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今回の対象となる東南アジア 4 カ国における取組状況と、第3章で整理した JICA 支援方針 の検討に向けた情報を鑑み、a~hまで8つの支援策事例を提案する。

既述のように、日本国の支援方針としては、G20 サミットにて提唱された「大阪ブルー・オー シャン・ビジョン」の実現に向け、途上国の廃棄物管理に関する能力構築及びインフラ整備等を 支援していく旨を表明し、そのため(1)適正な廃棄物管理、(2)海洋プラスチックごみの回収、

(3)革新的な開発策の展開、及び(4)能力強化 に焦点を当てた、実効的な海洋プラスチック ごみ対策を後押しし、途上国を支援していくこととなっている74

これに加えて今回の対象となる東南アジア 4か国における海洋プラスチックに関わる行動計画 の策定状況、並びに沿岸域都市部の廃棄物管理の状況等も含めて検討した結果、a~dの支援策事 例の実施が優先的に検討されるべきと考えられる。

なお、今後公表される行動計画の内容(タイ、フィリピンの場合)、先方カウンターパート機関

74 https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000529033.pdf

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の案件実施上のキャパシティ状況、他ドナーによる支援動向等にも配慮して、e~hに記載した支 援策事例等の実施についても柔軟に検討するものとする。

表 4-8 海洋プラ削減に資する支援プロジェクト(案)

以下にそれぞれのプロジェクトの概要を示す。

a. 海洋ごみ行動計画の実現に向けた都市廃棄物の適正管理推進プロジェクト ODA 区分 技術協力プロジェクト

対象国 インドネシア国

候補地 河川流域や沿岸部など、水域へのプラスチックごみが流出危険性のあると ころ

カウンターパート Coordinating Ministry of Maritime Affairs Ministry of Environment and Forestry Ministry of Public Works and Housing プロジェクト期間 2~3年

(2025年までに海洋ごみの70%削減という政府の方針)

プロジェクト概要 インドネシア国においては、2017年に、2025年までに海洋ごみの70%

を削減することを目指し、2018年から2025年にかけての行動計画を大統 領令として策定した。この行動計画には5 つの戦略があり、1)関係者の 意識向上、2)陸地由来の廃棄物の管理、3)海洋海岸における廃棄物の管 理、4)資金調達、組織強化、モニタリング及び法の執行、5)研究開発と なっている。この支援プロジェクトは地方都市の廃棄物管理を適正化する ものであり、この行動計画の2)の戦略の実施に資するものとして、先方政 府の支援要請ニーズに従ったものとなる。

インドネシアでは主要都市においては、WtEを推進するという大統領令 も出ており、この実現とともに品質の悪い汚れた廃プラスチックを含む固 形廃棄物の適正処理は進んでいき、水域へのプラスチックの流出リスクは 減少していくものと考えられる。

一方その他の地域で、特に河川流域や沿岸部では、ごみの収集率が低く 最終処分場の管理も不適切で、プラスチックの海洋への流出リスクが高い

国・自治 体による 対策

民間によ る取り組

製造段階 の対策

廃棄後の 対策

マテリア ルフロー

海洋プラ の実態把

a

海洋ごみ行動計画の実現に向け た都市廃棄物の適正管理推進プ ロジェクト

技プロ インドネシア国

b

プラスチックごみ管理行動計画 の実現に向けた技術的アドバイ ス業務

専門家派遣 タイ国

c

海洋プラスチックごみ管理国家 行動計画の実現に向けた沿岸都 市部の廃棄物管理改善プロジェ クト

技プロ ベトナム国

d 地方都市海プラスチックごみ行

動計画策定支援プロジェクト 技プロ フィリピン国

e リサイクル産業振興プロジェク

技プロ フィリピン国

f プラスチック製品削減・減量化

に係る支援プロジェクト 専門家派遣 各国共通 g プラスチックマテリアルフロー

策定支援プロジェクト 専門家派遣 各国共通

h プラスチックごみを含む漂流ご

み回収支援プロジェクト 無償・技プロ 各国共通

〇:主たる分野  △:副次的分野 No

政策・制度・

計画支援 技術面 モニタリング プロジェクト 援助形態 対象国

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エリアがあるとみられる。そこで現時点での支援プロジェクトの候補とし て、陸域での適正な廃棄物管理を推進し、上記2)の戦略の実施に資する ものとして、地方都市におけるプラスチックごみを含む都市廃棄物管理改 善プロジェクトが考えられる。

1. 対象都市の選定

2. 廃棄物の発生から処分までの現状調査 3. プラスチックを含むウェストフローの作成

4. 都市廃棄物管理改善行動計画の策定支援(WtE含む)

5. パイロットプロジェクトの設計、計画 6. パイロットプロジェクトの実施

7. パイロットプロジェクトのレビューと行動計画への反映 日本側投入 短期専門家6名

1. 総括(廃棄物管理)

2. 廃棄物収集・運搬

3. 廃棄物処理(リサイクル、WtE含む)

4. 廃棄物最終処分 5. 経済・財務分析 6. 海洋ごみモニタリング

備考  対象都市は、先方政府との協議し、水域への廃棄物流出危険のある地域

(水域に近い上に収集サービスの不足や最終処分場の不適切な運営か らのごみが放出されやすいなど)を優先的に選定。

 国家行動計画(表4-3)の43番の実施に資する。

 WtE のような規模の経済が働きうる施設では、複数自治体を対象都市 とした州政府主導の行動計画が考えられる。

 他ドナー(WB, UNDP, ADB, GIZ等)の活動との重複に注意

b. プラスチックごみ管理行動計画の実現に向けた技術的アドバイス業務 ODA 区分 専門家派遣

対象国 タイ国 候補地 -

カウンターパート Pollution Control Department (PCD: 公害防止局)

Department of Environment Promotion(DEQP:環境保全推進局)

プロジェクト期間 2~3年

プロジェクト概要 タイ国では、2018年4月の閣議において、プラスチックごみ問題に対応 し環境保全に努めることを決議した。これを受け天然資源環境省は、国家 環境委員会の下に、プラスチック廃棄物に係る小委員会を設置し、天然資 源環境省事務次官を委員長に任命し、事務局として、PCD, DEQP, DMCR を任命した。PCDは「プラスチック廃棄物管理ロードマップ(2018—2030)」 を策定し、2019年4月に閣議承認された。

このロードマップには二つのTargetを設定しており、Target 1として3 種類のプラスチックを 2019 年までに使用禁止、4 種類のプラスチックを 2021年までに使用禁止とすることを目標に定めている。またTarget 2とし て、ターゲットとするプラスチックを 2027 年までに 100%リサイクルす ることを目指すこととなっている。

現在このロードマップ実施のための行動計画を策定中で、今年度中の承 認を目指している。支援プロジェクトはこの行動計画の内容を確認し、先 方政府による支援要請に従い提案していく必要があるが、現時点では以下 の項目について支援の可能性がある。

1. Target 1に関し、使用禁止となるプラスチック製品に対する代替品 の開発・導入に関する助言

2. Target 2に関し、ターゲットとするプラスチックのリサイクル促進

92 に関する助言

これらの支援項目については、専門家の派遣によって対応可能と考え る。

日本側投入 短期専門家2名

1. 素材産業の開発経験者

2. 廃棄物中間処理・リサイクル技術者

備考  他ドナー(UNEP, GIZ等)の活動との重複に注意

 カウンターパート機関は、行動計画に基づき再検討が必要。

 プラスチック製品代替品開発やリサイクル技術開発に関しては、

SATREPSでの支援も考えうる。

c. 海洋プラスチックごみ管理国家行動計画の実現に向けた沿岸都市部の廃棄物管理改善プ ロジェクト

ODA 区分 技術協力プロジェクト 対象国 ベトナム国

候補地 沿岸都市部、特に沿岸部の観光産業の盛んな都市 カウンターパート Vietnam Environmental Administration (VEA)

Vietnam Administration of Seas and Islands (VASI) Ministry of Construction

Local Government プロジェクト期間 2-3 years

プロジェクト概要 従来ベトナムの廃棄物管理は、全体の規制関係はMONRE、一般ごみの 実施レベルは建設省(MOC)と分かれていたが、2019年2月に首相決定 第9号が発令され、MONREが廃棄物行政を一括して実施するように告知 された。そのうえで陸域の固形廃棄物管理については、VEAが、海上や沿 岸部における固形廃棄物管理はVASIの所管となっている。

ベトナムは2019年12月、海洋プラスチックごみに関する国家行動計画 を策定した。この中では、海洋プラスチックを削減すること、海洋観光施 設での使い捨てプラスチックをゼロへと漸次低減していくことなどを目 標としている。

これを踏まえ、沿岸都市部、とくに沿岸部に観光産業を多く有する都市 を対象とした廃棄物管理改善支援が考えられる。ベトナムでは都市部での ごみ収集率は 80~90%で収集率の改善とともに中間処理施設、最終処分 場の整備が進んでいるが、人口が集積しているため海洋プラスチックごみ の海洋への流出リスクは高いと考えられる。プロジェクト活動は主に次か ら構成される。

1. 対象地域の選定

2. 廃棄物の発生から処分までの現状調査 3. プラスチックを含むウェストフローの作成 4. 対象地域の都市ごみ管理行動計画の策定支援 5. パイロットプロジェクトの選定

6. パイロットプロジェクトの計画、設計 7. パイロットプロジェクトの実施

8. パイロットプロジェクトのレビューと行動計画への反映 日本側日本側投入 短期専門家6名

1. 総括(廃棄物管理)

2. 廃棄物収集・運搬 3. 廃棄物処理 4. 廃棄物最終処分

5. 廃棄物発生源管理・環境教育・啓発 6. 海洋ごみモニタリング