• 検索結果がありません。

母音記号を含む文字の綴り字読み

ドキュメント内 古典チベット語文法 (ページ 33-37)

高声調 低声調 調音点 無気音 有気音 有気音 鼻子音

カ段 :¯ka ;¯kha <´kha =´Na チャ段 >¯tya ?¯tyha @´tyha A´nya

タ段 F¯ta G¯tha H´tha I´na パ段 J¯pa K¯pha L´pha M´ma ツァ段 N¯tsa O¯tsha P´tsha

【接近音・摩擦音のグループ】

yaやlaなどの接近音およびsyaやsaなどの摩擦音に対応する文字が11文字ある。

低声調 Q´wa R´sya S´sa T´a

U´ya V´ra W´la

高声調 X¯sya Z¯sa [¯ha \¯a  

2 母音記号

母音記号H1>=Zo`yaðには下記に示す通り,4種類がある。子音字が単独で音節をなす

ときは,母音aを含む。

記号なし `(´khiku) b(´syapkyu) c(´ndreNpu) d(´naro)

:¯ka :`¯ki 1q¯ku :c¯ke :d¯ko

\¯a \`¯i \b¯u \c¯e \d¯o

  ※( )内は母音記号の名称

どに伝統的に用いられてきた読み方である。今後,新しい構成要素を学ぶたびに綴り字読 みのやり方を紹介するが,まずは母音記号を含む1音節語の綴り字読みを紹介する。

:`¯ka ´khiku ¯ki 1q¯ka ´syapkyu ¯ku :c¯ka ´ndreNpu ¯ke :d¯ka ´naro ¯ko

3 音節区切り点ツェクと句読線シェー

音節と音節の切れ目にツェクOU<o`tshekという点を打つ。音節は音のまとまりでもあ り,意味を持つ最小のまとまりでもある。また,句や節,文の切れ目など,日本語の句読 点に相当する位置にはシェーXHo`sy¨a¨aという縦線を記す。

例えば,「私はヨーグルトが好き」という意味の文をチベット文字で示すとしたら, 音 節の切れ目にツェク,文末にシェーを配置して以下のように記される。

例文:=oRdoWoH<Tn

語釈:=o´Na (私),Rdo´syo (ヨーグルト),Wola (〜に対して),H<To´ka (好む)

◆単語例:

;o¯kha(口)  =o´Na(私)  

?bo¯tyhu(水)  @o´tyha(茶)  Ao´nya(魚)

Gdo¯tho(メモ)  Kdo¯pho(男)  Mdo´mo(女)

OUo¯tshe(寿命)  Rdo´syo(ヨーグルト) 

V`o´ri(山)  Wdo´lo(年)  Zbo¯su(誰)

?bo;o¯tyhuka(川縁)  M`oOUo´mitse(人生)  KdoMdo¯phomo(男女)

    

第 3

音節構造と後置字

1 音節構造

音節の中核をなす文字は基字M`=o<R`o´miNsyi(以下,●で表す)である。これを中心 に,その上下左右にサテライトのように要素が組み合わさり,多様な意味を表す音節文字 を作る。例えば下図は最大組み合わさった場合を図示したものである。

      ◎▽

●△○○     例: L<^H<Zo   

• 基字の上下に結合する要素としては,下接字(△),上接字(▽)がある。下接字 は,基字の表す子音の調音点を変える(例えばカ音→キャ音,パ音→チャ音など)

働きをする。上接字は,基字の表す子音の質を変えることがある。

• 基字の後に組み合わさる要素としては,後置字$cZoT@b<oˆtyeðtyuu(○),さらに その後につく再後置字U=oT@b<oˆyaNtyuu(○)がある。後置字は音節の母音の音 色を変化させたり,音節末子音を付加する働きをする。再後置字は声調を降調に変 える働きをすることがある。

• 基字の前に組み合わさる要素としては,前置字NdIoT@b<o`N¨oðtyuu(◎)がある。

前置字は,基字の表す子音の質を変えることがある。

• 基字スロットの上下には母音記号が付く。母音記号は音節の母音を決定する。

基字一つにつき,最少で1パターンから最大24パターンがあり得る。そのパターンは 次に示す表の通り。

下接字なし 下接字あり 前置字・上接字なし  ●  ●○(○)  ●△  ●(○)

前置字あり ◎● ◎●○(○) ◎●△ ◎●(○) 上接字あり  ▽●  ▽●○(○)  ▽

●△

▽●

(○) 前置字・上接字あり ◎▽● ◎▽●○(○) ◎▽

●△

▽●

(○)

2 後置字

後置字は歴史的に音節末の子音を表していたものであるが,一部の音節末子音は消失し て,母音が長母音化したり,中舌母音化するなどしている。

後置字として立ちうる文字は-<,-=,-H,-I,-L,-M,-T,-V,-W,-Zの十種類である。

母音が変化しないタイプと中舌母音化するものを分けて示す。

母音変化なし 中舌母音化

-< -= -L -M -T -V -H -I -W -Z

a ak, aa aN, að ap am a ar, aa ¨a¨a ¨að ¨a¨a ¨a¨a

i ik, ii iN, ið ip im ir, ii ii ið ii ii

u uk, uu uN, uð up um ur, uu ¨u¨u ¨uð ¨u¨u ¨u¨u

e ek, ee eN, eð ep em er, ee ee eð ee ee

o ok, oo oN, oð op om or, oo ¨o¨o ¨oð ¨o¨o ¨o¨o

語末で降調 ↘ ↘ ↘ ↘

-<および-=は,2種類の発音があるが,前者は主に語中で,後者は語末に現れること が多い。-=の場合,母音がiやuの時は,語末でも末子音が現れることが多い。

-V2種類の発音があるが,文語では前者が多く,口語では後者が多い。ただし,口 語でも単語によってはrをはっきりと発音する場合もある。

全般に,文語読みの場合は末子音を明瞭に発音することが多い。

後置字-<-H-L-Zが単語の末尾に現れた場合,その単語は必ず降調となる(上述 の表の最下段を参照。↘印が語末で降調となるものを指す)。それ以外の後置字が単語の

末尾に現れた場合は基本的に非降調である(単語によっては降調になる場合もある)。

◆単語例(母音変化なし):

?<o`tyhaa(壊れる) V<oˆraa(真鍮)  Wb<oˆluu(羊) Gb<o`thuu(出会う)

I=o´nað(中,内側) M`=o´miN(名前) ;d=o¯khoð(彼,彼女)

;Lo`khap(針) WLoˆlap(言う) 7qLoˆnup(西) GdLo`thop(得る)

WMo´lam(道) UbMo´yum(母hon) HdMo´thom(熊) 

MVo´maa(バター) SbVo´suu, ´sur(角) IdVo´nor(財物)

◆単語例(中舌母音化):

OHo`tsh¨a¨a(程度) U`Hoˆyii(心) KbHo`ph¨u¨u(初物) LdHoˆph¨o¨o(チベット) 

WIo´l¨að(返事) KIo¯ph¨að(役に立つ) 1qIo¯k¨uð(全て) LdIo´ph¨oð(ポン教)

LWo´ph¨a¨a(羊毛) KbWo¯ph¨u¨u(捧げるpf) VbWo´r¨u¨u(腐る)

VZoˆr¨a¨a(綿布) WbZoˆl¨u¨u(肉体) ?dZo`tyh¨o¨o(法,仏法) GdZo`th¨o¨o(聞こえる)

ドキュメント内 古典チベット語文法 (ページ 33-37)