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第3章 総合的な学習の単元構想と授業の実際

第3節 授業の展開

(1)第一次第1〜3時(体験活動)

 子どもたちの学習の様子から,子どもたちの興味の対象は「障害者」

にあると思われる.そこで,学習を「障害者の理解」にしぼり,学習を 進めていく.学習を進めるにあたって,体験と知識のバランスに気をつ けて指導する.下記の表は,体験活動から考えられる子どもたちの学習        74

第3章総合的な学習の単元構想と授業の実際

活動である.

①授業計画

体験活動 知  識 技  術 関心・態度

車椅子に 車椅子でできる ・介助するときに ・車椅子に乗る人の気持

乗る こととできないこと 気をつけること ち,願い

・車椅子で行ける ・車椅子の取り ・どんな人が車椅子に乗 所と行けない所 扱い(ストッ るのかな

・介助があればで パー) ・どんな不便なことがある

きること ・車椅子に乗る のだろう

ときに気をっけ ・もしも自分が車いすの

ること 生活を送るとしたら?

アイマスク ・触ることの大切さ ・声のかけ方や ・目の見えない人の気持

・視覚障害者の 介助するときの ち,願い

生活を便利にす 留意点 ・目の見えない人はどん

るためにいろいろ な生活をしているのか

な器具がある. な.

・もしも目が見えなくなつ

たら?

インスタント ・体に障害がある ・声のかけ方や ・体の不自由な人の気 シニア(障 と思うように動け 介助するときの 持ちや願い

害者になる ないことや日常 留意点 ・体の不自由な人の楽し

体験) 生活にも支障が みは何かな

あることを知る. ・もしも自分が障害者に

・障害を克服する なったら?

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第3章総合的な学習の単元構想と授業の実際

器具があることを

知る.

②評価

・障害者の視点に立って車椅子やブラインドウォークを体験することができたか.

・車椅子や視覚障害者の介助の仕方が分かったか.

・校外を車椅子に乗ったり,ブラインドウォークしたり,介助したりする活動を通  して,障害者の視点に立った発見ができたか.

③授業後の反省(学習後の児童の感想は巻末資料9を参照)

・インスタントシニア体験は時間の都合で,発表会最後の時に学習のま  とめとして体験することにした.

・車椅子の介助を体育館で実地に練習するときに,地域の方からの具体  的なアドバイスを受けたり,子どもたちが質問したりする場面がみら  れた.

・校外学習では,4人グループに一人地域の方または保護者が一緒に行  悪した.そのため安全面が確保された学習となった.

(2)第二次第1〜3時(課題設定1)

①ねらい

 体験活動から興味のあることをウェビングやKJ法によって,明確に し,自分の学習目標を立てることができる.

②準備物

 カード,ネームプレート

③展 開

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第3章総合的な学習の単元構想と授業の実際

学習活動・内容 1体験活動の感想を発表する.

2「車椅子,ブラインドウォーク,インスタン トシニア体験」というキーワードにしてウェビ ングをする.

3自分のウェブ図を見て,今後学習した

いものをカードに書く.

4カードを黒板にはり,話し合いながら分

類する.

5分類したものからテーマを作り,そのテー マの中から学習課題を選ぶ、

教師の働きかけ まなびノートを参考にさせる,

ウェビング用のプリントを配る.まわ りの友達と話しながら作業をしても よいが,相手を批判しないように注

意する.

一人2枚カードを配り,書き上げ たカードを黒板にはらせる.

まずは,明らかに違うものに分けさ せ,次に関係のあるものを結びつ

けていく.

黒板にあるまとまりを見ながら,自 分の調べたいテーマを選ばせグ

ルーピングをする.

④評価

・体験をもとに発表することができたか。

・自分の考えをウェビングにより構造化することができたか,

・知りたいこと,考えたいことを選ぶことができたか.

・カードの分類では,弁別,関連付けができたか.

・体験と結びついた学習課題を立てることができたか.

⑤変更について

・ウェビングのキーワードを「障害者」に変更.子どもたちの体験活動  の感想を見ると怖い、おもしろかったなどが多くみられる,そこで,

 キーワードが体験と同じものであると,その感想が中心となり,そこ  から具体的に調べたいことを見つけ出すことはむずかしいように思

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第3章総合的な学習の単元構想と授業の実際

 われた.そこでキーワードを変更した.

・子どもたちがウェビングに慣れていないこともあり,まずは黒板に  キーワードを書いて思いつく言葉を発表させた.いくつか発表させた  後,一人一人がプリントでウェビングを行った.

・ウェビング,体験活動の感想,昨日考えた課題をみくらべ,子どもた  ちに自分の調べたいものを2つ挙げさせた.なるべく具体的になるよ  うに「〜の〜」とするように助言した.書き上げたカードを黒板には  る.その時には、同じような仲間に分けながらはるようにして,大ま  かなカテゴリー分けを教師と子どもと話しながら行った.

・出来上がったものを概観すると,障害者の立場にたった課題があまり  多くなかった.そこで,障害者の立場にたっている課題を子どもたち  に紹介し,「立場を換えて考えているところがすばらしい」と褒めた.

 その後,自分の調べたい課題をひとつに絞るようにした、

⑥授業記録(一部)

T一部でもいい.感想を言ってみて.

C車椅子の車を段差にあげるところで苦労した.

T初めだけどよくがんばってくれたね.

C目を隠して歩いていると車の音が怖くて,障害者の気持ちがよくわかった.

T今度は男子だね.S君.

C 目隠しをしたときどこにいるのか分からなかった.誘導するときうまくできなかった  ので思ったよりむずかしかった.

C車椅子は段差があると大変だけど,平らな道は簡単だった.

T4人組に集まって.グループでお互いに感想を言い合ってください.

〜グループに分かれて,感想を言い合う.教師は3人でグループを回りながらうまく

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第3章総合的な学習の単元構想と授業の実際

 言い合っているかを確認する.〜

Tただ読むだけでなく,自分と同じ事を書いているかどうか確認しながら聞いてく  ださい.聞くときの注意.昨日感想を読みながら思ったことだけど,自分が車椅  子に乗ったり、ブラインドウォークしたりしたときは怖かったと書いていた.そして  介助したときは一生懸命介助したと書いていました.そして介助した相手にどう  だったかと聞いて人は何人かしかいなかったね.一生懸命したのにショックだっ  たと書いていた人もいました.怖かったから一生懸命したと書いた人もいました.

 まだの人は聞いてみてください.もう5分ぐらい.

〜教師は再びグループ問を回る〜

T介助するときに一生懸命やった人,相手のことを考えた.手を挙げてください。

 (挙手9割)

 ほとんどの人は相手のことを考えてやった。一生懸命やったね.車椅子に乗っ  たり,ブラインドウォークをしているときに怖いな,とか不安になったりした人,手を  挙げてください.(挙手9割)

 このことについてどう思いますか?みんなは一生懸命してもらったけど,みんな怖  かったり,不安に感じたりしたんですね.ちょっとずれがあるね.なんでずれてい  るのかを考えてみるとこれからの勉強に役立つと思います.

それでは,障害者から連想するものを発表してください.

C点宇ブロック,音の出る信号,

Cつけ加えがある.もって歩く杖。

C車椅子.

C車椅子から段差.段差から階段.車椅子から車椅子用のエレベーター.

C障害者から五体不満足.五体不満足から乙武さん.

C電動椅子.

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第3章総合的な学習の単元構想と授業の実際

T電動椅子?あ,乙武さんの乗っているやつね.

C車椅子から手足の不自由な人.手足の不自由な人から福祉,福祉からボラン  ティア.手足の不自由な人から介助犬.車椅子から車椅子専用のトイレ.ス  ロープ.

Cパラリンピック.

Tパラリンピックを書いている人は少なかったね.

C第二次世界大戦から手のない人.手のない人から足のない人.

C第二次世界大戦からヨーロッパ.ヨーロッパから政治.政治から憲法.憲法か  ら障害者権利宣言.障害者権利宣言から公共.

C知らん言葉がある.

C知的障害からなかよし学級。なかよし学級からH君.

T障害という大きなくくりだけど知的障害というのもあるね.体が不自由な人は?

 そう身体障害者.

C視覚障害者.

T耳は?

C聴覚障害.

Tいろいろ種類があるね.ほかには.

C障害者から耳の不自由な人.耳の不自由な人から,週刊ストーリーランド.

Tストーリーランドって?週刊ストーリーランド?そんなお話があったの?

C違う,違う.下に字が出る.

Tあ,なるほど.

C振り仮名もつくよ.

Tほカ、には?

C介助犬から手足の不自由な人.介助犬から介助ザル.

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