(1)横傾斜試験
一定の横傾斜(ϕ= 2.4 deg)状態で,船速1.27 m/s,流量40 L/minとした時の気泡流れを端板 なし・ありについて確認した。計測結果をFig.B.4に示す。
船体が右傾斜することにより,静圧が小さくなる左舷側に気泡が流れていることがわかる。端板 がない場合には左舷側から気泡が離れ出しているが,端板がある場合には離れることなく後方へ流 れていく様子が観察された。ただし,端板高さは実船相当で280 mmであり,気泡径と比較して十 分に大きいサイズとなっている点注意が必要である。右舷船尾部に被泡しないエリアが発生してい るが,平水中と比べて船底の被泡面積変化は2〜3 %程度であり,ほぼ平水中と同程度の摩擦抵抗 低減効果が得られると期待できる。
Fig.B.3: Photographs of situation of flow rate adjustment examination in calm water
Fig.B.4: Photographs of bubbly flow on ship bottom at heeled condition (U = 1.27 m/s, Q= 40 L/min)
(2)強制横揺れ試験
船速1.27 m/s,流量40 L/minとし,横揺れ振幅ϕa = 3 deg,横揺れ周期Tϕ = 1.3 secの強制 横揺れを与えて,気泡流線を端板なし・ありについて確認した。観測結果をFig.B.5に示す。
船体が横揺れすることにより船底流れが左右に振れ,それに沿うように気泡が流れているが,被 泡面積の変化はない。また,端板の有無にかかわらず気泡は船底から離れることはなく船尾後方へ 流れている。
Fig.B.5: Photographs of bubbly flow on ship bottom at forced roll motion condition (U = 1.27 m/s, Q= 40 L/min)
(3)斜航試験
潮流等により流速方向が変化した場合を模擬するため,船体曳航方向を斜めにした場合の気泡流 線を確認した。船速0.98 m/s(実船10 kn相当),流量を30.8 L/minとし,端板なし・ありについ て試験を行った。斜航角βを,3 degおよび8.6 degとして船体を曳航した時の計測結果をFig.B.6 に示す。
斜流中の場合,気泡流れは直線的になっているものの船長方向に対して斜めになっているため,
船底からの気泡離れが発生しており,斜航角が大きいほど,離れる空気量も多くなっている。同時 に船底の被泡範囲も減少しており,斜航角β = 8.6 degの場合では,船底面積の8 %程度減少して おり影響が大きい。端板の効果については,設置した場合は気泡離れの抑制効果が現れている。
Fig.B.6: Photographs of bubbly flow on ship bottom at Obliquely moving condition (U =
(4)波浪中試験(正面向波,横波)
波高,周期,波方向を変化させ,波浪中で船体が動揺している状態での気泡挙動を観察した。計 測結果(代表例)をFig.B.7に示す。
正面向い波(µ= 180 deg)の場合,波高(Hw)1 mならびに2 mの条件下では,船側部から気泡が 流れ出すことはなく,進行方向に沿って船尾方向へ流れていることがわかった。横波(µ= 90 deg) の場合,波高1 mで横揺れ角度が2.4 degの状態でも気泡の著しい流れ出しは見受けられず,後方 への気泡流れも特に問題はなかった。
Fig.B.7: Photographs of bubbly flow on ship bottom in wave (U = 1.27 m/s, Q= 40 L/min)