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直交位相スクイジング

ドキュメント内 パルス生成に関する研究 (ページ 96-99)

第 5 章 Sagnac ファイバ干渉計を用いた直交位相スクイズド光パルス発生実験 86

5.3 直交位相スクイジング

700 fsに相当する(sech2近似)。この時ソリトン長はおよそ12 mとなり,ループ長は23ソリトン長と なる。

このときの光子数雑音とファイバ入射パワーをFig. 5.8に示す。これにより最大3.1dBのスクイージング が得られた。なお,文献値[9]では最大3.9dBのスクイジングが得られている。Figure 5.6と比較すると,入 力強度に対して光子数雑音は同じように変動しているが,スクイジングの量は大きくなり,パルス幅に光子数 スクイズド光発生が大きく依存することが示された。また,グラフからは入力パワーに対しスクイジングが増 加しているが,さらに光強度を強くすると,より高いスクイジングが得られる可能性もある。

-4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4

0 2 4 6 8 10 12 14

Rel. noise power [dB]

Input power [mW]

Fig. 5.8: Photon number noise normalized by SNL vs input power. Photon number squeezing was observed below the dotted line.

はファラデーローテータ(FR: Faraday Rotator)を用いて取り出し,スクイズド光を測定するためのLO光と して使用する。

こうして得られた真空のスクイズド光の雑音レベルを平衡ホモダイン計測を用いて測定した。真空のスクイ ズド光に比べLO光は100倍以上強くなるようにしている。このためLO光とスクイズド光を合わせた光強度 に対応するSNLとLO光のみの光強度に対応するSNLの差は0.01dB以下となる。そのため,SNLの計測は スクイズド光を遮ってノイズ量を計測し,直交位相分散と比較した。直交位相分散はLO光とスクイズド光の 相対位相をピエゾ素子を用いて変化させて,sin成分を測定するかcos成分を測定するかを選ぶ。

実験手順

Ti: Sapphireレーザを用いてOPOを励起し,1.5µm帯の光パルスを得る。

Sagnacループのカップラの分岐比を100:0にし,光パルスをSagnacループに入射する。このとき,光

が入射していない方のポートからパルスが出射するため,その強度を確認する。

出射光の消光比を計測して,Sagnacループに使用されている偏波保持ファイバの軸を探索する。光はこ の軸に平行な偏光で入射するように調整する。

出射光の強度が最低になるようにカップラを調節すると分岐比が50:50になる。このときの光強度が真 空のスクイズド光の強度となる。ホモダイン計測のためにファイバへの入射光より十分弱いことを確認 する。(実験においては500:1以上の値が得られていた)

入射光強度のほとんどは入射側のポートから出力されるが,これをFRを用いて取り出し,LO光として 使用する。

光が入射していない方のポートから得られるスクイズド光とLO光を干渉させ,その干渉明度(Visibility) を測定する。この干渉明度はホモダイン計測の効率に関係し,可能な限り高くする必要がある。本研究 では80% 95%程度である。スクイズド光とLO光の相対位相を変化させると,干渉光の光強度が変動 するが,干渉明度はその最大値と最小値を用いて,(Imax−Imin)/(Imax+Imin)と表される。

スクイズド光とLO光のセットを使って,直交位相分散をホモダイン計測により測定する。ショットノイ ズはスクイズド光を遮ることで得られる。また,ピエゾ素子を用いてどの位相の直交位相振幅を測定す るかを選択することができる。

冷却する場合はファイバによっては偏波保持性能が極端に悪化するものがあるので注意する。

5.3.1 実験結果

Figure 5.9は光ファイバへの入力パワーとショットノイズおよび直交位相ノイズの大きさを示している。直

交位相成分のノイズ量はLO光の位相を変化させて観測されるノイズ量の第大地と最小値とした。この図から,

最小値はショットノイズとほぼ重なり,スクイジングは観測できなかった。最小値がショットノイズと重なるの は,Kerr効果やGAWBSは光子数を変化させないため,光子数分散はコヒーレント状態の入射光と等しいた

-90 -88 -86 -84 -82 -80 -78 -76 -74 -72

0 1 2 3 4 5

RF Power [dB]

Input Power [mW]

Min Max SNL

Fig. 5.9: Quadrature noise vs input power using the symmetric Sagnac loop fibre. Upper curve is the anti-squeezing, and the lower curve is the minimum noise. The dotted curve is the SNL.

-1 0 1 2 3 4 5 6 7

0 0.01 0.02 0.03 0.04

Rel. Noise P o w er [dB]

Time [s]

Min (Room Temp.) Max (Room Temp.) Min (77 K) Max (77 K)

Fig. 5.10: Squeezed and anti-squeezed quadrature noise of the light passing through the 50:50 Sagnac loop fiber at room temperature and 77 K.

めである。こうしたことからも,スクイジングを妨げる原因が位相ノイズであることが推測でき,GAWBSの 抑制が重要である。

次に,GAWBSを抑制するために液体窒素にファイバループの

90%以上を浸し,同様の実験を行った。Fig-ure 5.10は冷却前と冷却後の直交位相ノイズを示す。このとき,ファイバループに光パワーを3 mW入射し

た。最大値はGAWBSによる位相ノイズの影響を大きく受けるので,冷却により約3dBの減少が確認できた。

また,最小値では冷却により0.5dBのスクイージングが確認できた。また,直交位相雑音のファイバ入射パ ワー依存性をFig. 5.11に示す。ここから6 mWのとき最大で0.7dBのスクイージングが確認できた。しか し,スクイージング量は4 mW付近から頭打ちになり,入射パワーをさらに増やしても高いスクイジングが得 られるとは言えない。そのため,より高いスクイージングを得るためにはより効率的なGAWBSの低減が必要 になる。

-1 0 1 2 3 4 5 6 7

0 1 2 3 4 5 6

Rel. Noise P o w er [dB]

Input Power [mW]

Squeezing Anti-Squeezing

Fig. 5.11: Dependence of squeezed and anti-squeezed quadrature variances on input power using the sym-metric Sagnac loop fibre.

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