〈平成15年10月・浜松市〉
安藤 あゆ
聖マリアンナ医科大学病院事務部医事課入院係
で決まります。診断群分類ごとの1日当たりの点 数につきましては,在院日数に応じて3段階に逓 減されております。入院初日から,25パーセンタ イル値までは平均点数に15%を加算したもので,
平均在院日数を超えてからは,前日の点数の85%
の算定となっております。入院期間が著しく長い 場合,診断群分類ごとに見て平均在院日数から標 準偏差の2倍以上入院した場合は特定入院期間と いうかたちになりまして,在院日数から標準偏差 の2倍を超えた日から出来高による算定になりま す(スライド2)。
次に,医療機関別係数については,機能評価の 係数と調整係数を合わせたものになります。機能 評価の係数は入院基本料などを係数化したもので,
入院時医学管理加算0.0103,紹介外来加算0.0257 などとなっております。加算だけかと申しますと そうではなくて,例えば2:1看護配置を満たさ ない場合はマイナスの加算,0.0184のマイナスに なります。調整係数は,診断群分類ごとによる包 括評価にかかわる医療費が平成14年の7月から10 月の医療費の実績に等しくなるように,各医療機 関ごとに設定されています(スライド3)。 ここで,包括評価の算定のイメージを1つ例を 挙げてご紹介したいと思います(スライド4)。 例えば,胃がんで30日間の入院をした場合,診断 群分類番号が0600203×01000×という番号は,胃 の悪性腫瘍で開腹全摘術,処置および副傷病名が ないという分類になります。こちらの1日当たり の点数は,入院期間Ⅰ未満というのが先ほどの25 パーセンタイル値までですが,14日間までこの分 類だと決まっていて,点数は2,939点,入院期間の
Ⅱ未満というのは15日目から28日目までで,1日 2,172点,入院期間のⅡ以上,平均在院日数を超え てから出来高までは1日1,846点という算定にな っています。これで30日間仮に入院したとします と,計算式は,2,939点の14日間と2,172点の14日 間,1,846点の2日間を足したものになりまして,
75,246点になります。
例えば,うちの病院を例に出さなくて申しわけ ないのですが,とある大学病院の医療機関別係数 医
事 研 究 会
D P C 実 例 報 告
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︱ 特 定 機 能 病 院 に お け る 入 院 医 療 の 包 括 評 価 請 求
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診療報酬の算定方法1
診療報酬の算定方法2
診療報酬の算定方法3
診療報酬の算定方法4
診断群分類による1日当たりの包括評価を 原則とした支払い方式
が1.0507だったとします。この内訳は,調整係数 が1.0245,こちらに紹介外来加算と診療録管理体 制加算を足して,1.0507という係数になりました。
では,この算定の包括評価の部分というのは,30 日間の定数75,246点×病院の医療機関別係数です から1.0507で,79,061点になります。胃の全摘の 手術をしていますので,仮にこれが76,169点だと した場合,合計で155,230点になります。このよ うに,同じ診療内容で同じ日数入院しても,最後 にかける医療機関ごとの係数が違うので,診療報 酬の点数に違いが出てきてしまうことがお分かり いただけるかと思います。
次に,診断群分類についてですが,診断群分類 は入院患者の分類方法で,もともとは患者ごとの 医療資源の使われ方を比較するための枠組みです。
日本においては平成10年11月から,国立病院など 10病院で診断群分類を活用した1入院単位での包 括評価の施行が実施されています(スライド5)。 診断群分類は14桁により構成されておりまして,
まず,こちら1番目,メジャー・ダイアゴヌステ ィック・カテゴリ,MDCと呼ばれる16の主要診断 群で疾患分野ごと,例えば,MDCの01は神経系疾
患,MDCの02は眼科系疾患,MDCの03は耳鼻咽 喉科系疾患などに大別されています。次に,傷病 番号,入院目的,年齢,手術,処置などが入ります。
副傷病名,重症度などによって分類が分かれてい ます。今回の包括評価の基礎となる診断群分類は,
専門家による検討と特定機能病院から収集した診 療録,診療報酬明細書のデータに基づいて開発さ れたものとうかがっています。診断群分類は575 疾病,2,552分類ありまして,今回の包括評価の対 象となったのは,そのうちの1,860の分類でした。
スライド6が,診断群分類番号をつける樹形図 と呼ばれるものです。MDCの06という番号で,
消化器系,肝臓,胆道,膵臓疾患の主要診断で急 性膵炎という病名を例に持ってまいりました。ま
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スライド5
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スライド6
診断群分類番号の構造
ず,傷病名の急性膵炎,その次の手術のありなし で分かれまして,処置,副傷病名など,樹形図の 下の定義告示によって分類が分かれてまいります。
病名は定義告示によってICDコード表示,手術,
処置に関しましては医科点数表のKコード等の表 示,副傷病名も,ICDでコーディングされたもの をそれぞれ使うことになっています。
例えば,1つ例を挙げて考えてみますと,Kの85 というICDコードは急性膵炎になるのですが,こ れで手術を例えばKの687の(2),内視鏡的乳頭 切開術,胆道砕石術を伴うものの手術を施行した 場合,図でいうと手術がありなしがきて,ありに なって,その他の手術のところを選ぶのですが,
あった場合,中心静脈という処置も定義告示され ていますので,中心静脈をやった場合というのは,
0603503×971×××で実線で囲まれた包括の分 類になります。同じ手術をしても,中心静脈注射 等の処置がなかった場合というのは,点線が囲ん でありますように,診断群分類としての番号はつ くのですが,今回の包括調査の対象となる分類に 当てはまらないため,中心静脈等がなければ出来 高の算定となることになります。
スライド7が診断群分類表になります。先ほど の樹形図でもお分かりいただけるかと思いますが,
米国のDRGはMDCの主要診断分類のあとに手術 の有無で分かれていくようになりますが,日本の DPCは主要診断分類のあとに,傷病名で分かれて いくようになります。この傷病名というのは,医 療資源を最も投入した病名ということになってい ます。そのあとに,医科点数表による手術,処置 などの決められたものによって,それぞれ入院期 間の25パーセンタイル値等決められており,それ に応じて,1日ごとの包括の点数が決められてい ます。また,それぞれの分類で特定入院期間も決 められていて,いちばん上の分類(番号652)です と,42日間は包括の分類ですが,この翌日,43日 目からは出来高の算定になります。
2.包括評価導入の取り組みについて
さて,当院における包括評価導入の取り組みに ついてお話しさせていただきます。まず,平成14 年4月より,厚生労働省による打ち合わせ会の通 知があり,担当者が出向いて聞き取り調査などが 月2,3回開かれました。平成14年7月から10月 までは,診療データの調査が実施されました。ス ライド8は診療情報入力票とありますが,実際の 包括調査用紙になります。当院では,医師が病名,
手術情報,補助療法,化学療法,インターフェロ ン注射などを用紙に記入したものを医事課で記載 もれがないかどうかを確認し,ICD−10のコーデ ィング等して,エクセルで入力したものを厚生労 働省へ提出いたしました。調査は,7月から10月 の退院患者さんを対象に行われました。この調査 は,平成15年も行われています。
この調査の段階から医師にとって,医療資源を 最も投入した傷病名というのが難解だったようで す。厚生労働省によれば,入院患者の入院期間全 体を通してみて治療した傷病のうち,最も人的・
物的医療資源を投入した傷病ということになって いますが,例えば外科で入院をして手術,そのあ と併存後疾患があった糖尿病の治療などがあり,
そちらの方で長く入院をした場合ということなど 兼科がある場合は,医療資源を1つに絞るという ことが大変難しいというケースもありました。
平成14年11月に病院内に包括医療準備委員会が 設置されました。メンバーは副院長および内科系 医師2名,外科系医師2名,医療情報処理課より 2名,病歴部より診療情報管理士を1名,医事課 2名の計10名で構成され,月に1,2回集まって,
システム構築に向けて活動を始めました。
院内の説明会は,厚生労働省の担当官をお招き して2回行われました。1度目は平成14年5月で,
包括調査に向けて包括医療の概略などについてご 説明をいただき,2度目は平成15年3月に,実際 の導入や制度について詳しいご説明をいただきま した。説明会は全医師,看護師,コメディカルな ど,全職員対象でした。実際に現場で入力を担当 医
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