• 検索結果がありません。

untitled

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "untitled"

Copied!
101
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

―特別支援教育の充実を目指して―

さいたま市教育委員会

平成 24年 3 月作成

(2)
(3)

はじめに

この「特別支援学級担任の手引き」は、特別支援学級設置校、特

別支援学級を担任する教員が障害のある児童生徒一人ひとりに対し

て、より適切な指導や支援を行うことを目的として作成しました。

さいたま市では、昨年4月に「誰もが共に暮らすための障害者の

権利の擁護等に関する条例(ノーマライゼーション条例)

」を制定し、

障害のあるなしに関係なく、安心して生活をおくることのできる地

域社会をめざしています。教育委員会といたしましても、一人ひと

りの教育的ニーズに応じた教育の充実を目指して、特別支援教育の

一層の推進を図っています。この手引きは、その一環として、さい

たま市独自で作成したものであり、通常の学級におきましても、特

別支援教育の充実を図る上で非常に大切な内容となっています。

本手引きを、特別支援学級を初めて担任する教員はもちろん、特

別支援学級設置校だけでなく、全ての教職員が活用していただき、

子ども達の笑顔がたくさん見られる指導が展開されることを期待し

ています。

結びに、本手引きを作成するにあたり、御協力いただいた皆様に

厚く御礼申し上げます。

平成24年3月

さいたま市教育委員会指導2課長 野口 浩

(4)

目 次

はじめに Ⅰ 特別支援学級とは・・・・・・・・・・・・・・P. 1∼ 9 1 年間の流れ・学級経営 Ⅱ 特別支援学級の教育課程・・・・・・・・・・・P.10∼44 概要・日課表・年間指導計画・学習指導案の作成 Ⅲ 個別の教育支援計画と個別の指導計画・・・・・P.45∼55 作成・活用・参考例・潤いファイル Ⅳ 指導要録の書き方・・・・・・・・・・・・・・P.56∼60 Ⅴ 教室環境や授業の工夫・・・・・・・・・・・・P.61∼65 Ⅵ 交流及び共同学習・・・・・・・・・・・・・・P.66∼75 Ⅶ 特別支援学級の弾力的運用・・・・・・・・・・P.76∼83 Ⅷ 産業現場等における実習・・・・・・・・・・・P.84∼85 Ⅸ 関係機関との連携・・・・・・・・・・・・・・P.86∼90 Ⅹ 初めて特別支援学級を担任するみなさんへ・・・P.91∼94

(5)

Ⅰ 特別支援学級とは

特別支援学級は、障害がある児童生徒のために小・中学校に障害の種別ごとに置く少人 数の学級です。さいたま市には「知的障害特別支援学級」「自閉症・情緒障害特別支援学級」 「弱視特別支援学級」「身体虚弱特別支援学級」があります。 【 特別支援学級の特長は 】 <少人数の指導> 特別支援学級では1学級を8名以内で編 制し、少人数の集団で児童生徒一人ひとりの 実態に応じた指導を行います。 <個に応じた指導> 各教科の学習の到達度、社会生活における 課題などは、子ども達一人ひとり様々な実態 があります。 特別支援学級では、個に応じて指導の目標や内容、方法を工夫し、一人ひとりの障害の 種類や状態、特性、発達段階に応じた指導を行い、社会参加や自立を目指すための学習を 行います。 特別支援学級では、次のようなことに重点をおいて指導します。 (1) 日常生活についての指導を日々積み重ね、基本的な生活習慣の確立を促します。 (2) 個々の発達段階に応じた目標を設定し、基礎学力の定着・体力の向上に努めます。 (3) 経験を広げ、社会参加への意欲や好ましい人間関係を育てるために、交流及び共同学 習を行います。 (4) 将来の社会的な自立を見通して、進路指導の充実を図ります。 (5) 家庭との連携を密接に取り合い、互いに協力し合います。 ※ さいたま市では、障害種別の特別支援学級ごとに居住地により通学区域を設定して います。 ※ 特別支援学級では、学校ごとに見学日を設定します。

(6)

1 特別支援学級の1年間

(1) 小学校 小学校では、児童が学校生活に慣れ、基本的な生活習慣を身に付けるとともに、児童一 人ひとりが持っている力を把握し、伸ばすことが大切です。そのため、担当者と保護者の 連携を密にし、6年間を見通した上で1年間の計画を立てます。 準備すること 確認すること 始業式までにやること 3月末∼ 4月上旬 ・新設学級については、特別支援学級の名称を 決める。(例:「さくらんぼ学級」、「たんぽぽ 学級」「なかよし学級」等) ・学級経営案の作成 ・教室環境の整備 児童の障害や実態に合わせてロッカーや机 等の配置をする。不要な物は教室に置かな い。児童の動線を考える。靴箱、傘立ての準 備。机等必要な物に名前を付ける。 ・出席簿、名簿の作成 出席簿、指導要録は学級ごとに作成 ・教科書の配布準備 ・健康診断票、歯科検診票、身体測定、検診等 について養護教諭と確認をとる。 ・学級事務用品の整備、ゴム印、連絡ノートの 準備 ・学級費や教材費の会計案作成 ・入学式の準備 ・入学式当日に張り出される名簿から、名前が 落ちないようにする。(普段使用する交流学 級の学級名簿に名前を入れる必要ない) ・新入生の保護者と連絡をとり、入学前に顔合 わせをし、小学校や入学式への不安を取り除 くようにする。 ・配布プリントの準備(通常の学級への配布物 は必ず準備する) ・名札・体育着・上履き等にどのように学年学 級名を記入するかを決める。(例:「学年のみ 記入」、「○年さくらんぼ学級」等) ・4月当初の臨時時間割を作成する。 ・学校全体に特別支援学級の 理解を図る。 ①管理職と新年度の学級経営 について相談をする ②運営委員会等で学級経営と 児童の様子を話し、学校全 体での協力の理解を得る。 ※交流及び共同学習の方法 を具体的に決める。(交流 の基本方針・学校行事や 学年行事への参加方法・ 式、全校朝会、集会、交 流給食への参加方法・一 人ひとりの交流学級) 複数担任の場合は、特別支 援学級の担任が各学年に所 属することで交流及び共同 学習がスムースに実施でき る。 ※特別教室、体育館、プール 等が使えるように時間割を 配慮してもらう。 ③年度当初の職員会議で学級 経営案及び児童の様子を話 し、共通理解を図る。 ④各学年の交流学級に新年度 の学級発表の名前が入って いるかを確認する。 ・就学奨励費の事務扱い担当 者を決める。

(7)

・特別の教育課程を作成する。 ・個別の教育支援計画(さいたま市発行の「潤 いファイル」の使用可)、個別の指導計画、 年間計画を作成する。 ・必要な校務分掌の所属を決める。(例:生 徒指導部・体育部・保健部等) ・特に業務主事・事務室・保 健室・給食室等の教職員に は、児童生徒の情報を伝え て理解を得ておく。 1学期 ・始業式、入学式 複数担任の場合は、児童について共通理解を 図る。始業式、入学式の役割分担で動く。 ※児童との「出会いの瞬間」や「学級開き」の 授業を充実させる。 ・一人ひとりの児童の「食事・着脱・排泄・言 葉・数・コミュニケーション」の実態を把握 する。 ・初めての授業参観、懇談会の実施 回数及び内容は基本的に、学校全体に合わせ る。1回目は学級の経営方針を説明する。 ・学級便りの発行 下校時刻、学習、行事等写真を入れながら学 級の様子を家庭に伝える。 ・家庭訪問や面談時に、個別の教育支援計画、 個別の指導計画を渡し、指導内容、方法につ いて話し合いを持ち共通理解を図る。 ・保護者と担任が共通理解の上で、児童に関わ れるように日々の連絡を密に行う。 ・プールをどのように使用するかを決める。 ・夏休み中の課題を作成する。 ・学校全体の協力を得られる ようにする。特に入学式で は児童が情緒面で不安定に なることがあり得ることを 話しておく。 ※式前後の動き、入退場、呼 名、突発的な行動への対応 ・学級便りは、事前に管理職 に確認してもらい、教職員 にも配布する。 ・さいたま市「潤いファイル」 又は個別の教育支援計画に 本人・保護者の希望を含め 必要事項を保護者に前もっ て記入してもらう。 ・受容的態度で家庭訪問を行 い、保護者との信頼関係を 築く。難しい案件は、もち 帰り、管理職に相談し、後 日回答する。 ・学級で使用する時間を確保 する等 ・例:夏休みの生活表・絵日 記・学級プリント等 2学期 ・2学期の個別の指導計画を作成する。 個別の指導計画を保護者に渡し、2学期の指 導について共通理解を図る。 ・運動会、持久走大会等の学校行事への参加方 法を決める。可能な限り練習に参加してい く。 ・保護者会、授業参観、学校公開の準備 ・個人面談を可能な限り実施 し、個別の指導計画を使用 して児童の課題、指導内容 方法等を保護者と共通理解 を図る。 ・修学旅行及び各学年の校外 学習への参加の仕方

(8)

・就学時健診の担当者としての役割 ・次年度、特別支援学級に入る児童について把 握する。 ・気になる児童の把握 ・管理職との連携、特別支援 学級見学日の活用 3学期 ・3学期の個別の指導計画を作成する。 個別の指導計画を保護者に渡し、3学期の指 導について共通理解を図る ※3月末には今年度のまとめと次年度の希望 を保護者より聞く。さいたま市「潤いファイ ル」又は個別の教育支援計画の見直しを保護 者と共に行う。 ・卒業式に向けて、呼名の仕方を含む参加方法 など6年担任と密に連携する。 卒業アルバム、記念品等は、通常の学級と同 じ物を配布する。 ・指導のまとめ、指導要録の作成、引き継ぎ資 料等の作成をする。 ・個人面談を可能な限り実施 し、個別の指導計画を使用 して児童の課題、指導内容 方法等を保護者と共通理解 を図る。合わせてさいたま 市「潤いファイル」又は個 別の教育支援計画の見直し を行う。 ・卒業準備金の集金、卒業ア ルバムへの写真、文集等に ついて、担当と確認してお く。 (2) 中学校 中学校では、卒業後の進路を選択するだけではなく、社会に出て行くための力をつけて いきます。本人及び保護者の現在及び将来の希望を把握し、3年間を見通した上で1年間 の計画を立てます。 準備すること 確認すること 始業式までにやること 3月末∼ 4月上旬 ・学級経営案の作成 ・教室環境の整備 生徒の障害や実態に合わせてロッカーや机 等の配置をする。不要な物は教室に置かな い。生徒の動線を考える。靴箱、傘立ての 準備。机等必要な物に名前を付ける。 ※新設学級は、学級数分の教室を確保する。 ・出席簿、名簿の作成 出席簿、指導要録は学級ごとに作成する。 ・教科書の配布準備 ・健康診断票、歯科検診票、身体測定、検診 等について養護教諭と確認をとる。 ・学級事務用品の整備、ゴム印、連絡ノート の準備 ・学校全体に特別支援学級の 理解を図る。 ①管理職と新年度の学級経営 について相談をする。 ②運営委員会等で学級経営と 生徒の様子を話し、学校全 体での協力の理解を得る。 ※交流及び共同学習の方法を 具体的に決める。 複数担任の場合は、特別支 援学級の担任が各学年に所 属することで交流及び共同 学習がスムースに実施でき る。

(9)

・学級費や教材費の会計案作成 ・入学式の準備 新入生の保護者と連絡をとり、入学前に顔 合わせをし、中学校や入学式への不安を取 り除くようにする。 配布プリントの準備(通常の学級への配布 物は必ずもらう) ・特別の教育課程の作成準備 ・個別の教育支援計画(さいたま市発行の「潤 いファイル」の使用可)、個別の指導計画、 年間計画の作成 ※特別教室、体育館、プール 等が使えるように時間割を 配慮してもらう。 ③年度当初の職員会議で学級 経営案及び生徒の様子を話 し、共通理解を図る。 ④各学年の交流学級に新年度 の学級発表の名前が入って いるかを確認する。 ・4月当初の臨時時間割を作 成する。 1学期 ・始業式、入学式 複数担任の場合は、生徒について共通理解 を図る。始業式、入学式の役割分担で動く。 ※1年のスタートを気持ち良く切れるように 準備を十分に整えておく。 ・授業参観、保護者会の実施 回数及び内容は基本的に、学校全体に合わ せる。1回目は学級の経営方針を説明する。 ・学級便りの発行 下校時刻、学習、行事、進路関係等写真を 入れながら学級の様子を家庭に伝える。 ・家庭訪問や面談時に、個別の教育支援計画、 個別の指導計画を渡し、指導内容、方法に ついて話し合いをもち共通理解を図る。 生徒の日常生活の様子や課題等について実 態把握をしておき、保護者との話し合いに 備える。 ・進路希望調査を1∼3年全員対象に行い、 進路への考え方を把握しておく。 ・産業現場等における実習の実施 本人および保護者の希望を聞き、産業現場 等における実習を計画する。 ・夏休みの準備 夏休みの課題、夏休みの部活動、その他学 級独自の活動 ・学校全体の協力を得られる ようにする。特に入学式で は生徒が情緒面で不安定に なることがあることを話し ておく。 ※式前後の動き、入退場、呼 名、突発的な行動への対応 ・学級便りは、事前に管理職 に確認してもらい、教職員 にも配布する。 ・さいたま市「潤いファイル」 又は個別の教育支援計画に 本人・保護者の希望を含め 必要事項を保護者に前もっ て記入してもらう。 ・進路に関わる準備 特別支援学校、専門学校、 作業所等の見学案内を保護 者に配布し、周知を図る。 学級独自で職場見学会を計 画することも考慮する。 ・産業現場等における実習は、 生徒の実態及び希望を考慮 して実習先を決めていく。

(10)

2学期 ・2学期の個別の指導計画を作成する。 個別の指導計画を保護者に渡し、2学期の 指導について共通理解を図る。 ・体育祭、合唱コンクール等学校行事への参 加方法を決める。可能な限り練習に参加し ていく。 ・保護者会、授業参観、学校公開の準備 ・3年生の進路の準備 国立大学附属特別支援学校、通所施設、県 立特別支援学校高等学園、高校内分校、高 等部等の入学、入所選考が2・3学期に実 施されるので、通知書、調査書等の準備を する。 ・未来くるワークへの実施方法及び参加方法 を検討する。(1年生または2年生) ・特別支援学級見学会の実施 特別支援学級見学者への対応 ・個人面談を可能な限り実施 し、個別の指導計画を使用 して生徒の課題、指導内容 方法等を保護者と共通理解 を図る。 ※3年生の進路先については 保護者と十分に話し合いを 持ち、準備を進める。 ※進路希望先の学校見学会、 事前面接が実施される場合 は、必ず保護者に連絡し参 加を促す。 3学期 ・3学期の個別の指導計画を作成する。 個別の指導計画を保護者に渡し、3学期の 指導について共通理解を図る ※3月末には今年度のまとめと次年度の希望 を保護者より聞く。さいたま市「潤いファ イル」又は個別の教育支援計画の見直しを 保護者と共に行う。 ・卒業の準備 卒業式への参加方法、卒業アルバム、記念 品等は、通常の学級と同じにする。 ・新入生体験入学を実施(必要に応じて) 新入生について把握する。学習面、生活面、 健康面、入学に際しての準備等 ・指導のまとめ、指導要録の作成、引き継ぎ 資料等の作成 ・公立高等学校受検については、進路指導主 任と連絡を密にとる。 ・個人面談を可能な限り実施 し、個別の指導計画を使用 して生徒の課題、指導内容 方法等を保護者と共通理解 を図る。合わせてさいたま 市「潤いファイル」又は個 別の教育支援計画の見直し を行う。 ・卒業アルバム、文集等につ いて担当と確認しておく。 ・管理職と新入生の小学校、 児童数、障害種を確認し、 体験入学の案内を出しても らう。 ・埼玉県公立高等学校入学者 選抜実施要項入学者選抜要 領(埼玉県教育委員会発行) を参考にする。

(11)

2 特別支援学級の学級経営

(1) 小学校 初めての懇談会のときに以下のような資料を用意し、学級経営方針を確認します。 さくらんぼ学級 懇談会 資料 ①→ 平成○年4月○日(○) 9:30∼ 学級経営方針 ②↓ 1 学校教育目標 知・徳・体の調和のとれた豊かな人間性と、たくましく生きる力を 身につけた児童の育成を図る。 ちからいっぱい やさしく :思いやりのある豊かな子 かしこく :自ら進んで学びとる子 たくましく :心身ともにたくましい子 2 さくらんぼ学級の目標 『じぶんのことはじぶんでやろう』 ③↓ (1) 友達と仲良く遊び、「良いこと・悪いこと」の区別をしっかり身につける。 (2) 友達と協力する中で、友達を理解する気持ちを育てる。 (3) 生活に密着した「ことば・かず」の力を育てる。 (4) 一人ひとりに応じたコミュニケーション能力を高める。 (5) 日常生活習慣を確実に身につける。(排泄・着脱・食事・早寝、早起き・学校の準備等) (6) 体をたくさん動かし体力をつける。 3 特別支援学級担任としての基本的な考え方 (1) 興味の持てる学習内容を計画して、子ども達の意欲を引き出す。 (2) 一人ひとりに伝わる言葉かけを、教員側が工夫する。 (3) 一緒にできる限りたくさん遊び、子どもの実態を把握し、教員と一緒にルールを 体得させる。 交流及び共同学習についての基本的な考え方 ・入学式・朝会・集会・スポーツタイム・各学年の校外学習・運動会・持久走大会・卒業 式等には、できるだけ参加させたいが、さくらんぼ学級児童の実態・交流学級の実態・ 行事の内容等に応じて、さくらんぼ学級と該当学年及び管理職とで話し合いながら進め る。 ・2∼6年生の交流給食については、週に1度交流学級で食べることを基本とし、曜日や 回数についてはさくらんぼ学級担任と交流学級担任とで話し合いながら進める。1年生 の交流給食については、担任同士が学級の児童の実態を把握してから検討する。 ・授業での交流が可能な場合、さくらんぼ学級担任と交流学級担任とで話し合って進める。 (各児童の交流学級と交流学級担任名の一覧表は別紙です。) ・①→:年度当初の懇談会は、通常の学級1年生と同様に、午前中に行いました。 ・②↓:初めに学校教育目標について、校長先生から出された内容を伝達し、学校の中の 一つの学級であることを確認します。 ・③↓:学級目標の(1)(2)は、学校教育目標のやさしくに対応し、(3)(4)は、かしこ く、(5)(6)は、たくましくに対応します。 ・「特別支援学級担任として」と「交流及び共同学習について」の基本的な考え方を明示しま す。

(12)

(2)中学校 年度始めに作成する学級経営案のスタイルはいろいろありますが、生徒の障害の状態や 特性、保護者や地域の状況等を考慮して作成します。項目は学校教育目標、学級教育目標、 経営方針、指導の重点、学級の実態(生徒個々の実態、通学方法等)、教室配置、学習指導 形態、交流及び共同学習、その他を入れます。 1 学校教育目標 『 大志を抱け ひとみ輝く ○○中生 』∼賢く 豊かに 逞しく∼ 〈 賢く 〉:自ら考え、進んで学ぶ生徒になろう 〈豊かに〉:心豊かで、思いやりのある生徒になろう 〈逞しく〉:心身を鍛え、逞しい生徒になろう 2 特別支援学級教育目標 「 がんばる力・思いやりの心・たくましい心とからだ 」 生徒個々の教育的ニーズに応じ、個別及び集団による指導を通して自立していくた めに必要な知識・技能・態度及び習慣を育てる。 ・基礎的な学力と基本的生活習慣を身につけ、意欲的に生活する生徒 ・友だちと仲よくできる、豊かな心をもった生徒 ・個々の目標に向かって努力する、逞しい心と身体をもつ生徒 3 指導の重点 【知的障害学級】 ・身辺生活の自立を図る。 ・社会生活に必要な基礎的な学力と体力の向上を図る。 ・体験的学習を通して生活の幅を広げる。 【自閉症・情緒障害学級】 ・人間関係の形成の基礎を育てる。 ・認知や行動の手がかりとなる概念の形成を図る。 ・コミュニケーションの基礎的能力の向上を図る。 4 経 営 方 針 (1) 個別の指導計画を作成し、発達段階に応じた指導の充実を図る。 (2) 個別及び集団における指導を通して、人間関係の形成に関わるスキルを学ぶ。 集団による指導は、一人ひとりの障害の状態に配慮しながら、知的障害学級と 自閉症・情緒障害学級の合同授業を行う。 (3) 保護者の願いを聞き取り、家庭との連携を強化する。 (4) 将来の社会的自立を見通し、進路指導の充実を図る。 (5) 交流及び共同学習を推進する。 (6) 全校の職員とともに特別支援学級の生徒の育成にあたる。 学級の実態(生徒の実態)、教室配置、学習指導形態・・・略 5 交流及び共同学習 (1)「交流及び共同学習」のねらい ①【特別支援学級の生徒】 ・対人関係を学ぶなかで、社会性の伸長を図る。

(13)

・中学生としての自覚を高め、より一層の意欲とたくましさを育てる。 ②【通常の学級の生徒】 ・ 特 別 な 支 援 が 必 要 な 人 に 対 し て の 正 し い 理 解 を 深 め 、 人 権 を 認 め 合 う 心 を 育てる。 ・互いに関わり合いながら、共に生きていくことの大切さを学ぶ。 (2)「交流及び共同学習」の方法 特別支援学級の生徒は、該当学年の交流学級に所属する。クラスは学年・学級の実態 に応じて決め、交流学級にて交流及び共同学習を行っていく。 ①交流及び共同学習を実施するにあたって 交流先学級に特別支援学級の生徒用の机と椅子を用意する。交流学級の朝の会に参 加する。 ②通常の学級の授業への参加について 「生徒が自力で参加できる」を基本に、本人・保護者の意向を受け、授業担当者と 話し合って進める。必要に応じて試行期間等を設定する。 ③学年集会、朝会について 全校朝会や学年集会時は、特別支援学級の生徒は交流学級の列に背の順に並ぶ。 ④行事について 基本的には交流学級に入って参加する。 行事の内容及び生徒個々の参加方法については、担当者と検討する。 ⑤給食について ・可能な範囲で交流学級にて給食を食べる機会を設ける。 ・教職員との交流給食を実施する。 ⑥生徒会委員会、部活動について ・委員会は、学級委員会、給食委員会、整美委員会へ特別支援学級の代表生徒が参 加する。 ・部活動は、基本的に特別支援学級の生徒は美術部に属し、個に応じた課題で活動 する。 ・「生徒が自力で参加できる」を基本に、本人・保護者の意向を受け、顧問の先生 と相談上、活動可能な部に所属する事もある。 ⑦通常の学級の先生とのTTによる授業について 特別支援学級の授業を担当する先生とは事前に綿密な打合せを行い、生徒の実態 に合った授業を行う。 ⑧その他 特別支援学級の教員は、各学年の組織に入り通常の学級の生徒を理解すると共に、 交流及び共同学習を進める。職員室内では、特別支援学級の教員と通常の学級の 教員がよりコミュニケーションをとりやすくなるよう机の配置を工夫する。

(14)

Ⅱ 特別支援学級の教育課程

1 知的障害特別支援学級の教育課程

(1) 知的障害とは 知的障害とは一般に、認知や言語などに関わる知的能力や、他人との意思の交換、日常 生活や社会生活、安全、仕事、余暇利用などについて適応能力が同年齢の児童生徒に求め られているほどまでには至っておらず、特別な配慮が必要な状態とされています。 また、その状態は、環境的・社会的条件で変わり得る可能性があると言われています。 したがって、留意する点は、通常の学級の教科指導や教科書をそのまま教えたり、簡単 にしたり、繰り返し教えたりすることは、適しているとは言えないということです。 大切なことは、一人ひとりの実態に応じながら、具体的な内容を実際の生活場面で学習 することが大切になります。そして、児童生徒の生活を豊かにし、自立と社会参加を目指 して指導をしていきます。 (2) 知的障害特別支援学級の教育課程 【特別の教育課程】 特別支援学級の教育課程は、特別の教育課程によることができます(学校教育法施行規 則)。特別の教育課程の編成に当たっては、特別支援学校小学部・中学部学習指導要領を 参考にし、特に知的障害特別支援学級の場合は、「知的障害者である児童生徒に対する教 育を行う特別支援学校の各教科」の内容を参考にして、教育課程を編成していきます。 <小学校の指導形態> 各教科等を合わせた指導:日常生活の指導 遊びの指導 生活単元学習 教科別の指導:生活 国語 算数 音楽 図画工作 体育 領域別の指導:道徳 特別活動 自立活動 総合的な学習の時間 <知的障害のある児童生徒の学習の特性> ・抽象的な概念を理解しにくく、学習によって得た知識が生活の場に応用されにくい。 ・成功体験が少なく、主体的に活動に取り組む意欲が十分に育っていない。 <知的障害のある児童生徒の学習のポイント> ・生活に結び付いた実際的・具体的な活動を指導の中心にし、実際の生活場面で、繰り 返し経験するようにして指導する。 ・児童生徒の興味・関心を考慮して、実態に応じた指導を行い、成功経験を豊富にする。 ・児童生徒が、自ら見通しをもって行動できるよう、日課や学習環境を分かりやすくす る。 ・自立と社会参加を目指し、日常生活や社会生活に必要な技能や習慣が身に付くよう指 導する。

(15)

ここで言う、「教科別の指導」とは、知的障害者である児童生徒に対する教育を行う特 別支援学校の各教科であり、小・中学校の学習指導要領の各教科とは、目標や内容が異な りますので、十分に注意する必要があります。 「各教科等を合わせた指導」の指導内容については、次の内容を参考にして、年間計画 や単元を計画していきます。 日常生活の指導 日常生活の諸活動を学習する。例えば、衣服の着脱、手洗い、排 泄、食事等の基本的生活習慣の内容や、挨拶、言葉遣い、時間や きまりを守ること等の内容を扱う。朝・帰りの着替えや身支度、 休み時間、給食の時間に指導する。 遊びの指導 (小学校) 遊びを学習活動の中心に据えて、総合的に学習する。児童の興味・ 関心に応じた単元設定を行う。広範囲の各教科等に関わる内容を 扱う。 生活単元学習 実際の生活から、児童生徒の実態や興味・関心に応じた内容を単 元に設定して、自立的な生活に必要な事柄を実際的・総合的に学 習する。広範囲の各教科等に関わる内容を扱う。 作業学習 (主に中学校) 作業学習を学習活動の中心に据えて、児童生徒の働く意欲と態度 を養いながら、将来の職業生活や社会自立に必要な事柄を総合的 に学習する。単に職業・家庭科の内容だけではなく、広範囲の各 教科等の内容を扱う。 そして、知的障害のある児童生徒は、教科毎に別々に指導された内容を統合して、生活 に活かすことが苦手なために、図1のように、生活単元学習などの各教科等を合わせた指 導を設定し、生活の中から、まとまりのある活動を設定し、具体的な生活経験をとおして、 学習することが有効です。その際に、行事に関係する単元に偏ることなく、各教科等の目 標や内容を踏まえて単元を設定する必要があります。また、児童生徒の学習全体が、生活 として一つのまとまりになるように、生活単元学習と教科別の指導との関連を図りながら、 年間指導計画を作成していくことが大切になります。 さらに、教科別の指導では、図2のように、生活に結びついた学習内容を設定し、児童 生徒の生活で活かせる力を育成していく必要があります。 <中学校の指導形態> 各教科等を合わせた指導:日常生活の指導 生活単元学習 作業学習 教科別の指導:国語 社会 数学 理科 音楽 美術 保健体育 職業・家庭 外国語 領域別の指導:道徳 特別活動 自立活動 総合的な学習の時間

(16)

生活単元学習 「さつまいも を育てよう」 ・畑を耕す ・植えて、栽培 ・収穫(数も数える) ・絵を描こう 生活単元学習 「さつまいもパーティー をしよう」 ・スウィートポテトの作り方 を知ろう(校外学習) ・スウィートポテトづくり (買い物・調理) ・芋版画で招待状 ・通常の学級の友達 ・歌やゲーム 生活単元学習 「発表会をしよう」 ・さつまいもを通した 学習の発表 ・保護者へ招待状 ・会の進行(役割遂行) ・もう一度 スウィートポテト 1学期 2学期 3学期 各教科等を合わせた指導を大切にして、他の指導形態間と関連を図りながら、 1年間を見通して、意図的発展的に指導する。 教科別の指導 国語・算数(数学) ・読む、書く ・買い物 ・数や量 教科別の指導 音楽・体育 ・歌 ・ゲーム 繰り返し コミュニケーションの力などは、 一人ひとり応じた方法で、一貫した指導・支援 日常生活の指導・自立活動・国語・・全ての授業で 興味関心 生活として一つに まとまるように 関連させて指導 する。 図1 また、特別支援教育の教育課程には、自立活動の指導があります。自立活動の指導とは、 個々の児童生徒が自立を目指し、障害による学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克 服する取組を促す教育活動です。次の点を大切にして、指導を行います。 ・児童生徒一人ひとりの実態を的確に把握して、個別の指導目標や具体的な指導内容を定 めた個別の指導計画を作成し、それに基づいて指導を行います。 ・自立活動の内容は、学習指導要領及び解説に示される6区分26項目から、児童生徒一 人ひとりに応じて、必要な項目を選定し、それらを相互に関連付けて、具体的な指導内 容を設定していきます。 ・ICF(国際生活機能分類)の考え方を大切にし、一人ひとりの児童生徒の生活を豊か 数の学習 金銭 <授業> ・実物のお金で学習 ・買い物学習 <家庭と連携> ・家庭での買い物に活かす ・家庭で自分で材料をはかって パンケーキをつくる ・宿題で生活ノートの日記 ・暑中見舞いを出す 数の学習 重さや量 <授業> ・軽量ばかりや軽量カップで 実際にはかる学習 ・パンケーキを作るという目的 で材料をはかる ・実際にパンケーキをつくる 国語の学習 漢字 <授業> ・発達段階を大切にしながらも 子どもの生活にある漢字 将来必要な漢字を取り上げる ・生活ノートや暑中見舞いを書く 生活に結びついた学習とは(一例として∼) 図2

(17)

にしていくという観点で指導を行います。 ・自立活動の指導の時間を設定して指導をするだけでなく、学校の教育活動全体で指導し ていくことが大切になります。 (3) 日課表・年間指導計画作成例 【知的障害特別支援学級】 ア 小学校の日課表 (ア)基本的な考え方 ・見通しを持った生活をするために、帯状の日課を組む等の工夫をします。 このようにすることで、生活のリズムや見通しを持ち、安心して学習活動に取り 組むことができます。 ・第1校時に「日常生活の指導」を設定し継続的に指導することで、基本的生活習 慣を確立したり、生活したりする力を身に付けるるようにします。 ・総合的な学習の時間については、独立した時数として設定したり、「生活単元学習」 の中に含めたりするなどの工夫をします。 ・「生活単元学習」や「作業学習」については、活動のしやすさを考え、時間続きの 設定が望ましいです。 ・知的障害特別支援学級と自閉症・情緒障害特別支援学級が設置されている学校に ついては、日課表の一部において、集団性を育てるために、合同で学習すること も可能です。 ・児童の実態に応じて交流及び共同学習を行っている学級については、交流先の学 級担任と日課表作成時に打ち合わせを行い、「教科別の指導」との教科のバランス を考慮する必要があります。 ・子どもに分かりやすい表示の仕方をします。(例:自立活動→のびっこタイム)

(18)

(イ)小学校 知的障害特別支援学級 日課表例 月 火 水 木 金

日常生活の指導(朝の会)

教科別の指導「体育」

教科別の指導 「国語」 生活単元学習 教科別の指導 「国語(書写)」

生活単元 学習 総合 的な学習 の時間 教科別の指導 「算数」 教科別の指導 「図工」 生活単元学習 教科別の指導 「算数」 給食 昼休み 清掃

のびっこタイム (自立活動) 教科別の指導 「音楽」 教科別の指導 「国語」 教科別の指導 「音楽」 教科別の指導 「国語」

教科別の指導 「算数」 委員会 クラブ 教科別の指導 「国語」 総合的な学習 の時間

(19)

イ 小学校 知的障害特別支援学級 年間指導計画例 指導形態 月 4 月 5 月 6 月 7 月 9 月 10 月 日 常 生 活 の 指 導 ・朝の会 ・休み時間 ・給食 ・清掃 ○生活の流れをつかむ ・登校後、荷物整理→着替え →係り活動→朝の会という 一連の活動に取り組む。 ・休み時間にトイレに行く。 ○安全指導 ・避難訓練を行う ・学校でのきまりを守る ○係の仕事に取り組む ・役割分担した自分の仕事 を責任を持って行う ○持ち物の管理をする ・自分のロッカーやフックを 意識して自分から片付ける ○健康な生活 ・外から帰ったらうがい、手洗 いをする。 ・ハンカチ、タオルを使用する。 ○登下校の指導 ・場に応じた挨拶を行 う。 領 域 ・ 教 科 を 合 わ せ た 指 導 生活単元学習 『ぼくたち、わたしたちの教 室』 ・教室整備 ・係の仕事決め ・友達との遊び ・みんなのやくそく 『誕生会』 『はたけに何をうえる?』 ・植えるものを決める ・種まき、苗植え ・世話をする(みずやり) 『誕生会』 『雨ってたのしいな』 ・雨天の日の過ごし方につ いて知る。 『誕生会』 ・簡単な調理をして祝う。 『七夕まつりをしよう』 ・内容を考える ・準備をする 『もうすぐ夏休み』 ・夏休みの過ごし方について 知る 『誕生会』 『夏休みの思い出』 ・作ってきた作品や友達の話し を聞く。 『運動会を頑張ろう』 ・参加する種目を知る ・クラスで練習する 『誕生会』 『 は た け に 何 を う え る?』(収穫編) ・収穫したものを調理 し、パーティーを行う。 『交歓会』 ・役割を練習する。 『誕生会』 国 語 ○教師の話を聞いて、内容の あらましがわかる。 ○経験したことを話す。 ○簡単な語句を正しく読む。 ○簡単な語句をひらがなで 書く。 ○教師の話を聞いて、内容 のあらましがわかる。 ○経験したことを話す。 ○簡単な語句を正しく読 む。 ○簡単な語句をひらがな で書く。 ○経験したことを二語文 以上で表現する。 ○文字カードを使って、身 近な単語を作ったり読む。 ○経験したことを二語文以上 で表現する。 ○文字カードを使って、身近 な単語を作ったり読んだりす る。 ○書き順、とめ、はね、はら いに気をつけて文字を書く。 ○経験したことを二語文以上 で表現する。 ○文字カードを使って、身近な 単語を作ったり読んだりする。 ○書き順、とめ、はね、はらい に気をつけて文字を書く。 ○教師の話を聞くこと ができる。 ○簡単な短文を正しく 読む。 ○身近な出来事を考え て書く。 書 写 ○自分の名前をていねいに書こう(硬筆) ・用具の正しい持ち方・正しい姿勢・ひらがなの練習・カタカナの練習・手本を見て練習 ・漢字の練習 ○毛筆の練習 ・用具の正しい使い方と正しい姿勢 ・縦画・横画のみの文字(一・二・三・上・下) 算 数 ○具体的な操作を通して物 の分類(形、色、大小)を理 解する。 ○数操作を通して1∼10 まで を理解する。 ○身近にある具体物を数 える。 ○身近にある物の数量の 初歩的な扱いに関心を持 つ。 ○数操作を通して 1∼10 までの数を理解する。 ○簡単な計算をする。 ○時刻、時間を知る。 ○数操作を通して1∼10 まで の数を理解する。 ○簡単な計算をする。 ○時刻、時間を知る。 ○数操作を通して 1∼10 まで の数を理解する。 ○簡単な計算をする。 ○時刻、時間を知る。 ○簡単な加法・減法がわ かる。 ○身近にある数量、重さ について単位を知り測 定する。 ○実生活に合わせた時 間を理解する。 音 楽 ○マイクを使って歌おう ・おはようの歌を歌おう ・お料理しようの歌を歌おう ○楽しく歌って ・手あそび歌・鳴き声や音をまねる歌 ・ことばをまねる歌・合宿で歌う歌 ○音楽を目と耳で ・運動会の歌 ・テレビ番組の歌 図 工 ○お誕生列車 ・自分の顔 ○こいのぼり ○おかあさんありがとう ○新聞紙をまるめて ○田植えの絵 ○おとうさんありがとう ○紙粘土 ○壁を飾ろう① ○七夕の飾り ○夏休みのこと ○運動会の絵 ○交歓会のプレゼント をつくろう ○壁を飾ろう② 教 科 別 の 指 導 体 育 ○マラソン・基本の運動 ○集団活動 ○マラソン・基本の運動 ○新体力テスト ○いろいろな動き ○ボール運動 ○マラソン・基本の運動 ○ボール運動 ○マット運動 ○水泳 ○マラソン・基本の運動 ○運動会の種目練習 ○水泳 ○マラソン・基本の運動 ○鉄棒 ○ボール運動 休み調べ・日付・天気・予定・日直の話

(20)

指導形態 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 日 常 生 活 の 指 導 ・朝の会 ・休み時間 ・給食 ・清掃 ○持ち物の整理整頓を行う。 ・自分の持ち物の整理や管理 を行う。 ・教室やプレールームで使用 したものを片付ける。 ○健康な生活 ・寒暖の気候に合わせて衣服 の調節を行う。 ・ハンガーを使って衣服を片 付ける。 ○冬の生活 ・お正月にちなんだ生活様式 を知る。 ○身だしなみ ・鏡を見て、服装の乱れや汚 れなどを確認する。 ○1 年間のまとめ ・教室の整理をする。 ・大掃除をする。 領 域 ・ 教 科 を 合 わ せ た 指 導 生活単元学習 『遠足に行こう』 『誕生会』 『クリスマス会をしよう』 ・話し合い ・準備 ・装飾 『誕生会』 『お正月は楽しいな』 ・正月の遊びを行う 『誕生会』 ・簡単な調理をして祝う 『カレンダーを作ろう』 ・紙版画で作る ・お世話になった人に配る 『誕生会』 『1 年間のまとめをしよう』 ・1 年間行ってきた学習を知る ・卒業生を祝う 『お別れ会をしよう』 『誕生会』 国 語 ○教師の話を聞くことができ る。 ○簡単な短文を正しく読む。 ○ 身 近な 出来事 を 考え て書 く。 ○教師の話、読み聞かせで内 容のあらましがわかる。 ○教科書や絵本を読む。 ○教師の話、読み聞かせで内 容のあらましがわかる。 ○教科書や絵本を読む。 ○1 年間あったことを理解 して表現する。 ○教科書や絵本を読み感想 を話す。 ○あったことを思い出して 書く。 ○1 年間あったことを理解して 表現する。 ○教科書や絵本を読み感想を 話す。 ○あったことを思い出して書 く。 書 写 (毛筆の練習) ○年賀状を書こう ・文面 ・宛名 ・自分の住所、名前 ○かきぞめをしよう ・毛筆で書く ○作品展にむけて ・毛筆で練習 ○一年間のまとめ ・作品整理 ・反省 算 数 ○簡単な加法・減法がわかる。 ○身近にある数量、重さにつ いて単位を知り測定する。 ○実生活に合わせた時間を理 解する。 ○繰り上がりのある加法・減 法がわかる。 ○面積、容積について知る。 ○お金の計算をする。 ○繰り上がりのある加法・減 法がわかる。 ○面積、容積について知る。 ○お金の計算をする。 ○引き算で計算する。 ○お金の等価関係を知る。 ○お買い物ごっこをする。 ○引き算で計算する。 ○お金の等価関係を知る。 ○お買い物ごっこをする。 音 楽 ○ドレミで歌おう ○楽器を演奏しよう。 ・キラキラ星 ・こぎつね ・クリスマスの歌 ○リズムにのって ○お別れの歌 ・とんでったバナナ ・クラリネットをこわしちゃった ・大きな古時計 図 工 ○運動会の絵 ○交歓会のプレゼントをつく ろう ○壁を飾ろう② ○クリスマス会の準備 ○年賀状のデザイン ○楽しいお正月 ○木を使って家をつくろう ○鬼のお面作り ○おひなさま ○お別れ会の準備 ○壁を飾ろう④ 教 科 別 の 指 導 体 育 ○マラソン・基本の運動 ○持久走 ○ゴム跳び ○マラソン・基本の運動 ○持久走 ○縄跳び ○マラソン・基本の運動 ○縄跳び ○跳び箱 ○マラソン・基本の運動 ○バスケットボール ○マラソン・基本の運動 ○ゲーム ○ダンス 総合的な学習の 時間 ○ コ ンピ ュータ で 何が でき る? 自立活動 個別の指導計画参照 休み調べ・日付・天気・予定・日直の話

(21)

ウ 中学校の日課表 (ア)基本的な考え方 小学校の基本的な考え方と同じです。一日の流れが分かりやすくし、生徒が見通し をもって生活できるようにします。 (イ) 中学校 知的障害特別支援学級 日課表例 月 火 水 木 金 登 校 朝の会 朝自習 ○中タイム 朝 会 ○中タイム ○中タイム ○中タイム 1 教科別の指導 保健体育 教科別の指導 保健体育 教科別の指導 保健体育 教科別の指導 保健体育 教科別の指導 音 楽 2 教科別の指導 国 語 教科別の指導 数 学 教科別の指導 国 語 教科別の指導 国 語 教科別の指導 国 語 3 教科別の指導 数 学 教科別の指導 美 術 教科別の指導 数 学 教科別の指導 数 学 教科別の指導 職業・家庭 総合的な学習 4 英会話 教科別の指導 美 術 生活単元学習 教科別の指導 職業・家庭 (情報) 教科別の指導 職業・家庭 給 食 5 学 活 作業学習 生活単元学習 作業学習 生活単元学習 6 作業学習 生活単元学習 作業学習 生活単元学習

(22)

エ 中学校知的障害学級 年間指導計画例 (1) 第 1 学 期 第 2 学 期 第 3 学 期 4 月 5 月 6 月 7月 ・8月 9 月 10月 11月 12月 1 月 2 月 3 月 区 分 行事 教科等 始業式 入学式 新入生歓迎会 学級開き 身体計測 健康診断 部活動開始 2・3年個人面談 1年家庭訪問 3年修学旅行 生徒総会 校外学習 2年管弦楽教室 2年舘岩自然 の教室 1年校外学習 終業式 個人面談 3年産業現場等お ける実習 校内実習 始業式 体育祭 校外学習 ふれあい体験 合唱コンクール 合同スポーツ 大会 合同交流会 三者面談 終業式 始業式 1・2年未来く るワーク 合同作品展 校外学習 個人面談 校外学習 個人面談 日常生活 の指導 教科別の指導、領域別、領域・教科を合わせた指導を中心に学校教育全体の中で取り扱う。 身辺自立の確立 …衣服の着脱、排泄処理、食事のマナー、荷物の整理整頓、清掃等を学び、社会自立の基盤を作る 社会性の向上 …朝と帰りの会、連絡ノート記入、係活動、集団遊び、あいさつ、約束・規則を守る等社会生活に必要なルール・マナーを身につける 生活単元 学習 新しい生活 目標、係決め 栽培(年間を 通して全学 年実施) 1年「校外学習 に行こう」 2年「舘岩自然 の教室にいこ う」 3年「修学旅行 に行こう」 1年「校外学習 に行こう」 2年「舘岩自然 の教室にいこ う」 3年「修学旅行 に行こう」 1年「校外学習にい こう」 「進路学習」 「夏の生活」 ・夏休みの予定 「2学期の生 活」 学校行事、目標 「体育祭をが んばろう」 「合同スポー ツ大会」 「進路を考え よう」 「合同スポー ツ大会をがん ばろう」 「合同交流 会を楽しも う」 「冬の生活」 寒い季節の過 ごし方 冬休みの過ご し方 冬の生活 1・2年「未来 くるワーク」 3年「進路学 習」 「校外学習」 「みんなで思い出を つくろう」 「校外学習」 「みんなで思い出を つくろう」 アルバム作り 1・2年 「お別れ会を やろう」 1・2年「お 別れ会を やろう」 3年「卒業 に向けて」 作業学習 ・スウェーデン刺繍(年間を通 して行う) ・箸置き作り ・カレンダー作り1 版彫り、月テーマ版画印刷 ・カレンダー作り2 月テーマ版画印刷 数字曜日印刷 ・カレンダー作り3 とじ込み、仕上げ ・パズル制作 ・貼り絵 領 域 ・ 教 科 を 合 わ せ 指 導 総合的 な学習 の時間 身近な地域調べ1 地域の文化、歴史、歩け歩けウォーキング 国際理解教育・英会話(年間を通して実施) 身近な地域調べ2 地域の特産品、有名な所、歩け歩けウォーキング ・ふれあい体験 安全について(防災教育) 国語 グループA ・漢字、作文は年間を通して学習する。 ・詳しく書こう ・ローマ字 ・説明文の読み取り ・丁寧な話し方 ・年賀状書き方 ・物語の読み取り ・書写(書き初め) ・まとめの学習 ・百人一首 教 科 別 の 指 導 国語 グループB ・ひらがな、カタカナ、漢字の学習は年間を通して学習する。 ・ことば、文章の理解 ・作文は年間を通して学習する。 ・経験してことを順番に書く。 ・物語を読もう ・物語を演じてみよう ・作文に感想を入れて書く。 ・書写(書き初め) ・まとめの学習 ・簡単な説明文

(23)

中学校知的障害学級 年間指導計画例(2) 第 1 学 期 第 2 学 期 第 3 学 期 区 分 4 月 5 月 6 月 7 月 9 月 10月 11月 12月 1 月 2 月 3 月 数学 グループA ・四則計算は年間を通して学習する。 ・時間の計算 ・温度(目盛りの読み方、文章題グラフ) ・表の読み方・グラフ(折れ線、棒グラフ) ・長さ(目盛りの読み方、文章題、作図、単位の換算) ・重さ(目盛りの読み方、文章題、秤の使用、単位の換算) ・まとめの学習 数学 グループB ・計算の学習は年間を通して学習する。 ・数字と物具体物のマッチング ・時計とカレンダー ・重さ(g、kg)・長さ(㎝、m)・いろいろな形 ・お金(バス代、買い物) ・まとめの学習 音 楽 ・元気に歌おう ・音楽ゲームをしよう ・「こころのうた」を歌おう ・ 合唱コンクールの曲選びをしよう ・合唱コンクールに向けて ・太鼓で表現しよう クラスの課題曲・自由曲を歌おう ・合唱コンクールで学級の歌を元気に歌おう ・卒業式の歌を覚えよう ・合奏を練習しよう ・卒業式の歌を大きな声 で歌おう 美 術 ・写生、自由画 ・友達の絵(絵の具、色鉛筆) ・行事の絵(校外学習、修学旅行) ・粘土で表現 ・ 行事の絵(体育祭) ・切り絵 ・作品展に向けた制作 ・年賀状 ・貼り絵 ・折り紙 ・造形(粘土) 体 育 ・オリエンテーション・体力測定 集団行動、準備体操、ストレッチ、補強運動10分間走(年間を通して実施) ・バスケットボール ・水泳 ・体育祭の練習 ・長距離走 ・ビーチボールバレー ・マット運動 ・縄跳び ・フットサル ・サッカー 教 科 別 の 指 導 職 業 家 庭 <被服>・針に糸を通す ・玉結び ・玉どめ ・並縫い ・刺し子の作品(巾着袋、コースター、ランチョンマット) <木工>・花びんしきを作ろう・ラックを作ろう ・パズルを作ろう <調理>・調理の約束 ・身じたく ・準備と後片付け (各学年年間をとおして学習) (全学年)包丁の安全な使い方、ゆでる、煮る、炒める (1年)目玉焼き、カレーライス、焼きそば (2・3年)卵焼き、・スパゲティナポリタン・チャーハン (3年)お弁当つくり <情報>・自己紹介カードを作ろう ・行事の作文、絵日記の打ち込み ・文集を作ろう 特別活動 ・学級活動(係活動、給食、清掃、学級会活動) ・交流及び共同学習 ・生徒会活動 ・行事・1年校外学習、3年修学旅行・産業現場等における実習、2年自然の教室・管弦楽教室、 ・合同作品展 ・卒業式 ・体育祭・合同交流会 ・合唱コンクール ・合同スポーツ大会 自立活動 健康の保持、心理的な安定、環境の把握、身体の動き、コミュニケーション、人間関係の形成に関する内容は、領域・教科を合わせた学習、題材学習、領域別 の学習を中心に学校教育活動全体の中で取り扱う。 領 域 別 指 導 道 徳 道徳の内容は領域・教科を合わせた指導を中心に学校教育全体の中で取り扱う。

(24)

2 自閉症・情緒障害特別支援学級の教育課程

(1) 対象となる児童生徒 自閉症・情緒障害特別支援学級は、「自閉症又はそれに類するもので、他人との意思疎 通及び対人関係の形成が困難なもの」「主として心理的な要因による選択性かん黙などが あるもので、社会生活への適応が困難である程度のもの」を対象としています。「自閉症 又はそれに類する」は、脳の中枢機能障害や機能不全により起こる発達障害であり、心 理的要因による選択性かん黙などとは原因が異なるため、両者の指導内容や方法、学習 環境の設定の方法なども異なります。自閉症・情緒障害特別支援学級で対象とする児童 生徒の実態は多様であり、個々の実態を十分に把握し、個々に応じた指導をしていくこ とが重要です。 平成21年2月3日付け文部科学省初等中等教育局 1167 号通知において、より、障害 の対象を明確にし、適切な指導を行うため、「情緒障害特別支援学級」から「自閉症・情 緒障害特別支援学級」へと名称が変更されました。 (2) 障害の特性 ① 自閉症 自閉症は、乳幼児期に中枢神経系の機能障害や機能不全が原因で起こると考えられて います。自閉症は、広汎性発達障害に含まれます。「広汎性」とは、「発達において全般 的に不均一に現れる状態」という意味です。自閉症の基本的な特性として①社会性の障 害②コミュニケーションの障害③こだわりや興味の限定の3つが挙げられます。また、 それ以外にも併せ有しやすい特性があります。自閉症の特性の現れ方は個々によって、 また取り巻く周囲の状況等によって異なるため、スペクトラム(連続性)としてとらえ る「自閉症スペクトラム」という言い方もされます。また、自閉症は、知的な遅れを伴 う場合と伴わない場合があります。自閉症などの診断は専門の医師によってなされます。 【基本的な3つの特性】 ○ 社会性の障害 ・ 一人遊びが多い。 ・ 視線が合いにくい。 ・ 平気でどこかに行ってしまう ・ 関わり方が一方的 ・状況や相手の気持ちの理解が困難 など ○ コミュニケーションの障害 ・ ことばの遅れがみられる。 ・ 同じフレーズなどを何度も繰り返す。 ・ 人称の使い方が逆転してしまう。 ・ 独特な話し方 ・ 会話が困難

(25)

・ 冗談やことばの裏の意味を理解するのが困難 など ○ こだわりや興味の限定 ・ 手をひらひらさせる、身体をゆらすなどの常同行動がみられる。 ・ 自己刺激行動がみられる。 ・ 興味の偏り ・ 日課、物の配置、道順など、いつもと同じことへのこだわりがみられる。 ・ 同じ質問を何度も繰り返す ・ ファンタジーへの没頭 など 【その他、併せ有しやすい特性】 ○ 感覚知覚の問題(過敏性・過度の鈍感性):視覚、聴覚、触覚、味覚、臭覚等 ○ 刺激の過剰選択性:シングルフォーカス(一つの要素でしか物事をとらえていな い状態) ○ 認知能力のアンバランスさ:視覚優位 など ○ 不器用さ:身体の動き、協調運動、姿勢保持、コントロールの苦手さ など 上記のような特性は、学びにくさを引き起こします。個々の特性に応じた教育環 境や指導法を工夫することが学びやすさにつながります。 【特性に応じた教育環境】 ○ 活動や時間、手順などについてわかりやすい環境作り ○ 掲示物等刺激を少なくした環境の工夫 ○ わかりやすく視覚的な手がかりを活用した指示 など 【特性に応じた指導方法】 ・ 自閉症の強い認知特性を活用した指導方法かつ苦手なところを補う支援方法 ・ 集団ありきではなく、個別学習を起点とした集団での学習のバランスに配慮した 指導 ・ 総合的アセスメントに基づく指導 ・ 個別の指導計画に基づき、P(計画)̶D(実践)̶C(評価)̶A(改善)サイクル による指導 ・ 応用行動分析の活用 など ② 心理的要因による情緒障害 自閉症・情緒障害特別支援学級の対象となる心理的要因による情緒障害のため社会 適応が困難なケースとして、選択性かん黙があります。言語能力には問題はないもの の、特定の場所や人とかん黙の状況になり、コミュニケーションがとりにくい状態を いいます。

(26)

(3) 教育課程の編成 特別支援学級の教育課程は、前述の「知的障害特別支援学級の教育課程」にもある 通り、学校教育法施行規則第 138 条において、特に必要な場合、「特別な教育課程」に よることができると明記されています。自閉症・情緒障害特別支援学級の教育課程を 編成する場合には、小・中学校の教育課程を基準にし、必要に応じて特別支援学校小 学部・中学部学習指導要領を参考しながら、障害の状態や教育的ニーズをふまえ、学 級や児童生徒の実態に応じた教育課程を編成します。特別支援学校学習指導要領には、 障害に基づく種々の困難さに対する領域として「自立活動」が設けられています。自 閉症・情緒障害特別支援学級の教育課程を編成するにあたっては、「自立活動」が重要 な位置を占めます。また、知的発達の遅れを伴う場合、知的発達の遅れへの対応と自 閉症の特性や情緒障害からくる困難さに対応した教育課程を編成します。知的発達の 遅れへの対応には、「知的障害特別支援学級の教育課程」を参考にし、自閉症の特性や 情緒障害に対しては「自立活動」を中心にしながら教育課程を編成します。自閉症・ 情緒障害特別支援学級に在籍している児童の中には、知的な遅れは伴わないものの、 自閉症の特性や情緒障害から種々の困難を抱えている児童生徒がいます。その場合に は、「自立活動」を取り入れ、小学校・中学校の教育課程を参考にしながら、障害の状 況に合わせて教育課程を編成していきます。 (4) 自立活動 自立活動の指導は、児童生徒一人一人が自立を目指し、障害による学習上又は生活上 の困難を主体的に改善・克服することを目的としています。自閉症や情緒障害のある児 童生徒は障害の特性や状況により、学習のしにくさや生活のしにくさを抱えており、自 立活動の指導が重要になってきます。自立活動の指導にあたっては、個々の実態を的確 に把握し、個別の指導計画に基づき指導することが大切です。自立活動の内容は6つの 区分 26 項目から構成されています。全ての項目を指導するのではなく、個々の実態に応 じて項目を選定して指導を行います。 自立活動の指導は、時間における指導(日課に位置づける)を中心にしながら、各教 科等合わせた指導や各教科等別の指導の中で扱うなど、学校教育全体を通じて行うこと が大切です。時間における指導については、個別や小集団による指導など、状態に合わ せて学習形態を工夫します。さらに、各教科、道徳、外国語、総合的な学習の時間及び 特別活動の指導と密接な関連性をもたせることが大切です。指導する内容によっては、 専門的な知識や技能を必要とするので、専門性を高めるとともに、医療機関や専門機関、 特別支援学校などと連携を図ることも必要です。自立活動の指導時間数は、個々の児童 生徒の実態に応じて、適切に確保します。 【自立活動指導例】 「特別支援学校学習指導要領解説自立活動編」(文部科学省 H21 年 6 月)の例示され

(27)

ているものをいくつか抜粋します。なお、下の表は、国立特別支援教育総合研究所「自 閉症スペクトラム障害のある児童生徒に対する効果的な指導導内容と指導方法の実際 研究 平成20年∼21年度研究成果報告書」(H22 年3月)をもとにしています。ま た、( )内の数字は、「特別支援学校学習指導要領自立活動編」のページ数です。 1-(1)健康の保持:生活のリズムや生活習慣の形成に関すること(P36) 1−(4)健康の保持:健康状態の維持・改善に関すること(P41) 2-(1)心理的な安定:情緒の安定に関すること(P43) 「偏食や決まった服しか着ない等、特定のものや行動に対する強いこだわりに対する指導」 学習指導要領解 説の例示 「自閉症のある幼児児童生徒は、特定の食物や衣服に強いこだわりを示す場合が ある。そのため、極端な偏食になったり、季節の変化にかかわらず同じ衣服を着 続けたりすることがある。」 指導内容、方法 「無理のない程度の課題から取り組む」 「給食指導等機会利用型の指導」 「場面や状況を設定し、適切な言動がとれるよう時間による意図的な指導」など 「運動量の不足や食生活の偏り等の要因による肥満や体力低下等に対する指導」 学習指導要領解 説の例示 「知的障害や自閉症のある幼児児童生徒の中には、運動量が少なくなり、結果と して肥満になったり、体力低下を招いたりする者もみられる。」 指導内容、方法 「運動不足の解消をねらいとする指導を体育と重ねて実施」 「適切な運動の取り入れ」 「食生活と健康について生活に即した学習」など 「安心できる場や気持ちの安定につながる活動を設定し、情緒の安定を図ることに関する指導」 学習指導要領 解説の例示 「自閉症スペクトラム障害のある幼児児童生徒は、適切な情報を総合して必要な 情報を入手することが困難であり、様々な状況を想像して対応することが苦手あ ることも特徴であるため、常に不安感があるといっても過言ではない。そのため、 学校生活の中で安心感や安全感をもつことは重要なことである。」 指導内容、方法 「活動の見通しがもてないことから生まれる不安感や、音の過敏性から起きるパ ニック、こだわりを維持できない状況で泣き出すなどの言動への対応には、必要 な状況でクールダウンエリアの活用をするなどの機会利用型の指導」 「一日の生活や各授業時間での見通しをもたせるための手立ての活用」 「自立活動の時間における指導などを通して、情緒の安定に関する指導の実施」 など

(28)

2−(2)心理的な安定:状況の理解と変化への対応に関すること(P44) 3-(1)人間関係の形成:他者のかかわりの基礎に関すること(P48) 3-(2)人間関係の形成:他者の意図や感情の理解に関すること(P49) 「急なスケジュールの変更等に伴い混乱したり、不安感を抱いたりすること等に対する指導」 学習指導要領解 説の例示 「自閉症のある幼児児童生徒は、予告なしに行われる避難訓練や、急な予定の変 更などに対することができず、混乱したり、不安になったりして、どのような行 動したらよいかわからなくなることがある。このような場合には、予想せれる事 態や状況を予告したり、事前に体験できる機会を設定したりすること等が必要で ある。」 指導内容、方法 「スケジュール表の確認」 「日程や時間の変更に対する早めの予告」 「情報を理解する為の手だての工夫」 など 「直接関与する人との個別的なかかわりや教材等を介して、人との関わりを広げていくことに対す る指導」 学習指導要領解 説の例示 「他者とのかかわりをもとうとするが、その方法が十分に身に付いていない自閉 症のある幼児児童生徒の場合には、まず、直接的に指導を担当する教師を決める などして、教師との安定した関係を形成することが大切である。」 指導内容、方法 「体育(保健体育)や自立活動の時間における指導でソーシャルスキルトレーニ ングを行う」 「学校生活全体を通しての機会利用型指導」など 「適切な規模の集団を設定し、協同学習を取り入れる中で他者の意図や相手の感情を類推する指導」 学習指導要領解 説の例示 「自閉症のある幼児児童生徒は、言葉や表情、身振りなどを総合的に判断して相 手の心の状態を読み取り、それに応じて行動することが困難な場合がある。また、 言葉を字義通りに受け止めてしまうため、行動や表情に現れている相手の意図を 読み取れないこともある。そこで、生活の様々な場面を想定し、そこで相手の言 葉や表情などから、立場や考え方を類推するような指導を通して、相手とかかわ る際の具体的な方法を身につけることが大切である。」 指導内容、方法 「国語などの教科指導や生活全般において、状況把握や心理理解のための手がか りを学ぶ学習」 「自立活動の時間における指導を設定し、ゲームや運動課題を通じて、相手の状 況や感情を理解する指導」など

(29)

3-(3)人間関係の形成:自己理解と行動の調整に関すること(P50) 4-(2)環境の把握:感覚や認知の特性への対応に関すること(P55) 「ソーシャルスキルトレーニング等の方法を活用して、具体的な場面・設定し、人との適切な対応 の仕方等を身につけていくことに対する指導」 学習指導要領解 説の例示 「自閉症のある幼児児童生徒は、「他者が自分をどう見ているか」「どうしてその ような見方をするのか」ということの理解が十分でないことから、「自分がどの ような人間であるのか」といった自己理解が困難な場合がある。そのため、友達 の行動に対して適切に応じることができないことがある。」その解決策の一つと して、体験的な活動を落通して自己理解を促すことや、他者の意図や感情への対 応方法を学ぶ指導が必要である。」 「自閉症のある幼児児童生徒は、特定の光や音などにより混乱し、行動の調整が 難しくなることがある。そのような光や音に対して少しずつなれたり、それらの 刺激をさけたりすることができるように感覚や認知の特性への対応に関する内 容も関連付けで具体的な指導内容を設定することが求められる。」 指導内容、方法 「適切な対人関係をつくるためには、自立活動の「他者の意図や感情の理解に関 すること」とともに、自分の言動を振り返り柔軟に言動を修正していくスキルを つけていく指導」 「自立活動の時間における指導の特設などによるゲームや運動活動を通して自 己欲求のコントロールの方法や、状況に応じた適切な言動の在り方の指導」など 「特定の刺激によって引き起こされる行動に対し、自らがより適切な行動に調整するための指導」 学 習 指 導 要 領 解 説の例示 「自閉症のある幼児児童生徒の場合、聴覚の過敏さのため特定の音に、また、触 覚の過敏さのため身体接触や衣服の材質に強く不快感を抱くことが見られる。そ れらの刺激が強すぎたり、突然であったりすると、混乱状態に陥ることもある。 そこで、不快である音や感触などを自らさけたり、幼児児童生徒の状態に応じて、 それらに少しずつ慣れていったりするように指導することも大切である。」 指導内容、方法 「不快な刺激を遠ざける指導や配慮」 「見通しがもてる視覚的情報の提示」 「自立活動の時間における指導を特設し、多くの情報から必要な情報を選択し総 合的に思考する指導」 など

参照

関連したドキュメント

取組の方向 安全・安心な教育環境を整備する 重点施策 学校改築・リフレッシュ改修の実施 推進計画 学校の改築.

また、同法第 13 条第 2 項の規定に基づく、本計画は、 「北区一般廃棄物処理基本計画 2020」や「北区食育推進計画」、

平成 支援法 へのき 制度改 ービス 児支援 供する 対する 環境整 設等が ービス また 及び市 類ごと 義務付 計画的 の見込 く障害 障害児 な量の るよう

再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法(以下「再生可能エネル

第四次総合特別事業計画の概要.

この国民の保護に関する業務計画(以下「この計画」という。

北区無電柱化推進計画の対象期間は、平成 31 年(2019 年)度を初年度 とし、2028 年度までの 10

さらに、1 号機、2 号機及び 3