3. マクロマネジメントのための補修量予測法
3.5. 将来予測法の使用例
本節では,モデル路線での試算を例に構築した将来予測手法の使用方法を示 す.構築した将来予測手法による,ひび割れ発生面積Acrackの予測手順を図 3-29 に示す.まず,対象構造物を変状原因ごとにグルーピングする.次に,次式で変 状原因ごとのひび割れ発生面積を算出する.なお,構築した手法はコンクリート の中性化,コンクリート中における塩化物イオンの拡散のばらつきを考慮する 手法であるため,構造物の表面積を評価指標とする.
A d
A
crack
crack (3.13)ここに,Acrack:ひび割れ発生面積[m2]
dcrack:ひび割れ発生割合
A:評価対象面積[m2]
図 3-29 路線全体のひび割れ発生面積の算出手順 ひび割れ発生割合dcrack×評価対象面積A
対象構造物のグルーピング 対象構造物の設定
ひび割れ発生面積Acrackの算出
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試算を行うモデル路線を図 3-30に示す.鉄道トンネルの維持管理では,はく 落の評価対象範囲はスプリングライン以上を目安としている 17)ことから,本検 討では図 3-30 a)に示す範囲を評価対象範囲とした.ここで,側壁下部では列車 走行の影響によって塩分混じりの漏水が飛散するなど,上床と側壁では材料劣 化の進行速度が異なる可能性があるため,今後もデータの蓄積を図る必要があ ると考える.
図 3-30 モデル路線の概要 塩害
中性化 中性化
A駅 B駅 C駅
4.0m
4.5m 評価対象範囲
12.5 m2/m = 4.0m ×2 + 4.5m/2 ×2
感潮河川
延長 /評価対象面積A
■G1中性化(漏水あり) [ 0.50 km / 6,250 m2]
■G2中性化(漏水なし) [13.45 km / 168,125 m2]
■G3塩害 [ 0.05 km/ 625 m2] b) モデル路線縦断図
a) 評価対象面積
塩害 中性化
中性化 中性化
A駅 B駅 C駅
4.0m
4.5m 評価対象範囲
12.5 m2/m = 4.0m ×2 + 4.5m/2 ×2
感潮河川
延長 /評価対象面積A
■G1中性化(漏水あり) [ 0.50 km / 6,250 m2]
■G2中性化(漏水なし) [13.45 km / 168,125 m2]
■G3塩害 [ 0.05 km/ 625 m2] b) モデル路線縦断図
a) 評価対象面積
中性化
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モデル路線のグルーピングは,感潮河川と漏水状態に着目して行った.主な劣 化現象は,感潮河川付近の漏水箇所では塩害を,その他では中性化を仮定した.
なお,腐食生成物の体積膨張率rは2.5とした.
モデル路線の将来予測結果を図 3-31 に示す.予測されるひび割れ発生面積
Acrackは経年100年で1 861 m2であり,その割合は1 %程度と限定的であると試
算することができる.以上により,本研究で構築した将来予測手法を用いて,補 修数量を計画する際の指標となりうる,経年とひび割れ発生面積Acrackの関係を 算出できることを例示した.
図 3-31 ひび割れ発生面積Acrackの推移 0
4,000 8,000 12,000 16,000
0 20 40 60 80 100
ひび割れ発生面積[m2 ]
経年[年]
100年で1%ひび割れ発生 175,000
ひび割れ発生面積Acrack[m2 ]
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