2.1 総 会(C: Council)
IECの最高意思決定機関は、総会である。会議は少なくとも年1回開催されるが、その間に会長の要求又 は正会員NC会長の総数の5分の1(1/5)以上の要請によって、会議を招集することができる。
IECの意思決定は、総会の会議における投票又は書面投票による。各NCの投票権は一票である。定足 数は正会員の過半数で、議決は出席正会員の単純過半数で決する。棄権は投票と認められない。新会員の 承認は書面投票で行われ、正会員の5分の1(1/5)以上が反対投票をしない限り採択される。
正会員は、専門家を含めて4名まで総会に出席できる。ただし、1999年の京都総会において、CBメンバー 国のNCは、CBメンバーを含めて5名まで出席できることが決められた。
会議開催通知は会議の4ヵ月前に行われ、決議を必要とする審議文書及び議事次第は少なくとも6週間 前、その他の文書やコメントは少なくとも会議の1ヵ月前にCOから回付される。
2.1.1 構 成
総会は会長(議長)、正会員NCの会長、会長代理(前会長又は次期会長)、副会長、元会長、財務監事、
事務総長、CBメンバーで構成される。
準会員及びアフィリエイト・カントリーは、オブザーバとして総会に出席できる。
2.1.2 責任事項
- IECの方針、長期戦略及び財務目標の設定
- 収支決算、年間予算、会員別分担金及びその他の財務事項の承認 - IECの役員、SMB、MSB及びCABの議長の選出
- CB、SMB及びCABのメンバーの選出 - 新IEC会員の承認
- 規約と施行規則の改定
- CBで解決できなかったSMB及びCABの案件を含むCBからの懸案事項の解決 - 本会議の解散
2.2 評議会(CB: Council Board)
CB7は意思決定機関であり、IEC総会の政策を実行すると共に、政策の立案も行う。その決議はCBから総 会に報告する。CBの決議は、メンバー8名以上の投票があり、その3分の2(2/3)以上の賛成を必要とする。
棄権は投票と認められない。
CB会議は、2001年までは年3回開催されていたが、2002年からは年2回の開催に変更された。
7 IEC運営機構の改革に伴い、従来のGPC(General Policy Committee: 政策委員会)に意思決定機能を付加した組織とし て1998年1月に発足した。
2.2.1 構 成
CBはIEC役員及び投票権を持つ15名のメンバーで構成される。分担金の多い財政グループAの6ヵ国 及び、総会で選出されたグループB及びCの国の中から9ヵ国がメンバーとなる。任期は3年間である。1998 年発足以降のCBメンバー国は、表7のとおりである。CBメンバーは、所属するNCの代表者としてではなく、
個人の資格で会議に参加する。
表7 CBメンバー国
年 財政グループA 財政グループA以外 1999
イギリス アメリカ、
ドイツ 日本 フランス
トルコ シンガポール デンマーク イスラエル
ハンガリー
インド オーストラリア 中国 カナダ イタリア
2000 シンガポール スペイン
南アフリカ 韓国 スイス
2001 オーストラリア カナダ
スウェーデン イタリア 中国
2002
イギリス アメリカ、
ドイツ 日本 フランス
2003 南アフリカ 韓国
スペイン フィンランド オランダ
2004 オーストラリア カナダ
スウェーデン イタリア 中国
2005
イギリス アメリカ、
ドイツ 日本 フランス 2006
メキシコ 韓国 インド フィンランド オランダ
2007 オーストラリア カナダ
ノルウェー イタリア 中国 2008
イギリス アメリカ、
ドイツ 日本 フランス
2009 南アフリカ 韓国
メキシコ オランダ ブラジル
2010 オーストラリア カナダ
ノルウェー イタリア 中国 2011 イギリス アメリカ
ドイツ 日本 フランス
中国* 2012
スウェーデン 南アフリカ 韓国 オランダ ブラジル 2013
中国 オーストラリア オーストリア カナダ イタリア 2014 イギリス アメリカ
ドイツ 日本 フランス 2015
南アフリカ スウェーデン 韓国 オランダ メキシコ 2016
中国 イタリア オーストリア
シンガポール カナダ 2017 イギリス アメリカ
ドイツ 日本 フランス
2018 ロシア 南アフリカ
メキシコ 韓国 ノルウェー
2019 中国 (2018年選挙)
注: 2006年のベルリン総会において、財政グループB/Cの分類は廃止された。
* 中国は、2011年10月に財政グループB/Cから財政グループAに移行。ただし、任期は従来どおり2010年~2012 年となり、以降2013年から3年任期となっている。
2.2.2 業務事項
CBは、総会から以下の業務を含む全てのIEC業務の管理を委任されている。
- IEC総会の政策の実行 - IEC総会への政策提案の策定
- IEC総会の会議議題案の確認及び関連文書の準備
- SMB、MSB及びCABからの報告の受理と検討
- 必要に応じた諮問機関の設置 - 諮問機関の議長及びメンバーの指名 - 諮問機関からの報告の受理と提案の検討 - その他の運営に関する決定
2.3 執行委員会(ExCo: Executive Committee)
ExCo8 は、総会決議及びCB決議を実行し、各NCとの連絡を含めCOの運営を監督する。ExCoはIEC役員 により構成される。
ExCo会議は少なくとも年4回開催され、CBのための協議事項及び文書を準備する。
2.4 運営諮問委員会(MAC: Management Advisory Committee)
2.4.1 財務委員会(FinCom:Finance Committee)
(1) 構成
FinComは、IECにおいて、より最新の財務プロセス導入に必要な委員会として財務監事から提案され、従 来のCDF(Comité des Finances)、TAG(Treasure’s Advisory Group)9の後継グループとしてCBにより2017 年1月に設置が承認された。CBは同時に、財務監事の推薦でTAGメンバーが自動的にFinComメンバーとな ることを支持した。FinComは、財務監事(議長)、NC代表6名及び事務総長から構成される。NC代表メン バーは、財政グループA国から3名、その他のNCから3名が選出され、任期は3年間である。1993年以降の
CDFメンバー国、TAGメンバー国及びFinComメンバー国は、表8のとおりである。
(2) 役割
- 予算案、投資アプローチ、複数年にわたる予算見通し、分担金目標及び準備金の利用に関するレ ビュー、及びそれに基づく勧告の財務監事への提出
- 財務監事による予算案のCBへの提出への同意 - 新しい収入源に関する勧告の財務監事への提出
- 各NCと財務監事間の財務問題に関する連携強化、及びIEC役員と各NC間の財務情報の交換の 促進
8 ExCoの日本語名称は、1998年1月の発足以来“実行委員会”とされていたが、2002年版から“執行委員会”に改めた。
9 TAGは、CDF(Finace Committee:財務委員会)の後継グループとして2016年に設置された。CDFの略語としては、”FC”
が適切であるが、従来から仏語“Comité des Finances”の略語である”CDF”が慣習的に使用されていた。
表8 CDF、TAG及びFinComメンバー国
CDF
年 財政グループA 財政グループB/C
1993 フランス
イギリス ドイツ
スウェーデン カナダ
トルコ ポルトガル 1994
フランス 日本 カナダ ポルトガル
1995
アメリカ
スウェーデン 韓国
1996 1997
フランス アメリカ 日本 スイス ルーマニア
1998
韓国 トルコ
1999 2000
フランス
アメリカ
日本 スイス ルーマニア
2001
アメリカ 韓国 トルコ
2002 2003
フランス 日本 スウェーデン クロアチア
2004
アメリカ 韓国 シンガポール
2005 2006
ドイツ 日本 スウェーデン スロベニア
2007
アメリカ 韓国 シンガポール
2008 2009
ドイツ 日本 スロベニア
2010
アメリカ 韓国 シンガポール
2011 2012
ドイツ 日本 スウェーデン
2013
アメリカ 韓国 シンガポール
2014
2015 ドイツ 日本 イタリア スウェーデン
TAG
財政グループA 財政グループA以外
2016 ドイツ アメリカ 日本 韓国 イタリア スウェーデン
FinCom
財政グループA 財政グループA以外 2017
ドイツ アメリカ 日本 韓国
イタリア スウェーデン
2018 オーストラリア
注: 2006年のベルリン総会において、財政グループB/Cの分類は廃止された。
2.4.2 監査委員会(AudCom:Auditing Committee)
(1) 構成
AudComは、FinComと同時にCBにより2017年1月に設置が承認された。AudComは、CBメンバー(議長)
及びNC代表4名10から構成される。NC代表メンバーは、財政グループAから2ヵ国、その他の正会員から2ヵ 国が選出される。議長及びメンバーの任期は3年間である。メンバー国は2017年4月現在、財政グループA からフランス及び中国、その他の正会員からノルウェー及びメキシコとなった。
(2) 役割
10 NC代表は、FinCom輩出国からもFinComメンバーと同一人でない限り認められる。
AudComは、監査済み会計のレビューを行った結果出てきた質疑を外部監査人に問い合わせるとともに、
レビュー結果に基づいて財務監事へ勧告を提出する。
2.4.3 販売諮問グループ(SAG: Sales Advisory Group)
従来の販売政策委員会(SPC: Sales Policy Committee)に代わり、2007年1月からSAGが活動を開始し た。SAGはCBの諮問機関であり、IEC出版物等の販売体制及び販売活動を評価しCBに勧告を行う。
SAGは、財政グループA(6ヵ国)から指名を受けた各1名及びCBによって任命された2名のメンバーの 他、常任メンバーとして財務監事と事務総長で構成される。SAGの議長は会長が任命するものとし、必ずしも 財務監事を議長とはしない。非常任メンバーの任期は3年間であるが、CBの決定により延長が可能である。
不正競争防止の観点から活動を休止していたが、その役割等に不正競争防止の観点を盛り込む対策を講 じることで、2017年3月に活動再開を決定した。
2.4.4 IT 諮問グループ(ITAG:Information Technology Advisory Group)
(1) 構成
2017年9月英仏独が中心となって、IECに対してガバナンスや財政の不透明性を指摘した。指摘の中で、
IECにおけるITプロジェクトに関しても、プロジェクト総額は知らされているものの、その方向性や規模等の明 確な戦略がNCに共有されていない旨に言及した。これに対し、同月Frans 事務局長が全NCにレターを送 り、対応策の1つとしてITへの長期的取組みを議論するIT Advisory Group設置を発表した。本グループは 全正会員NCが参加可能であり、ITプロジェクトの透明性向上とNCのIEC活動へのより積極的な関与を図っ ている。
(2) 役割
ITAGは、以下の観点につき、IEC事務総長及び中央事務局に助言する。
- NCのビジネスニーズとITサポートが必要なステークホルダーの特定 - IT要件の優先順位付け
- IT活動に関する他組織との協力
上記観点を踏まえ、ITAGでは以下について議論する。
- ISOとの協力ロードマップを含むITビジョン、戦略、計画への意見出し - 既存プロジェクトの状況についてハイレベルなレビューを行う
- リソースのボトルネックや優先順位が競合した場合に解決を支援 - 中央事務局-IECコミュニティ間のコミュニケーションサポート
- NC、TC、その他ユーザのIT戦略への理解促進サポート