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特別支援学級の弾力的運用の方法

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3  特別支援学級の弾力的運用の方法

  特別支援学級の弾力的な運用として様々な取り組みが考えられます。通常の学級に在籍 する児童への取り組みは、対象児童の状態や通常の学級のクラスの状況、校内の支援体制、

学級等支援員の配置等各学校の条件によって様々です。通常の学級でのトラブルで疲れて しまった児童が、特別支援学級に来て活動をともにすることにより、心の安定が生まれる 事もあります。しかし、特別支援学級は自分の居場所ではなく、通常の学級に戻りたいと 望んでいる事も多いです。特別支援学級で過ごす児童の様子を見て、通常の学級の担任は 安心しますが、担任として一番大切な事はその児童が過ごしやすい環境を作り、居場所を 確保することです。

(1)  特別支援学級担当者としてできること

・通常の学級担任の話を聞く。(アドバイスができなくても聴いてあげることが大切)

・個別の指導計画のもとを作る。(担任は細かいことを書こうとするので、児童が達成可能 なことを目標にする)

・他機関との連携を図る。(特別支援教育相談センター、相談窓口、通級指導教室、スクー ルカウンセラー、さわやか相談室、特別支援学校、医療機関等々多くの人たちが関わる ことが大切)

・保護者面談をする。(就学に関係すると思われ、敬遠されることもあるので注意が必要)

・対象児童、保護者、担任には最大の味方というスタンスを常に心がける。

・校内の支援体制の確立と運用(理解ある管理職や同僚、職員を巻き込んで、自分一人で 抱え込まないことが最も大切である)

(2)  具体的な対処方法について

①  入学前に行うと良いこと

・児童の実態、交友関係等配慮することの確認、興奮した時の様子と対処のしかたを聞く。

(保護者、特別支援教育相談センター、就学前施設)

・入学式会場と教室の点検(担任との顔合わせ、教室の確認、式場の配置確認等)をする。

・他の児童の保護者へ、児童の特性についてどの程度説明するかの確認をする。

②  入学直後のサポート

・職員、管理職の役割分担を確認、各行事や日々の生活においての注意、学級支援員、少 人数等支援員、養護教諭や司書に児童の特性について伝え、対応の仕方を打ち合わせす る。

・児童の授業への参加の状態を確認後、個別検査を実施して、結果から予想されること(得 意な部分と不得意な部分から今後対応が必要になる事象)を担任、保護者に説明する。ス クールカウンセラーも検査実施、結果の解釈も可能である。

・不適応行動への対処方法を担任、保護者と話し合う。(スクールカウンセラー、特別支援 ネットワーク連携協議会に巡回相談を依頼)

・児童が気持ちの高揚等で自分の判断で教室から出る場合は行く場所を決めておく。

・教材や行事への取り組みに関しての対応について担任とは随時話し合う。

・同じ学年の特別支援学級児童の交流クラスにする。行事や交流及び共同学習として行事、

授業に特別支援学級担任も児童と一緒に参加する。声をかけて特別支援学級児童の助け を依頼する。

・特別支援学級の楽しい行事や学習、また、交流給食に招待する。(クラス全員を数人ずつ のグループに分けて)

③  不適応行動が著しくなった時のサポート

・特別支援ネットワーク連携協議会、スクールカウンセラー、通級指導教室担当職員に教 育相談や巡回相談を依頼する。

④  特別支援学級での関わり方

ア  教室でほとんど過ごしている時期

休み時間や登下校時に積極的に声かけをして友好的な関係を作る。

イ  特別支援学級に気分転換に来る時期

・1日に○時間程度と上限を決めて、課題を持って特別支援学級で学習する。

・本児にとって楽しい活動のみだと教室に戻ろうとする気持ちを醸成しにくいため、本児 の課題に合わせた学習を行う。

ウ  教室には好きな教科や楽しい内容のみしか参加しない時期

・クラスの担任にお願いして特別支援学級との交流会(お楽しみ会)を計画してもらう。

対象児童をナビゲーターにして、特別支援学級児童の紹介を担当したり、みんなで楽し く遊べるゲームや演技を考えてもらう。

・対象児童が校内で過ごすための約束が必要になるので、その話し合いをする。

エ  登校が不安定になった(特別支援学級に登校する)時期

・登校するのが辛くなり保護者同伴で登校したり、登校してもすぐ下校する場合は一緒に ゲームをしたり、学校探検をしたりと児童にとって楽しい活動を行う。そして、保護者 面談や適応教室への教育相談を進めることも必要となる。

・児童の不安を軽減するために学校でどんな活動をしたいのかを児童、担任、保護者を含 めて相談を行う。児童自身が納得できることが大切である。

⑤  周囲の環境調整をするために

ア  児童が安心できる居場所を確保するための約束づくりをする。(保護者、担任、児童、

特別支援学級担任、関係者立会いのもと、最低限守れそうな内容で児童に確認をする)

・登校できそうな日を表明させ、登校したら一日の予定を立てさせる。

・学校からの手紙や配布物を教室に取りに行く。

・児童の好きな部屋でのルール、特別支援学級でのルール(いつ来てもOK、ただし、特 別支援学級児童の邪魔はしない。特別支援学級の児童は自分の課題を行う、担任は対象 児童の相手をしながら授業や活動を続ける)職員室、保健室、図書室でのルールをつく る。

イ  発想の転換を呼びかける(保護者、担任や管理職に対して)

・活動の場、学習の場を学校以外で見つける。

・学校に来たり、教室で学習をするのが当然という考え方をやめ、児童が登校したらよく 来たねとほめる。

・できて当たり前という考えはしない。他の児童にとっては何気なくできる事が、できる ようになりたいと願っているにもかかわらず難しい児童もいる。

・どうみてもわがままにしか見えないかもしれないが、本人はできないことに悩み、自己 嫌悪に陥っている。

ウ  児童や保護者を守るために心がけること

・周囲または,児童の保護(壁)となる。(周囲からの過剰な期待や自分で頑張ろうと思いす ぎてつぶれてしまう事のないように)

・保護者と常に連絡を取り合い、気持ちの維持、高揚させるための面談を随時行う。

・他機関と連携する。(例:学習の場は塾や通信講座、趣味等は地域の団体、行政の機関を 利用する)

・医療機関、療育機関から必要に応じて情報を受け、常に現在の状況や児童の実態に合った 支援を行う。

(3)  指導のポイント

・本児の頑張りを誰よりも認める。次の目標を立てさせる時には本児が必ず達成できると共 に今後の自信につながるものとなるように考えて、確認を取って進める。(スモールステ ップ)

・どんな時でも児童の希望があれば、可能な限り拒否せず受け入れる。

・児童には行動を強要せずに、複数の方法を提示して選択させる。

どんなアプローチをしても全く変化することなく、かえって状態が悪くなったように 見えることもあります。しかし、必ず飛躍する時が来ます。その時を信じて保護者や児 童を常に支えてあげるということが大切です。

 

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