第 4 章 階層的 Mobile IP と NAT, DNS の連携による実現手法
4.4 詳細手順
4.4.4 移動端末への着信手順
(2) DNSサーバは、MNのFQDNとプライベートアドレスIPpri[MN]のマッピングを管理 している。MNに一時的に割り当てるグローバルアドレスを取得するため、DNSサーバは、
NAT機能を持つHAに対して、IPpri[MN]を含むアドレス割当要求メッセージを送信する。
(3) HA は、グローバルアドレスのプールの中から 1 つを選択し、MN に割り当てる
(IPglo[MN])。その後、HAはIPpri[MN]、対応するグローバルアドレスIPglo[MN]とその ライフタイム、およびGFAアドレスIPglo[GFA]のマッピングを管理する。
(4) 提案手法においては、NAT機能を持つGFAが、IPglo[MN]とIPpri[MN]の間のアドレ ス変換を実行する。しかしながら、この時点では、HAのみがIPpri[MN]とIPglo[MN]のマ ッピングを把握している。そこでHAは、GFAに対して、アドレス割当通知メッセージを 送信する。アドレス割当通知メッセージは、提案手法において新たに導入するものである。
アドレス割当通知メッセージによって通知される情報は、MN のプライベートアドレス
IPpri[MN]、割り当てられたグローバルアドレスIPglo[MN]とそのライフタイム、およびメ
ッセージの識別子から構成される。
(5) HAは、アドレス割当要求メッセージへの返答として、DNSサーバに対して、IPglo[MN]
とそのライフタイムを含むアドレス割当応答メッセージを送信する。
(6) DNSサーバはCNに対してDNS応答(DNS Answer)メッセージを送信する。この段階 で、CNはHAによって一時的に割り当てられたMNのグローバルアドレスを取得する。
(7) CNはステップ(6)で得られたグローバルアドレスを宛先アドレスとしてMN宛にパケッ
トを送信する。グローバルアドレスIPglo[MN]はHAによって割り当てられているため、
CNが送信したパケットはMNのホームネットワークに届けられ、HAによってキャプチャ される。
(8) HAは受信したパケットをGFAまでトンネリングする。
(9) GFAがHAからトンネリングされたパケットを受信すると、CNから送信されたオリジ
ナルのパケットを取り出す。GFAはステップ(4)において、IPpri[MN]とIPglo[MN]のマッ ピングをHAから通知されているため、宛先アドレスに格納されたIPglo[MN]をIPpri[MN]
に変換し、パケットをFAまでGREトンネリングを用いて転送する。FAがこのパケット を受信すると、パケットの外部ヘッダを取り除き、MN宛に転送する。
(10) 本ステップは、経路最適化をサポートする場合である。HA は、バインディング更新
メッセージをCNに送信し、CNからGFAまで直接トンネリングするように要求する。
(11) MNは、ステップ(9)で受信したパケットに対する応答パケットを送信する。このパケ
ットはFAによってキャプチャされ、GREトンネリングを用いてGFAまで転送される。
(12) FAからトンネリングされたパケットを受信したGFAは、パケットの送信元アドレス
をIPpri[MN]からIPglo[MN]に変換してCN宛に送信する。
(13) CNが上記ステップ(12)で受信したパケットに対する応答パケットを送信する際、ステ
ップ(10)で通知されたGFAアドレスIPglo[GFA]を用いて、直接GFAまでトンネリングす る(経路最適化)。
(14) GFAは、CNから送信されたパケットの宛先アドレスをIPglo[MN]からIPpri[MN]に 変換し、FAまでトンネリングする。
(15) 最後に FAは、GFAからトンネリングされたオリジナルのパケットを取り出し、MN
宛に転送する。