B) 図書館の建設によって期待される他の政策効果も併せて説明することによって、住 民や議会の理解を得る工夫を行った。
4. 新図書館の施設及び建設予定地の概要
現在、建設を進めている新図書館については、点字図書館とこども科学館(仮称)を含む複合 施設として、高知市の中心商店街の一角である旧高知市立追手前小学校敷地(高知市追手筋 2-1
-12)に立地することとしている。
複合施設全体の延床面積は22,797.25㎡であり、建物の高さは38.51m、5階建で、1階が点字 図書館及びエントランス等、2~4 階が新図書館、最上階にはプラネタリウムを含むこども科学館
(仮称)となっている。
新図書館としては、収蔵能力約 205 万冊(うち開架約 35 万冊)の規模であり、閲覧席は 615 席、
グループ学習室5室、静寂読書室4室、研究個室9室、対面音訳室3室を持つ。4階には、ホー ルも備え、120 人規模を収容できるスペースとしている。なお、施設のフロア構成図については、
図1に示す通りである。
なお、新図書館の1階には点字図書館を、また最上階の5階には県内初となるプラネタリウム を備えたこども科学館(仮称)を整備することとしており、新たな施設は複合施設となる。
図 1 施設の構成
施設の立地場所について、少し解説すると、敷地自体は、旧追手前小学校が立地していた場所 であり、高知城と JR 高知駅から南下する路面電車の通る大通りを東西につなぐ「追手筋」という 大通りに面している。この追手筋には、毎週日曜日になると、南側の車線を片側封鎖し、400 店 舗以上が立ち並ぶ街路市が開かれている。300 年以上の歴史を誇る南国土佐の伝統的な街路市で あり、地元の人々に愛されるだけでなく、近年は観光名所としても、多くの集客を誇っている。
また追手筋の北側には、県立追手前高校、私立土佐女子中学高校、高知県立大学の永国寺キャ ンパス、県立丸の内高校等の各学校が立ち並ぶ文教エリアとなっている。
図書館建設予定地の南側には、「帯屋町アーケード」があり、これがいわゆる県内最大の中心商
「新図書館等複合施設の概要」パンフレットより
店街である。商店街は、追手筋と並行に東西に伸びており、日々の人々の生活を支えているが、
近年、空き店舗等も目立っており、空き店舗率や通行量等の数値は厳しいものとなっている
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。ま た、アーケード街については、早朝や夜遅くなど、人通りが多くない時間帯のみ車両は通行が可 能であるが、基本的に日中は、歩行者専用となっている。なお、図書館建設予定地の西側に南北 に走る「中の橋通り」は対面通行の車道であり、南北に抜ける車で一日を通じて交通量がある。
さらにこの周辺は、飲食店も多く立地しており、夜になると、飲み屋に行き交う人々で賑わう。
特に、図書館建設予定地の東側に位置する「ひろめ市場」は観光名所としても有名であるが、居 酒屋等で構成するフードコートのような施設であり、昼夜問わず、また地元客、観光客を問わず、
多くの人が出入りし、飲食している。
ひろめ市場の東側に向かうと高知城が立地しており、高知城の向かいには、新たな県立博物館 となる「高知県立高知城歴史博物館」を平成 28 年春にオープンさせる予定で現在建設が進められ ている。高知城周辺については、歴史観光に資するエリアとして、さらなる集客を狙っている。
また、高知城周辺には、県庁や市役所といった官公庁も立地している。図2に示すとおり、東は 高知城から、北はJR 高知駅、西の南は、はりまや橋までの一帯のエリアを、高知県及び高知市で は、県・市の心臓部として認識しており、このエリア(政策上は「東西軸エリア」と呼んでいる)
の活性化は大きな政策課題にもなっている。図書館の立地場所は、その心臓部の中でも特に重要 な場所という認識が県民・市民の中に浸透しており、その点が、合築図書館の建設の議論にも大 きな影響をもたらしている。
図 2 図書館建設予定地の周辺図
旧追手前小学校の跡地である敷地は、全体としては一定の広さがあるため、図書館のみならず 他の施設の設置等による有効活用も含めて高知市では敷地の活用を検討している。旧追手前小学 校敷地及びその南側の民有地等を含めた、全体の配置計画は図3の通りとなっている。中心商店 街や周囲の道路からの人や車の流れを円滑に進めていくことも一つの課題となっており、敷地内 及び周辺の回遊性の確保に配慮した形になっている。
「新図書館等複合施設の概要」パンフレットより
図書館建設予定地
なお、図書館建設予定地の南側は民有地であるが、大型店舗が閉店した後、長らく空き地とな っていた。追手前小学校跡地の活用方針の決定とともに、民有地の開発についても話が進み、現 在では、商業施設とマンションの複合施設が建設された。
図 3 旧追手前小学校敷地内における配置計画