精神障害 1 / - 6 / - - / - - / -

腎および尿路障害 2 / - 5 / - - / - - / - 生殖系および乳房障害 3 / - 6 / - 50 / 6 81 / 17 呼吸器、胸郭および縦隔障害 7 / 2 16 / 4 5 / - 12 / - 皮膚および皮下組織障害 2 / - 4 / - 2 / - 3 / -

血管障害 2 / 1 7 / 1 4 / - 7 / -

*a=商品名GONAL-fに関する報告数

**b=商品名不明のホリトロピンアルファに関する報告数

市販後調査で報告された重篤な有害事象全体の約半数が既知の有害事象であり、特に卵巣過剰 刺激症候群(OHSS)及びその合併症(腹水、卵巣捻転及び血栓塞栓性事象など)から構成され ていた。重症度が高い、又は特異性が高いため、未知と判断された有害事象の大多数は、実際に はOHSSの合併症である(例えば、胸水、卒中発作、心筋梗塞)。最も重度と判定されるOHSS 合併症は一般的に極めて稀であり、OHSS の予防及び発現時に適切な処置を施すことにより多く の場合は重度となるケースを避けることができると考えられる。

メルクセローノの安全性データベースに入力された重度のOHSS合併症に関する個別症例報告 について、表2.7.4-17に示す。

2.7.4-17 OHSS合併症に関する個別症例報告

製造元管理番号 報告された薬剤名 事象 情報源

呼吸器、胸郭及び縦隔障害

31001L00FRA GONAL-f 卵巣刺激による二次的再発性胸水症 文献

310001L03ITA 商品名不明 OHSSの唯一の臨床発現症状としての大量片

側胸水症

文献

310002L07ITA GONAL-f 中等度OHSSに関連する大量胸水症 文献

310001L07SWE 商品名不明 (OHSSを伴う)胸水症 文献

31007M00FRA GONAL-f (重度OHSS後の)肺塞栓症 自発報告

310001M03USA GONAL-f 肺塞栓症及び胸水 自発報告

310004M06FRA* GONAL-f 虚血性卒中発作及び重度OHSSに関連する肺

塞栓症

自発報告

310006M07FRA GONAL-f 左胸水を伴う肺塞栓症 自発報告

310001L06ITA GONAL-f OHSSに関連する胸水を伴う急性呼吸器症候

文献

310001M06GRC GONAL-f 致命的多臓器不全を伴う急性呼吸器症候群 自発報告

310001L07FRA* 商品名不明 OHSSに関連する胸水及び心嚢液貯留を伴う

急性呼吸不全

文献

心臓障害

310001L07ESP* 商品名不明 (心筋梗塞、脳血栓及びOHSSに関連する)

心嚢液貯留

文献

310001L07FRA* 商品名不明 (急性呼吸不全及びOHSSに関連する)心嚢

液貯留

文献

31001L99DEU 商品名不明 (OHSSを伴う)心筋梗塞 文献

31005M99FRA* GONAL-f (脳塞栓に関連する)心停止(患者回復) 自発報告

31001M02KOR GONAL-f 心停止(中毒又は殺人に関連すると疑われる

死亡)

自発報告

腎及び尿路障害

31003M02GBR 商品名不明 OHSS及び自然流産に関連する機能異常障害

を伴う腎機能不全

自発報告

310023M06FRA GONAL-f 血栓性微小血管症、溶血性貧血及びOHSSを

伴う急性腎不全

自発報告

神経系障害

31012M97GBR GONAL-f 卒中発作 自発報告

31005M99FRA* GONAL-f (心停止に関連する)大脳動脈塞栓症(患者

回復)

自発報告

31003M00FRA GONAL-f 大発作型痙攣を伴う虚血性脳血管障害 自発報告

31001L02USA 商品名不明 (OHSSに関連する)心臓内血栓による虚血

性脳卒中

文献

310001L04TUR 商品名不明 (OHSSを伴う)虚血性脳卒中 文献

310004M06FRA* GONAL-f 肺塞栓症及びOHSSを伴う虚血性脳卒中 自発報告

310012M07FRA GONAL-f (死亡に至る)脳血管発作(右頸動脈血栓症) 自発報告

310001L07ESP* 商品名不明 (心筋梗塞及びOHSSを伴う)大脳血栓症 文献

製造元管理番号 報告された薬剤名 事象 情報源 血管障害

31001M00FRA GONAL-f (OHSSを伴う)末梢性虚血 自発報告

31005M02FRA GONAL-f 末梢性虚血、腹水及びOHSS 自発報告

31004M02GBR GONAL-f (OHSSを伴う)鎖骨下/腋窩静脈血栓症 自発報告

31005M02GBR GONAL-f (OHSSを伴う)鎖骨下/頚静脈血栓症 自発報告

310002M03USA GONAL-f (胸水及びOHSSを伴う)深部静脈血栓症 自発報告

150001L05TWN GONAL-f (OHSSを伴う)内頚静脈血栓症 文献

310001M07LTU GONAL-f (OHSSを伴う)頚静脈血栓症 自発報告

310001L06USA GONAL-f (OHSSを伴う)鎖骨下静脈血栓症 文献

310001M07BEL GONAL-f (OHSSを伴う)鎖骨下静脈血栓症 自発報告

生殖系及び乳房障害

31001L00AUS GONAL-f 急性卵巣捻転 文献

310002L07USA GONAL-f 左卵巣の出血性梗塞;卵巣捻転に関連する卵

巣壊死

文献

310001L05USA GONAL-f 傍卵巣嚢胞 文献

310001L07TWN GONAL-f 持続性巨大卵巣 文献

310002L07USA GONAL-f 出血性卵巣嚢胞;卵巣捻転 文献

310002L08CHN GONAL-f 卵巣捻転 文献

上記の最も重度のOHSS合併症の約半数は文献で報告されたものである。ホリトロピンアルフ ァを用いて累積500万サイクル以上の治療が行われていることを考慮すると、重度のOHSS合併 症の発現頻度は依然として非常に稀であった。ホリトロピンアルファの推奨用量及び投与方法を 厳密に遵守することや慎重に治療をモニタリングすることにより、重度の OHSS 合併症を回避、

あるいはその発現率を最小限に抑えることが可能である。

OHSS 及びその非常に稀な合併症以外に、不妊症治療に関連して長年にわたり検討されてきた その他の問題は、生殖器系腫瘍、多胎妊娠、子宮外妊娠、先天性異常及びアレルギー反応である。

生殖器系腫瘍

表2.7.4-18に示すように、1995年10月の初回市販承認から2008年4月までの調査期間中、生 殖器系腫瘍4症例(乳癌3症例及び卵巣癌1症例)がメルクセローノ会社の安全性データベース に登録された。

ドキュメント内 2 (ページ 86-94)