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あるのですが,では,患者さんはどこから来てい るかという分析は行っていますか。これは保険証 の住所からとれる情報です。当院は,診療圏とし て大体5km以内から患者さんが来ているのか,

または2次診療圏としては10km圏内くらいまで 広げて患者さんが来ているのかという具合にです。

このデータを入手することで自院の診療圏が分か るはずなんですね。その診療圏のなかに,他の病 院,他の介護施設,他のクリニック,他の医療福 祉サービスがどの程度あるかも知りたいですね。

つまり,自院の診療圏に住んでいる患者さんは,

風邪をひいたらどこに行くんだろう。例えば,当 院のすぐ目の前に住んでいらっしゃる患者さんが 心筋梗塞を起こした場合は,当院に来るだろうか。

当院は中小病院で200床未満で,それほど心臓専 門の急性期病院ではない。しかし,同じ診療圏内 に500床の県立病院があるとします。そうすると,

やはり目の前の患者さんだって,脳梗塞を起こし ましたとか何かあったというときには当院ではな く,その500床の県立に行くだろう。診療圏のな かの患者さんは,いったい当院の医療圏のなかで どういう動きをするのかなという具合に考えてみ ることです。

 また500床の県立病院とは,いったいどういう ニーズがあるのか。500床の県立病院であれば恐 らく急性期ですから,平均在院日数の短縮が目標 とされますね。紹介率アップもそうです。それと 今,当院との関係として,ライバルなのかです。

脳梗塞や心筋梗塞を起こしてオペが終わったあと,

その患者さんの立場に立ったら,自宅から遠いと ころで入院してリハビリなどを行うのでしたら,

目の前の病院の方がよいと思います。県立病院の 目的である平均在院日数の面からいっても,やは りある程度急性期を脱したら後方病院に移したい というニーズもあるでしょう。また,当院には老 健がある場合,老健に介護保険の方たちが入って いるけれども,そこには併設のクリニックがない とか,あっても入院施設はないというような老健 があるとすると,そこの老健のニーズは何でしょ うか。もし何かあったとき,困ったときに,すぐ

医療として入院させてくれる連携先の病院をほし がっているかもしれないということです。

 つまり,どのような環境のなかで,当院はどの ような医療をやっているのかということを把握し ているところが結構少ないです。同一医療圏内の 人口動向,推計患者数,治療率とか地域の医療計 画などは調べれば分かるはずです。競合医療機関 を含む医療提供施設,介護サービス提供施設など がどのように存在して,そのなかで当院のポジシ ョニングを知ることが大切です。当院はどのよう に見られているかを意識することが大切です。例 えば周りに500床の国立病院と済生会と日赤に囲 まれたなかで,250床の病院が急性期でやってい きますと宣言しても,ポジショニング的にそのよ うなニーズがあるのかどうかということです。

 ですから,この2つ,自己分析と環境分析を行 っているかいないかで医療機関としての立場が決 まっていくことになります。自院の地域医療にお けるポジショニングを理解していただきたいとい うことです。どのような医療サービスが求められ ているかです。これは,患者さんだけではなくて 他の病院,クリニック,おのおのから求められて いる自院の機能とは何なのかを知ることです。そ れと,自分の病院の強みと弱みです。これ強いぞ というところと,この医療に関しては自信がない というようなところです。自院に何が不足してい るのかですね。あと,診療報酬や医療法改正から 求められている自院の機能は本当は何なのかです。

 これは,関東のある病院の話ですが,驚いたこ とに自院のパンフレットを持って,全部の消防署 を回って歩いていらっしゃるということです。そ の際,可能なオペと不可能なオペの一覧表を持っ て歩いているのです。「当院は,この医療に関し ては救急対応できます。でも,申しわけない。こ のオペはうちではできないんです」ということを,

ちゃんと情報として持って消防署を回っていると いうことです。これはちょっと私も想像できなか ったのですが,それは本当だろうなと思いました。

「この症例は診られますよ」という情報を消防署 だけではなくて,本当は患者さんや他の医療機関

にも,情報を持っていくということも,これから はやはり重要になってくるかなと思っています。

 スライド4〜7は,200床未満の病院と200床以 上の病院の方向性というかたちですので,これは お読みください。あとで時間があったらお話しさ せていただきますが,大体今までお話しした内容 を文章化しています。

5.患者さんへのアドバイス         

 「医療機関の窓口で患者さんにアドバイスでき ること」という点に入ります。これは何かといい ますと,健康保険法改正で老人の自己負担割合が 変わりましたけれども,この償還払いが問題です よ ね。例 え ば,外 来 は 一 般 の ご 老 人 だ と 1 万 2,000円が上限で,それ以上払ったら償還しても らえるという制度ですが,東京都で調べたら,約

4割が償還していないのだそうです。びっくりし て,全国規模でちょっと調べたところがあるので すが,全国だと約3割だそうです。別に「私はお 金はあります」とか,「医療費くらいいいわよ。償 還なんて面倒なことをしなくても」と言っている 患者さんばかりではないはずです。結局,老人が 窓口で1割や2割負担になり,定額制のクリニッ クが定率になりました。そうなると,神経ブロッ クを行ったり,高いお薬や注射を行ったりしたと きに,1,000円かかったとします。皆さんの病院 だけに通院しているのか,それとも,ほかのクリ ニックにも通院しているのかで異なってきます。

1万2,000円ほど外来でかかるといったらよほど なんですけれども,結構1日おきに注射に行かれ る方とかで,いないわけではありません。それよ りいちばん怖いのは,ご老人が自分の判断で受診

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抑制をかけてしまうということです。これはちょ っと問題です。償還払い制度のことを知らないと いうことです。

 安心してかかっても,1万2,000円が限度だから ということを,いったいどのくらいのご老人が知 らずに来ているのかなと思います。アンケートを とられてみたらいちばん分かるとは思います。入 院もそうですね。入院を勧められても,お金が心 配でというような方たちが多いということです。

 本当は国が行うべきことだと私は思います。国 が患者さんに向かって償還払いという制度なのだ からということをもっとアピールすべきだと思い ますが,国が行ってくれないので,医療機関が患 者さんに高額医療費,高額療養費の説明を行うこ とになるのです。スライド8に書かれている内容 を医療機関で説明してあげるのです。つまり,老 人の場合ですと患者単位ではなくて世帯合算でき るなどの情報とか,それから低所得者に対する軽 減の情報です。「患者さんの方から申請していか ないとだめなんだよ」ということを窓口では言え ませんから,このようなものを紙に書いて渡して あげることが必要です。

 私ですと「医療費,払ったお金が戻ってくるこ とがあります」とか書きますね。ご老人には「償 還払いになります」なんて書いても全然分かりま せん。つまり,安心してください,このような制 度もあるからということを伝えるようにしてくだ

さい。コツは電話番号を入れることです。この用 紙だけを配っても窓口では対応できないので,問 い合わせ先電話番号を入れて,もし可能性がある ならば,ここに連絡してみてくださいというよう な情報提供をやってみてください。もちろん患者 さんには来院してほしいですが,患者自らが受診 しなくなって重症になる方が医療費は上がるよう な気がします。ある程度の予防医学と厚生労働省 はいっていますけれども,やはり,安心して患者 さんが来られるような病院でいたいなというよう な思いから,このようなかたちのことも行ってみ てください。

 同じようなことですが,領収書の内容への不信 感が今,非常に多いです。長期投与に対する予見 できる必要期間の説明なども苦慮しますね。180 日超入院に関する説明と理解もそうです。情報開 示に対するニーズが高いので,いちど不信感を持 つと受診拒否を引き起こすことになります。医療 訴訟が増加している現在,信頼関係の構築が,非 常に重要かなと思っています。

6.今後の医事課の役割       

 ここで,医事課の話に戻ります。最近よく聞か れることで,医事課の仕事が変わるのではないか という話があります。電子カルテの導入をはじめ とするIT化やDPCのような包括化が進むと,医 事課の仕事がだんだんなくなっていくのではない かということです。私の個人的な 意見ですが,医事課というネーミン グはなくなるかもしれませんが,医 事課の仕事はこれからもっと拡大 するのではないかと思っています。

 1つは,今までご説明させていた だいた,患者さんと医療機関をつな ぐパイプ役としての仕事です。つ まり,情報開示の流れがこれだけ進 んでいるわけですから,院内のどこ かがそれを行う必要があるのです。

医事課の役割という面で見ますと,

チーム医療とよくいわれますが,患

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