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解析結果

ドキュメント内 パルス生成に関する研究 (ページ 80-87)

第 4 章 ファイバ伝搬中のパルストラッピングを用いた光子数相関形成についての数値解析 66

4.5 波長が十分離れている場合のパルストラッピング

4.5.2 解析結果

トラップパルスのピークパワーをソリトンの半分の50 Wとし,トラップパルスに対してさまざまなカット オフ波長に対する相関の大きさを計算した。3.2 m伝搬後のスペクトルおよび,時間波形をFig. 4.9に示す。波 形はsech型であった入力パルスに比べ大分崩れているが,それでもトラップパルスをトラップしている様子が 分かる。

トラップパルスはソリトンと光子数のやり取りが無いため,トラップパルスの一部分とソリトンとの光子数 相関を見る必要がある。この取り出したトラップパルスの一部をBAE測定に使用することを念頭に置き,以

後プローブと呼ぶ。このプローブとソリトンとの光子数相関の大きさを様々なカットオフ波長を持つLPFを 透過した光について計算した。ファイバの伝搬距離は1ソリトン周期から5ソリトン周期にわたって,1ソリ トン周期おきとした。この結果をFig. 4.10に示す。

Figure 4.11は,Fig. 4.10の最も高い相関の値と伝搬距離の関係を示す。3.2 mで最大C=0.7の負の相関 が得られた。今回計算している相関関数は規格化されていて,最大の相関は± −1であり,非常に強い相関が得 られている。ソリトンの衝突を用いた光子数相関発生では,ソリトンが衝突し終わると,徐々に相関が消えて

しまう[4, 5]。これに対してパルストラッピングでは,ある程度伝搬すると距離に対して相関は余り大きくは変

化しないことがわかり,優れた特徴であると言える。また,この後Fig. 4.11,Fig. 4.12,Fig. 4.13,Fig. 4.14,

Fig. 4.15で相関と距離の図が示されるが,これらはそのファイバ長でLPFのカットオフ波長を変えて得られ

た最も高い相関の値を示している。

Figure 4.12は,プローブの光子数揺らぎとプローブとソリトンの光子数の和の揺らぎを示す。最大の相関が

得られる伝搬距離において,プローブのみでは+4.9dB,プローブとソリトンの光子数の和の分散は3.6dB となる。これはプローブとソリトンの光子数が反相関を持って揺らいでいるためである。このことからプロー ブの光子数からソリトンの光子数を量子雑音の3.6dB以上の精度で決定できることを意味しており,量子非 破壊測定として高い性能を持っている。

0 10 20 30 40 50 60

-5 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5

Trap Pulse Soliton Pulse

Intensity [W]

Time [ps]

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2

1100 1200 1300 1400 1500 1600

Intensity [a.u.]

Wavelength [nm]

Fig. 4.9: Output spectrum (upper) and temporal waveform (lower) after propagation in the 3.2 m fibre. The red line corresponds to solitary component and the blue line corresponds to trapped pulse.

-0.7 -0.6 -0.5 -0.4 -0.3 -0.2 -0.1 0 0.1

1120 1140 1160 1180 1200

Correlation Intensity [a. u.]

Wavelength [nm]

LPF Spectrum (a)

-0.7 -0.6 -0.5 -0.4 -0.3 -0.2 -0.1 0 0.1

1120 1140 1160 1180 1200

Correlation Intensity [a. u.]

Wavelength [nm]

LPF Spectrum

-0.7 -0.6 -0.5 -0.4 -0.3 -0.2 -0.1 0 0.1

1120 1140 1160 1180 1200

Correlation Intensity [a.u.]

Wavelength [nm]

LPF Spectrum

-0.7 -0.6 -0.5 -0.4 -0.3 -0.2 -0.1 0 0.1

1120 1140 1160 1180 1200

Correlation Intensity [a.u.]

Wavelength [nm]

LPF Spectrum

-0.7 -0.6 -0.5 -0.4 -0.3 -0.2 -0.1 0 0.1

1120 1140 1160 1180 1200

Correlation Intensity [a. u.]

Wavelength [nm]

LPF Spectrum

(b)

(c) (d)

(e)

Fig. 4.10: Photon number correlation vs various cutoff wavelength of LPF. (a): 80 cm, (b): 160 cm, (c): 240 cm, (d): 320 cm, (e): 400 cm.

-0.7 -0.6 -0.5 -0.4 -0.3 -0.2 -0.1 0

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4

Correlation

Length [m]

Fig. 4.11: Photon number correlation vs propagation length with optimized cutoff wavelength of LPFs.

-4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4

Rel. Noise Power [dB]

Length [m]

soliton+probe probe

Fig. 4.12: Photon number fluctuation of probe pulse and sum of probe and soliton pulse after filtered out by the optimized cutoff wavelength of LPFs

パワー比について

-0.7 -0.6 -0.5 -0.4 -0.3 -0.2 -0.1 0

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4

Correlation

Length [m]

Half of soliton power Same as soliton power

Fig. 4.13: Photon number correlation when probe power changes. Blue plot corresponds that the probe power is same as soliton power. Red plot corresponds that the probe power is same as half of soliton power.

これまではトラップパルスのピークパワーがソリトンの半分としたが,トラップパルスのピークパワーの相 関へ及ぼす影響を調査するため,トラップパルスのピークパワーがソリトンと等しい場合を計算した。その結

果をFig. 4.13に示す。この結果を見ると二つの曲線はほぼ重なり,傾向はほとんど変わっていない。従って,

トラップパルスのピークパワーの変動に鈍感であることが分かった。

Raman 散乱の有無に関して

本節ではRaman散乱を考慮したモデルを使用しているが,このRaman散乱の影響について考察する。ま

ず,Figure 4.14はRaman散乱を考慮したモデルとしないモデルの光子数相関を示す。Raman散乱を考慮し ても,しなくても変化が無かった。Raman散乱はパルス幅が短くなるほど影響が顕著となる。そのため次に,

ソリトンの条件を満たしたままパルス幅を狭くするために,パルス幅を1/

2倍の124 fsにして,その分パル スのピークパワーを二倍の200 Wにした。このときソリトン周期は半分になる。また,プローブも同じよう にパルス幅を狭め,ピークパワーを上げた。このときの結果をFig. 4.15に示す。しかし,この図に示されるよ うに相関に変化はほとんど無かった。これはソリトントラッピングのXPMによるシフト量がRaman散乱に よるシフト量を大きく上回るためである。

-0.8 -0.7 -0.6 -0.5 -0.4 -0.3 -0.2 -0.1 0

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4

Correlation

Length [m]

with Raman without Raman

Fig. 4.14: Photon number correlation between w/o Raman scattering.

-0.8 -0.7 -0.6 -0.5 -0.4 -0.3 -0.2 -0.1 0

0 0.5 1 1.5 2

Correlation

Length [m]

with Raman without Raman

Fig. 4.15: Photon number correlation vs propagation length with optimized cutoff wavelength of LPFs.

パルス対の位置関係

-0.7 -0.6 -0.5 -0.4 -0.3 -0.2 -0.1 0

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4

Correlation

Lenght [m]

Inverse Normal

Fig. 4.16: Photon number correlation dependence on the position of probe pulse.

パルス間のXPM相互作用はソリトンスペクトルを赤方に,プローブパルスのスペクトルを青色にそれぞれ シフトさせる。このシフト量はRaman散乱の影響に比べ大きい。このことが,パルストラッピングによる光子 数相関形成の原理である。すなわち,ソリトンパルスの光子数が大きいときはプローブパルスはより青色にシ フトし,長波長側の光子数は少なくなる。また,ソリトンパルスの光子数が少ないときはこの逆となり,LPF で取り出したプローブの長波長側とソリトンは負の相関を持つ。実際,Fig. 4.10等に,正の相関を持つ波長領 域はほとんど見えていない。次に,初期条件はソリトンがプローブより250 fs前にいたが,逆にプローブをソ リトンより250 fs前とした。このときの伝搬距離のよる光子数相関をFig. 4.16に示す。この結果を見ると,光 子数相関が減少している。よって,位置関係はパルストラッピングによる光子数相関形成に大きな影響を持っ ていることが分かる。

相関のマッピング

今までの数値解析により,二つのパルス間に強い相互作用が存在し,光子数相関が生成することが明らかに なった。Figure 4.17はFig. 4.15を計算したときの条件で,2 m伝搬したときの光子数相関のマッピングを示 す。この図から,パルス間に強い相関が見られ,パルストラッピングが光子数相関の生成法として優れている ことがわかる。また,(c)の右上の部分に負の相関部分が局在しており,これがBAE応用で重要な高い相関を 保障している。

Fig. 4.17: A numerically obtained map of intra(a)(b) and inter(c)-pulse quantum correlations.

ドキュメント内 パルス生成に関する研究 (ページ 80-87)