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第 4 章 中国語の新型受動構文の構文的特徴及び事態把握

4.3 新型受動構文の構文的特徴

上 述し た よ う に 、 形 式 的 に新 型 受 動 構 文 は 通 常 の受 動 構 文 と 明 ら か に 異な る 。 こ の よう な 差 異 は 言 語 形 式 の 表 出 ・明 示 化 に 関 わ る 。 こ の こ と は 新 型 受 動 構 文 の 意 味 構 造 を 解 明 す る こ とに よ っ て 明 ら か に な る。 ま た 、 意 味 的 に 認 定類 と 強 迫 類 は 質 の 異 なる も の で は ある が 、 両者 は メ タ フ ァ ー 的 な 関係 に あ る 。 そ れ ぞ れ 受動 の 二 重 性 及 び 意 図 性に よ っ て 下 位分 類 す るこ と が で き る 。

4.3.1 新型受動構文の形式的特徴

前 節で 述 べ た よ う に 、 形 式的 に 新 型 受 動 構 文 は 通常 の 受 動 構 文 と 比 べ て、 述 語 に 入 る品 詞 類 の範 囲 及 び ア ス ペ ク ト 助詞 や 結 果 補 語 な ど 述 語に 後 続 す る そ の 他 の 成分 の 欠 如 、 とい う 二 点が 特 徴 的 で あ る 。 こ れは 新 型 受 動 構 文 に お ける 動 作 主 及 び そ の 動 作を 表 す 元 の 述語 動 詞 が明 示 さ れ な い た め で ある と 考 え る 。

新 型 受動 構 文 は NP受 動 者+被+XVAN(P)と い う 意 味 構 造を 持 つ と い う 見 解(王 寅 2011、杨朝 丹 2011、张 媛 2012)が あ る 一方 、NP1 受 動 者+被+(NP2 動 作 主+VP+)XVAN(P)と い う 意 味 構 造 を

持 つ とい う 指 摘(何 洪峰,彭 吉 军 2010、陈 文 博 2010、池 昌 海,周 晓 君 2012、杨 巍 2012、陈 长

书 2012、施 春 宏2013、杨 炎 华 2013など)も あ る。本 論 文 は 基本 的 に 後 者 に賛 成 し 、そ の 理

由 と して は 以 下 の 二 つ が 考 えら れ る 。 た だ し 、 修 正す る と こ ろ は 、 明 示 され な い 他 動 詞の 種 類 及 び 否 定 の 意 味 の 挿 入 と い っ た 二 箇 所 で あ る 。 つ ま り 新 型 受 動 構 文 の 意 味 構 造 は

<NP1(X に 関連 す る 主 体)>+(没/不/无(否 定副 詞)+XVAN(P)+)被+「NP2(V の 動 作 主)」+(VP

定 成 、 为/強 迫/弄 得 、 成+)XVAN (P )28で あ る と主 張 す る29

第 一 に、置 き 換 え操 作 に よ って 、新 型 受動 構 文「NP1+被+XVAN(P)」の 表 す意 味 は 通 常 の 受 動 構文「NP1受 動 者+没/不/无(否 定 副 詞)+XVAN(P)+被+NP2動 作 主+VP+XVAN(P)」の そ れ と同 じ で ある こ と が わ か る 。

(3)、(4)か ら わ か る よ う に、明 示 さ れな い 他 動 詞 は、池 昌 海,周 晓 君(2012)及 び杨 炎 华(2013)

で 指 摘 さ れ た 「认定(見 な す)」 類(例:(1))、「强迫(強 迫 す る)」 類(例:(2))以 外30、「弄(手 に 持 っ て 遊ぶ 、 い じ る)」と い う 動詞31も 挙 げ ら れ る 。

(3) 女 生 送 关 怀 , 独 苗 男 孩 “ 被 幸 福”。

女 子 学生 送 る 配 慮 一 人 っ子 男 の子 受 動 幸 福

(女 子 学 生(全 員)が 至 れ り 尽 く せ り の 配 慮 を し た た め ク ラ ス で 唯 一 の 男 子 は 幸 せ に 思 っ た)

[江 苏新 闻 网 2013-03-08]

28 こ こ で は< >は そ の 中 の 成 分が 省 略 で き る こ と を 意味 し 、「 」 は ほ と ん ど現 れ な い こ と

を 、( )は 言 語 化 さ れ な い こと を 意 味 す る 。

29 先 行 研 究 の ほと ん ど は 、 新 型受 動 構 文 は 認 定 類 と 強迫 類 の 他 動 詞 に よ る 通常 の 直 接 受 動 構 文と 同 じ 意 味 を 表 す と して い る が 、 実 は 両 者 は「 非 事 実 性」、「 非 意 図性 」 と い っ た

「 否 定」 の 意 味 を 有 す る か どう か に お い て は 異 な る。 新 型 受 動 構 文 と 認 定類 ・強 迫類 の 他 動 詞 によ る 通 常 の 直 接 受 動 構文 と の 区 別 に つ い て 、詳 し く は李 丽 萍(2014)を 参 照 の こ と 。

30 李 伟 大(2010)に よ る と 、 認 定類 の 動 詞 は认 为(と 思 う)、 判 定(判定 す る)、处 理(処 理 す

る)、看 作(見 な す)、 列 入(~の 中 に 入 れ る)な ど で あり 、 強 迫 類 の 動 詞 は要求(要 求 す る)、

强 制(強 制 す る)、强 行(強 行 する)、 安 排(手 配 す る)、 规 定(規 定す る)、 内 定(内 定 す る)な ど

あ る 。ま た 、杨 炎 华(2013)によ れ ば 、 認 定 類の 動 詞 は认 作(と 認 め る)、 评 为(と 評 定 す

る)、判 定(と 判 定す る)、 传 成(と 伝 え る)な ど で あ り、 強 迫 類 の 動 詞 は强 迫(強 迫 す る)、 逼

迫(強制 す る)、 勒令(強 制 的 に執 行 さ せ る)、要 求(要求 す る)な どあ る 。

31 山 根(2004:45)に よ る と 、 代 動詞 機 能 を 果 た す と 一 般的 に 認 識 さ れ て い る 「弄」 と い う

動 詞 は、「EVENT1+V 得+EVENT2」 に 代表 さ れ る 文 にお い て 「V」 と し て 生起 す る 場 合 、 他 の 特定 の 動 詞 を 代 行 し て いる と は み な せ ず 、 異 なる 機 能 を 果 た し て い ると い う 。 す なわ ち 、 この 種 の 「弄」 は 先 行 して 生 起 す る 主 述 フ レ ーズ 全 体 、 つ ま り 「EVENT1」 全体 を 原 因 事 態と し て プ ロ フ ァ イ ル し、「得」後 方 の 結 果 事 態で あ る 「EVENT2」 へ 繋げ る と い う 機 能 語に 似 た 役 割 を 果 た し てい る 。

(4) 如 果 申 花 主 场 未能 击 败 陕 西 , 鲁 能 就 な ら ば チ ー ム 名 ホ ー ム で き な い 打 ち 負 か す チー ム 名 チ ー ム 名 すぐ 将 被 冠 军 。

で あ ろう 受 動 優 勝 チ ー ム

(も し 申 花 チ ー ム が ホ ー ム で 陝 西 チ ー ム を 負 か せ な か っ た ら 、 魯 能 チ ー ム は チ ャ ン ピ オ ンに な ら さ れ る で あ ろ う)

[搜 狐体 育 2010-10-23]

ま た 、先行 研 究 で は 、新 型 受 動表 現(1’)a、(2’)a、(3’)a、(4’)aの 表 す意 味 は そ れぞ れ 、(1’)b、

(2’)b、(3’)b、(4’)bで あ る と して い る が 、例(1)-(4)に お け る 前後 の 文 脈 か ら もわ か る よ う に 、

(1’)b、(2’)b、(3’)b、(4’)bより も「 否 定 」32の意 味 を 含ん だ(1’)c、(2’)c、(3’)c、(4’)cの方 が

適 切 であ ろ う 。な ぜ な ら 、(1’)b、(2’)b、(3’)b、(4’)bは「 就 職 した こ と に され た 」、「 自 殺 さ せ ら れた 」、「 幸 せ に 思 っ た 」及 び 「 チ ャ ン ピ オ ン にな っ た 」 と い っ た 意 味を 客 観 的 に 表す こ と にと ど ま り、「 本 当 は 就 職し て い な い の に」、「 本 当 は 自殺 し た く な か っ たの に 」、「 そ の よ う なこ と が な け れ ば 幸 せ に思 う は ず が な い が 」 及び 「 本 当 は 実 力 で チ ャン ピ オ ン に なる こ と がで き る は ず が な い が 」と い っ た 「 否 定 」 の 含意 に は 特 に 言 及 、 ま たは 強 調 さ れ てい な い ため で あ る 。

(1’)a. 我 “ 被 就 业 ”了 b. 我 被 学 校 说 成就 业 了

c. 我 没 有 就 业 而 被学 校 说 成 就业 了

(2’)a. 和 珅 “ 被 自 杀” 了

b. 和 珅 被 皇 帝 强迫 自 杀 了

c. 和 珅 不 想 自 杀 而被 皇 帝 强 迫自 杀 了 (3’)a. 男 孩 被 幸 福 了

b. 男 孩 被{ ×说 成/×强 迫/○弄 得 感 觉 }很 幸 福了

32 林 璋(2010)は 、 こ の 「 否 定 的」 と 「 被 害 」 は 、 中 国語 の 動 作 主 主 語 受 動 文(本 論 文 で い

う 新 型受 動 構 文 の 認 定 類)の特 徴 と な り 、 その 後 続 出す る 同 パ タ ー ン の 言 い方(本 論 文 で い う 新 型受 動 構 文 の 強 迫 類)に受 け 継 が れ て いる と 述 べて い る 。

c. 男 孩本 来 没 有 觉 得 很 幸福 因 为 全 班 女 生 送 关 怀而 被 弄 得 感 觉 很 幸 福 了 (4’)a. 鲁 能 被 冠 军 了

b. 鲁 能 被{ ×说 成/×强 迫/○弄 成 }冠 军 了

c. 鲁能 凭 实 力 无 法 成 为冠 军 因 为 申 花 没 有 击 败陕 西 而 被 弄 成 冠 军 了

以 上の よ う に 、(1’)a、(2’)a、(3’)a、(4’)a と い う 簡単 な 新 型 受 動 表 現 は 意味 的 に 通 常 の受 動 表 現 に 置き 換 え ら れ 、 そ れ ぞ れ(1’)c、(2’)c、(3’)c、(4’)c の よ う に 複 雑 な 意 味を 表 す が 、 否 定 の意 味 、 動 作 主 名 詞 及 び元 の 述 語 動 詞 が 明 示 され ず 、 た だ 受 動 者 主 語名 詞 、 受 動 標識 の 「 被」 及 び 結 果 を 表 す 部 分の 一 部 、 つ ま り 結 果 句の 意 味 論 的 な 中 心 だ けが 言 語 化 さ れて い る33。し た が っ て、(3)-(4)の よ うに 形 式 上 、新 型 受 動構 文 は ア ス ペ ク ト 助 詞な ど そ の 他 の 成 分 がな く て も 、結 果 を 表 す動 詞(句)、形 容 詞(句)、名 詞(句)と い っ た 実 質的 な 内 容 を 表 す も の だけ で 成 立 す る の で あ る。

第 二 に、 テ ス ト に よ っ て 、 自動 詞 、 形 容 詞 、 名 詞 の新 型 受 動 構 文 は そ れ ぞれ の 品 詞 が他 動 詞 に変 化 し た と は 考 え ら れな い こ と が 明 ら か に なる 。 し た が っ て 、 新 型受 動 構 文 の 意味 構 造 は「NP受 動 者+被+XVAN(P)」 で は な いと 言 え る 。

周 知 の よ う に 、(5)の よ う な 典 型 的 な 他 動 詞 の 受 動 表 現 「被 杀(殺 さ れ る)」 は 、 受 動 標 識

「被」が 削 除 さ れ る と 同 時 に、 主 語 名 詞 が 目 的 語 とし て 動 詞 の 後 に 移 る と、 当 該 受 動 文と 対 応 する 能 動 文 に な る 。

(5) 单 廷 秀 父 子 被 杀 , 定 是 你 作 为 。 人 名 父 子 受 動 殺 す き っ と で あ る あ な た 仕 業 (単 廷 秀 父 子 の殺 害 は、お ま え の仕 業 に ち が い ない)

[対 訳 红 高 粱]

こ の よう な 操 作 に よ っ て 、例(1)-(4)の よ う な 自 動 詞 、形 容 詞 、名 詞 の 新 型 受動 表 現 は 、それ ぞ れ 主語 名 詞 が 目 的 語 と し て後 続 す る こ と が で き ない こ と が 明 ら か に な る。

(1’){ ○我 “被 就 业 ”/×就 业 我 }

33 林 璋(2010)も 基 本 的 に 同 じ 意見 を 述 べ て い る 。

(2’){ ○和 珅“ 被 自 杀 ”/×自 杀 和 珅 }

(3’){ ○男 孩“ 被 幸 福 ”/♯幸 福男 孩 }

(4’){ ○鲁 能“被 冠 军 ”/♯冠 军鲁 能 } (5’){ ○单 廷秀 父 子 被 杀/○杀 单廷 秀 父 子 }

こ の よう に 、王 寅(2011)、杨朝 丹(2011)、张 媛(2012)が 主 張 し た 、 新型 受 動 構文 「NP +

被+X」の 「X」 の 位 置 に 来 る自 動 詞 、 形 容 詞 及 び 名詞 は す べ て 他 動 詞 と 同じ よ う な 性 質 ・

文 法 機能 を 持 つ よ う に な っ たと い う 見 方 は 、(1’)-(5’)のよ う な 現 象 を 説 明 でき な い 。 こ れ は 、 簡単 に 新 型 受 動 構 文 の 意味 構 造 を 典 型 的 な 他 動詞 受 動 構 文 の 意 味 構 造と 同 一 視 す るの は 妥 当で は な い こ と を 示 唆 して い る 。

以 上の 考 察 か ら 明 ら か な よう に 、 新 型 受 動 構 文 は否 定 の 意 味 、 動 作 主 名詞 及 び そ の 動作 を 表 す 元 の 述 語 動 詞 が 明 示 さ れ ず 、 そ の 結 果 の 意 味 を 表 す 結 果 句 ・結 果 節 の 一 部 し か 表 さ れ な い。形 式 上 、述 語 の 位 置に 入 る も の は 動 詞(句)の み な ら ず、形 容 詞(句)及 び 名 詞(句)も 可 能 であ り 、 述 語 に そ の 他 の成 分 が 後 続 し な く て もよ い 。

4.3.2 新型受動構文の意味的特徴

新 型 受 動 構 文 は 通 常 の 受 動 構 文 の よ う に 受 動 の 意 味 を 表 す が 、「 事 実 は そ う で は な い 」

(認 定類)、「 本当 は そ う し た くな い 」及 び「 他 の 外 的な 要 因 が な け れ ば そ うす る 、ま た は そ

う な る は ず が な い 」(強 迫 類)と い う 否 定 の 意 味 を も 表 す 。 本 節 で は 、 新 型 受 動 構 文 の 二 分 類 、つ まり 認 定 類 と 強 迫 類 は異 な る も の の 、と も に「X」が 主 語 指 示 物 の 行う 活 動 で あ ると い う 点で 共 通 し て お り 、 そ れぞ れ 受 動 の 二 重 性 及 び意 図 性 に よ っ て 下 位 分類 を 行 い 、 当該 構 文 の意 味 的 ネ ッ ト ワ ー ク を明 ら か に す る 。

4.3.2.1 新 型受 動 構 文 の 意 味 分類

新 型 受動 表 現 が イ ン タ ー ネ ット で 現 れ て 以 来 、 一 般的 な 新 聞 ・雑 誌 へ 、 さ らに 人 民 日 報・

中 央 テレ ビ 局 へ 、 最 後 に 日 常会 話 へ と 広 が り を 見 せて い る(王 学 群 2012:270)。 収 集 し た 例 文 を 分析 す る と 、新型 受 動 構文「NP1+被+X」は、「X」が 主 語「NP1」の行 う 活 動 で あ るこ と が わか る 。例 え ば 、(6)の「我 被 结 婚(私 が 結 婚 し てい る こ と に さ れ て い る)」で は 、「结 婚

(結 婚す る)」は主 語 の「我(私)」が 行 う活 動 で あ る。同 様 に 、(7)の「80后被 结 婚(1980年 以 後 生 まれ た 人 た ち が 結 婚 さ せら れ る)」で は、「结 婚(結 婚す る)」は 主 語 の「80后(1980年以 後 生 まれ た 人 た ち)」が 実 行 する 動 き で あ る。つ ま り、新 型 受 動構 文 は 行 為主 体 が 主 語 に 立 つ 受 動構 文 で あ る と 考 え る34

(6) 去 领 结 婚 证 才 知 道 被 结婚 行 く 受 け 取 る 結 婚 証 明 書 や っ と わ か る 受 動 結 婚 す る

(結 婚 届 を 出 し に 行 っ た 時 に 、 や っ と 結 婚 し て い る こ と に さ れ て い る こ と が わ か っ た)

[凤 凰 网 2013-04-18]

(7) 被 相 亲” “ 被 结 婚” “ 被 离 婚 ” 80后 的 婚 姻 谁 做 主 受 動 見 合 い をす る 受 動 結 婚 す る 受 動 離 婚 す る 1980年 後 の 婚 姻 誰 決め る

(お 見 合 い を さ せ ら れ 、 結 婚 さ せ ら れ 、 離 婚 さ せ ら れ 1980 年 以 後 生 ま れ た 人 た ち の 婚 姻は 誰 が 決 め る の ?)

[新 华 网 2012-08-23]

よ っ て、 新 型 受 動 構文 は 「NP1+X」 の 表す こ と が 事実 で あ る か 否 か に よ って 、 二 分 す る こ と が で き る 。 す な わ ち 、(6)の よ う に 「 非 事实性(事 実 で は な い こ と)」 を 表 す 「被 认 定

(「NP1+X」で は ない が 、「NP1+X」だ と さ れ る)」類 及 び 、(7)の よ うに「 非 意 愿 性(意 志 で は

な い こと)」 を 表 す 「被 强 迫(NP1 が X し た く な い が、 や む を 得 ず X さ せ られ る)」 類 で あ る 。

本 章 では 、便 宜 的 に そ れ ぞ れ A 類 、B類 と い い、「 非 事 実 性 」と「 非 意 図 性 」との 両 者 を 一 括 して 「 話 者 の 否 定 的 判 断」 と 呼 び 、 そ し て 以 下の よ う に 定 義 す る 。

1) A 類(認定 類):被 认 定

A類 の 表す 非 事 実 性 と は、「NP1+X」 の 表 す こ と が事 実 で は な い と い う こと で あ る 。

2) B類(強 迫 類):被 强 迫

34 林 璋(2010)は 本 論 文 と 同 じ 意見 を 持 ち 、 こ う い っ た新 型 受 動 文 に お け る 主語 の 位 置 に 動

作 主 、経 験 者 及 び 対 象 も 生 起す る た め 、 通 常 の 受 動文 と 区 別 し て 「 動 作 主主 語 受 動 文 」と 呼 ん でい る 。

B類の 表 す 非 意 図性 と は、「NP1+X」の 表 す こ と が 事実 で は あ る が 、 そ れが X に 関 連 す る 主 体 NP1の 意 図 に よ る もの で は な い と い う こ とで あ る 。

3) 話 者 の否 定 的 判 断

話 者 の否 定 的 判 断 と は 、A 類 の 「NP1+X」 の 表 す こと が 事 実 で は な い 、 及び B 類の

「NP1+X」の 表 す こ と が 関 連す る 主 体 NP1 の 意 図 によ る も の で は な い 、とい っ た 話者 の 真 実性 、 主 語 名 詞 の 意 図 性を 否 定 す る 判 断 の こ とで あ る 。

換 言 すれ ば 、新 型 受 動 構 文 は通 常 の 受 動 構 文 の 持 つ「 受 動 」の 意 味 に 加 え、「 話 者の 否定 的 判 断 」 と い う 否 定 の 意 味 も 有 し て い る(林 璋 2010:14、王 淑 华,杨 仁 君 2011:59、 王 学 群

2012:275、尚 来 彬 2010:80)。 こ う い っ た 否 定 の 意 味 を 持 つ た め 、 新 型 受 動 構 文 の 「被」 は

「被 动标 记(受 動 標 識)」と い うよ り も む し ろ「否 定 标记(否 定 標 識)」と 呼 ん だほ う が よ い と い う 見方 す ら も 見 ら れ る(王淑 华,杨 仁 君 2011:59)。

共 時 的な 使 用 実 態 を 見 れ ば 、A 類は B 類 より 多 く(杨 巍 2012)、 基 本 的 な 用法 で あ り 、B 類 は そ れ か ら の 拡 張 で あ る と 考 え ら れ る 。 一 方 、 通 時 的 な 面 か ら 見 れ ば 、 こ れ は 「被+X」

構 文 の 最 初 の 用 例35と 言 わ れ る「被 自 殺(受 動 標 識+自 殺 す る)」と 深 く か か わ る 社 会 的 事 件 、 つ ま り、 当 事 者 で あ る 李 国 福は 他 殺 だ が 、 政 府 に 自殺 と 判 断 さ れ た と い うこ と に よ る と考 え ら れる(cf.杨 巍 2012、 李 麗萍 2014)。 ま た 、 経 済性 の 観 点 か ら 見 れ ば 、B 類 は 「被+强迫

(強 迫す る)+X」 に 置き 換 え られ て も 基 本 的 に 意 味 が変 わ ら な い の に 対 し 、A 類は そ れ と 同

義 か つ 簡 潔 で あ る 表 現 が 存 在 し な い(同 義 の 直 接 受 動 表 現 が 存 在 す る が 、 そ れ は 複 文 に な

る)ため 、B類 よ り 多 く 使 用 され て い る の で は な い かと 考 え る(cf.杨 巍2012)。B類は 、「NP1+X」

と い う事 実 の 否 定 か ら「NP1が X し た く ない 」と い う 関連 主 体 の 意 図 性 の否 定 へ と 拡 張 さ れ た もの で あ り 、「否 定 」と い う 意 味 及び「 被 害 ・不 如 意 」とい う ニ ュ ア ン ス はそ の 拡 張 を 動

35 「 被+Xvip」、 つ まり 自 動 詞 によ る 新 型 受 動 構 文 の 最初 用 例 と し て 挙 げ ら れる の は 、「被

自 杀(受 動 標 識+自 殺 す る)」、「被 就 业(受動 標 識+就 職す る)」、「被 吵 架(受動 標 識+喧 嘩 す

る)」な ど で あ る 。 しか し 、 本論 文 で は イ ン タ ー ネ ット か ら 収 集 し た 例 文 から 、 最 初 に ネ

ッ ト 流行 語 と し て の 「 被+X」構 文 の 最 初 用 例 は 「被自 杀」 で あ る こ と が わか る 。 こ の

「被 自杀」 に つ い て 、 林 璋(2010:14)は 以下 の よ う に述 べ て い る 。

こ の“被 自 杀 ”の 成 立 に は 、次 の よ う な 三 者 が か かわ る 。 ま ず 、A と い う人 が 死 亡 し た 。 次に 、Aの 死 亡 を Bが 自 殺 と 断言 す る 。 今 度 は Cが 、A は“被 自 杀 ”と コ メ ン ト す る 。つ ま り 、Cは 受 動 文 を使 う こ と に よ っ て 、Bの 判 断を 否 定 的 に と らえ る の で あ る 。 そし て 、Bの 判 断 で A が 「 被 害」 を 被 る と い うこ と も 前 面 に 出 て い る。