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広帯域パルスに対する解析

ドキュメント内 パルス生成に関する研究 (ページ 64-68)

第 3 章 Photonic Crystal Fibre とスペクトルフィルタリング法による光子数スクイジングの実験およ

3.2.5 広帯域パルスに対する解析

ら四方向にあった正の相関が,Raman散乱があるときは長波長同士の領域に集中して強い正の相関となって いる。このことからHPFによって高いスクイージングを得られることを示している。しかし最も強い負の相 関はこの長波長部分と,やや短波長の部分との相関に現れており,最も良いスクイージングを得るにはRaman が無いときとほぼ同様のバンドパスフィルタリングが最もよい。

我々はまず,実験に使われたPCF (三菱電線)の分散曲線Fig. 3.2から分散パラメータを見積もり,β2= 5.873 ps2/km,β3= 1.692×101 ps3/km,β4= 1.962×104ps4/km,β5= 1.756×107 ps5/kmと定めた。ただ し,分散曲線が狭い帯域でしか得られないためβ6,β7は無視した。このファイバのゼロ分散波長は,およそ 820 nmとなるので以下ファイバ820 と呼ぶ。非線形パラメータはコア径などからγ= 0.0468 W1m1とし た。入力した光パルスは実験に習い,中心波長810 nm,ピークパワー3.1 kW,パルス幅38 fs (FWHM: Full Width at Half Maximum)とし,ファイバ長は30 cmとした。このときの結果がFig. 3.11である。実験では ローパスフィルタ(LPF)とハイパスフィルタ(HPF)の両方でスクイージングが得られたが,それはこの計算 結果でも確認でき,LPFで最大2.2dB,HPFで最大2.2dBのスクイージングが得られた。この実験結果か ら,ソリトンではない広帯域化したスペクトルを持つパルスでも十分高いスクイージングが得られることがわ かった。

中心波長が異常分散領域の場合

一方,Fig. 3.11(a)のスペクトルは実験とだいぶ異っている。これは,ファイバ820 の波長分散特性が非常 に狭い領域でしかわからなかったことに起因していると考えた。そのため,このファイバと似た出力スペク トラムが得られることがわかっている別のファイバのパラメータを使用して同様の計算を行った。分散パラ メータは810 nmで,β2 =5.144 ps2/km,β3 = 5.528×102 ps3/km,β4 = 4.392×105 ps4/km,

β5=7.798×108 ps5/km,β6= 4.366×1010 ps6/km,β7= 1.642×1012ps7/kmであり,ゼロ分散波

長を770nmに持つので以下ファイバ770と呼ぶことにする。このファイバ770の非線形パラメータは2.0µm

のコア径からγ= 0.116 W1m1と見積もった。入力した光パルスのパラメータは中心波長810 nm,ピーク パワー500 W,パルス幅50 fs (FWHM)で,30 cm伝搬させた。

このときのスペクトラムおよび,スクイージングをFig. 3.12に示す。スペクトラムは実験と同様に広帯域化 しているだけでなく,その形状も実験で得られたスペクトラムとよく一致している。また,LPFでソリトン部 分4(840920 nmのピーク)を取り出すことで最大5.9 dBのスクイージングが得られた。フィルタの位置と スクイジングの関係も,スペクトルの包絡線に沿うような特徴が実験とよく一致しており,実験結果の裏づけ として十分な結果と言える。また,中心波長が正常分散領域にある場合と異常分散領域にある場合の両方で高 いスクイジングが得られている。次に,パルス内の量子相関を計算した。Figure 3.12(b)と同様の条件で計算 した量子相関をFig. 3.12(a)に示す。その結果,高いスクイージングが得られたソリトン成分は多くの周波数 成分と高い相関を持っていることがわかる。

Figure 3.13は,同じ条件下でファイバ長が15 cm,Fig. 3.14は60 cm伝搬したときの結果を示す。いずれ もある程度のスクイージングは得られたが,30 cmの結果よりスクイージングは小さい。

4本論文では異常分散領域にあるピークを指す。この成分は厳密な意味でのソリトン伝搬はしていない。しかし,広帯域パルスをスペ クトログラムで解析すると,時間波形の最も高いピークはこの成分が形成していることが多い。これは媒質の異常分散と非線形効果の釣 り合いがある程度取れており,ソリトンに近い形の伝搬をしているためと考えられる。

-0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8

650 700 750 800 850 900 950 650 700 750 800 850 900 950

Correlation

Wavelength[nm]

Wavelength[nm]

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2

600 650 700 750 800 850 900 950 1000 -9

-6 -3 0 3 6

9 spectrum

LPF HPF

Rel. Noise Power [dB] Intensity [a.u.]

Wave Length [nm]

(a)

(b)

Fig. 3.12: (a) The numerically calculated map of intra-pulse quantum correlations for the fiber 770. (b) The output spectrum (Red line) before filtering and photon number noise (normalized to SNL) for various low-(Green plots) and high-pass(Blue plots) filtering for the fiber 770.

-4 -2 0 2 4 6 8

600 650 700 750 800 850 900 950 10000 0.2 0.4 0.6 0.8

1 1.2

Rel. Noise Power [dB] Intensity [a.u.]

Wavelength [nm]

SpectrumLPF

Fig. 3.13: The output Spectrum (Red line) before filtering and quantum noise reduction (Blue plots) for various low-pass filtering using the 15 cm long fiber 770.

-5 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5 6

600 650 700 750 800 850 900 950 10000 0.2 0.4 0.6 0.8

1 1.2

Rel. Noise Power [dB] Intensity [a.u.]

Wavelength [nm]

SpectrumLPF

Fig. 3.14: The output Spectrum (Red line) before filtering and quantum noise reduction (Blue plots) for various low-pass filtering using the 60 cm long fiber 770.

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