「THE GREEN VISION 2020」では、2020年に向けて7つの数値目標と2つの行動目標を掲げていました。
2010年の設定から5年という節目の時期を迎え、「THE GREEN VISION 2020」の状況について振り返ります。
THE GREEN VISION 2020の振り返り
テーマ 2020年度目標 2015年度実績 達成状況
低炭素社会の実現
NTTグループのCO₂排出量を、
成り行きから200万トン以上削減 259万トン削減 ○
NTTグループのCO₂排出量を、
2008年度から15%以上削減 21%増加 ×
ICT利活用により、社会からのCO₂排出量について、
2,000万トン削減に貢献 6,032万トン削減 ◎
ICT利活用により、社会からのCO₂排出量について、
NTTグループのCO₂排出量の5倍以上削減に貢献 12倍削減 ◎
循環型社会の形成
全廃棄物合計の最終処分率を2%以下 0.82% ○
撤去した通信設備廃棄物のゼロエミッション(1%以下) 0.10% ◎
紙の総使用量を、2008年度から30%以上削減 46%削減 ○
生物多様性の保全
「事業活動を軸とした展開」
事業活動による影響を把握し、保全の取り組みを継続的に推進
設備設置時の環境配慮(P.083)
生物多様性に配慮したビル設計(P.084)
事業活動と連動したサンゴ保護(P.085) ○
「社会への貢献を軸とした展開」
保全に向けた取り組みをステークホルダーとともに推進 ICTを用いた情報発信や情報交流
社員による植樹・里山保全などの活動 ○
情報通信の活用は安心・安全で豊かな社会の実現に向けて拡大しています。災害時などでは「いつでもどこ でもつながる」ことの重要性が再認識され、情報通信の果たす役割はますます大きくなっています。そのため、
安心・安全な情報通信サービス提供のための設備拡充も必要となっていきます。
一方で2020年までに排出係数が大幅に低減する可能性は小さく、設備拡充で必要となるエネルギー消費も 考慮すると、NTTグループのCO₂総排出量の目標達成については、現時点で見通しを得られていない状況と なっています。
この状況を踏まえ、私たちNTTグループは安心・安全な情報通信サービス提供のための設備拡充に努めつ つ、設備の効率化、省エネ化による電力使用への対策を、これまで以上に推進していきます。また、設備拡充 にともなうサービスの強化により、NTTグループのサービスなどによる社会のCO₂排出削減への貢献も、ま すます拡大させていきます。
2008 2011 2012 2013 2014 2015(年度) (年度)
成り行き値
259万トン削減 6,032万トン削減
21%増加
0 100 200 300 400 500
(万トン)
2013 2014 2015 379
441 485 507 487
2,964 4,928
6,032 402
NTTグループの CO₂排出量の12倍削減
▶ 事業活動にともなうCO₂排出量 ▶ NTTグループのICTによる 社会のCO₂削減効果
Green OF ICT(NTTグループの環境負荷低減)の目標では、NTTグループのCO₂排出量について「成り行 きから200万トン削減」「2008年度比15%削減」の2つの目標を設定しています。
NTTグループのCO₂排出量の約95%は、通信サービスを提供するための電力消費によるものです。2015 年度の実績では、NTTグループの省エネ推進活動である「TPR(トータルパワー改革)運動」の推進により、9.4 億kWhの成り行きからの電力削減を実現しています。2009年から2015年までの累計で、259万トンの CO₂削減が達成されています。
一方で、購入電力の発電にともなうCO₂排出量は2010年当時に示されていた計画から大幅に増加し、
2015年現在の電力排出係数(電力1kWhあたりのCO₂排出量)は、基準年(2008年)から約2割増加してい ます。そのため、NTTグループが消費する電力からのCO₂排出量は、省エネによる削減努力を加味しても、
2015年度実績で21%増加する結果となりました。
Green BY ICT(社会の環境負荷削減への貢献)の目標では、NTTグループが提供するICTサービスによっ て、社会のCO₂排出量を「2,000万トン削減」し、「NTTグループのCO₂排出量の5倍以上削減」に貢献する という、2つの目標を設定しています。
スマートフォンの普及や高速・大容量のネットワークの実現にともない、動画配信などに代表されるさまざ まな新しいサービスの普及が進み、お客さまによるご利用の機会も拡がってきました。社会のCO₂排出削減 の効果も、情報通信の利用の拡大にともない、年々大きなものとなっています。その結果、ICTによる社会の CO₂排出削減量は2015年度の実績において6,032万トンと、NTTグループのCO₂排出量の12倍以上の削 減となり、目標を大幅に上回る結果となりました。
低炭素社会の実現
▶ 廃棄物の最終処分率 ▶ 紙総使用量
2011 2012 2013 2014 2015(年度)
(%)
0 0.5 1.0 1.5 2.0
2008 2011 2012 2013 2014 2015(年度)
(万t)
0 2 4 6 8 10 12
6.6 6.8 6.0
5.0 4.5
8.3
0.04 1.75
0.04 1.45
0.02 1.15
0.02 0.88
0.10
0.82 46%削減
●廃棄物全体 ●撤去通信設備
NTTグループでは、2つの考え方に基づき、生物多様性の保全への取り組みを進めています。
ひとつは、事業活動を軸とした展開です。NTTグループが生態系に与える影響をできるだけ小さくするため に、設備やケーブルの設置方法を工夫するなどの配慮に努めています(P.083)。また、生物多様性に配慮したオ フィスビルの設計(P.084)や、事業活動と連動させたサンゴ保護活動(P.085)などの取り組みを行っています。
もうひとつは、社会への貢献を軸とした展開です。ICTを用いて生物多様性保全に関わる情報発信や情報交 流を支援するほか、NTTグループ社員の力を結集しての植樹や里山保全などに全国各地で取り組んでいます。
生物多様性の保全
廃棄物削減の目標では、「全廃棄物合計の最終処分率を2%以下」とする目標に加え、「撤去した通信設備廃 棄物のゼロエミッション※」を目標に設定しています。
撤去した通信設備廃棄物については、2004年度以降ゼロエミッション(1%以下)を12年連続で達成してき ました。
通信設備以外の廃棄物についても、中間処理業者とも協働してリサイクル率の向上に努めるなど、3Rの取り 組みをさらに推し進めることで、2015年度の全廃棄物合計の最終処分率は0.82%と、目標を上回る結果とな りました。
紙使用量削減の目標では、紙の総使用量を「2008年度から30%以上削減」の目標を設定しています。電話 帳のクローズドリサイクルや、請求書の電子化などに取り組むことで、2015年度の紙の総使用量は2008年 度から46%の削減を達成しました。
※ NTTグループでは、最終処分率1%以下をゼロエミッションとして定義しています。
循環型社会の形成
NTTグループは、事業活動にともなって発生する環境負荷をできるだけ低減していくために、「どのような 資源・エネルギーを使用し、その結果、どのような環境負荷が発生しているか」について把握・分析に努めて います。
環境負荷の全体像
▶ NTTグループのマテリアルバランス
GHG排出量
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万tスコープ 1