石倉瑞恵・下木戸隆司・白井靖敏・遠山佳治(代表)・原田妙子・宮原悟・幸順子
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3.結果および考察
各研究教員における授業評価方法を検討する中から、
下記の3点の課題が見えてきた。
・成績評価は成果志向(目標到達度)とプロセス志向
(個人的進歩度)の融合が望ましいと思われるが、能 力評価(テスト結果等)とプロセス評価(ポートフォ リオ等)をどのように組み合わせていくのが一番よい のか。
・一科目の評価・到達点と各学部学科の卒業の到達点(保 育士像等)との関連性(評価手段を含め)をどのよう に図っていけばよいのか。
・各授業で予習・復習を行わせる工夫の実践(予習ノー ト、予習カード等)をどのように進めていけば効果的 なのか。
『ラーニング・ポートフォリオー学習改善の秘訣』の読 み合わせからは、先進的な外国の事例を知ることができ た。とくに、アメリカで行われ始めた、学生がどのよう な形で主体的に学習に関わったのかという度合いで学士 課程教育の質を測定するNSSE(スチューデント・エン ゲージメント全国調査、National Survery for Student Engagement)に注目をした。そこで、本学学生における
主体的学習度合を測定するために、NSSEを和訳し、本 学用に改変したものの作成を進めている。
その他、成績評価の厳格化に伴い「GPA導入」につい ても検討した。その制度については利点・欠点があって 賛否両論あり、本学における導入についても難しい面が あることが確認された。
また、本研究のテーマに絡み、先進的な事例を本学に 紹介していただきたいという趣旨で、総合科学研究所主 催の講演会講師を推薦させていただき、「ポートフォリ オの電子化」に関する講演内容が聴くことができ、参考 になった。
4. おわりに(今後の課題)
前項で示したように、本学学生の学習状況および学士 課程教育における問題点を具体的に把握することが第一 である。その考察結果を踏まえ、学習ポートフォリオを はじめ本学学生用の評価手法を具体化し、評価方法マ ニュアルづくりを一歩一歩進められるよう、研究を推進 していくつもりである。
(文責 遠山佳治)
『ラーニング・ポートフォリオ』表紙
NSSE 2009 アメリカ英語紙のバージョン
「http://nsse.iub.edu/pdf/nsse09̲color̲sample.pdf」
プロジェクト研究中間報告
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1.はじめに
本研究の目的は、新任教員の抱える困難感を調査検討 し、各自治体の教育委員会が行っている初任者研修(以 下、初任研と略記)による自治体の適応援助システムの 調査を通して、新任教員への適応援助の在り方をさぐる ことにある。新任教員の離職者数が平成16年以降急増 している。山崎1は「初任校でどのような研修を受ける かは、その後の教員としての資質や指導観に大きく影響 する。教員としての成長は、初任校での研修によって左 右されるといっても過言ではない」と述べている。今後 の教育の向上を考える時に、教員養成の質の充実および 新任教員へのよりよい支援は重要である。
(1)1年以内に離職する新任教員の増加
文部科学省は、毎年「条件附き採用について」として 教員採用試験に合格しながら、1年以内に離職してし まった教員の人数の統計をとっている。表1は、平成15 年度からの推移を表にまとめたものである。それによる と、平成15年から5年間に離職者数は3倍になり、連続 して過去最多を更新している。
表1 新任者の離職の推移2
離職者数は増加しているが、採用者数も増えているた め、離職率、および病気による離職者の割合を計算した。
それが表2である。
表2 新任者の離職率の推移の割合
離職率を見ると、平成19年の1.38%をピークとして、
20年度に1.32%と初めて減少に転じている。同様に増 加し続けていた病気による離職者の割合も、平成19年の 0.47%をピークに平成20年度に初めて0.39%へと減少 に転じている。各自治体、各学校における新任教員への 適応援助の努力が実を結びつつあるのかもしれないが、
今後の推移を見つつも、引き続き新任教員への適応援助 を推進する必要がある。
(2)教師のメンタルヘルスの悪化
表2でわかるとおり、離職理由で最も多いのは依願退 職である。中でも「病気」を理由とした依願退職者は、
平成16年以降約3〜4割を占めている。新任教員の「病 気」の内容はあきらかではない。しかし、教員全般に病 気休職者が増加していることと、その休職者の6割が精 神疾患によるものであるという文部科学省の統計3から、
「病気」の多くが精神疾患によるものであることが推察 できる。教員のメンタルヘルスの研究を行ってきた保 坂4は、ある市の教育委員会の協力によって、公立小中 学校の教員の1年間の休職者と30日以上の病気休暇者