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移動端末からの発信手順

ドキュメント内 プライベート IP アドレスを用いた (ページ 52-55)

第 4 章 階層的 Mobile IP と NAT, DNS の連携による実現手法

4.4 詳細手順

4.4.3 移動端末からの発信手順

移動端末(MN)が最初に通信相手ノード(CN)にパケットを送信する場合の発信手順を図 4-3に示す。ここでは、MNはホームアドレスとしてプライベートアドレスを使用し、CNは グローバルIPネットワークに接続されていることを想定する。

(1) MNはIPパケットをCN宛に送信する。このパケットの送信元アドレスはMNのプラ

イ ベ ー ト ア ド レ ス(IPpri[MN])で あ り 、 宛 先 ア ド レ ス は CN の グ ロ ー バ ル ア ド レ ス (IPglo[CN])である。

(2) FAは、MNに対するアクセスルータとしての役割を持ち、MNから送信されたパケット をキャプチャして、GFAまでトンネリングする。プライベートアドレスの重複を可能とす るため、提案手法では後述のようにFA-GFA間でGRE (Generic Routing Encapsulation)ト ンネリング[36]を使用する(4.5.1節参照)。

(3) GFAは、該当するMNに対してすでにグローバルアドレスが割り当てられているかど

うかをチェックする。もし割り当てられていなければ、NAT機能を持つHAに対して、MN のプライベートアドレス IPpri[MN]を含むアドレス割当要求メッセージを送信する。ここ で、グローバルアドレスの割り当てに関連するメッセージは、提案手法において新たに定 義・導入するものである。アドレス割当要求メッセージには、MN のプライベートアドレ

ス IPpri[MN]、グローバルアドレスの要求ライフタイム、および応答メッセージとの対応

をとるための識別子が含まれる。

(4) HAは、そのホームネットワークに所属する移動端末のために複数のグローバルアドレ

スのプールを持つ。HA は、グローバルアドレスのプールの中から未使用の1つを選択し、

要求したMNに割り当てる。ここで、割り当てたグローバルアドレスをIPglo[MN]とする。

その後、MNのプライベートアドレス IPpri[MN]、グローバルアドレスIPglo[MN]とその ライフタイム、グローバル気付けアドレスとしてのIPglo[GFA]とのマッピングを管理する。

MN FA GFA+NAT HA+NAT CN

アドレス割当要求 (1)

(2) (3) (4) (5) (6) (7)

データ

アドレス割当応答

データ データ

(トンネリング)

バインディング更新 Binding Update データ

(トンネリング)

データ

データ

データ

データ データ (トンネリング)

[経路最適化]

データ

グローバル アドレス割当

(8) (9) (10) (11) (12) (13) (14) (15)

データ (トンネリング)

データ (トンネリング)

データ (トンネリング)

NAT

NAT

NAT

NAT

図 4-3 MN発信手順

(5) HAは、割り当てたグローバルアドレスIPglo[MN]とそのライフタイムを含むアドレス

割当応答メッセージをGFAに返す。GFAもHAと同様に、MNのプライベートアドレス

IPpri[MN]、グローバルアドレスIPglo[MN]とそのライフタイム、およびグローバルアドレ

ス割当要求メッセージからコピーした識別子のマッピングを管理する。なお、アドレス割 当応答で通知されるライフタイムは、先にアドレス割当要求で要求したライフタイムに等 しいか、あるいは要求ライフタイムよりも小さい値となる。

(6) この段階で、GFAはMNに割り当てられたグローバルアドレスを把握する。GFAは、

MN から送信されたパケットの送信元アドレス IPpri[MN]を、グローバルアドレス

IPglo[MN]に変換し、グローバルIPネットワークに送信する。このパケットは、通常のIP

ルーティング処理によってCNまで届けられる。

(7) CNはIPglo[MN]を宛先アドレスとして応答パケットを送信する。グローバルアドレス

IPglo[MN]は、HAによって管理・割り当てられ、MNのホームネットワークのアドレス空

間に所属するため、CNが送信したパケットはMNのホームネットワークに届けられてHA によりキャプチャされる。これは通常のMobile IP手順と同様である。

(8) HAはCNから受信したパケットをGCoAに対応するGFAまでトンネリングする。本 手順は通常の階層的Mobile IPと同様である。

(9) GFAがHAからトンネリングされたパケットを受信すると、CNから送信されたオリジ

ナルのパケットを取り出し、その宛先アドレスに設定されたグローバルアドレスIPglo[MN]

を対応するプライベートアドレスIPpri[MN]に変換する。その後、GFAはGREトンネリ ングを用いてFAまでパケットを転送する。

(10) 最後に、GFAからパケットを受信したFAは、MNのMACアドレスを用いてMN宛 にパケットを転送する。

(11) HAおよびCNによって経路最適化がサポートされる場合は、HAはCNに対して、MN 宛のパケットをCNからGFAまで直接トンネリングするように要求する。これはMobile IP における経路最適化と同様な手順であり、HAからCNに対するバインディング更新 (Binding Update)メ ッ セ ー ジ と 、CNか らHAへ の バ イ ン デ ィ ン グ 応 答(Binding Acknowledge)メッセージ(オプション)によって実現される。なお、図 4-3ではバインディ ング更新メッセージのみを示している。

(12) MNはステップ(10)で受信したパケットに対する応答パケットを送信する。このパケッ

トは先と同様にFAによってキャプチャされ、GFAまでトンネリングされる。

(13) 上記のMNからのパケットを受信したGFAは、先にMNに割り当てられたグローバ

ルアドレス IPglo[MN]を把握しているため、パケットの送信元アドレスをプライベートア ドレスIPpri[MN]からIPglo[MN]に変換して、CN宛に送信する。

(14) CNがステップ(13)で受信したパケットに対して、MN宛の応答パケットを送信する場

合、先のステップ(11)によってGFAのグローバルアドレスIPglo[GFA]を通知されているた め、直接GFAまでトンネリングすることが可能となる(経路最適化)。

(15) GFAは、CNから受信したパケットの宛先アドレスをIPglo[MN]からIPpri[MN]に変 換し、GFA-FA間をGREでトンネリングしてMNまで転送する。

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