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はじめに

 アンモンと同僚たちは愛があり,人の価値を理 解してい た。それを実際に示した彼らは,至る所にいる主の僕の模 範である。彼らの経験を通して,個人の準備の大切さや義 にかなった模範を示すことの影響力,仕える相手と良い関 係を築くことの必要性が分かる。さらに,アンモンと同僚た ちは,自分たちが仕えている人々が強い信仰心を持っている ことを理解していた。御霊や愛,証に関する福音の真理を 伝える方法として彼らが見いだしたものを探してみよう。彼 らの模範に倣うならば,主の手に使われる力強い僕となって 人々をキリストのもとに導くことができるであろう。

注解

アルマ 17:2 一緒に奉仕すると友情のきずなが生ま れる

• 主のぶどう園で働く者は,「収穫」のために一緒に働くこと によって愛のきずなで結ばれ

るようになる。このきずなは 信仰と証の経験を共有するこ とによって強くなる。 十二使 徒定員会の L・トム・ペリー 長老は,宣教師のときの最初

の同僚と,年月を経て再会したときのことを例として挙げて いる。

 「数年前,息子のリーから電話をもらったことがあります。

息子の話では,わたしの伝道中の最初の同僚が近所に滞在 中で,わたしとちょっとの間会いたがっているということでし た。…… 長い間お互いに会わなかった後で顔を合わせたの は,特別な経験でした。

 宣教師としてわたしたちはオハイオ州のある町で伝道を 開始する機会を与えられました。この割り当てのために,わ たしたちは 10 か月間一緒に働いたのです。彼はわたしのト レーナーであり, 最初の同僚でした。…… 彼に付いて行く のは大変なことでした。でも,一緒に働くうちに同僚として 親しくなっていきました。

 わたしたちの同僚関係はその 10 か月間の割り当てでは終 わりませんでした。第二次世界大戦が始まっていました。わ たしは帰還してからほんのわずかな間普通の生活をしただ けで,軍隊に召集されました。新兵訓練所での最初の日曜 日でした。末日聖徒の集会に出席していたときに,見覚えの ある後ろ姿が目に入りました。あの最初の同僚だったので す。こうして,その後の 2 年半の大部分を一緒に過ごしまし た。

 軍隊の中では環境は大いに違っていましたが,わたした

ちは伝道活動を続けようと努力しました。できるかぎり,一 緒に祈りました。状況が許すときは,一緒に聖文を学びまし た。……

 わたしたちは二人とも軍人会員グループの指導者として任 命を受けました。そして,再び一緒に奉仕し,わたしたちの 主なる救い主の栄えある福音を教える機会にあずかったの です。専任宣教師のときよりも,軍隊ではもっと成功しまし た。なぜでしょうか。わたしたちが経験を積んだ帰還宣教 師だったからです。

 最初の同僚へのこの訪問は,彼に会った最後の機会とな りました。不治の病を患っていたため,わずか数か月後に亡 くなったのです。わたしたちの伝道を再び体験し, 伝道後 の生活についても語り合うことができたのはすばらしい経 験でした。わたしたちはビショップリック,高等評議会,そし てステーク会長会で行った奉仕について詳しく語り合いまし た。もちろん,子供たちや孫たちのことを自慢し合いました。

わたしたちがともに座り,再び会えた機会に感動していると き,わたしはアルマ書第 17 章に記された言葉について考え ずにはいられませんでした。」(『リアホナ』2002 年 1 月号,

89 − 90 )

アルマ 17:2 − 3

アンモンと同僚たちは,力と権能をもって福音を伝える ためにどのような準備をしたか。それらの原則を 

実践するためにあなたにできることは何か。

アルマ 17:2 「聖文を熱心に調べてきた 」

• モーサヤの息子たちは伝道の備えに不可欠な事柄として 聖文を熱心に調べた。同様にハイラム・スミスも,まず主の 言葉を得るように努めることによって伝道に備えるよう主か ら勧告された(教 義と聖 約 11:21 − 22 参照)。伝 道活動 のガイド『わたしの福音を宣べ伝えなさい』では,聖霊を求 め,学びたいという強い意欲を持ち,学んだことを実行する ことの大切さを,効果的な福音研究の重要な要素として強調 している。

 「福音の学習が最大の効果を上げるのは,聖霊によって教 えを受けるときです。学ぶことができるように必ず聖霊の助 けを祈り求めてから福音の学習を始めます。聖霊によって与 えられる知識と確信はあなたの生活に恵みをもたらし,さら にあなたがほかの人々の生活を祝福できるようにしてくれま す。イエス・キリストを信じるあなたの信仰はいっそう強め

られることでしょう。また,悔い改めて,成長したいと思う 気持ちが強められます。

 このような方法で勉強するなら,あなたは奉仕の業に携 わるために備えられ,慰めを受け,問題が解決され,最後ま で堪え忍ぶ強さが得られるでしょう。福音の効果的な勉強 には意欲と行動が求められます。『熱心に求める人は見い だすであろう。神の奥義は聖霊の力によって,昔の時代の みならず今の時代にも…… 同じようにその人々に明らかにさ れる。』( 1 ニーファイ 10:19 )エノスのように永遠の命の言 葉に飢え渇き,それらの言葉を『〔あなたの〕心に深くしみ込

〔ませる〕』ならば(エノス 1:3 ),聖霊はいっそう大きな光と 理解に向けてあなたの思いと心を開いてくださるでしょう。

 福音を学ぶことは啓示を受けるための一つの段階でもあ ります(モルモン書ヤコブ 4:8 参照)。」(『わたしの福音を 宣べ伝えなさい』18 )

• それに加えて,『わたしの福音を宣べ伝えなさい』では,聖 文研究の力を増し加えるために聖文ノートを活用することが 奨励されている。聖文を研究しながら考えたことや感じたこ とを記録することによって,個人の啓示を受ける道を新たに 開くことになる。

 「学習していることを理解し,明確にし,覚えるために学 習帳を使うよう求められます。リチャード・G・スコット長老 はこのように教えています。『しっかりと記録した知識は必 要なときに活用できます。扱いに注意を要する霊的な情報 は,それを大切にしていることを主に理解していただけるよ う神聖な場所に保管しておかなければなりません。このよう に記録する習慣を身に付けるならば,あなたはさらに光を受 けるようになるでしょう。』(「霊的な知識を得る」『聖徒の道』

1994 年 1 月号,99 参照)霊的な経験を思い出し,新しく理 解したことを確かめ,自分の成長を知るために,学習帳に目 を通してください。

 学習帳としてあなたは市販の日記帳やノート,あるいは ルーズリーフバインダーを使うかもしれません。自分の学習 方法に合ったやり方で考えや印象を記録し,整理してくださ い。将来,大切な情報を簡単に見つけられるように,自分な りのシステムを考えましょう。学んだ事柄を思い返し,見つ け,応用するために頻繁に活用してください。個人学習や同 僚との勉強会,ディストリクト・ミーティング,ゾーン大会,伝 道部会長との面接で感じたことを記録したり,メモを取った りする際に学習帳を活用します。」(『わたしの福音を宣べ伝 えなさい』x )

アルマ 17:3 祈りと断食の効力

• 十二使徒定員会の M・ラッセル・バラード長 老は,主の 奉仕を行う際に働く祈りと断食の力について説明するため に次のような話をしている。「何年も前,忠実な改宗者であ るジョージ・マクラフリン兄弟が,メーン州ファーミンデール で会員 20 人の小さな支部の会長に召されました。マクラフ リン兄弟は謙遜な人で,牛乳を運搬するトラックの運転で生 計を立てていました。断食と熱心な祈りにより,地域で教会 が発展するために,会員とともに何をすればよいのか御霊に よって知ったのです。確固とした信仰と,継続した祈り,力 強い模範よって,マクラフリン兄弟はどのように福音を伝え たらよいか会員たちに教えました。これはすばらしい話で す。この神権時代における最も偉大な伝道の話です。ほん の 1 年間で,450 人の改宗者がこの支部でバプテスマを受け たのです。翌年もさらに 200 人の改宗者がバプテスマを受 けました。」(『リアホナ』2003 年 5 月号,38 − 39 ) アルマ 17:9 真理を知らない人々のために祈り,断食 する

• ゴードン・B・ヒンクレー大 管 長( 1910 − 2008 年)は,

すべての会員が伝道の機会を得ようと努め,祈るべきだと 勧 告して いる。「『人々に 真

理の知識をもたらす力が一人 一人に秘められている』こと を, すべての会員の心に刻み 込んでください。伝道するよ う会員を導いてください。こ のことについて大いなる熱意 をもって祈るよう会員に勧め てください。」(「子羊を見いだ

し,羊を養う」『リアホナ』1999 年 7 月号,122 )

• M・ラッセル・バラード長老は,主の業を行うときに導き を祈り求めるよう勧めている。「福音を伝える家庭で,わた したちは家族に必要な導きと,周りの人の物心両面にわたる 福利を祈り求めます。宣教師が教えている人や知人,信仰が 異なる人たちのためにも祈ります。アルマの時代,福音を伝 える家庭では,『神を知らない者たちの幸いのためにともに 断食し,熱烈に祈』りました(アルマ 6:6)。」(『リアホナ』

2006 年 5 月号,85 )

ドキュメント内 モルモン書 生徒用資料 宗教コース 121‒122 (ページ 193-200)