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4. 市場戦略評議会

4.1 市場戦略評議会(MSB: Market Strategy Board)

- 議長(投票権無し): IEC会長が議長を兼務 - 10名以上15名以下のメンバー(投票権有り)

- 全てのIEC役員(投票権無し)、特に副会長兼SMB議長及びCAB議長

各分野の活動は、投票権を持つ MSB メンバー、すなわち産業界(多国籍企業及び中小企業を含む)、公 共事業体、研究機関又は学会の出身で関連分野のハイレベルな市場専門家又は技術専門家によって代表 される。

メンバーは、国内委員会、評議会メンバー又は IEC 役員が提案し、会長が任命する。メンバーは、地理的 条件を含むIEC利害関係者のコミュニティ全体を代表し、活動場面の重要度に応じて適宜、他の専門家から 支援を受けることができる。

メンバーの任期は3年であるが、会長の裁量により1期延長される。ただし、6年を超える任期は認められ ない。現行のMSBのメンバーは表11に記すとおりである。

表11 MSBメンバー

年 メンバー

2008

~ 2011

Bocko(アメリカ)、Breining(フランス)、Buttner(ドイツ)、Chand(アメリカ)、Deutsch(アメリ カ)、Gemme(イタリア)、Jonsson(アメリカ)、Kegel(ドイツ)、Saheb(カナダ)、Schjotz(デンマ ーク)、Shu(中国)、Terwiesch(ドイツ)、櫛木(日本)、中村(日本)、富田(日本) 計15名 2012

~ 2013

Banerjee(スイス)、Breining(フランス)、Chand(アメリカ)、Deutsch(アメリカ)、Fogal(アメリ カ)、Gemme(イタリア)、Helmrich(ドイツ)、Kim(2013:韓国)、Oswald(ドイツ)、Schjotz(デン マーク)、Shu(2012:中国)、Yu(中国)、櫛木(日本)、中村(日本)、塚本(日本) 計14名

2014

~ 2015

Adams(イギリス、Intertek)、Brosset(フランス、Schneider Electric)、Fogal(アメリカ、Eaton

→Tyco)、Helmrich(ドイツ、Siemens)、Leukert(ドイツ、SAP)、Lu(中国、China Datang Group)、Oppermann(オーストラリア、CSIRO→Zettabyte Technology→NSW)、武部(日 本、東京電力→2016: 東京電力パワーグリッド→2017:東京電力ホールディングス)、武田(日 本、日立製作所)、塚本(2014:日本、三菱電機)、堤(2015: 日本、三菱電機)、Wang(中 国、Huawei)、Wang(中国、Haier)、KIM(韓国、Samsung Display、2015年退任) 計13名 2016 Colburn(アメリカ、FDA)、Manzoni(イタリア、Falck)の2名を追加 計14名

2017

Manzoni、Brosset、Adams、Fogal、堤が退任、Banerjee(アメリカ、Schneider Electric) 、 Parmeggiani(イタリア、FZSONIK)、Kim(韓国、KEPCO)、が参加。

計11名(2017年6月20日時点)

2018

Helmrichが退任。Mrosik(ドイツ、Siemens)、Talka(アメリカ、Underwriters Laboratories)、

Girard(カナダ、Standards Council of Canada)が参加。

Shu コンビナを含め計14名(上記、2018年4月1日時点のメンバーを下線太字で記載)

4.1.2 活動の枠組み

(1) 会議

MSBは、少なくとも年に一度会議を開催している。通常、MSBメンバー及びIEC役員のみが会議に参加す るが、特定の議題に関して、MSB議長は適宜ゲストを参加させることができる。オブサーバの参加は特例を除 き認められない。

MSBメンバーは、適宜SMB会議及びCAB会議への出席が求められる。また、評議会又は他のイベントで プレゼンテーションや報告を行うことが求められる。

(2) 投票

MSBの決議は、通信又は会議のいずれかで、メンバーの3分の2(2/3)以上の賛成が要求される。投票数 がメンバーの半数以下の場合、決議は次回の会議まで延期となる。棄権は投票と認められない。

(3) 特別作業グループ(SWG: Special Working Group)

MSBは、ある決まった課題を徹底的に調査し、また特別な文書を開発するために、MSBメンバーのリーダー シップの下でSWGを設立することができる。いかなるSWGも、目標期日と、明確に定義付けされたタスクを持 ち、MSBから更なる業務が委託されない限り、最初に与えられたタスクが完了次第、解散するものとする19

(4) 文書及び会議

MSBは、MSB又はSWGが作成した文書の発行を承認することができる。MSBは、国際規格や現在SMB が責任を負っている他の文書を発行してはならない。MSB文書の作成、承認、発行の手続きはMSBの責任と なる。

MSBの業務成果は、SMBの責任の下で行われる通常の規格開発プロセスにおける付加的業務の基礎とし て資することができる。

MSBはふさわしいトピックスに関する会議を開催することができる(又は開催するためにSWGを設立するこ とができる)。

4.1.3 活動状況

(1) 活動概要

MSBでは、外部機関のエキスパート、識者も参加して主要な技術動向及び市場ニーズから戦略的な提言 を取り纏める「市場及び技術調査プロジェクト」の活動が進められている。表12にSWG、市場及び技術調査 プロジェクト活動の推移を示す。

2010年7月に設立された電力貯蔵(EES: Electrical Energy Storage)プロジェクトの成果として、2012年6 月に新たなTCが設立された。これにより、MSB では市場及び技術調査プロジェクトを立ち上げ、その成果を 元にIECにおける新たな国際標準化の枠組みを作る流れもできた。

2015年6月のMSB会議(クリーブランド)にて、マスタープラン 2011に基づき、MSBの今後の取り組みと して、地球規模の課題(Global Concern)を再レビューし、標準化につながるプロジェクトを組成するために、

MSBメンバーを以下の4つのタスクに分けて議論を進めていくことが提案された。

- Task Force 1: Market Strategy Derived from Global Concerns

19 SWGについて、2010年シアトル会議でSWG 4~SWG 7が公式にナンバーを付されたが、その他のSWGについてはEEE を除き、存否を含め公開されていない。

- Task Force 2: ICT – New Trend in Cloud, Storage, Big Data, Sensors; Cyber Physical Systems - Task Force 3: Smart Homes/Buildings

- Task Force 4: Development and Technology Trends of Power Generation (Photovoltaic Plants)

それぞれのタスクテーマは、前回のラウンドテーブルで各委員から提案された技術分野をベースに設定す る。ここでの活動成果は、白書、ハイレベルのフォーラム、シンポジウム、ワークショップ等の形で IEC の機能 強化に資することが期待されている。

2015年に、幹事より市場及び技術調査プロジェクトテーマを、MSB委員による事後投票で1件、IEC会長 推薦で1件決めるというルールが示され、以後、本ルールに従いプロジェクトのテーマが選定されている。

表12 SWG、プロジェクト活動の推移(2018年4月1日時点)

SWG、プロジェクト アウトプット 新設組織

[関連組織] 名称 設立年月 白書*1タイトル 発行年月

EEE: Electrical Energy Efficiency 2008年7月 Coping with the Energy Challenge 2010年10月

EES: Electrical Energy Storage 2010年7月 Electrical Energy Storage 2012年2月 TC 120 大規模再生可能エネルギー及

び電力貯蔵の系統連系 2011年6月

Grid integration of large-capacity Renewable Energy sources and use of large-capacity Electrical Energy Storage

2012年10月 SC 8A

ナノテクノロジー 2011年10月 Nanotechnology in the sectors of

solar energy and energy storage*2 2013年10月 MDR: Microgrids for Disaster

Preparedness and Recovery 2011年10月

Microgrids for disaster preparedness and recovery With electricity continuity plans and systems

2014年3月 SEG 1 / WG 1 Smart Cities 2013年5月 Orchestrating infrastructure for

sustainable Smart Cities 2014年11月 [SEG 1]

WSN: Wireless Sensor Networks 2013年5月 Internet of Things: Wireless Sensor

Networks 2014年11月

Factory of the Future 2014年6月 Factory of the future 2015年10月 [SG 8]→

SEG 7 Strategic Asset Management of

Power Networks 2014年6月

Strategic asset management of power

networks 2015年10月

ahG 65

→TC 123 Secure IoT & Smart Product

Platform 2015年6月

IoT 2020: Smart and secure IoT

platform 2016年10月

Global Energy Interconnection 2015年10月 Global energy interconnection 2016年10月 ACTAD Vertical Edge Intelligence 2016年7月 Edge intelligence 2017年10月

*1 白書はIECホームページで閲覧が可能(URL http://www.iec.ch/whitepaper/)。

*2 ナノテクノロジーのアウトプットはテクノロジレポート、以下のIECホームページで閲覧が可能。

(URL http://www.iec.ch/about/brochures/technology.htm)

(2) 最近の白書プロジェクトの活動

a) 未来の工場(Factory of the Future)プロジェクト

マルチベンダ間バリューチェーンのあらゆる情報のリアルタイムな活用、製造の自動化を目指し、2014 年6月のMSBパリ会議において正式に発足した本プロジェクトは、Fogal MSB委員(アメリカ)がリーダを 務めた。2015年10月に白書が公開されている。

(URL http://www.iec.ch/whitepaper/futurefactory/) 本 白 書 は 、 シ ス テ ム アプ ロ ー チ (System of Systems: SoS)を通じて実現される、次世代工場のあるべき将来像について記載している。なお、本白書 を基礎としてSMB傘下のSG 8及びSEG 7は議論を行っている。

b) 送電ネットワークの戦略的アセットマネジメント(Strategic Asset Management of Power Networks)プ ロジェクト

日本提案により、2014年6月のMSBパリ会議において正式に発足した白書プロジェクトで、武部MSB 委員がリーダを務めた。2015年10月に白書が公開されている。

(URL http://www.iec.ch/whitepaper/powernetworks/)

本白書では、電力需要の伸びが鈍化し、高経年化が進む電力設備が増えていることを課題として取り 上げ、各国の現状や既存の規格類を調査した上で、電力設備管理において、標準化すべき項目、標準 化すべきでない項目等を提言している。また、標準化にあたっては、CIGREや他の関連団体との協同が 特に重要であることを強調している。

本白書をもとに、電力設備管理の標準化を推進する新 TC の設立を日本より提案した。その後、2016 年2月のSMB会議での提案審査により、NC投票に入る前にahG 65を設置して推進体制・業務項目に ついて検討することが決定された。2016年10月のSMB会議で、ahG 65からの最終報告に基づき、新 TC 123(Standardization of the management of assets in power systems)の設立が決議された。

c) セキュアIoTとスマートプロダクトプラットフォーム(Secure IoT & Smart Product Platform)プロジェクト 2015年6月のクリーブランド(アメリカ)会合で、Bernd Leukert MSB委員(ドイツ)から口頭で提案され、

投票により本件が採用された。

第1回会合は、2015年11月16、17日にドイツのヴァルドルフ(SAP本社)で行われた。プロジェクトパー トナーとしてIECからフラウンホーファー研究機構が割り当てられた。日本からは、三菱電機(株)、日本 電気(株)、(株)日立製作所が参加した。会合では参加各社の貢献内容の報告と白書の目次の議論が 行われた。2016年1月に第2回会合(ミュンヘン)、3月に第3回会合が産業技術総合研究所も加わり 東京で開催され、ユースケース等がインプットされた。第4回会合を5月にヴァルドルフで開催し、7月の MSB東京会合に白書案が提示され、10月に公開されている(URL

http://www.iec.ch/whitepaper/iotplatform/)。

d) 電力系統の国際連系(Global Energy Interconnection)プロジェクト

2015年10月にIEC会長の推薦で提案された。Yinbiao Shuコンビナ(中国)をプロジェクトリーダとし、

第1回会合が2016年1月に北京、第2回会合は3月に北京、第3回会合は6月にパリで開催された。

7月のMSB東京会合に白書案が提示され、10月に公開されている。

(URL http://www.iec.ch/whitepaper/globalenergy/)本白書においてGEIに関する諮問委員会を組織 して標準開発をすることが提言されたが、ACTADからGEIのスコープがACTADと重複するので、

ACTADのタスクチームとして実施することがSMBに提案された。2017年2月のSMB会議でACTAD のサブグループにおいて、本白書をレビューして必要な作業とACTADの現在のスコープの改訂の要否 をSMBに提案することが決議された。