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海外需要の動向

ドキュメント内 第I章: (ページ 196-200)

3.1.1.

分析対象と利用データ

海外需要については、一般土工機械、小型建設機械、道路機械(搭乗式 締固機械)の国・地域別の暦年ベースの出荷データを用いて、需要動向の 分析を行うとともに、3セグメント別に国・地域別の需要関数を推計し将 来予測を行う。国や地域は前述の通り

18

区分である。

なお、需要の変動要因を説明する指標については、これらの国・地域に 共通する利用可能なデータは限られている。本分析では、国連の

GDP

統計 と同じく国連の人口予測データを用いることとしたが、国連の

GDP

統計で は実質

GDP

とともに、産業別の実質

GDP

が利用可能である。そこで、以 下の分析および予測の際には、実質

GDP

と建設産業の実質

GDP(建設 GDP

)を基本データとして用いた。また、地域区分については、前述の通 り、建設機械の出荷データで用いられている地域区分は国連で用いられて いる地域区分とは異なる部分がある。このため、実質

GDP

や実質建設

GDP

、 人口等の地域別データについては、建設機械の出荷統計で用いられている 構成国ベースで再集計し用いた。

3.1.2.

世界市場における建設機械需要の現状

世界市場における建設機械需要の推移をみると、国や地域による差異が 大きい。したがって個々には需要関数を推計する際に分析することとし、

ここではまず全体的な特徴を概観する。

①需要規模

2004

年時点でみると、一般土工機械は世界計で約

22

万台、小型建 設機械は約

27

万台、搭乗式締固機械は約

3

万台となっている。

②米・欧・日集中型の需要

注目されるのは、各製品ともに米国、西欧、日本の3地域・国の需 要が全体の需要の

7

8

割を占めており、先進国依存型の需要特性が みられることである。とくに小型建設機械および搭乗式締固機械では 米・欧・日のシェアが高い。ただし、国内の需要動向の分析でも示さ れたように、日本の一般土工機械と小型建設機械の需要は

1995

2004

年で約

4

割程度の減と大きく減少している。

③高まりつつある米・欧・日以外での需要

中国やロシア、東欧、中東など、米・欧・日以外の国や地域での需 要が大幅に増加する傾向がみられ、需要の地域構成が変わりつつある。

④大きな需要の変動

いずれのセグメントでみても、需要の変動が大きい国・地域がみら れる。また、ここ

10

年ほどのデータでみる限りではあるが、大きな サイクル的な変動がみられる。とくに足元では、米・欧、オセアニア、

東欧、ロシア、産油国、南アメリカ大陸の諸地域、アフリカなどで大 幅な需要増がみられる。こうした動きが短期的なもので

2006

年以降 に調整が進むのか、あるいは長期的に増加する傾向となるかが需要展 望の際の重要な判断ポイントとなる。

他方、中国や韓国などでは一部の製品で調整局面にあるとみられる ものがある。こうした調整が一時的なもので、基調としては増加トレ ンドにあるとみるべきか否かも注目すべき点である。

⑤需要の規定要因

需要関数の推計で具体的に検討するが、世界全体の需要動向を総括 的にみると、

GDP

で捉えた経済活動の動向にかなりの程度連動して 需要が変動しているとみられる。こうした中で、オーストラリアやロ シア、産油国、ブラジル等の南米資源国などでは、資源需給のタイト 化を背景に資源開発関連に用いられる建設機械への需要が急増して いることが指摘されている。このような、特殊的要因についても、そ の影響を考慮することが重要である。

その一方で、近年の日本における建設機械需要の大幅な減少にみら れるように、弱いながらも経済成長が見られる場合であっても、建設 関連投資が縮小し、建設機械需要が落込むことがあり得る。日本の場 合にはバブル経済による需要の急激な増大とその後の調整および不 良債権増大とその処理といった特殊な要素があった面もあるが、他の 諸国・地域においても経済成長が続く下で建設需要が減退する可能性 があるか否かも念頭におくべき点である。

⑥需要水準の評価基準

特定の国・地域における需要が、当該国の経済水準からみて過大と なっているのか、あるいは過小な水準に留まっており今後需要が拡大 する余地があるか否かの判断基準も重要である。決定的な指標はない が、一国の経済水準を表す

GDP

に対する建設機械の需要の比率は、

一つの判断材料と考えられる。

図表 113 製品別の世界全体での出荷台数推移

以上にみられるように、建設機械の世界需要は

2001

2002

年に大きく 落ち込んだ。しかし

2003

年以降は一転して増勢を強めている。この反転は、

0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005

GDPで回帰したトレンド線 年率3.9%

0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 300,000 350,000

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005

GDPで回帰したトレンド線 年率3.7%

0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005

GDPで回帰したトレンド線 年率2.2%

2005年度は実績見込み 一般土工機械

小型建設機械

搭乗式締固機械

大きく落ち込んだ後の反動増的な回復であるのか、それとも中期的な増加 トレンドに入ったのかが判断を要するところである。この点について考え る場合、世界を一括りにして見ることは危険である。昨今の経済情勢から みると、米国を除く先進諸国と

BRIC

などの新興諸国との成長力格差は大 きなものとなっているが、新興諸国の先行きには不透明な部分が多い。し かしその点を別とすれば、新興国の成長率は世界平均の成長率を大きく上 回り、建設関連需要も経済成長に伴って増大することが予想される。した がって建設機械需要も拡大すると見られる。問題は、西欧や日本など、米 国を除く先進諸国である。こうした、いわゆる先進諸国では建設需要や建 設機械需要が市場で飽和するのか否かを見極めることが重要である。

この点について、

GDP

に対する建設機械の出荷水準比率が一つの判断材 料となる。そこで、市場が成熟化する可能性が高いとみられる西欧につい て、主な国別にこの指標の推移をみてみた。結論としては、水準が高まる 傾向にある諸国がある一方で、オランダ、ドイツ、デンマーク、スウェー デンなどでは水準が低下したり、横ばいで推移したりするなど、西欧とい っても実は多様な動きがみられるのである。全体的にみれば、西欧諸国は おおよそ3つの群に分けられる。第一は、

GDP

当たりの建設機械水準が高 まっている諸国であり、第二は横ばい基調ないし緩やかな増大傾向にある 諸国、第三は低下傾向にある諸国である。こうした異なった方向性を内包 しているところが西欧の多様性であるといえる。このようにみると、西欧 の一部では需要が飽和化している現象が見られるが、全体としてはまだ需 要が飽和したとは考え難い面がある(図表

114

)。

図表 114 一般土工機械出荷台数の対

GDP

比水準(西欧)

0 2 4 6 8

1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004

West Europe Denmark Germany Netherlands Sweden

台/億ドル

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