第5章 研究2
5.5 研究2のまとめ
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するならば、内容に関わるものと文章の構成に関わるもののどちらが多く見られる か。
RQ2: PWD-E、PWD-J、PWD-TLのうちどの条件のPWD が最も学習者のL2作文に活用 されるのか。
RQ3: PWD-E、PWD-J、PWD-TLのうちどの条件のPWD が最も優れたL2 作文につなが るか。
RQ4: PWDにおける熟議型エピソードの多少は、学習者によるL2作文へのPWDの反映 に影響するか。また、産出されたL2作文の質に影響するか。
RQ5: 学習者の協働的な学びに対する態度及び英語の運用能力はRQ1~3の結果にどのよ うに影響するか。
課題1については、PWD-Eにおいて表出された熟議的エピソードはPWD-J及び PWD-TLよりも短かったことなどから、質の高いプレライティング・ディスカッションにおける 母語の重要性が提示された。さらに質的な分析の結果、PWD-TLでのプレライティング・
ディスカッションの中には、目標言語では深められない議論を深めるためのTLや議論を 整理し明確化するためのTLが見られ、エピソードが熟議的なものになるための貢献を果 たしている一方で、非熟議的エピソードの中には単にコミュニケーションを成立させるた めのTLが見られるなど、多様なものが存在することも提示されている。加えて、エピソ ードの中の3つのタイプ、すなわち内容に関わるエピソード、構成に関わるエピソード、
構成を意識しつつ内容を吟味するエピソード、言語に関するエピソード及びコミュニケー ションのためのエピソードがそれぞれのタイプのPWDにどのように表れるか分析した結 果からは、構成に関わるエピソードはPWD-Jに多い傾向が見られ、言語に関するエピソー
ドはPWD-Eに多いことが報告された。
課題2及び課題3については、どの言語でPWDを行ったか、ということは、PWDの作 文への活用度や、産出された作文の評価に直接的な影響を与えていないことが明らかにな った。しかし、課題4で、熟議型エピソードの多いプレライティング・ディスカッション は、1)PWDの作文への活用度が高いこと、2)語彙の多様性という側面からみる作文の 評価は高いことが明らかにされた。その一方で、3)熟議型エピソード全体の量と作文の 質的評価得点との間には特に関係は見られなかった。ただし、4)熟議型エピソードのう ち、特に構成に関わるものの長さとPWD活用度及び産出された作文の質的評価得点には 中程度の相関関係があることが示され、構成に関わる熟議型エピソードが含まれるタイプ のプレライティング・ディスカッションは作文産出に貢献していることが示された。
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課題5については、学習者の英語運用能力が、PWDにおける熟議型エピソードの長さ、
PWDの活用度、及び産出された作文の評価とどのような関係にあったかを検討した。その 結果1)学習者の英語ライティングのスコアは、全体としては熟議型エピソードの多少には 影響しない、2)学習者の英語スピーキングのスコアは、全体としては熟議型エピソードの 多少と弱い相関関係がある、ただし3)PWDタイプ別に確認した場合、PWD-Eではスピー キングスコアの高いほうが熟議型エピソードを産出するがPWD-J及びPWD-TLではそうし た関係は認められないことが提示された。
PWDの作文への活用度に関してみると、4)学習者の英語ライティングのスコアは、全 体としてPWDへの活用度に中程度の相関を見せる、5)とりわけ、PWD-J及びPWD-Eで は高めの相関を見せるが PWD-TL
においてはそうした相関はみられないこと、6)PWD-based IU の率に関して言えば学習者のスピーキングのスコアも同様の傾向を見せることが
提示された。
実際に産出された作文の評価との関係についてみると、7)当然ながら学習者のライティ ングのスコアは産出された作文の評価と中程度以上の相関を見せるものの、8)PWDタイ プ別にみた場合、PWD-TLで産出された作文の語彙の多様性は、学習者のライティングスコ アとの相関をみせないこと、また、10)そもそもスピーキング力とライティング力がある 程度相関するため、学習者のスピーキングスコアと産出された作文の評価もある程度の相 関関係を示すが、11)PWDタイプ別にみた場合、PWD-TLで産出された作文質的評価得 点は、学習者のスピーキングスコアとの相関をみせないことが提示されている。
また、学習者が協働的な学習を好むか、それとも個人で勉強するほうを好むか、という協 働学習への志向性については、熟議型のエピソードの多少やPWDの作文への活用度に影響 していなかった。
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