第9章 リモート開発機能
11.1 概要
CORBA開発支援携機能として提供される機能およびCOBOLプラグインについて説明します。
11.1.1 COBOLプラグインとは
COBOLプラグインとは、Interstage Studioワークベンチ上にCOBOLアプリケーションおよびCORBAアプリケーションの開発環境の機 能を提供するアドオンコンポーネントです。COBOLプラグインは、以下の機能を提供します。
・ COBOLパースペクティブ
・ COBOL関連リソースの生成とウィザードの提供
生成できるリソースの種類とウィザードの関係を以下に示します。
ウィザードの種類 生成リソースのカテゴリ 生成するリソース 説明
COBOLプロジェクト生成
ウィザード
プロジェクト COBOLプロジェクト COBOLプロジェクトを作成します。
CORBAサーバプロジェク
ト生成ウィザード
CORBAサーバプロジェク
ト
CORBAサーバプロジェクトを作成し
ます。
COBOLソース生成ウィ ザード
ソース COBOLソースファイル COBOLソースを作成します。
COBOL登録集生成ウィ ザード
COBOL登録集ファイル COBOL登録集を作成します。
CORBAサーバアプリ
ケーション生成ウィザード
CORBAサーバアプリ
ケーション
CORBAサーバアプリケーションの作
成に必要なIDLファイル(インタフェー ス定義ファイル)とサーバアプリケー ションのひな型を作成します。
ウィザードの種類 生成リソースのカテゴリ 生成するリソース 説明 CORBAスタブファイル生
成ウィザード
CORBAスタブファイル CORBAサーバアプリケーション開発
時に作成したIDLファイルを使用して スタブファイルを生成し、クライアント アプリケーションのプロジェクトに登録 します。
IDLファイル生成ウィザー ド
IDLファイル CORBA/IDLのオブジェクト指向
COBOLのマッピングにしたがい、構 造を記述したクライアントインタフェー
ス(IDL)ファイルを作成します。
オブジェクト指向COBOL ソース生成ウィザード
オブジェクト指向COBOL ソースファイル
オブジェクト指向COBOLソースを作 成します。
・ エディタ
- COBOLエディタ
- IDLエディタ
・ ビュー
- [アウトライン]ビュー
- [テンプレート]ビュー
- [依存]ビュー
- [構造]ビュー
- [ウォッチ]ビュー
・ COBOLビルダ
・ COBOLデバッガ
・ CDCORBAクラス
CORBAクライアントアプリケーション開発において、CORBAの初期化処理やオブジェクトの検索処理を簡潔に記述するために
CDCORBAクラスを提供しています。
COBOLプラグインによって開発を支援できるアプリケーション
COBOLプラグインを組み込んだInterstage Studioでは、以下のアプリケーションのGUIでの開発を支援します。
・ COBOLアプリケーション
COBOL言語記述によるCORBAクライアントなどのアプリケーションを開発できます。
CORBAクライアントアプリケーションの開発方法については、“11.6 CORBAクライアントアプリケーションの開発”を参照してくださ い。
・ CORBAサーバアプリケーション
オブジェクト指向COBOL言語によるCORBAサーバアプリケーションを開発できます。
オブジェクト指向COBOL言語によるCORBAサーバアプリケーションの開発方法については、“11.5 CORBAサーバアプリケーショ ンの開発”を参照してください。
11.1.2 CORBAアプリケーションとは
CORBAとは、OMG(Object Management Group:オブジェクト指向技術の標準化と普及を目的として1989年に設立された非営利団体) によって規定されたオブジェクト指向技術の仕様です。CORBA仕様として、以下の機能が提供されています。
・ インタフェース定義言語IDL(Interface Definition Language)からサーバ/アプリケーション間の通信ライブラリである、スタブ、スケル トンを生成するしくみ。
・ クライアント/サーバアプリケーションで連携するために必要なAPI。
・ 異機種間上で動作するクライアント/サーバアプリケーションが連携するためのプロトコル(IIOP:Internet Inter-ORB Protocol)。
富士通では、Interstage Application ServerでCORBA準拠の分散通信基盤やサービスを提供しています。Interstage Studioにおいて
は、CORBAアプリケーションとは、Interstage Application Serverを利用して作成したアプリケーションを意味します。また、COBOLプラ
グインを組み込んだInterstage Studioワークベンチでは、CORBAサーバアプリケーションおよびCORBAクライアントアプリケーションの 両方を作成できます。
CORBA
アプリケーションの運用形態
CORBAアプリケーションの運用形態を、下図に示します。なお、COBOLプラグインがサポートしている運用形態を赤枠(太枠)で示し
ています。
[サーバアプリケーション]
サーバアプリケーションは、クライアントに対するインタフェース情報の公開方法により、大きく以下の2つに分けることができます。
(1) 動的スケルトンインタフェース (2) 静的スケルトンインタフェース [クライアントアプリケーション]
クライアントアプリケーションは、サーバアプリケーションの呼出し方法により、大きく以下の3つに分けることができます。
(3) 動的起動インタフェース (4) 静的起動インタフェース
(5) OLE-CORBAゲートウェイ
CORBAアプリケーションの特長とサポート範囲
各CORBAアプリケーションの特長とCOBOLプラグインでのサポート範囲を以下に示します。
アプリケーションの種類 説明 サポートの有無
サーバ クライアント 動的インタフェース
(1)、(3)
スタブ、スケルトンファイルは必要なく、インタフェースリ ポジトリから情報を取り出し、サーバのメソッドを呼び出 すパラメタをプログラム中で組み立てて、サーバアプリ ケーションの関数を呼び出します。
× ×
静的インタフェース (2)、(4)
IDLファイルから作成したスタブ、スケルトンファイルをプ ログラムに結合してアプリケーションを作成します。
スタブ、スケルトンは、サーバ、クライアント間で使用され るデータをCORBA通信基盤のプロトコル(IIOP)から各 言語タイプに変換する機能を持っています。
○(*1) ○(*2)
OLE-CORBAゲートウェイ
(5)
WindowsシステムのOLEアクセスにより、サーバアプリ
ケーションの提供する関数を呼び出します。
- ×
○: COBOLプラグインでサポート
×: COBOLプラグインでは非サポート
*1: サーバアプリケーションは、オブジェクト指向COBOL言語で作成します。
*2: クライアントアプリケーションは、オブジェクト指向COBOL言語またはCOBOL言語で作成します。
・ 動的インタフェースはサーバアプリケーションのインタフェースを動的に組み立てるため、簡単なインタフェースの変更に対して、
自プログラムの変更が必要ない場合があり、その点で保守性に優れています。
・ 静的インタフェースは、サーバのリポジトリ情報にアクセスする回数が動的インタフェースに比べて少ないため、性能的に優れてい ます。
・ OLE-CORBAゲートウェイは、内部的に動的インタフェースと同様の処理を行っているため、性能的には動的インタフェースと同等
です。また、記述量が非常に少なく、記述性に優れています。