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医療制度の展望と 現場の対応

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〈平成15年10月・浜松市〉

中林  梓

株式会社 ASK 梓診療報酬研究所 所長

一般と療養,医療と介護というような役割で,こ れは報酬や施設基準も含めて,いろいろなかたち で改革をしていっているところです。もう1つの 役割分担としては,入院・入所,外来・通所と在 宅・居宅という部分での役割を変えようともして います。

 提供体制としては,地域完結型の体制として特 定機能,地域支援,今ですと病院200床以上と200 床未満の分け方,クリニック,介護療養型の医療 施設,介護保険適用施設があります。3番目に,

連携のあり方としての病々,病診,診々連携とい う言葉がよくいわれていますけれども,もう1つ の重要な連携として,保健と医療・福祉施設の連 携,つまり,病院と老健とか特養とか,そういっ たかたちでの連携も今,提供体制としては構築し ているところといえます。

 次に,質の面から見たものです。医療・看護等 の質の確保と向上という面から,いろいろなかた ちで人員配置,構造設備,医療の質,医療の情報 提供,IT化もその一環で入ってきますし,昨今い われている第三者機能評価,これらも今後取り組 みが厳しくなるといえると思います。第三者から 評価を受けることがスタンダードになってくる時 代になると思います。施設基準,手術の症例など が平成14年の改定で入ってきたということがその 一例です。

 診療報酬体系に関しまして,あとで詳しくお話 ししますが,どうも今の改正の内容を見ていきま すと,集団・出来高の制度から,やはり個別・包 括の体系化に進みつつあるといえるでしょう。こ れは平成16年の改正からも,もちろん具体的に入 ってくることが予測されています。医療保険と介 護保険,これは両方とも包括のかたちになってい くでしょう。あとは,機関別評価体系です。昨日 お話がありましたDPC,これらには医療機関別係 数というのがご説明のなかにあったかと思います。

つまり,特定機能病院82の病院,DPC化されてい るところは82通りの係数があることになります。

それから,施設別・事業所別の評価体系も考えら れています。出来高払いとはいっても,例えば

200床以上の病院の外来基本料のように,ある程 度のものは含まれるというようなかたちで基本料 を考えていて,そのほかに特掲料としての出来高 払いを組み合わせていくという,これが出来高と いわれているもので,包括というかたちのものは,

DPC,特定入院料というかたちの体系で入ってき ます。

 ここで少し触れさせていただきたいのが,以前 ものすごく盛り上がっていましたDRGはどこに いってしまったかという話です。DRG−PPSと いう話がずっと長年盛り上がっておりまして,試 行病院として国立・民間含めて10数件の病院で現 在試行されているところですが,別に消えている わけではありません。DRGは引き続き試行され ております。平成16年3月までDRGは試行され るのですが,診療報酬としては実際にはすでに DPCが実績として入ってしまったということに なります。そのため,DRG−PPSの考え方の評価 検討とDPCを平成16年に再評価検討しますので,

そのうちのどちらの方が整合性があるかという検 討になっていくと思います。今のところ,DPCの 方が分がいいですね。要するに,実績としてあが ってきたデータとか去年のデータから評価してい くので,評価の仕方も分かりやすくなっています。

ほかに,ICUや救命救急などの特定入院料があり ますけれども,これら辺りももっと膨らんでいく のだろうというように思われます。

 次に保険制度です。Healthcare Reformという ようにいわれていますけれども,医療法とか精神 保健福祉法,それに介護保険法,老人保健法など を組み合わせて,今後どういうかたちでいくのか を構築していくことです。もちろん,急性期医療 や慢性期医療,一般病床・療養病床など,いろい ろなかたちで今,分けられておりますけれども,

亜急性期医療というものに対する,きちっとした 定義はないので,今後その辺も含めまして,改革 していくというように思われます。

2.診療報酬体系の見直し      

 ここからは診療報酬体系の見直しということで お話ししますが,お断りさせていただきますが,

占いと思って聞いてください。今の段階で,来年 の改定について断言はとてもできる状態ではあり ません。ただ,若干読めてきたなという部分があ ります。財務省と厚生労働省とが結構議論をして いるというのは皆さんもご存じかもしれません。

今までの診療報酬改定だと,どちらかというと厚 生労働省や中医協の方を見ていればわりと分かっ ていたのですが,小泉内閣に代わられましてから 財務省の発言が結構強くなっておりまして,先に お金の話で詰めてくるというような状況です。診 療報酬改定は,もちろん内容は中医協の方で審議 するのですが,お金のことについては厚生労働省 の方でパーセントを決めるというわけには実はい きません。これは,財務省との折衝で各省庁に予 算が配分されるわけですので,予算の概算要求が あって始まるのです。シーリングといわれている のがそれであって,最終的に年末に厚生労働省の 予算が決定されます。その年末での予算額を見る と,大体マイナス改定かプラス改定かは読めると いう流れになります。

 今回シーリングの段階で,概算要求額で2,200 億円という数字が出たのを,新聞等々でごらんに なりましたでしょうか。あまり政治欄は見ない方 ですが,今回はちょっとよく見てみましたところ,

財務省では自然増の医療に関しての3,100億円と いうように踏んだらしいのです。ところが,その 3,100億円すべてをのせてあげるというわけには,

今の日本ではいかないのです。最近の経済状況や 景気が悪いということなので,その3,100億円の 自然増を2,200億円に圧縮するというのが今回出 たシーリングです。

 2,200億円に圧縮しなければいけないというこ とは,プラスには働きません。プラス改定はあり えないことになります。もちろん,圧縮幅のなか は社会福祉や年金,生活保護,介護保険などが含 まれています。それを全部集めて圧縮していくわ

けです。年金はご存じのようにあまり期待はでき ません。介護保険は平成15年4月に改定があった ばかりですから,いろいろなかたちで圧縮するに してもなかなか難しい。そうなると,やはり医療 で圧縮をする以外にはないだろうと考えます。圧 縮しなければいけないのに,診療報酬をプラス改 定にもっていくというのは無理になりますので,

今のところの予測ですと,プラス改定はちょっと 難しいということになります。

 では,マイナス改定となるでしょうか。厚生労 働省の坂口厚生労働大臣は先日の発表で,先にマ イナス改定ありきとは思っていないと言っていま す。ただし,財務省では,マイナス改定をアピー ルしています。でも,これはマイナス改定だとし ても,マイナス部分のどこを削るかというのは財 務省が考えることではなくて,厚生労働省が本来 なら考えることなのだというように,厚生労働省 もあまりいい気分ではないというような状況です。

それで計算すると,いろいろなところを頑張った としても,1.2%から1.3%くらいはマイナスにな るのではないかと思います。あくまでも占いです。

 マイナス2.7%改定であった前回改定を思い出 していただきたいのですが,診療報酬本体が△

1.3%,薬が△1.3%,材料が△0.1%でした。合わ せて△2.7%となりました。もし,△1.3%改定で あるとすると,すごくうまくいって,薬,材料,

これら辺りでいってしまえば,診療報酬の本体に までは突っ込まなくてもすむ計算にはなります。

ただ,去年と同じだけ薬が下がるかどうかという のは別の問題です。ですから,切り口としては,

まず薬,材料の方をある程度下げて,診療報酬に 関しては多少中身での上げ下げはありますが,総 体として診療報酬本体でまた去年のように1.3%

下げるというようなかたちにはちょっとならない かなと思います。楽観的な予測かもしれませんけ れども,そういうようなかたちで今,見ておりま す。これはもちろん中医協の審議や,日本医師会 の意見もあるでしょうから,そこもなだめながら,

何とか着陸地点を平成16年2月までにもっていく とすれば,何もかも下げますというかたちではち

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