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んで激しい軋櫟、困難を伴う」(53)とし、さらに「その適応の成功のいかんが 選別か排除かを決定するが、仮にこれをパスしたとしてもアイデンティティ危 機や自己分裂の懊悩はまぬがれない」(54)という指摘をしている。

 そして、同氏の論理の展開は、日本におけるマイノリティ理解の視点にまで 書及する。そこでは、今日までの、日本のマイノリティ問題への把握の視点の 中に含まれてきた問題性について1指摘している。

 つまり、目零におけるマイノリティ問題への把握の仕方の特徴として「貧し さと排除(あるいは偏見と差別)を重視する視点が多かれ少なかれ支配的だっ た」(55}として、この問題に対するとらえ方の限界性と問題性にふれている。

 そして現在のH本が抱えた新しい状況的変化の特徴として「物質的状況の相 対的な改善のなかで絶対的な文化剥奪(識字の機会ももてないような貧しさと 混乱のなかでの不就学、長欠、学業中断)はもはや主要問題ではなく、就学が 一般化し当然視されてきていることである」(56》ことの時代的な変容の状況を

呈示している。 こうした状況の変化のなかで生じてきた、新たな問題とは「

学力問題」である。 「学力問題」とは、 「文化」の問題であり、それらの「悪 環境」とは、 「親の世代の不就学、家庭における文字文化の欠如、家庭・親族 における中・高等教育経験者の不在とそのための情報の欠如、等々は、就学す る子どもにとっては文化剥奪的環境をなしており、くわえて子どもたちの経験 する世界も比較的狭く、知識の自然の習得も困難であり、進学の困難とそれに 就職差別が重なって、低階層から抜け出すことを依然むずかしくしている」そ して「このサイクルは、まさしく文化再生産論的な悪循環」(57)であるとして こうした視点の展開は、今日までの、貧困と差別中心の考察の仕方から新たな 視点への移行であることを、指摘している。

 宮島氏が提起していることがらは、文化資本に関することであるが、同氏は 在日韓国・朝鮮人の文化的位置について論及し,その青年層達の高進学率達成

に注目しながら、そこに、他国におけるマイノリティ問題とは異なる日本特有 の、在日韓国・朝鮮人問題の在り方をめぐる自一他民族区別の論理があること を、指摘しながら、同時に「在日韓国・朝鮮人は、自らの母語や母文化の『文

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化市場』における価値が無に近いことを常に思い知らされ、したがって異文化 適応に徹底的に自己を従属させなければならなかった人びとである」とし、こ の現象が、 「先進国の移民集団の間にはあまり例がない」(57)とする。こうし た日本特有の在日韓国・朝鮮人の文化的位置の剥奪状況について、同氏は「自 分たちの民族語を失わなければならなかった人びとが多い」(58)ことに「わが 国の同化主義的な文化の体質が問われなければならない」(5g)と結論づけてい

る。

 さらに宮島氏は、文化資本との関連からの視点として「オールドカマー」や

「ニューカマー」等々を含む「在日の外国人たちは、その在留資格の違いによ り、日本に滞在する際の地位の安定度の違いや権利上の差異をつくりだしてい る。」状況にあるとしている。

 また文化資本としての日本語の読み書きの能力、つまり言語資本の有無によ り、 「ニューカマー外国人の諸グループはかなり明瞭に選別され、序列づけら れていてJて6ω今後の問題として、 「就労可能な職種、地位、所得、子どもの 学歴達成、地域社会への参加度などに格差が顕在化する可能性は高い」(61)と 予測している。

 〈考察とまとめ〉

 今後の日本が果たすべき、また内省するべきことは、この同化と排外構造の 文化的、社会的特性の在り坊の問題についてであり、中国帰国者をはじめとす る、新たな渡日、来旧等の外国人労働者の家族とその子どもたちの生存権と学 習旛を、最大限に保障することを基本に、彼らの持つ固有の「言語と文化」の 積極的な保持努力に関しての、行政をはじめとする他の分野を含めての、社会 的サポートシステムの確立と具体的な施策化の必要性が迫られている。

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〈第1章 註〉

〈註1)厚生雀、社会福祉部局による定義による。

   出展、大阪府福祉部福祉指導課福祉係作成による『中国帰国者の定着    状況の概要』に基づく概念定義による。

(2)同上資料

(3>同上資料

(4)読売新闘1987年3月14日付の社説を参考にして筆者の責任において要約

  した。

.(5)『現代用語の基礎知識』自由国民社刊(1989年版〉 「中国残留孤児」の項   を筆者の責任において要約した。

(6)大阪府社会福祉部にて作成された統計資料による。

(7)文部省発行『海外子女教育の現状』P82、平成7年4月頃

(8)文部省教育助成局海外子女教育課発行『海外子女教育の現状』P26   平成7年4月版

(9)文部省発行の「海外子女教育の現状」P82、平成7年4月版   く平成6年5月1日現在〉の統計

(10)大阪府福祉部福祉指導課の作成による「中国帰国者の定着状況の概要」

  と題する統計・平成7年8月1日現在(ただし、本統計は府福祉部福祉  指導課福祉係に相談等のあったものを基に、府下の福祉事務所に照会し   て生活保護受給中の世帯を中心に把握したものである。)

  (上認概要の但し書きによるものである。)

(11)大阪市教育委員会1995年5月1日現在「中国等から引き揚げてきた児童   生徒(中国残留孤児の子ども等)及び関連した児童、生徒(孤児の兄弟   の子ども、帰国婦人の孫や身内の者)」調査結果報告資料

(12)茨木市同和教育研究協議会、 「中国ベトナムプロジェクト」により1992年   年に実施された独自の調査によるものである。

(13)茨木市教育委員会所属職員の外国人児童生徒担当者のA氏に取材インタ