5.3 課題別研修の立案に向けた提言
5.3.4 研修内容
本邦における研修では、研修員により自国における海洋プラスチックごみ問題およびその対策 の現状について、カントリーレポートを元に発表、アクションプラン案を共有してもらう。その うえで、本邦での講義、視察、実習等を通じ、日本の官民の取り組み、技術、知見等についてイン プットしてもらう。最後にワークショップ形式で各国・所属先のアクションプランについて議論・
ブラッシュアップし、全体で発表・共有する。
(1)招へいプログラム参加国の課題
以下、今後の課題別研修等のプログラムを検討するうえでの参考として、本招へいプログラム の参加者から寄せられた、自国(インドネシア、タイ、ベトナム、フィリピン)における海洋プラ スチックごみ対策に関わる課題についてとりまとめる。
挙げられた課題を、以下4つの分野に分類した。①廃棄物管理能力:計14件、②海洋ごみ(海 洋プラスチックごみ):計9件、③プラスチックリサイクル:計7件、④産業界:計2件(複数 回答可)(図 5-1)。
①廃棄物管理能力及び②海洋ごみについては、いずれの国においても課題として上がっており、
今後も研修テーマとして包含されることが望ましい。一方で、③プラスチックリサイクルについ てはタイとベトナム、産業界の課題については④インドネシアのみで認識されおり、研修員の参 加国・所属組織の種別によって取捨選択することも考えられる。
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図 5-1 招へい参加者が考える各国の海洋プラスチックごみに関わる課題
①廃棄物管理能力
最も多かったのが「廃棄物管理 分野」であり、4カ国から6種13 件の課題が寄せられた。なかで も、「分別」についてはタイ、ベ トナム、フィリピンの3カ国4件 が問題として挙げている。
とりわけ、地方自治体や環境品 質担当の省庁部局により、プラス チックごみの分別、家庭での分 別、地方自治の分別指導を推進す ることが求められている。
図 5-2 廃棄物管理能力に関わる課題
②海洋ごみ(海洋プラスチックごみ)
次に多かったのは、「海洋ごみ(海 洋プラスチックごみ)」であり、4カ国 から4種9件の課題が寄せられた。特 に、「データ不足、アセスメント・モ ニタリング」については、3 カ国 4件 が課題として挙げており、排出量、発 生源、種類、排出のされ方、使い捨て プラスチック排出後の状態の把握が必 要とされている。
図 5-3 海洋ごみ(海洋プラスチックごみ)に関わる課題
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③プラスチックリサイクル
「プラスチックリサイクル」に関する課 題は、タイとベトナムの2カ国から5種7 件が寄せられた。「リサイクルに適さない プラスチックの材質」と「リサイクルシス テム整備」については両国から課題とし て挙げられている。
また、ベトナムからは「不適切なリサイ クル技術」として、工芸村(クラフトビレ ッジ)における低廉なリサイクル技術が 特に問題視されている。
図 5-4 プラスチックリサイクルに関わる課題
④産業界
インドネシアからは、産業界における課題が 2件挙げら れた。拡大生産者責任(EPR)の実装が不十分な点とプラ スチック問題に対する政府と産業界の視点の相違である。
図 5-5 産業界に関わる課題
(2)研修プログラム内容候補
前述の通り、本招へいプログラム内容に対するプログラム参加者の評価は高く、「各国の所属組 織・団体への政策/システム/技術等の適用可能性」についての評価においても、全体平均が4.11で あった(表 5-4 参照)。特に評価の高かった研究者・企業による取り組みを中心に、今後の課題 別研修においても、講義・視察先の候補としても有力である。
一方で、参加者には調査票を通じ、今後の研修プログラムをさらに充実させるために、加える べき項目・内容について尋ね、得られた回答について以下の通り分類しまとめた(表 5-7)。
表 5-7 研修プログラム追加項目・内容候補のニーズ
招へい参加者ニーズ 希望者の国 人数 合計
海洋ごみ問題に関わる政策・法制度
インドネシア 1名
4名
ベトナム 2名
フィリピン 1名
地方自治体の活動 インドネシア 2名
3名 フィリピン 1名
住民啓発(環境教育) インドネシア 2名
3名
タイ 1名
データ収集・分析方法 タイ 1名
2名 フィリピン 1名 拡大生産者責任(EPR) インドネシア 1名
2名 フィリピン 1名
109 日本のリサイクルの歴史・循環型社会を可能とするビジ ネスモデル
タイ 2名
3名
ベトナム 1名
海岸・海での活動から発生するごみ・分別 タイ 1名
2名 ベトナム 1名
国境を超えた取り組み タイ 1名
2名 フィリピン 1名
こちらの分類を基に、本招へいプログラムにおける講義・視察先に加え、追加されると望まし いと考える具体的な講義・視察先の候補については、添付資料に記載する(ANNEX F)。