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目標基準値等策定における考え方

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3 トップランナー方式の導入に際しての課題整理

3.3. ガラス

3.3.2. 目標基準値等策定における考え方

1)対象範囲の考え方について

(原則 1)対象範囲は、一般的な構造、用途、使用形態を勘案して定めるものとし、①特殊な 用途に使用される建築材料、②技術的な測定方法、評価方法が確立していない建築 材料であり、目標基準値を定めること自体が困難であるもの、③市場での使用割合 が極度に小さい建築材料は、原則として対象範囲から除外する。

サッシのトップランナー制度との整合性をとるため、住宅用途に限定することも考えられ る。その場合、「ガラスの板厚を限定する」「寸法を限定する」のいずれかにより用途を限 定できる可能性がある。

①ガラスの板厚を限定する

業界ヒアリングの結果、ガラス板厚の総厚が10mm以下のペアガラス(5mmの単板ガラ スの組み合わせ)は主に住宅用途、13mm超のペアガラスは主に高層集合住宅用途または ビル用途製品だとみなせる可能性がある。仮にガラス板厚10mm以下のペアガラスに規制 対象を限定した場合、制度のカバー率は約87%を占める。

図表 3.3.2 複層ガラス板厚別の出荷面積・出荷シェア(2012年度)

出所)業界提供データに基づき、NRI作成

熱線反射ペア(ビル等の意匠優先で活用されるガラス)はシェアが1%程度であり、Low-E 膜を貼付する際に熱割れを起こす畏れがある。また、装飾ガラス(ドア等に設置される複 層ガラス、ステンドグラス等)についてもシェアが 1%程度であり、強化ガラスと同程度 の性能値を有するものの、熱損失防止を目的とした性能改善が図られる可能性は低い。上

一般ペア Lo w- Eペア

6 m m 以下 5 , 7 0 3 , 8 4 0 2 , 7 6 8 , 5 1 1 2 , 9 3 5 , 3 2 9 4 4 . 2 % 5 1 . 5 % 7 m m 以下 1 , 6 8 6 , 9 6 1 8 0 7 , 5 2 5 8 7 9 , 4 3 6 1 3 . 1 % 5 2 . 1 % 8 m m 以下 1 , 3 5 9 , 3 1 4 7 5 7 , 4 9 7 6 0 1 , 8 1 7 1 0 . 5 % 4 4 . 3 % 9 m m 以下 4 6 5 , 3 7 3 1 0 1 , 2 0 2 3 6 4 , 1 7 1 3 . 6 % 7 8 . 3 % 1 0 m m 以下 2 , 0 9 4 , 1 9 7 1 , 0 3 7 , 7 8 7 1 , 0 5 6 , 4 0 9 1 6 . 2 % 5 0 . 4 % 1 1 m m 以下 4 9 9 , 7 7 5 3 2 2 , 7 5 2 1 7 7 , 0 2 3 3 . 9 % 3 5 . 4 % 1 2 m m 以下 6 2 5 , 6 1 5 4 7 0 , 7 2 6 1 5 4 , 8 9 0 4 . 9 % 2 4 . 8 % 1 3 m m 以下 1 3 3 , 4 0 1 9 4 , 5 8 5 3 8 , 8 1 6 1 . 0 % 2 9 . 1 % 1 4 m m 以下 1 0 0 , 9 8 3 4 8 , 1 2 4 5 2 , 8 5 9 0 . 8 % 5 2 . 3 % 1 5 m m 以下 2 9 , 1 6 2 1 5 , 5 6 3 1 3 , 5 9 9 0 . 2 % 4 6 . 6 % 1 6 m m 以下 1 2 4 , 2 2 4 5 9 , 4 3 0 6 4 , 7 9 4 1 . 0 % 5 2 . 2 % 1 7 m m 以下 8 , 7 0 8 5 , 5 7 2 3 , 1 3 5 0 . 1 % 3 6 . 0 % 1 8 m m 以下 1 8 , 6 4 8 9 , 8 9 2 8 , 7 5 6 0 . 1 % 4 7 . 0 % 1 8 m m 超   4 5 , 8 9 8 2 4 , 9 6 1 2 0 , 9 3 7 0 . 4 % 4 5 . 6 % 総計 1 2 , 8 9 6 , 0 9 9 6 , 5 2 4 , 1 2 6 6 , 3 7 1 , 9 7 2 1 0 0 . 0 % 4 9 . 4 %

出荷面積( ㎡)

ガラス板厚

計 計 Low- E化率

出荷シ ェア

記の通り、出荷シェアが僅少または性能改善を行う上での製造技術が未成熟であることか ら、対象から除外することも考えられる。

また、試作用途等のガラスについては、未成熟な技術でありかつ出荷量が僅少であること から、対象から除外することも考えられる。

②寸法を限定する

ペアガラスは中空層を密閉させるという製造方法の関係上、出荷時の窓サイズ(窓寸法)

の製品がそのまま住宅またはビルに設置される。また、ビル用途に比べ、住宅用途は窓面 積(寸法)が小さくなることが予想されることから、出荷時の窓面積から住宅/ビルの大 まかな判別ができる可能性がある。

図表 3.3.3 複層ガラスと寸法と用途の関係性

出所)A社の製品カタログに基づき、NRI作成

A社の製品カタログによると、住宅、ビルの用途に限らず、小サイズの窓を製造することが 可能であるのが現状だと考えられる。また、窓寸法は出荷面積やガラス板厚とは異なり、全て の複層ガラス大手事業者がデータ管理を行っているわけではない。

最大寸法( m m ) 最小寸法( m m )

製品① 2 ,4 1 8 ×1 , 7 5 8 3 5 0 ×2 0 0

製品② 2 ,2 0 0 ×1 , 5 5 0 3 5 0 ×2 0 0

製品③ 3 ,2 0 0 ×2 , 3 0 0 3 5 0 ×2 0 0

製品④ 2 ,4 1 8 ×1 , 7 5 8 3 5 0 ×2 0 0

製品⑤ 3 ,2 0 0 ×2 , 3 0 0 3 5 0 ×2 0 0

製品⑥ 3 ,7 8 0 ×2 , 5 1 0 3 5 0 ×2 0 0

最大寸法( m m ) 最小寸法( m m )

製品⑦ 3 ,4 0 0 ×2 , 3 0 0 3 5 0 ×2 0 0

製品⑧ 3 ,7 1 0 ×2 , 4 4 0 3 5 0 ×2 0 0

製品⑨ 3 ,5 5 8 ×2 , 4 3 8 3 5 0 ×2 0 0

製品⑩ 4 ,4 7 2 ×2 , 4 4 0 3 5 0 ×2 0 0

住宅用途

ビル用途

図表 3.3.4 複層ガラスと板厚と寸法の関係性

出所)業界提供データに基づき、NRI作成

2)区分設定および目標基準値設定の考え方について

(原則 2)特定熱損失防止建築材料はある指標に基づき区分を設定することになるが、その指 標(基本指標)は、熱損失防止性能との関係の深い物理量、機能等の指標とし、最 終消費者のニーズの代表を有するものとして設計事務所、ハウスメーカー、工務店 等が建築材料を選択する際に基準とするもの等を勘案して定める。

複層ガラスの断熱性能を示す基本指標として、熱貫流率(U値)が考えられる。熱貫流率 は、単位温度差あたり、単位面積あたりの窓からの熱の逃げやすさを表わす。一般に熱貫 流率は、製品間の性能差について、単位面積あたりでの指標とすることで、比較を容易に する指標として用いられるものである。

もう一つの指標として、日射熱取得率(η値)も挙げられる。日射熱取得率は、ガラス窓 に入射した日射熱が、室内側へ流入する割合を示す。日射熱取得率が大きいほど暖房負荷 が高い地域・部屋に適しており、逆に小さいほど冷房負荷が高い地域・部屋に適している。

Low-E複層ガラスは、断熱性能を重視したものと遮熱性能を重視したものがあるが、U値

を評価指標とした場合、遮熱性能を重視した製品が販売できない畏れもあることから、U 値とη値の関係性を配慮して評価指標を設定する必要がある。

したがって、評価指標については、以下の4つのオプションが考えられる。

①(U値とη値が独立するとみなせる場合)U値を指標とする

②(U値とη値が従属するとみなせる場合)寒冷地域向けの日射熱取得を目的とした製品 については、U値ではなくη値を指標とした他のトップランナー制度を検討する

③(U値とη値が従属するとみなせる場合)トップランナー制度はU値のみを指標とした

0.00 1.00 2.00 3.00 4.00 5.00 6.00 7.00 8.00

6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16

ガ ラ ス 板厚[

ガ ラ ス 板厚[

ガ ラ ス 板厚[

ガ ラ ス 板厚[mm 中央値

25%値

最小値 最大値 75%値

制度を検討するが、η値は区分設定のための要素とする(例えば、複層ガラスを「断 熱重視タイプ」「日射熱取得重視タイプ」に区分し、各区分の中でU値の目標基準値を 定める)

④(U値とη値が従属するとみなせる場合)トップランナー制度はU値のみを指標とした 制度を検討するが、η値は補正のための要素とする

ガラス板厚の6mmのLow-Eペアガラスに限定した場合の、中空層厚み別に熱貫流率と日射 熱取得率の関係性を分析した結果を以下に示す。中空層12mmの製品については、製品ライン ナップが豊富であるため、他の中空層厚みの製品に比べてばらつきが大きくなっていると考え られる。

図表 3.3.5 熱貫流率と日射熱取得率の関係(中空層厚み6mmの場合)

出所)業界提供データを基にNRI作成

図表 3.3.6 熱貫流率と日射熱取得率の関係(中空層厚み10mmの場合)

1.00 1.50 2.00 2.50 3.00

0.30 0.40 0.50 0.60 0.70 0.80

UW/K]]]]

η値 [値 [値 [値 [-

Low-Eペ ア (ペ ア (ペ ア (ペ ア ( ガ ラ ス 厚みガ ラ ス 厚みガ ラ ス 厚みガ ラ ス 厚み6mm×××× 中空 層中空 層中空 層中空 層6mm))))

Low-Eペア_Ar Low-Eペア_ガス無し

+5.2%

+5.2%

1.00 1.50 2.00 2.50 3.00

0.30 0.40 0.50 0.60 0.70 0.80

UW/K]]]]

η値 [値 [値 [値 [-

Low-Eペ ア (ペ ア ( ガ ラ ス 厚みペ ア (ペ ア (ガ ラ ス 厚みガ ラ ス 厚みガ ラ ス 厚み6mm×× 中空 層××中空 層中空 層中空 層10mm))))

Low-ペア_Ar Low-ペア_ガス無し

+3.0%

+4.3%

図表 3.3.7 熱貫流率と日射熱取得率の関係(中空層厚み12mmの場合)

出所)業界提供データを基にNRI作成

図表 3.3.8 熱貫流率と日射熱取得率の関係(中空層厚み16mmの場合)

出所)業界提供データを基にNRI作成 1.00

1.50 2.00 2.50 3.00

0.30 0.40 0.50 0.60 0.70 0.80

UW/K]]]]

η値 [値 [値 [値 [-

Low-Eペ ア (ペ ア ( ガ ラ ス 厚みペ ア (ペ ア (ガ ラ ス 厚みガ ラ ス 厚みガ ラ ス 厚み6mm×× 中空 層××中空 層中空 層中空 層12mm))))

Low-ペア_Ar Low-ペア_ガス無し

+11.3%

+22.3%

1.00 1.50 2.00 2.50 3.00

0.30 0.40 0.50 0.60 0.70 0.80

UW/K]]]]

η値 [値 [値 [値 [-

Low-Eペ ア (ペ ア (ペ ア (ペ ア ( ガ ラ ス 厚みガ ラ ス 厚みガ ラ ス 厚みガ ラ ス 厚み6mm×× 中空 層××中空 層中空 層中空 層16mm))))

Low-ペア_Ar Low-ペア_ガス無し

+4.9%

+6.3%

(原則 3)目標基準値は、同一の熱損失防止性能を目指すことが可能かつ適切な基本指標の区 分ごとに、1つの数値又は関係式により定める。

複層ガラスは、普及品(一般複層)と高付加価値品(Low-E複層)では、断熱性能に大き な隔たりがあることから、両者で区分を設け、区分ごとに目標基準値を定めことが考えら れる。また、複層ガラスの総厚み(板厚および中空層厚み)は、サッシ幅に大きく依存し、

中空層厚みは熱損失防止性能に大きな影響を及ぼす要素であることから、中空層厚み別の 関係式による目標基準値、若しくは中空層厚みの区分別の目標基準値を定めることが考え られる。

図表 3.3.9 中空層厚み別の熱貫流率の違い

出所)業界提供データを基にNRI作成

ただし、目標基準値の設定にあたっては、2009~2011 年において住宅エコポイント制度 による影響を勘案することも考えられる。特に、複層ガラスのリフォームは大規模な修繕 を前提とせずに、高性能製品へのリフォームが可能であるため、住宅エコポイントの影響 を受けやすい可能性も考えられる。

住宅・建築物の省エネ基準と同様に、地域毎に目標値を設定することも考えられるが、制 度が複雑になるとともに、現状においてはトレーサビリティが確保されておらず、最終的 に複層ガラスが出荷された地域を精緻に特定することは困難である。一部の製造事業者が 特定の地域を中心に事業展開を行っているケースが実在するが、寒冷地域を中心とする事

2.08 1.89

1.74 1.61

1.50 1.41

1.33

1.26 1.26

1.17 1.17 2.50

2.30 2.12

1.98 1.85

1.74 1.65

1.56 1.49

1.42 1.40 3.11

2.89 2.84

2.79 2.74

2.68 3.35

3.24 3.15

3.07 3.01

2.96

2.91 2.87 2.83 2.80 2.78

0.50 1.00 1.50 2.00 2.50 3.00 3.50 4.00

6mm 7mm 8mm 9mm 10mm 11mm 12mm 13mm 14mm 15mm 16mm

UW/K

中 空 層 厚み 中 空 層 厚み 中 空 層 厚み 中 空 層 厚み 中 空 層厚み別の

中 空 層厚み別の 中 空 層厚み別の

中 空 層厚み別のU値トップ値( ガラス板厚値トップ値( ガラス板厚値トップ値( ガラス板厚値トップ値( ガラス板厚6mm以下の製品に限定)以下の製品に限定)以下の製品に限定)以下の製品に限定)

※ト ッ プ 値は、各中空 層厚みの中で 出荷シェアト ッ プ 値は、各中空 層厚みの中で 出荷シェアト ッ プ 値は、各中空 層厚みの中で 出荷シェアト ッ プ 値は、各中空 層厚みの中で 出荷シェア1.0%以上のも のを選定以上のも のを選定以上のも のを選定以上のも のを選定

Low-Eペア (Ar)

Low-Eペア (空気)

一般ペア (Ar 一般ペア (空気)

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