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思考力を高める授業づくり

ドキュメント内 イラレ8_表紙No4-A4 (ページ 103-107)

鈴木文悟・平位俊彦・大西裕人・鈴木幸子・澤村信次郎・鬼頭和代・福田誠・川合久美子・中野容子 村瀬慎一・神谷弘子・角卓也・岡田有希子・奥村彰敏・神保えみ・高山嬉加・山本暁太

荒井あゆみ・サルバジョン有紀・近藤奈美・佐久間三穂

(中学校学力向上研究グループ)

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的に大きく異なるため、ただ息を吹き込むだけで音が出 るものではない。

 音を出すための工夫、美しい音で吹くための工夫が必 要である。「よく音を聴く」という点を十分に意識させ、

よりよい音色を目指していく練習の過程で、さまざまに 思考するよううながす授業を目指した。

④ 10月26日(月) 第6限 中等部1年C組 理科

学習内容「いろいろな力の世界」

サブテーマ「発問の工夫」

授業者 中野容子 教諭

 これまで実践を積み重ねてきた「○  (はてな)の時間」 の基本的な発想は残しつつ、授業者からの一方的な伝達 ではなく、学習者自身が能動的に考える時間をできるだ け多く持てるように授業内容や展開、発問を工夫するこ とで、学習者自らが科学的な思考を育てようとする姿勢 が育つような授業づくりを試みた。

⑤ 11月30日(月) 第6限 中等部3年D組 社会

学習内容「私たちと経済 市場の働きと経済」

サブテーマ「論理的思考を促す資料活用の工夫」

授業者 山本暁太 教諭

 思考力は「資料の分析」「立論」「事例の確認」という 手順を通じて体得されるという仮説をもとに、身近な商 品の価格から経済の仕組みを考える授業を試みた。青果 の卸売価格と取引量をグラフ上に表し、需要と供給の関 係から価格が決定するメカニズムを読み取ることで思考 力が育成できると考えた。

⑥ 2月5日(金) 第5限 中等部1年B組 美術

学習内容「想像の世界を描く」

サブテーマ 「想像力を膨らませ自由な世界を描こ う」

授業者 近藤奈美 教諭

 現実には起こりえない夢の世界を想像し、詩や物語か ら想像をふくらませて、その想像した世界を絵として表 現することを求めた。

 さまざまな描画技法を用いて絵を描くことによって制 作者の表現力を伸ばし、自らが描いた作品の中から、創 作することの面白さを感じたり、美術作品を創作する活

動に新たな発見ができたりするはずであると考えた。

(3)第27回研究発表会

① 日時:2月22日(月)

午後1時20分〜午後4時50分

② 研究授業 第5限 中等部1年A組 数学

学習内容「式の計算(多項式の計算)」

テーマ 「『生徒の活動』を柱とした授業の展開 〜 主体性を育むための授業づくり〜」

授業者 澤村信次郎 教諭

 来年度より展開される新しい授業をどのようなものに するかに主眼を置いた授業づくりを目指した。授業の柱 として「生徒の活動」を位置づけ、その主体性を育むこ とで、基礎期においては高校課程の数学につながる基礎 基本の定着に加え、興味・関心の向上と学習サイクルの 確立が図れるはずである、との提案型授業である。

③ 研究授業 第6限 中等部1年D組 国語 教材名 「物聞く術」

テーマ 「『読解アイテム』を活用した読む力の育成  〜論理的思考力の基礎を養う〜」

授業者 大西裕人 教諭

 評論文における叙述の型を「読解アイテム」と名づけ、

それを活用することによって生徒自身がキーワードを見 つけ、主体的に読む力を育成したいと考えた。言語力重 視の新要領の中で、「読む・書く・話す・聞く」の4技能 を効果的に組み合わせた豊かな言語活動を国語科で組み、

各教科の探究活動を支えていきたい。

④ 研究発表

 1)研究授業について

「『生徒の活動』を柱とした授業の展開 〜主体性 を育むための授業づくり〜」

発表者 数学・澤村信次郎 教諭  2)研究授業について

「『読解アイテム』を活用した読む力の育成 〜論 理的思考力の基礎を養う〜」

発表者 国語・大西裕人 教諭

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3)今年度の研究活動について

「思考力を高める授業づくり」

発表者 福田誠 教諭

(4)夏期研究合宿

① 日程:8月4日(火)〜8月6日(木)

② 訪問地:三重県菰野町

③ 研究協議

「思考力を高める授業づくり」について

(5)視察研修①

① 日 程:6月11日(木)

② 研修先:洗足学園中学・高校

③ 研修者:澤村信次郎、福田誠

④ 参観教科:音楽、英語、数学、社会、総合等  学園内外に非常に落ち着いた雰囲気があり、音楽大学 との併設校ということで、どこか芸術的な空気の漂う キャンパスであった。テレビドラマの舞台になったのも うなずける

 帰国子女を多く受け入れている学校だけあって、中学 1年生からネイティブのナチュラルな英語だけで進めら れる授業もあったが、全体としてはどの教科でも「チャ イム to チャイムの徹底」や「毎回の授業で必ず宿題を 提示し、次時へのつながりを大切にすること」など、

「日々、教師として当たり前に行うべきことを授業の中 で確実に実施し続けることの大切さ」を再認識させられ る授業の連続であった。

 本校生徒の様子と比較しても、必ずしも活発な発言が 飛び交う授業ばかりとは言えないが、授業に取り組む生 徒一人ひとりの様子は非常に落ち着きがあり、中高問わ ず、「まなび」に対する粘り強い姿勢が見受けられ、研修 者2名とも大いに感銘を受けた。

 先生方からうかがうお話の中では、必ず学年の担任団 として目指すべき生徒像が明確に意識されており、また 同じ学年のどの先生からうかがうお話からも、その意識 を共有しておられることが強く感じられた。

(5)視察研修②

① 日 程:11月9日(月)

② 研修先:鴎友学園中学・高校

③ 研修者:岡田有希子、山本暁太

④ 参観教科:国語、社会、数学、英語、園芸等  鴎友学園の実践で特徴的なものを報告する。

 英語は、「英語圏の子どもが自然に英語を身につける

ように英語を学ぶ」ことを目指して、中学1年生からす べて英語だけで授業が進められていた。授業は集中する ことこそが大切で、分からない部分があるのは当然とい う授業観には驚かされた。保護者からは不安の声もある ようだが、学校の教育方針については、入学前はもちろ んのこと、入学後も繰り返し説明し理解を求めていると のことだった。

 鴎友の教育を象徴する科目が情操教育の一環として 行っている「園芸」である。野菜や花を育てる活動を通 じて、生命を慈しむ心を育もうとする試みである。2名 の専門教員を配置し、テキスト作成から雨天時の対策ま で、綿密に練られた計画のもとで、生徒が生き生きと土 に触れている様子が印象的であった。

 どれほど理想的な教育内容やカリキュラムでも、それ が学習効果を生み、生徒の力を引き出す実践として継続 されなければ意味合いは薄い。

 新たな挑戦や問題解決の場面では、非常勤講師も交え た教科や科目の会議を行っているとのことで、こうした お話からも日々不断の努力が続けられていることがよく うかがえた。

5.成果と課題

(1)思考力を高める授業づくりについて

 1年を通じて研究テーマを統一した中で、各教科の思 考力についてさまざまに工夫を凝らした実践を積み重ね ることができた。

 授業者や研究係会のメンバーだけでなく、他の先生方 にも係会の議論やマイクロティーチングに参加していた だくことにより、それぞれの教科が有する思考力の中身 の違いについて共に考える機会を持つことができ、その 積み重ねが各自の授業実践につながったものと認識して いる。

 それぞれの教科の思考力については、夏期研究合宿に 向けて、参加全教員に1学期の授業実践レポートを作成 していただいたことで、更に明確に意識されるように なったと考える。

 今後こうした取り組みをどのような形で継続し、その 内容を更に高めていくことができるかどうか、というと ころが課題である。

(2)本校が考える思考力について

 思考力を単に学習活動の中だけでとらえようとすれば、

すぐさま「教科の特性」という壁に阻まれて共通認識を 持つことが難しくなる。すなわち、論理的思考力、科学 的思考力、数学的思考力など、それぞれの教科がとらえ る思考力の中身に違いがあるからである。

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 こうした点については夏期研究合宿でずいぶんと時間 をかけて議論を深め、その議論の中から、思考力には教 科を超えて共有できるものと、教科によって変わってく る部分があるという点に関して共通理解を得ることがで きた。

 1年間の研究活動を通じて、「思考力とは自らの知と 知を結びつけて、新しい知を『ことばとして』つくり出 すことのできる力」と定義することができるのではない かと考えた。

 しかしながら、思考力の定義づけをすることが私たち の最終的な目標ではない。

 今後は、この1年の研究が私たちの更なる授業改善へ とつながり、また生徒の「生きる力」に結びついていく よう努力を続ける必要がある。

研究授業(澤村教諭)

研究授業(山本教諭)

研究授業(大西教諭)

第27回研究発表会 研究授業(中野教諭)

公開授業(近藤教諭)

ドキュメント内 イラレ8_表紙No4-A4 (ページ 103-107)