2. ヒートポンプ給湯機
2.1 特定エネルギー消費機器の最新状況の整理
2.1.2 現行区分ごとの分析
ヒートポンプ給湯機の2017年度報告徴収を元にした各現行区分の分析として、出荷台数 に関する分析、区分要素や導入技術に関する分析を行った。
(1) 出荷台数に関する分析
現行のトップランナー制度におけるヒートポンプ給湯機の基準では想定世帯、貯湯容量、
仕様、保温機能、貯湯缶数の5つの要素により区分が分けられ、それぞれの組み合わせによ り全36区分に分かれている。現行36区分のうち、標準世帯、貯湯容量320L以上550L未 満の製品の出荷が主流となっており、特に区分17,18,19,21は出荷台数の9割を占める。表 2-2に示す通り、全区分において2017年度における平均基準達成率は100%を超える。
表 2-2 ヒートポンプ給湯機の現行区分と達成率
区分 出荷
台数 (千台)
効率 基準 区分名 想定 達成率
世帯 貯湯
容量 仕様 保温
機能 貯湯
缶数 加重
平均値 目標 基準値 1
標準
240L 未満
一般地
有 一缶 * * 2.8 *
2 多缶 0 - 2.4 -
3 無 一缶 * * 3.0 *
4 多缶 0 - 2.6 -
5
寒冷地
有 一缶 * * 2.3 *
6 多缶 0 - 2.0 -
7 無 一缶 0 - 2.6 -
8 多缶 0 - 2.3 -
9
240L 以上 320L 未満
一般地
有 一缶 3.2 2.98 2.8 106%
10 多缶 * * 2.8 *
11 無 一缶 * * 3.2 *
12 多缶 0 - 2.8 -
13
寒冷地
有 一缶 0 - 2.3 -
14 多缶 0 - 2.0 -
15 無 一缶 0 - 2.7 -
16 多缶 0 - 2.3 -
17
320L 以上 550L 未満
一般地
有 一缶 326.0 3.35 3.3 102%
18 多缶 28.7 2.83 2.8 101%
19 無 一缶 28.5 3.22 3.2 101%
20 多缶 0 - 2.8 -
21
寒冷地
有 一缶 32.5 2.76 2.7 102%
22 多缶 0 - 2.3 -
23 無 一缶 1.3 2.74 2.7 102%
24 多缶 0 - 2.3 -
25
550L 以上
一般地
有 一缶 7.4 3.03 2.9 105%
26 多缶 0 - 2.5 -
27 無 一缶 * * 2.9 *
28 多缶 0 - 2.5 -
29
寒冷地
有 一缶 * * 2.4 *
30 多缶 0 - 2.1 -
31 無 一缶 0 - 2.5 -
32 多缶 0 - 2.2 -
33
少人数 -
一般地 有
-
* * 2.4 *
34 無 * * 2.8 *
35 寒冷地 有 0 - 2.0 -
36 無 * * 2.4 *
出所)2017年度報告徴収より作成。 *製造社数が2社以下の区分は非公開とした。
現行36区分それぞれの効率ごとの出荷台数分布を図 2-1から図 2-3に示す。ここで、赤 背景は基準値を示す。最も出荷台数の多い区分17については、貯湯容量が370Lと460Lの 2つであることから、それぞれに分けて示す。全区分において、目標基準値未満の効率の出 荷はないことが分かる。
図 2-1 ヒートポンプ給湯機の各区分各効率の出荷台数(貯湯容量240L以上320L未満)
出所)2017年度報告徴収より作成。 *製造社数が2社以下の区分は非公開とした。
図 2-2 ヒートポンプ給湯機の各区分各効率の出荷台数(貯湯容量320L以上550L未満)
出所)2017年度報告徴収より作成。 *製造社数が2社以下の区分は非公開とした。
図 2-3 ヒートポンプ給湯機の各区分各効率の出荷台数(貯湯容量550L以上)
出所)2017年度報告徴収より作成。 *製造社数が2社以下の区分は非公開とした。
22.0 78.0
0 20 40 60 80 100
0 0.5 1 1.5 2 2.5 3
2.3 2.4 2.5 2.6 2.7 2.8 2.9 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 3.6 3.7 3.8 3.9 4.0
比率%
出荷台数千台
JIS効率
区分9
出荷台数 比率
64.8
26.8 8.4
0 20 40 60 80 100
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1
2.3 2.4 2.5 2.6 2.7 2.8 2.9 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 3.6 3.7 3.8 3.9 4.0
比率%
出荷台数千台
JIS効率
区分23
出荷台数 比率 76.2
5.6 5.2 7.8 2.2 2.0 1.0
0.0 0.0 0 20 40 60 80 100
0 10 20 30 40 50
2.3 2.4 2.5 2.6 2.7 2.8 2.9 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 3.6 3.7 3.8 3.9 4.0
比率%
出荷台数千台
JIS効率
区分21
出荷台数 比率
0.1 81.3
18.6
0 20 40 60 80 100
0 10 20 30 40 50
2.3 2.4 2.5 2.6 2.7 2.8 2.9 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 3.6 3.7 3.8 3.9 4.0
比率%
出荷台数千台
JIS効率
区分19
出荷台数 比率 85.0
14.4
0.6 0
20 40 60 80 100
0 10 20 30 40 50
2.3 2.4 2.5 2.6 2.7 2.8 2.9 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 3.6 3.7 3.8 3.9 4.0
比率%
出荷台数千台
JIS効率
区分18
出荷台数 比率
0.1
61.1 35.1
0.1 1.5 0.5 0.9 0.7 0 20 40 60 80 100
0 20 40 60 80 100
2.3 2.4 2.5 2.6 2.7 2.8 2.9 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 3.6 3.7 3.8 3.9 4.0
比率%
出荷台数千台
JIS効率
区分17 (460L機種)
出荷台数 比率
0.1 0.3 64.4
30.9
0.9 0.9 1.2 0.4 1.0 0 20 40 60 80 100
0 30 60 90 120 150
2.3 2.4 2.5 2.6 2.7 2.8 2.9 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 3.6 3.7 3.8 3.9 4.0
比率%
出荷台数千台
JIS効率
区分17 (370L機種)
出荷台数 比率
0.3 79.4
14.7 5.6
0 20 40 60 80 100
0 2 4 6 8 10
2.3 2.4 2.5 2.6 2.7 2.8 2.9 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 3.6 3.7 3.8 3.9 4.0
比率%
出荷台数千台
JIS効率
区分25
出荷台数 比率
(2) 区分要素や導入技術に関する分析
現行36区分の各技術の導入比率は表 2-3に示すとおり、真空断熱材は0~42%、中温水取
り出しは0~57%、湧き上げ制御の学習機能は100%、ふろ熱回収機能は0~23%であった。
表 2-3 各技術の導入比率(導入済み製品の出荷台数/全出荷台数)
区分 真空断
熱材を 適用
中温水 取り出 し回路
沸上制 御に学 習機能
ふろ熱 回収機 区分名 想定 能
世帯
貯湯
容量 仕様 保温 機能
貯湯 缶数 1
標準
240L 未満
一般地
有 一缶 * * * *
2 多缶 - - - -
3 無 一缶 * * * *
4 多缶 - - - -
5
寒冷地
有 一缶 * * * *
6 多缶 - - - -
7 無 一缶 - - - -
8 多缶 - - - -
9
240L 以上 320L 未満
一般地
有 一缶 17% 57% 100% 0%
10 多缶 * * * *
11 無 一缶 * * * *
12 多缶 - - - -
13
寒冷地
有 一缶 - - - -
14 多缶 - - - -
15 無 一缶 - - - -
16 多缶 - - - -
17
320L 以上 550L 未満
一般地
有 一缶 42% 47% 100% 21%
18 多缶 0% 15% 100% 5%
19 無 一缶 26% 0% 100% 0%
20 多缶 - - - -
21
寒冷地
有 一缶 26% 54% 100% 23%
22 多缶 - - - -
23 無 一缶 20% 0% 100% 0%
24 多缶 - - - -
25
550L 以上
一般地
有 一缶 2% 12% 100% 7%
26 多缶 - - - -
27 無 一缶 * * * *
28 多缶 - - - -
29
寒冷地
有 一缶 * * * *
30 多缶 - - - -
31 無 一缶 - - - -
32 多缶 - - - -
33
少人数 -
一般地 有
-
* * * *
34 無 * * * *
35 寒冷地 有 - - - -
36 無 * * * *
出所)2017年度報告徴収より作成。 *製造社数が2社以下の区分は非公開とした。
トップランナー区分で使用される5つの要素(想定世帯、貯湯容量、仕様、保温機能、貯 湯缶数)、および3つの技術の導入(真空断熱材、中温水取出、ふろ熱回収)について、効 率との重回帰分析結果を表 2-4に、貯湯容量と効率の分布を図 2-4に示す。区分17の重回 帰分析については、R2値が小さいため回帰式として妥当であると言い難い結果であった。
全区分の重回帰分析についてはR2値が0.7程度であり、貯湯容量以外の変数はP値が0.05 よりも小さいため、貯湯容量以外の変数は効率と相関があると考えられる。その中でも最も 係数の絶対値が大きいのは一般地/寒冷地で-0.52であり、現行基準においても一般地と寒冷 地の目標基準値は0.3~0.8の差がある。貯湯容量については、図 2-4の分布や重回帰分析結
果の係数から分かるとおり、効率への影響は弱いことが示唆される。
表 2-4 各項目の効率との重回帰分析結果
分析対象 全区分 区分17
R2値 0.686 0.234
指標 係数 P値 係数 P値 貯湯容量[L] -0.0002 0.08 -0.0005 0.031
標準世帯0 / 少人数1 -0.26 0.0009
一般地0 / 寒冷地1 -0.52 9.1×10-152
保温機能なし0 / あり1 0.06 0.001
缶数 一缶0 / 多缶1 -0.39 1.4×10-47
真空断熱材1 / その他0 0.15 2.3×10-21 0.18 2.7×10-16 中温水取出なし0 / あり1 0.04 0.02 0.04 0.046 ふろ熱回収なし0 / あり1 0.09 2.3×10-5 0.03 0.22
※貯湯容量以外の項目は、0,1のダミー変数で相関分析を実施
図 2-4 効率と貯湯容量の分布
4 7 2 5
2
1 4 20 2
47 36 18 11 36 82 48 4 8 16 2 5
16 2
62 15 4 18 5 38 57 49 4 13 8 3 4
13 5 30 2
1 1 1
0 100 200 300 400 500 600 700
2.3 2.4 2.5 2.6 2.7 2.8 2.9 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 3.6 3.7 3.8 3.9 4.0 4.1
貯湯容量[L]
効率 効率・貯湯容量ごとの台数分布
240L未満 240L-320L 320L-550L 550L以上
5 5 74 48 4 8 16 2 5
5 55 49 4 13 8 3 4
0 100 200 300 400 500 600 700
2.3 2.4 2.5 2.6 2.7 2.8 2.9 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 3.6 3.7 3.8 3.9 4.0 4.1
貯湯容量[L]
効率
効率・貯湯容量ごとの台数分布(区分17)
240L未満 240L-320L 320L-550L 550L以上 貯湯容量、効率ごとのラインナップ台数(報告徴収ベース)