第 2 章 先行研究及び研究課題
2.2 先行研究
2.2.2 新型受動構文に関する先行研究
ず 、 ただ 前 後 の 文 脈 に よ っ ても う 一 つ の 「NP2 動 作 主」 及 び そ の 動 作 「VP」 が 明 示さ れ て い な いだ け で 、 本 質 的 に は 通常 の 受 動 構 文 と 同 様 の意 味 構 造 を 持 っ て い ると し て い る 。 で は 、 新型 受 動 構 文 の 意 味 構 造は い っ た い ど の よ う にな っ て い る の で あ ろ うか 。
新 型 受動 構 文 を 意 味 か ら 分 類す る と 異 な る 二 つ の タイ プ が あ り 、(4)の よ うな 非 事 実 性
(死 んだ と い う の は 事実 で は ない)を 表 す 認 定類 及 び 、(5)の よ う な 非 意 図 性(手 術 を 受 け た
く な い)を 表 す 強 迫 類が あ る(王 淑 华,杨仁 君2011:47、池 昌 海,周 晓 君2012:60、杨 巍
2012:91-92)18。王 淑华,杨 仁 君(2011:47-48)に よ れ ば 、 非事 実 性 と は 「NP1主 語+被+X」 の
「X」 が 表 す 出来 事 が 事 実 で はな い こ と で あ り 、 非 意図 性 と は 「X」 の 表 す出 来 事 が そ れ に 関 連 する 主 体 の 意 図 に よ る もの で は な い こ と で あ ると い う 。
(4) 最 近 ,章 子 怡 也 遭 遇 “ 被 死 亡”。
最 近 人 名 も 遭 遇 す る 受 動 死 亡 す る
(最 近、 章 子 怡 も(生 き て い るの に)死 ん だ こと に さ れた)
[法 律常 识2010-08-27]<認 定 類 非 事 実性>
(5) 看 病 “ 被 手 术 ” ?患 者 心 慌 慌 診 察 を 受 け る 受 動 手 術 患者 心 慌 て る
(病 院 で(そう 望 ん で いな い の に)手 術を 受 け させ ら れ た?患者 は 不 安 がっ て い る)
[民 生论 坛2013-04-24]<強 迫 類 非 意 図性>
確 か に 、王 淑 华,杨 仁 君(2011)の 意 見 は(4)-(5)の よ う な 典 型 的 な 用 法 に つ い て は 説 明 で き る が 、(6)-(7)の よ う な 周 辺 的 な 用 法 に つ い て は 説 明 で き な い 。 す な わ ち 、(6)の 「被 信 用 卡
(ク レジ ッ ト カ ー ド を(自 分 で申 し 込 ん で い な い の に)申 し 込 ん だ こと に さ れた)」は 、後 続 文
脈「入 手 し た 時 に はす で に 年会 費 50元 を 払 わ な け れば な ら な い こ と に な って い た 」か らわ か る よう に 、「NP1主 語+X」の 表 す 出来 事 が 事 実 で はな い が 、「X」の 表 す 出来 事 が 事 実 で あ る 。ま た 、(7)の「被 增长(住 民の 消 費 額 は 増 加さ せ ら れた)」は「X」の 表 す 行 為「 増 加 し た 」 が 何 かに 強 迫 さ れ た も の と は言 え な い の で は な い だろ う か 。な ぜな ら、「 住 民 の消 費 額 」が 意 図 性を 持 た な い 無 情 物 で ある か ら で あ る 。(7)の よ う な 用法 は 、日 中 対 照の 立 場 か ら の 研 究、例 え ば 林 璋(2010)で も「 強 制 使 役」で あ る と し てい る 。それ で は 、非 事 実 性 と 非意 図 性
18 林 璋(2010)は 中 日 対 照 研 究 の立 場 か ら 、 こ れ ら 二 つの 意 味 用 法 「 認 定 類」、「 強 迫 類 」 を
そ れ ぞれ 「 被 伝 聞」、「 被 使 役」 と 呼 ん で い る 。
は ど のよ う に 再 定 義 す る の か、 認 定 類 と 強 迫 類 は どの よ う に 下 位 分 類 を 行う こ と が で きる の か 、当 該 構 文 の 意 味 的 ネ ット ワ ー ク は ど の よ う にな っ て い る の で あ ろ うか 。
(6) 千 名 学 生 遭 遇 “ 被 信 用 卡 ” 到 手 已 欠 50元 年 费 千 人 学 生 遭 遇 す る 受 動 ク レ ジ ッ トカ ー ド 入 手 する す でに 負 債 50 元 年 会 費
(千 人の 学 生 が 、 ク レジ ッ ト カー ド を(自 分 で申 し 込 んで い な い の に)申 し 込 んだ こ
と に され 、 入 手 し た 時 に は すで に 年 会 費 50元 を 払 わな け れ ば な ら な い こ とに な っ て い た)
[凤 凰 网 2010-12-19]
(7) 北 京 房 价 物 价 高 涨 不 止 , 居 民 消 费 被 增 长 。 地 名 住 宅 価 格 物 価 騰 貴 す る な い 止 ま る 住 民 消 費 受 動 上 が る
(北 京の 住 宅 価 格 と 物価 が 騰 貴し て 止 ま ら な い た め 、住 民 の 消 費 額 は 増 加 させ ら れ た)
[地 产中 国 网 2010-11-24]
一 方、 新 型 受 動 構 文 の 表 す事 象 構 造 や 事 態 把 握 に関 す る 研 究 は 極 め て 少な く 、 一 致 した 意 見 が見 つ か ら な い 。
陈 长 书(2012)は 新 型 受 動 構 文 が 「 原 因-动作-结果(原 因-動 作-結 果)」 と い っ た 使 役 事 態 を 表 し、「X」が そ の 中 の「结果(結果)」を 表 す と 述 べ てい る 。ま た 、施 春 宏(2013)は 新 型受 動 構 文 があ る「 操 控 事 件(支 配 する 出 来 事)」を 被 る と いっ た「 蒙 受 事 件(被 る 出来 事)」19、言 い 換 え れ ば 、 主 語 指 示 物 が 「X」 に 関 連 す る 出 来 事 を 受 け る こ と を 表 し 、「X」 が そ の 中 の
「 施为事 件(実 行 す る 出 来 事)」 を 表 す と 分 析 し て い る 。陈 长 书(2012)の い う 「结果(結 果)」
と 施 春 宏(2013) の い う 「 施为事 件(実 行 す る 出 来 事)」 は 異 な る も の の よ う に 見 え る が 、 第 4 章 で 論 じ る よ う に 、 両 者 は と も に 主 語 指 示 物 の 行 う 活 動(動 的 な 動 き 及 び 静 的 な 属 性 ・状 態 を 含む)を 表 す 。
ま た、张媛(2012)は 通 常 の 受動 構 文 の 表 す 事 態 を 典型 的 な 他 動 事 態 と し、「X」が自 動 詞 、 名 詞 、形 容 詞 で あ る 新 型 受 動構 文 の 表 す 事 態 を 図 式で 表 し て い る が 、 他 動詞 に よ る 新 型受
19 施 春 宏(2013:18)は 、 新 型 受 動構 文 の 表 す 事 態 を 、[E蒙 受A+被+[E操 纵B+V+[E施 为~X~ ]]]と 表 示 して い る 。 そ の う ち 、Eは 事 態、A は 影 響 を 受け る も の 、Bは 事 態 を支 配 す る も の 、 V はBの 支 配 の 仕 方、~X~は 支配 の 内 容 を 表 す 。 詳し く は 施 春 宏(2013)を参 照 の こ と 。
動 構 文の 事 象 構 造 が 言 及 さ れず 、 自 動 詞 、 名 詞 、 形容 詞 に よ る 新 型 受 動 構文 の 事 態 構 造が 統 一 して お ら ず 、 当 該 構 文 の表 す 事 態 の 「 非 事 実 性」、「 非 意 図 性 」 と い った 「 否 定 」 の意 味 が 表示 さ れ て い な い と い った 問 題 点 が 存 在 し て いる 。 新 型 受 動 構 文 の 事象 構 造 に 関 する 张媛(2012)の 論 述 を 4.2.2で詳 し く 紹 介 す るが 、こ こ では そ の 問 題 点 を 指 摘 して お く こ と に と ど める 。そ れ で は 、新 型 受動 構 文 は い っ た い ど のよ う な 事 態 を 表 す の か、「X」の 部 分が 事 態 の中 に ど の よ う に 位 置 づけ ら れ て い る の で あ ろう か 。
本 論文 で は 、 こ れ ら の 問 題に 対 し て 、 認 知 言 語 学の 理 論 を 用 い 、 使 用 基盤 モ デ ル に より ボ ト ムア ッ プ 的 に 新 型 受 動 構文 の 意 味 構 造 を 分 析 し、 下 位 分 類 を 行 い 、 メタ フ ァ ー と メト ニ ミ ーの 面 か ら 当 該 構 文 の 意味 的 ネ ッ ト ワ ー ク を 構築 す る 。 そ の 上 で 、 新型 受 動 構 文 の構 文 的 特徴 に 反 映 す る 事 態 把 握を 解 明 す る 。
2.2.3 間接受動構文に関する日中対照研究
日 本 語の 間 接 受 動 構 文 に 関 する 研 究 は こ れ ま で 構 文的 特 徴 と 事 態 把 握 の 二つ に 分 け て行 わ れ てき た 。 構 文 的 特 徴 の 面で は 、 代 表 的 な 研 究 とし て 、 寺 村(1982)、 益岡(1982)、
Shibatani(1985,1990)、 森 山(1988)、 工 藤(1990)、 仁 田(1991,1992,1997)、 村 木(1991)、 丁
(1995,1996,1997)、 柴谷(1978,1997)、 山 内(1997)、 村上(1997)、仁 田 他(2000)、 山 下
(2001)、 影 山(2006)、 高 見 他(2000a,2000b,2000c)、 高見(2011)、 川 村(2012)など が 挙 げ ら れ
る 。 また 、 事 態 把 握 の 面 か らの 研 究 と し て は 、 主 に 堀 川 他(2003)、 町 田(2004,2005,2007)、
谷 口(2005)が 挙 げら れ る 。
一 方、 中 国 語 の 間 接 受 動 構文 に 関 す る 研 究 は 日 本語 と 比 べ て 、 そ れ ほ ど多 く は な く 、し か も 構文 的 特 徴 の 面 か ら の 研究 し か 見 ら れ な い 。 まず 、 持 ち 主 受 動 構 文 のう ち 、 目 的 語 残 存 の タイ プ に 関 す る 研 究 と して は 、李 临 定(1980,1994)、徐 杰(1999)、 鵜 殿(2005)、范 晓 (1998,2006)、 勝 川(2013)な どが 挙 げ ら れ る 。ま た、「 把 」 を 伴う タ イ プ に 関 する 研 究 と し て は 、邵 敬 敏(1983)、李 临 定(1986)、李珊(1993)、闫 娇 莲(2008)、柴 东 英(2012)な ど が 挙げ ら れ る。 さ ら に 、 第 三 者 受 動構 文 に 関 す る 研 究 は 、そ の ほ と ん ど は 数 例 を挙 げ る こ と にと ど ま って い る 。 例 え ば 、李 临定(1986)、楊 凱 栄(1989)、李 珊(1993)、 鵜 殿(2005)な ど であ る 。
さ ら に、 間 接 受 動 構 文 に 関 する 日 中 対 照 研 究 で は 、構 文 的 特 徴 か ら の 研 究が こ れ ま で中 心 的 なテ ー マ と な っ て い る 。 対 訳 資 料 に よ る も の とし て 、 中 島(2007,2012)、 凌 蓉(2005)が
挙 げ られ る 。 そ の う ち 、 中 島(2007,2012)は た だ 志 賀直 哉 の 『 暗 夜 行 路 』 とそ の 中 国 語 訳 本 を 資 料と し 、 日 中 語 の 間 接 受動 文 の 対 応 の 諸 相 を 考察 し 、 中 国 語 の 間 接 受動 文 が 成 立 する 条 件 とは 何 か を 仮 説 と し て 提起 し た 。 一 方 、 凌 蓉(2005)は 日 中対 訳 コ ー パス や 辞 書 、 新 聞 な ど から 用 例 を 集 め て 、 日 中語 の 間 接 受 動 文 の 文 法的 成 立 条 件 及 び 語 用 的特 徴 を 全 面 的に 検 討 した 。 こ の よ う に 、 前 者は 対 訳 資 料 に 限 り が ある た め 提 起 し た 成 立 条件 の 仮 説 に は問 題 が ある こ と 、 後 者 は 日 本 語の 間 接 受 動 文 と そ れ に対 応 す る 中 国 語 の 受 動表 現 が 成 立 する か 否 かと い っ た 分 析 に 偏 っ てお り 、 日 中 語 の 間 接 受動 文 と そ れ ぞ れ の 中 国語 ・日 本語 訳 と の 対 応関 係 に つ い て は 特 に 言及 し て い な い こ と 、 及び 両 者 は と も に 事 態 把握 と 関 連 せ ず、
単 に 日中 語 の 間 接 受 動 構 文 の構 文 的 特 徴 を 検 討 し ただ け で あ る こ と 、 と いう 三 点 の 不 足が 挙 げ られ る 。
日 中 語の 持 ち 主 受 動 構 文 に 関す る 対 照 研 究 と し て 、ほ か に 于 康(2012,2013)が あ る 。以 上 、 持ち 主 受 動 構 文 に 関 す る日 中 対 照 研 究 で は 、 中国 語 に も 日 本 語 の 持 ち主 受 動 文 に 対応 す る もの が 存 在 す る と い う 意見 が 見 ら れ る が 、 そ れら は す べ て 目 的 語 残 留の 持 ち 主 受 動文 に 限 られ 、「 把」 を 伴 う タ イ プに は 言 及 し て い な い 。ま た 、 日 中 語 の 持 ち 主受 動 構 文 の そ れ ぞ れの 使 用 要 因 に お い て 検討 す べ き 点 が 多 く 、 両言 語 の 持 ち 主 受 動 構 文の 体 系 に 関 する 対 照 研究 も ま だ 少 な い 。 さ らに 、 日 中 語 の 持 ち 主 受動 構 文 の 構 文 的 特 徴 、対 応 関 係 及 びそ れ ら に関 連 す る 事 態 把 握 に おけ る 異 同 点 に 関 す る 研究 は ほ と ん ど な い と いっ て よ い 。
日 中 語の 第 三 者 受 動 構 文 に 関す る 対 照 研 究 と し て 、ほ か に 大 河 内(1974,1983)、 金 田一
(1988)、 王 亜 新(1990)、 張 麟 声(2001)、杉村(2003)、 星(2011)な ど があ る 。 以 上の 日 中 対 照
研 究 では 、 中 国 語 に 第 三 者 受動 文 が 成 立 し な い と いう 定 説 に 反 す る 意 見 が見 ら れ る が 、日 中 語 の第 三 者 受 動 構 文 の 構 文的 特 徴 、 対 応 関 係 及 びそ れ ら に 関 連 す る 事 態把 握 に お け る異 同 点 に関 す る 研 究 は ほ と ん どな さ れ て い な い の が 現状 で あ る 。
2.2.4 まとめ
以 上 、日 中 語 の 特 殊 受 動 構 文に 関 す る 先 行 研 究 を 概観 し て き た が 、 以 下 の問 題 は ま だ分 析 が 不十 分 で あ り 、 更 な る 考察 が 必 要 で あ る 。
1) 日 本 語の 使 役 受 動 構 文 に 対 応す る 文 型 は 中 国 語 に おい て 存 在 し な い と さ れて い る が 、 実は 受 動 形 式 及 び 使 役 形式 の 両 方 を 伴 う 通 常 の使 役 受 動 文 す ら も ま れな が ら 見
ら れ る。 ま た 、 第 4章 、 第 5章 で 述 べ る よ う に 中 国語 に お い て 、 新 型 受 動構 文 の 強 迫 類 は日 本 語 の 使 役 受 動 文 と同 様 に 、 行 為 主 体 が 主語 に 立 つ、「 使 役 受 動 」の 意 味 を 表 す受 動 文 で あ る た め 、 使役 受 動 構 文 と し て 位 置づ け ら れ る と 考 え る 。こ の よ う に 、 使役 受 動 事 態 を 表 す 日 中語 の 三 つ の 構 文 の 間 には 、 構 文 的 特 徴 及 び 事態 把 握 の 面 に おい て 、 ど の よ う な 共 通点 と 相 違 点 が あ る の か。
2) 日 本 語の 持 ち 主 受 動 構 文 に 関す る 研 究 は こ れ ま で 、構 文 的 特 徴 及 び 事 態 把握 と の 二 つ の 面に 分 け て 行 わ れ て き たが 、 中 国 語 の 持 ち 主 受動 構 文 に 関 す る 研 究 は、 構 文 的 特 徴 の面 か ら の 考 察 し か 見 られ な い 。 ま た 、 日 中 語の 持 ち 主 受 動 構 文 に 関す る 対 照 研 究 は、「 把 」を 伴 う 持 ち 主 受動 文 を 除 外 し 、 目 的 語残 存 の 持 ち 主 受 動 文 のみ を 対 象 に 、そ れ ら の 構 文 的 特 徴 につ い て の 考 察 が な さ れて い る が 、 事 態 把 握 から の 研 究 は ほ とん ど な い と い っ て よ い。 さ ら に 、 第 4章 で 述べ る よ う に 中 国 語 に おい て 、 新 型 受 動構 文 の 認 定 類 は 行 為 主体 、 あ る い は 埋 め 込 み文 中 の 主 格 が 受 動 文 の主 語 位 置 に 来 る、 と い う 特 徴 を 持 っ てい る の で 、 持 ち 主 受 動構 文 と し て 位 置 づ け られ る と 考 え る 。よ っ て 、 中 国 語 に お ける 持 ち 主 受 動 構 文 と して の 三 つ の タ イ プ 、 つま り 、 目 的 語 残留 の タ イ プ、「 把 」 を 伴う タ イ プ 及 び 新 型 受 動文 の 認 定 類 は 、 構 文 的特 徴 に お い て日 本 語 の 持 ち 主 受 動 構文 と い か な る 異 同 点 が存 在 す る の か 。 ま た 、事 態 把 握 の 面 にお い て は 、 日 本 語 の 持ち 主 受 動 構 文 と 同 様 に、 参 照 点 関 係 を 用 い て説 明 す る こ と がで き る の か 。
3) こ れ まで 、 構 文 的 特 徴 及 び 事態 把 握 と の 二 つ の 面 から 日 本 語 の 第 三 者 受 動構 文 に つ い て 研究 が な さ れ て き た が 、中 国 語 の 第 三 者 受 動 構文 に 関 す る 研 究 の ほ とん ど は 数 例 を 挙げ る こ と で 、 日 本 語 の第 三 者 受 動 文 に 対 応 する 受 動 文 も 存 在 す る と指 摘 す る こ と にと ど ま っ て い る 。 ま た、 日 中 語 の 第 三 者 受 動構 文 に 関 す る 対 照 研 究は 、 述 語 動 詞 、主 語 と 行 為 主 体 の 有 生性 な ど の 面 か ら 、 そ れら の 文 法 的 成 立 条 件 及び 語 用 的 条 件 につ い て の 考 察 が 見 ら れる が 、 日 中 語 の 第 三 者受 動 構 文 の 構 文 的 特 徴に お い て 検 討 すべ き 点 が 多 く 残 っ て いる 。 さ ら に 、 構 文 的 特徴 の み な ら ず 、 事 態 把握 も 含 め 、 日中 語 の 第 三 者 受 動 構 文を 体 系 的 か つ 全 面 的 に分 析 す る も の は な い 。
4) 町 田(2004)、 谷 口(2005)は 日 本語 に お い て 、 第 三 者 受動 構 文 が 直 接 受 動 構 文か ら の 拡
張 で ある と み な し 、 事 態 把 握の レ ベ ル で そ の 拡 張 は動 機 付 け ら れ て い る と論 じ て い る が 、そ れ ら に 関 す る 検 証 研究 は い ま だ に な い よ うで あ る 。 使 役 受 動 構 文を も 受 動 構 文 の体 系 に 入 れ て 、 日 中 対照 の 観 点 か ら 見 る と 、そ れ ら の 論 述 に は 問 題が あ る 。