第 5 章 クレーム交渉談話における客側の説得方略に関する日中対照研究
5.5 分析
5.5.1 クレーム交渉場面における客側の説得方略の用例
5.5.1.4 哀願
【CN3】
11S哦。这样啊。
12S你是不是不小心按到关机的按键了啊?
13C没有。没有。
14C这个手机我买了一个礼拜都不到,你给我换了吧。
15S 你买的时候我售货员肯定跟你说过的,除非3天内机器本身的出现的问题,否则不退 不换的。
16C 这还不是机器本身的问题啊?
17S 不是,这个厂家没检查过不好说的。
18S因为我们这个机器,给你退了我们也不能卖给别人了。
19S你看,因为这个保卡每个手机都有一个的。
20S保卡,保卡都被记录过的。所以只能退回厂家,不能卖给别人的。
21C你看看能不能商量商量。
22C那你说我花了这么多钱,买一个回去也不能用,也挺不舒服的。
23C真的是没办法。
24S 我们也理解您。
25S但是一定要厂家检查过的。
26C 你看我又不是要退。
27C就是想换一个能用上的。
28C 要不就真浪费了。
29S这样吧,我问问我们领导。
30C 恩。
日本語訳文
11Sそうですか。
12S気づかないうちに電源のボタン押したのではないでしょうか?
13C押していませんでした。
14Cしかもまだ購入して1週間も経っていませんので、交換をしてください。
15Sご購入いただく際に、うちの営業員がきっと説明したと思いますが、初期不良以外 でのご返品ご交換は、お受付致しかねます。
16Cでもこれって明らかな初期不良でしょう。
17S いえ、それはメーカーさんに見てもらわないと、何ともいえないですね。
18Sこの携帯電話は返品された後、私達は他のお客様に販売はできなくなりますので。
19Sこちらの(保証)カードは1つの携帯電話に対して1つですから。
20S こちらのカードはもう登録されているので、メーカーに戻すだけで、他のお客様に 販売することができないのです。
21Cなんとかしてくれないんですか。
22Cせっかく高いお金を払って買ったのに、本当に納得がいかないんですよ。
23Sそれは仕方がないですね。
24Sお気持ちは分かりますが。
25Sでもメーカーさんに見てもらわないと
26C別に返金してもらうつもりではありませんよ。
27Cちゃんと使えるものと交換してもらえたらいいんです。
28Cじゃなかったらもったいなさすぎだし。
29Sじゃあ、上司に聞いてみます。
30Cはい。
CN3は購入したばかりの携帯電話に不具合が発生したので、店側に交換してもらうため に交渉する会話である。
客側は店員を説得するために、哀願の語調で発せられた21C の「なんとかしてくれない んですか。」と22Cの「せっかく高いお金を払って買ったのに、本当に納得がいかないんで すよ。」で相手に哀願する。
それに対して、サービス関係者は「それは仕方がないですね。お気持ちは分かりますが。
でもメーカーさんに見てもらわないと」と言って、客側の要求を断った。その態度を見て、
客は26Cの「26C別に返金してもらうつもりではありませんよ。」と27Cの「ちゃんと使え
るものと交換してもらえたらいいんです。」のように妥協案を出した。そして、また28Cの
「じゃなかったらもったいなさすぎだし。」と言って同情心に訴えて、自分の行動に対して 相手の理解を求める方略が用いられている。
その哀願に対して、店員が29S「じゃあ、上司に聞いてみます。」と言って、妥協する態 度を示す。従って、CN3の場合、「哀願」は客側が自分の要求を達成させるための効果的な 方略だったと言えるだろう。
【CN5】
53C我不要什么洗衣卡。
54C我不想在你们这里洗衣服了。
55C你赔钱给我吧。
56S你看,我们也是想以后做你这个生意。
57S赔现金的话 300块 肯定是不行的。
58C我一个好好的包,上千块的、说不能用就不能用。
59C我们也是打工的,谁挣钱也不容易啊。
60S我们也是打工的,挣钱也不容易。
61C你们开门做生意,要讲信誉。
62C你们这样对待顾客店也开不下去。
日本語訳文
53Cクリーニングサービス券なんかは要りません。
54Cもうここに二度とクリーニングを出したくないです。
55C賠償してください。
56Sこれからもお客様にご利用いただければと思うんですが。
57Sでも現金で300元をお返しするのは本当に難しくて。
58C私の1000元もしたこんないい鞄、全く使い物にならなくなっちゃったんですよ。
59C私雇われの身だからお金稼ぐの大変なんですよ。
60Sそりゃ私もそうですから、お金稼ぐのは大変ですよ。
61Cでもあなた方は商売をやっているから信用がなによりも大切でしょう。
62C客にこんな態度を取るなら、商売は長く続かないと思いますよ。
CN5は一度クリーニングに出した鞄が壊れて戻ってきたので、店側に賠償を求めるため に交渉する談話である。客側と店側は何度も交渉のやり取りをしたが、なかなか合意が形
成できない。それで、客側は59Cの「私雇われの身だからお金稼ぐの大変なんですよ。」の ように相手に哀願することで、同情心を求める方略を用いる。
それに対して、店員は60Sの「そりゃ私もそうですから、お金稼ぐのは大変ですよ。」と 言って、同じ方略を使って言い返す。従って、「哀願」と言う方略がどこまで受け入れられ るのかについては、個々の店によるということが分かる。